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少年と殺人鬼
日時: 2010/05/13 22:02
名前: カラマワリスト (ID: MT1OWC7F)








初めての小説です。
暇つぶしにでも見てやってください。



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Re: 少年と殺人鬼 ( No.1 )
日時: 2010/05/13 22:07
名前: カラマワリスト (ID: MT1OWC7F)

我が妹は殺人鬼である。

比喩だの例えだのではない。
いや、2つとも意味同じか?まあいいや。

殺人衝動を持つ立派な殺人鬼。
それが我らが末の妹、美冬だ。

俺の両親は2人とも他界しているし、
4人兄妹の真ん中2人、千夏と千秋は
実家の祖母の要望で奉公に出て行っているので
たまにしか家に帰って来ない。
飼いネズミのダニエルは日本語を理解しないが、
殺気の様なものを感じる事は出来るらしい。

だから現在、殺人鬼の正体を知っているのは
俺とダニエルだけという事になるのだろう。

Re: 少年と殺人鬼 ( No.2 )
日時: 2010/05/14 18:27
名前: カラマワリスト (ID: MT1OWC7F)

その1〜カレーライスと殺人衝動〜

そもそもの事の発端は10月21日の調理当番である
この俺、空波春樹
(カラナミハルキと読む。決してソラナミではない)
が10月21日午後5時ごろ
カレーライスの材料をスーパーで調達、
まっすぐ家に帰ろうと商店街を
ブラブラフラフラ歩いていた時まで溯る。

肩甲骨まである茶髪のストレートに
化粧っ気の無い幼い顔立ち、身長推定160前後の女子
・・・というか美冬が目の前の金物屋から出てきた。

「あ、お兄ちゃん」
「・・・」
「どうしたの?」

いや、別にさほどおかしな所は無いのだが、
何故妹が金物屋に行かねばならないのか、
理由が分からない。皆目見当つかない。
鍋にはまだ穴は空いていないぞ。

「何してたんだよ?」
「ああ、これオーダーメイドしたの」
そう言って、彼女がカバンから取り出したのは、

禍々しいデザインの大きなナイフであった。

「・・・何に使うものですか」
緊張のため、敬語になってしまった。
「え?・・・いや、別にいいじゃんこんなの!」
「よくねーよ。1ミリもよくねーよ。
だってこれ、下手すりゃ銃刀法違反っぽいぞコレ」
「観賞用なんだもん!ギリでセーフだもん!」
「ところでこのナイフ、変わった形だよな」
「でしょ?あたしがデザインしたのよ。
 より早く、振り易くする事を重点において・・・」
「やっぱ戦闘用じゃねーかよ!」
殺傷事件でも起こす気かよ!?
「・・・いや、その・・・」
決まりが悪そうにあたりを見回す美冬。

「詳しくは家でってことにするけど、端的に言えば」

殺人衝動、なんだよね。

と、美冬はささやくかのように言った。

Re: 少年と殺人鬼 ( No.3 )
日時: 2010/05/16 11:50
名前: カラマワリスト (ID: MT1OWC7F)

「いやーあのね?
 要するにまずはカレーを食べたいの」
「いやーあのさ?
 俺は『殺人衝動っつーのはどゆこと?』
 って聞いたんだけどな」
そう言って俺は頭をポリポリ掻く。
「分ーったよ、まずは食え」
「いっただっきまーす」
カレーをぱくつき始める美冬。

関係無いかもしれないが、いや関係ないだろうが
俺はカレーはそのまま食う。
千夏はマヨネーズ。
千秋は卵と醤油。
美冬はルーとご飯を別々の皿に入れて出さないと怒る。
何で好みがここまで分かれるのか不思議でたまらない。
遺伝ではあるまい。

「ごちそーさまでした」
「おう」
「・・・それで、その・・・ナイフの件だけど」
「皿を流しへ持っていってからな」
「・・・」
美冬は何も言わず皿をキッチンの流しへ持って行った。
よろしい。
「ついでに俺のも持っていてよ」
「・・・・・・」
美冬は何も言わずに俺の皿も持って行って戻って来た。
「それで、」
「水につけた?」
「・・・・・・・・・」
美冬は何も言わずに皿を水につけるべく、
キッチンに向かった。


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