ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 少年と殺人鬼
- 日時: 2010/05/13 22:02
- 名前: カラマワリスト (ID: MT1OWC7F)
初めての小説です。
暇つぶしにでも見てやってください。
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.9 )
- 日時: 2010/06/11 23:00
- 名前: カラマワリスト (ID: saz7BosX)
「その友達って男?女?」
「美冬、今日暇だったら
友達の誕生日プレゼント選びに付き合ってくれねえか?」
「女だよ。広報委員長なんだけど知らねえ?」
「ふーん、そーかそーか」
「なんだその顔」
「べっつにぃ〜」
俺達の住む町はニュータウンである。
町自体には大きなショッピングセンターなんてないが、
地下鉄で少し行くと大きめの都市に出る。
ちなみに同じ地下鉄で逆方向に行くと
我らがお婆の住む田舎に着く。
今日美冬と来たのはもちろん前者の都市だ。
お婆の家周辺にはちっちゃな商店街しかない。
朝の内にショッピングセンターを一通り歩き回り、
昼食にとファーストフード店に入る。
美冬は「この美しいボディーラインが崩れる」
だとか何とか言っていたが、
そのほとんど凹凸のないラインには心配要らなそうだ。
まあ、そんな事を言えば殴られるだけなので
「その美しく強靭なラインはそう簡単に崩れないだろう」
とか何とかと言いくるめ、ハンバーガーを注文する。
実際には安いからの一点に尽きるけどな。
午前の内に決まればよかったが、残念ながらそうはいかなかった。
仕方ないので少し歩いて別の店へ行く。
そこでようやく、あいつにピッタリだろうという
髑髏マークの禍々しいアクセサリーを見つけた。
値段が少し気になったが、思い切って購入。
代価として俺の明日の昼飯を食べる権利は無くなった。
「その友達って、それ貰って喜ぶような人なの?」
「多分な」
「その人、パンクか何か?」
ごく普通の変人だよ、美冬。
「あ、お兄ちゃん、あたしちょっと寄る所があるから」
「は?もう夜だぞ?」
「夜ごはんは食べて帰るから、じゃあね!」
「おい、美冬!」
気にせず美冬は走っていく。
俺ん家周辺と違い、かなり通行人が多い。
またたく間に美冬は見えなくなった。
けど、
「・・・・・・」
俺は人ごみをかき分けて進む。
美冬はすぐに見つける事が出来た。
時刻は黄昏時。
俺は美冬に気付かれない様、美冬を尾行し始めた。
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.10 )
- 日時: 2010/06/13 22:07
- 名前: カラマワリスト (ID: HW2KSCh3)
右。
左。
左。
左。
また左に曲がったところで気付く。
美冬は、俺から見て100mくらい先のカップルを尾行している。
「・・・・・・何でだよ?」
美冬の表情は分からない(真後ろだからね)。
なので一体何が目的なのかは不明。
カップルはだんだん人気の無い通りへ。
ってかビルとビルの間、かなり狭い路地へ。
美冬も隠れながら奥へ。
俺も隠れながら奥へ。
・・・多分、これは、アレか。
美冬は分かって尾行けてるのか?
覗くつもりか?
覗きを観察するなんて俺は嫌だぞ。
カップルが角を右に曲がる。
数秒間、美冬は立ち止った。
美冬も右に曲がる。
・・・数秒、間をおく。
角からちらりと美冬の様子を覗く。
美冬は、普通に立っていた。
足元には血だまりが広がっていた。
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.11 )
- 日時: 2010/06/14 22:50
- 名前: カラマワリスト (ID: HW2KSCh3)
血。血液。ブラッド。赤い液体。命の源。吸血鬼の飯。
どう表現しても、そのモノは変わらない。
カップル2人の血。
バラバラになった『部品』。
・・・・・・・死んでしまった2人。
「——美冬っ!!」
「!!おっ、お兄ちゃん!?」
驚いた表情で振り返る美冬。
その手には——ナイフ。
血にまみれたナイフ。
「・・・お前」
「・・・・・・・っ!」
美冬はナイフを下に落とした。
「違うの、これは・・・違ッ・・・」
美冬はみるみる顔をゆがめ、
路地から飛び出した。
「美冬!?」
返事は、無い。
「・・・おいおい、この人達どうしろってんだよ」
返事は、無い。
とりあえず血だまりを踏まない様、
慎重にナイフを取り上げる。
着ていたパーカーを脱ぐとそれでナイフを包み、
持ってきていたバッグに入れる。
血だまりに美冬の足跡がある。
今度は靴を脱ぎ、靴下を脱いで
それで足跡をなるだけ綺麗に拭く。
科学捜査なんてやられたらアウトかもしれないが、
やらないよりかはマシであろう。
・・・俺の足の匂いが着くか?
大通りに出る。
なるだけガラの悪そうな人を捜す・・・いた。
躊躇なく、その男にまるで偶然であるかのごとく
肩同士をぶつける。
「ッテッメ!今わざとやったろが、アァン!?」
みたいなことを叫んで掴みかかってくる。
殴られる。蹴られる。踏まれる。
酒が入ってるみたいだ。
男が去って行ってから、周囲の目から逃れるように
先ほどの殺人現場へ。
運よくまだ誰も来ていないらしい。
さっきの男の髪の毛を、血だまりに落とす。
これも、撹乱になればラッキー、程度の気持ちだ。
そそくさと立ち去る。
勿論足跡はつけていない。
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.12 )
- 日時: 2010/06/19 21:56
- 名前: カラマワリスト (ID: HW2KSCh3)
その4 食人鬼と食パン
その日の内に美冬は帰ってこなかった。
朝。
「・・・ただいま」
「お帰り・・・どこで寝てたんだ?」
「ホテルに泊った」
「そんなお金持って行ったのか?」
「いや、友達に立て替えてもらった」
「・・・その友達って男、女?」
「男」
「何ぃぃぃぃぃぃ!!!」
「ホモだから大丈夫だよ」
「・・・」
それもどうかと。
いや、恋愛には性別は関係ないのか?
まあいいや。
「でね、お兄ちゃん、あの・・・」
「ああ、そこの食パン、朝ご飯に食えよ」
「・・・昨日」
「バターは冷蔵庫だ」
「・・・」
「ジャムは棚」
現実逃避。
逃げる。
ワザと話をそらす。
「早く食べろよ、学校だろ?」
「・・・うん」
美冬は何も言わず、テーブルに着いた。
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.13 )
- 日時: 2010/06/20 18:44
- 名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)
初めまして。
この話、私のすきな小説ににていたので気に入りました。
私的に美冬ちゃんが好きですね。
これからもがんばって下さい。
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