ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- モノクロ =完結しました
- 日時: 2010/05/31 16:46
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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未熟者ですが よろしくお願いします\(^o^)/
お客様
ユエ様 月光様 白兎様
ゼリー様 神無月様
- Re: モノクロ ( No.2 )
- 日時: 2010/05/21 16:26
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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†序章†
光が当たらないくせに、明るかった。
床も壁も天井も、すべて雪のような白。
そして、そこで笑う少女もまた、同じような真っ白な姿だった。
白い髪に、白い肌、白い服。
この部屋は、窓もないくせに白く輝いていた。
「ららら〜ららら〜」
ベッドの上で、ぬいぐるみを抱きしめながら、少女はずっと鼻歌を歌う。
いつまでも。 いつまでも。
- Re: モノクロ ( No.3 )
- 日時: 2010/05/21 17:15
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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†第1章†
死刑囚と白い少女
魔法がいきかう、ハーデル王国。
王国の東にあるピアシスタの町は、信仰が深く根付いている町だった。
その町の中央には、一般人は決して入る事の許されない、一つの塔があった。
もしもそこに入る事があるならば、封印の魔法で身体ごと消し去られてしまう。
そんな物騒な塔に──。
一人の少年が連れてこられた。
「こい。 囚人304番」
そう呼ばれた、中性的な整った顔立ちの少年が、両脇を抱えられて塔の牢屋に入れられた。
髪は漆黒の闇のような美しい黒髪。 少年の割には少し長めだった。
大きな双眸も黒く、きている服さえ暗い色。
両手には鎖がつけられており、ジャラジャラと鳴る。
「そこで死刑執行の日を待つんだな」
「…………」
監査官が去り、薄暗い塔に残された少年は、ジロリと天井を睨みつけた。
- Re: モノクロ ( No.4 )
- 日時: 2010/05/21 17:59
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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どれくらいの時間が経っただろう。
定期的に運び込まれる食事を摂った後、少年は牢の中で暇を潰していた。
どうせ、死刑になるだろう。
それだけの事をしたんだから。
そう思うと、自然に自虐な笑みがこぼれおちる。
すると。
「あなた、名前は?」
声をかけられた。 特別驚きもせず、顔を上げる。
そこにいたのは、真っ白な少女だった。
「…………………………」
その姿に、今度は少年も驚きを隠せなかった。
「聞いてる? 名前は?」
少女の澄んだ声がそう尋ねる。
数秒遅れて、
「…………ない」
少年が答えた。
「言いたくない」
「私が聞いてるのに、私に言いたくないってどゆ事よ」
生意気げに少女はそう言って、牢屋の向こう側にいる少年を睨んだ。
しかし、すぐにフッと笑い、
「じゃあ、私に名前をつけなさい」
「………………あ?」
「私に名前をつけなさいって言ってるのよ」
牢屋の向こう側で、どうして少女が居るのか分からないが、少年はテキトーに、
「じゃあ………シロで」
「シロ?」
外見の色で、少女に名前を与えた。
「シロ……いいわね。 いいわ。 私の名前。 今日から私は、シロよっ」
シロはそう言って、新しい名前を喜んだ。
「なら、今度は私があなたに名前を付ける番よ」
「……………は?」
「名前を与えられたら、与えなきゃいけないんだわ」
そんな掟はないが、真っ白なシロはじっと少年を見て、
「うーん。 そうねぇ。 あなた、私と全然違うキレーな黒色ね」
唸りながら考えた。
考えて、考えて、考えて。
「クー」
そして、そう言った。
「クー。 いいわね。 クー」
「………………どこが?」
「名前よっ、あなたの名前。 とてもいい名前じゃないかしら」
シロはそう言って、牢屋越しに、クーに話しかけた。
「どうしても気に入らないのなら、あなたの本当の名前を教えなさい」
堂々とクーを指差し、そう言いきったシロ。
クーは面倒くさそうに、
「………クーでいい」
そう返事した。
- Re: モノクロ ( No.5 )
- 日時: 2010/05/21 19:50
- 名前: ユエ (ID: 6U7QBJXl)
新しい小説ですか☆
真っ白と真っ黒……対ですね。
これからどうなるか、楽しみです! 頑張って下さい!!
- Re: モノクロ ( No.6 )
- 日時: 2010/05/21 21:03
- 名前: 月光 (ID: kEMak/IT)
とっても凄いです><
これからも楽しみにしています!!
ひそかなアキラさんファンでした!
キリヤさんも大好きです♪