ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 誰も知らない誰かの物語
- 日時: 2010/09/03 22:37
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
どもー。はじめましての方ははじめまして。知ってる方はおはようございます&こんにちは&こんばんは。
神無月(かんなづき)と申します。
ここでは、作者が長編の方で行き詰ったとry・・・じゃなくて、何かが思い浮かんだときに書いていくところです。
短編集になっております。
長編が読みたいお方は舌打ちしながら戻ってくれて構いませんよ!!(泣)←
基本、自由気ままに書いていきますので・・・。
まぁ、気長にお付き合い下さい。
では。
— 誰も知らない物語
されど誰かの物語 —
開幕
〈お客様〉
アキラ様 故草@。様 阿嘉狐様 白兎様 agu様
月兎様 出雲様 時代様 遮犬様
〈目録〉
第一幕「それはまるで桜のような」>>1 >>2
第二幕「染まる坂道で」>>12
第三幕「善人ぶる悪人と悪人ぶる善人」>>19 >>20
《お題募集》>>35
第四幕「宵待草」>>42 おまけ「最期の涙」>>64(阿嘉狐様)
第五幕「繋がれた愛情」>>53(アキラ様)
第六幕「一般人ぶるあいつと常識人ぶる俺」>>79 >>80(白兎様)
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- Re: 誰も知らない誰かの物語 ( No.1 )
- 日時: 2010/08/23 15:40
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=d7xvkyKvbRw&feature=related
第一幕 「それはまるで桜のような」
—どうせ散るなら、美しく散りたい
十二月の寒空の下、道行く人々は厚手のコートを着込み、マフラーに顔を埋めながら家路を急ぐ。その様子を少年はブランコに揺られながら眺めていた。十二、三歳くらいのその少年は全体的に色素が薄く、どこか儚い印象を受けた。
しばらくぼーっと道行く人々を眺めていた少年は、頬を掠めたものに視線を彷徨わせた。瞳がジャングルジムを映した時、ふと、視界の端を白いものが横切った。
「あ・・・・・・」
バッと空を見上げれば、フワフワと粉雪が舞い始めていた。少年は、微かに目を細めて降りそそぐそれを見つめた。
「桜・・・」
以前、誰かが雪は桜に似ていると言った。フワリフワリと舞う雪は、確かに桜に似ていると思う。
・・・けれども、それは。
「悲しいな・・・・」
散りゆく桜と同じならば、この雪は、なんて悲しい始まりなんだろうか。
そこまで考えて、少年はフッと皮肉げに口元を歪めた。
—あぁ、ならば自分は、
「この雪と、同じか」
一つだけ違うとすれば、この雪は“始まり”で、自分は“終わり”だということだろうか。
フワリ、フワリ。ゆっくりと降りてくるそれは、幻想的で美しい。少年は、舞うそれを掴もうと空へと手を伸ばす。ブランコが、キィ、と音をたてて軋んだ。
けれども広げた手のひらは、何も掴むことが出来ずに空を切った。
無言で手のひらを見つめる。白すぎるほど白いそれは、男にしては小さい。
少年は、ギュッと手を握りしめた。しばらくそれを眉間に皺を寄せて凝視していた少年は、小さくため息をつくと手の力を抜いた。そのまま自分を抱きしめるようにして肩を引き寄せる。
—キライだ
- Re: 誰も知らない誰かの物語 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/09 19:15
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
嫌いだ。男にしては華奢な体つきも、白い肌も、色素の薄い髪や瞳も。自分を形作るもの全てが、嫌で嫌でたまらない。
肩を抱く腕に力をこめる。少年は、どこか泣きそうな顔で空を見上げた。振り続ける雪は、しかし積もることはなく地面に触れるとすぐに溶けて消えてしまった。それが、今は羨ましくてたまらなかった。
「・・・このまま、溶けて消えてしまえたらいいのに—」
囁くようにして紡がれた言葉は、揺れたブランコが軋む音に掻き消された。
—あの時告げられた言葉は、あっけなく全てを壊してしまったから
少年は、閉じていた目をゆっくりと開けた。全身から力が抜けて、肩を抱いていた腕も自然と下へと落ちた。だらんと垂れさがった腕はそのままに、少年はぼんやりと空を見上げた。
クルクル、クルクル
粉雪は踊るように舞う。自分を中心にして、円を描きながら。
クルクル、クルクル
そんな様子も、桜に似ていると思った。
「桜吹雪・・・なら、雪吹雪・・・?」
ふと、そんなことを考える。雪吹雪なんて言葉はない。でも、少しだけこの言葉が気にいった。
“桜”は温かくて優しいから怖い。
けれど、“雪”は冷たくて・・・美しいから。
—どうせ散るなら、美しく散りたい
そう思ってきた。・・・・だから。
少年は、腕をゆっくりと上げ、空に手のひらを翳した。指の隙間から見える空は、どこまでも高い。天から舞い降りてくる白い奇跡は、広げた手のひらの上で溶けた。じんわりと冷たさの余韻が広がる。
目を細めて空を見つめた少年は、ふと、翳した手のひらを胸元に引き寄せ、そのまま立ちあがった。反動でブランコが少しだけ揺れた。
「雪吹雪・・・」
噛みしめるように、もう一度呟いた。はらはらと雪だけが舞う空間に小さく響いた声に、少年は満足げに微笑んだ。
少年はポケットに手を突っ込んでけだるげに歩きだした。
小さな公園を出るとき、もう一度だけ空を見上げて、
「 」
何かを呟いた少年は、そのままゆっくりと人の波にまぎれていった。
—どうせ散るなら・・・・
雪吹雪のように散るのも悪くない
*(あとがき)
・・・ハイ。こんなできになりました。ひとまず感想(自分で書いたのに)
「これ、短編か?」
思った方もいらっしゃるでしょう。えぇ、これはですね、作者が書きすぎて無理ですとか出て消えるのを恐れたからなんですよ。
いつも即興なので、消えるともう一度同じの書けないとか、そういうのを暴露っちゃったりはしませんよ!!・・・・(ハッ!!)
・・・ごほん。まぁ、こんな感じになりますが、読んで下さる方はお付き合い下さい。
- Re: 誰も知らない誰かの物語 ( No.3 )
- 日時: 2010/08/09 20:12
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
読んで下さる方なので、お付き合いします!!←?
雪って儚いですね……。
確かに桜と似てるかも。 季節も色も対照的なのに。
この男の子、自分の外見が嫌らしいですけど……かなり可愛い……んですけど……。
……失礼。
そう思われるのが嫌なんでしょうね(-_-)
いつもながら、表現うまいっす。
頑張って下さい!!
こんなできって、かなり良いできですけど!!
短編集なんですかっ。 はー楽しみだっ!!
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