ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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子育てつーくん。 完結
日時: 2010/09/07 06:24
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://yaplog.jp/akirahayate/

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小説カキコデビューして、いろんな人に支えられて
自分は幸せです。 はい。



お客様

    スペシャル様 クロ+様 くろうさぎ様
    風水様 阿嘉狐様 神無月様 月兎様
    水妖様 白兎様 紅蓮の流星様 agu様

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Re: 子育てつーくん。 ( No.101 )
日時: 2010/09/04 20:35
名前: 風水 (ID: STEmBwbT)

100突破、おめでとうございます。

これからも頑張ってください^^

これまた神キャラ……緋色くん、ですか。

「───っ、にしやがる津軽犯すぞゴラァッ」

に、萌え禿げました。

どうしてくれるんですか(笑)

こんな私だから、いろいろ妄想しちゃうじゃないですか。

ここはシリアス・ダークですよっ(笑)

すいません、今すごく笑顔です。

Re: 子育てつーくん。 ( No.102 )
日時: 2010/09/04 20:56
名前: 月花 (ID: 8hgpVngW)

わぉ!!←頭おかしいんです、この子。
100突破オメデト!!
う・・・ん。格好良いんじゃない??きっと。
赤茶髪でしたよ、彼。

私も緋色君と同じかも^^
どうせ愛されるなら、
殺されるほどの憎しみで愛されたい♪
↑ 完璧ユウゴキャラ??

Re: 子育てつーくん。 ( No.103 )
日時: 2010/09/05 07:31
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://yaplog.jp/akirahayate/

緋色好きさんが増えてくれて嬉しいですっ
妄想してくれて構いません(*^^)v
笑顔になるコトはいいことです
>風水さん

ありがとうございます\(^o^)/
赤茶髪っっ。 不良ちゃまですね!!笑

ユウゴ……懐かしいですね。 一瞬忘れてましたw
完璧ユウゴですね、その考え。 あいつは痛みを快感に変えますからっっ
>月花さん

Re: 子育てつーくん。 ( No.104 )
日時: 2010/09/05 07:45
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://yaplog.jp/akirahayate/

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「すっげー髪の色じゃん。 染めたの?」
「生まれつきだ。 お前こそ、地球人のくせにオレと対等に話すとは、かなりやるな。 愚民が」
「ホントに小学生かよ」

いつ縷々川がキレるかと思ったけど、案外子供は好きみたいだ。
そういや、悪意のある言葉にはキレるけど、それがそのままの言葉なら、どんな悪口だろうと怒らないとか言ってたけど。

「そっちの小僧は、あんま喋らんのな」
「大人しいんだ、な」

リトラは相変わらず黙りこくってトコトコ歩いてる。
こいつは人見知りすぎるのかも知れない。

「にしても、どうやったらあれだけ子供を手玉にとれるんだ、ウズリ」
「地球人の友達など、欲しくはない」
「ヒデー事言うな」

騙されるな、この容姿に。
一見髪の色に目を魅かれるけど、コイツはコイツでかなり可愛い顔をしている。
ロリコン親父に喜ばれそうな。

「緋色、というのか。 お前は宇宙からきたのか」
「きてないきてない。 俺も地球在住だ」
「残念だ。 つーつの友人だから、お前もてっきり宇宙人なのかと」
「僕は宇宙人じゃない!」

なんだよ、宇宙人だと勘違いされてたのかよ。
どこを? どう見たら?

「あ、俺こっち曲がるから」
「わかった。 じゃあな、縷々川」
「ばいばい、ウチュー人」

宇宙人じゃねえよ、と。

縷々川は言って、曲がり角から消えた。

「家に帰っても母さんパートだし。 なに食べたい」
「そうめん」

やっぱり、それかよ。

Re: 子育てつーくん。 ( No.105 )
日時: 2010/09/05 08:04
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://yaplog.jp/akirahayate/

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子供の面倒を見ていない人は分からないだろうが、子供はお腹がいっぱいになるとすぐに寝る生き物だ。
たとえ、宇宙人であっても。

「………よく寝てらあ」

ソファの上にウズリ、フローリングの上にリトラ。
そうめんを食わせて、クーラーの利いたこの部屋でのんびりしていたら、リトラが先に寝た。
睡魔というのは移るようで。
キャアキャア言っていたウズリも、すぐ眠ってしまった。

時計は、2時過ぎを表している。
あと10分ほどで、母さんが帰ってくる。

「さてと」

僕は、行かなきゃならない。
どこにって聞かれても。

答える事は、できないな。







「キミが、桃泉くん?」

そっと顔を上げて、そいつが僕を見る。
染めたのではない薄めの色素の髪が、キレイだと思った。

モモイズミ 
桃泉セイゴ。

名前でしか聞いた事がないけど。
僕はコイツの全てを知っていた。

「お兄さん、だれ?」

白い建物に囲まれた中庭のベンチ。 腰かけたそいつは、明らかに年下であろう僕に、「お兄さん」 と言った。

「そこらへんにいる、ただの不法侵入者と思ってくれ」

そう、僕は今れっきとした犯罪を犯してる。
勝手に敷地内に入って、勝手にお話しているのだ。

「おもしろいね、お兄さん」

僕と数歳年の違うであろう桃泉は、白い指先で髪を梳いた。
長らく切っていないのかもしれない。 肩にまで届いてるその髪は、誰かを連想させる。

「桃泉、お前は誰だ?」 「桃泉セイゴ、らしいよ。 わかんないけど」

わからない。
なぜ?

「どうして、わからないんだ?」
「俺、記憶が無いんだ。 だから、お兄さんは俺を知ってるけど、俺はお兄さんを知らない」

なるほど。 だから見ず知らずの僕が話しかけても、なにコイツという顔はしなかったわけか。
僕が、コイツの知り合いかもしれないから。

「お兄さんの名前を教えて?」
「それは無理だな」
「どうしてだよ」

教えてどうするんだよ。

「ああ……でもさ、教えてあげてもいいけど」
「うん」

驚くなよ?



「桃泉リトラって言うんだ」



嘘を、言った。
まったくの嘘。 
一文字もあっていない、僕の名前。

そして──。

リトラなんて、嘘を。
言って。


桃泉セイゴは。
白紙になった。


「…………え、えええ えええ え えええ え?」


そう、これはゲームだ。
殺されるか殺すかの。 物騒な。

とんでもない双子を預かったもんだな、母さんも。
僕も。

あの子たちは、「普通」 じゃない。

少し奇妙な、奇隅な、奇行な、奇怪な。

そんな境遇を得て生まれてしまった、不幸な子供だ。


「じゃあな、桃泉セイゴ」

これでいい。 火種は巻いた。
僕は踵を返して。


精神病院を後にした。


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