ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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GAME 命をかけた殺し合い
日時: 2011/01/05 19:55
名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)

初めまして、山下愁です。
ちなみに、初投稿です!

その1…荒らしはお断りします。

その2…中傷、パクリ、お断りします。

その3…お客様、大歓迎です。


上記を守って、楽しく読みましょう。


目次

登場人物紹介>>01
プロローグ>>02
第1話>>03
第2話>>04


以下、もう面倒なので止め!

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Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.29 )
日時: 2010/11/04 15:42
名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)

 とある事に、気付いた。
 紅月の手の大太刀は、綾羽の体を刺していない。しっかりと外している。
 つまり、紅月は綾羽の事を殺すつもりはなかったのだ。少し脅すだけだったのだ。
 しかし、綾羽は死んだ。誰かに刺されて死んだ。
 体に、薙刀が刺さっていた。

「……やったー、死んだ♪」

 大介の明るい声が聞こえてきた。
 スタスタとこちらに歩いてくる大介は、綾羽の体に刺さった薙刀を抜くとうっとりとした表情でつぶやく。
「本当、嫌な奴だったんだよね」
 大介はへらへらと笑いながら、薙刀を担ぐ。
 相手をしていた翼は、地面に転がっていた。どうやら、綾羽にやられた傷が開いたのだろう。
 おそらく、大介は弱った翼を地面に伏せ、綾羽に向かって薙刀を投げつけたのだろう。
 紅月の瞳の奥が、カタカタと震えていた。
 何かが這いあがってくる。自分の中の、何かが。
「何だ? お前も、殺していいの?」
「————ッ!!!!」
 紅月は、膝から崩れ落ちそのまま地面に倒れこんでしまった。
 大介は首を傾げ、つまらなさそうな表情をする。
「あっれ、死んだのかなwwwww」
 そのまま紅月の首筋に薙刀の刃を当てると、空に向かって振り上げた。
 翼は、かすれた声で叫ぶ。
「や、めろぉ……」
 しかし、その声は届かない。

「止めろぉぉぉ!!!!」

 ガキンッ

 紅月がいなくなった。
『こっちだぜぇ?』
 大介の後ろには、紅月の姿が在った。
 だが、少しだけ紅月とは違う。雰囲気、喋り方がまるで別人だ。
『殺す訳にはいかせねぇなぁ、何せ俺は紅月の好敵手だからよぉ』
「まさか、隆大か?!!!」
 おうよ、と紅月は平然と答えた。
 つまりだ、要約するとこうなる。

 死にそうな紅月の体に、隆大の幽霊が取り憑いた。

 隆大は、紅月の大太刀を構え邪悪そうな笑みを浮かべて言う。
『俺はよぉ、お前が気に入らなかったんだ。豚は、豚肉にした方が美味いよなぁ?』
 大介の顔に、冷や汗が浮かぶ。
 弁解しようにも、今の隆大は何を言っても聞かなさそうだ。
「わ、悪かった! 悪かったって!」
『ほぉ、悪かったって謝るか。豚』
 隆大は驚いたような表情を作る。
 大介は、微かに笑い薙刀を構えた。
「嘘だぼけがあぁぁぁぁあぁぁ!!!!!!」
 薙刀の刃が、紅月の体に刺さろうとした瞬間、

「何してんだ、豚野郎」

 紅月の声が、真上から降ってきた。
 見れば、紅い瞳が自分を見下ろしているじゃないか。
 そして、すぐ近くには銃を構えた翼がいる。
「「じゃあな、来世は豚肉になってろよ」」

  ダズドン!!!!!!


———— 第22話

Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.30 )
日時: 2010/11/05 16:12
名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)

安奈さん、返信遅れました。

頑張ります。結末がどうなるのか、楽しみにしていてください。

Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.31 )
日時: 2011/01/05 20:21
名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)

「ガッ……!!! ハッ……」
 大介は、虫のような息で青い空を見ていた。
 腹からは血が流れ、おそらくもう長くは持たない。
 空を背に瞳に映るのは、紅月の悲しそうな表情だった。
「……い、やだ……。まだ、俺、死にたくな、い」
 大介は、紅月に助けを乞う。
 しかし紅月は、そんな大介に一言告げた。
「さよならだ」
 大介の表情が、一瞬強張った。だが、またすぐに笑った。
 ボソボソと何かを話していたが、聞き取れたのは最後の言葉だけ。

「そうだよなぁ、俺、紅月に嫌われてたもんな……」

 その後、大介はゆっくりと瞳を閉じた。
 紅月は無表情のまま、静かな口調で言う。
「これで、良かったのかな」
「……さぁ、な」
 翼は答えると、ピストルの銃弾を入れた。カチンと音がして、装填される。
 紅月は首を傾げて、何をしているのか見ていた。そして、すぐに気がついた。
 自殺する気だ。
「止めろ、翼! お前、一体何を……!!!」
「仕方ないじゃん。これは、GAMEなんだから」
 翼は変わらない無表情のままで、紅月に言い放つ。
 銃を持つ手が、微かに震えているのが見えた。銃口を、ゆっくりと自分の方に向ける。
 紅月は、止めろと叫んだ。
 しかし、翼は首を振り止めない。引き金に指をかけて、紅月に笑かける。
「お前はよ、良くここまで生きてこれたなって思う。お人よしで、お節介で。そして、バカな奴がさ」
 翼は淡々とした口調で、話し出した。
「でも、もうここでお別れだ。腐れ縁で長い間付き合ってきたけど、これで最後」
 翼の表情が、笑顔に変わっていく。
 太陽に照らされた金髪が、天使の輪に見えてきたのは気のせいだろうか。
 紅月は何かを叫ぼうとしたが、

「        」


 ガァァァァァァアン————……。


 翼は、自分の脳天を銃で撃ち抜いた。
 紅月の表情が、だんだんと変わっていく。強張って行く。泣きそうな表情になる。
 地面に倒れた翼は、そのまま動かなくなってしまった。
 どうして、翼は死んだ?
 理由は、ただ1つ。

ここで、自分と殺し合いたくなかったからだ。

 彼なりの最後の勇気。
 紅月は、へたりと地面に座り込んで、眠っている翼に手を伸ばした。
 涙が頬を伝っているのが分かる。
 とても、胸が苦しいのが分かる。
 くすんだ金髪を撫でながら、紅月は声を押し殺して泣いた。
 大粒の涙をこぼしながら、泣いていた。
 誰も生き残っていない、罪人を裁く為のバトルロワイヤルの中で、ただ1人生き残って。
 大切な友人や、クラスメイトを失って。
 これで、自分は何を得た?
 全てを失って、何を得たのだ。

『また会おうな————』

「また会おうなんて、何時だよ……」

 紅月は、拳で地面を叩いてつぶやいた。
 すると、液晶画面に電波が入り男が映る。
「GAMEクリア、おめでとう。二階堂紅月君———— いや、覇者」
 紅月の視線が、ゆっくりと男の方に向かれる。
 震える唇で、言葉を紡ぎ出した。
「てめぇ、何のつもりだ……?」
「何のつもり? 君らは、存在自体が罪の罪人なのに」
 男は楽しそうな声で、紅月に問いかける。
「どうして、そんな思いつめたような表情をする? 何がそんなに気に入らない?」
「全部だ。俺は、全てを失ってまで、何を得たんだ?」
 紅月は、男に問いかけた。
 男は少し悩んで、そして答える。
「覇者の称号じゃない? さぁ、神が君に問おうじゃないか。

 君の願いは、何かな?」

 紅月は、立ち上がり液晶画面の男に向かって答えた。

「俺の願いは————……


———— 第23話

※次回、最終回です! お楽しみに!

Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.32 )
日時: 2010/11/06 18:00
名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)

 チチチチチチチチ……。チュン、チュン。

 ピロピロピロピロピロピロ♪

 なんて言う不協和音。朝から最悪のハーモニー。
 朝日が射す窓際の所。スチールベッドが置かれた、彼の寝床。
 部屋の本人は、もぞもぞと動き携帯を手に取る。そして、鳴っていたアラームを止めるとまた眠りについた。
 直後、電話が鳴った。


『てめぇ、何で学校来ないんだよ!』


「へ? 学校?」


 ベッドから這いあがる。布団の中から出てきたのは、綺麗な黒い髪の毛。
 携帯を片手に、鏡を覗き込み手櫛で髪を押さえる。

「あっれ、目が赤い。…… 昨日、フランダー○の犬を見て泣きすぎたか?」

 欠伸を1つして、携帯のマイクに向かって言う。

「今日も良い天気ですねー」

『そうですねー……って、そうじゃねぇ! 学校だ、学校!』

「全てが灰になれば良いのにねー」

『だから、早く来い! つべこべぬかしてるんじゃねぇ!』

 酷い言い様だ、とつぶやき通信を切る。
 カーテンをシャッと開ければ、そこにあるのはビル街。高速道路、街を行く車。
 あぁ、今日も騒がしい1日が始まる。

「よぉし、今日も頑張ろうか!!!!!」



———— 俺を、殺してくれ。


———— どうして? それが、君の?


———— こいつらと一緒に居たいんだ。あの世でも、来世でも。


———— 生まれ変わって、違う世界に生まれても。



 あの日の事は、夢へ消えた。消えた?
 いや、全て現実。現の世に怒った、狂い事。
 だけど、彼らは転生した。

 時は、平成22年度、2010年。東京都内。

 また新たな、彼らのGAMEが始まる。



ご愛読ありがとうございました。

Re: GAME 命をかけた殺し合い ( No.33 )
日時: 2010/11/06 18:04
名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)

作者の山下愁です。

『GAME 命をかけた殺し合い』をご愛読いただき誠にありがとうございます。
当小説は、グロイ小説になっておりますが、そこら辺はご理解くださいませ。

最終話が、このような形になりました。さて、紅月や翼の活躍は、これで終わるのでしょうか?

いや、まだ終わりません。これからも続きます。
今度は、コメディライト小説の方で活躍させていただきます。
この小説を見ていてくださった皆様方、そちらの方もお読みください。ぜひ読んでください。
では、また。

山下愁の次回作に、ご期待くださいませ!


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