ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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サクラ。 世界の全てに偽りを——  参照200突破!?
日時: 2011/02/18 21:26
名前: +・妖・+ (ID: u.eaSnNq)

—どうして僕は生きてるの?—

小さいころからの疑問に、答えてくれた人がいた。

「理由なんてない——。ただ仕方ないから生きてるだけ。」

その人は、長い髪を風に踊らせ、嵐の中に立っていた。

僕が死のうとした日は、あのヒトが死んだ日。

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サクラ。 世界の全てに偽りを——  ( No.3 )
日時: 2010/12/10 18:11
名前: +・妖・+ (ID: D2NnH/3T)

佐久間s≫

ありがとうございます♪

でも私の書き方なんて、地獄の血の池の底より低いレベルですよ。
来月分のお小遣いに誓ってw

事実と記憶の相違点 ( No.4 )
日時: 2011/03/07 20:31
名前: +・妖・+ (ID: u.eaSnNq)

灰色のアスファルトの上を1人で歩く。

—帰り道、私の隣に友達がいたのはいつまでだった?

無人の家へたどり着く。

—出迎えてくれた家族がいたのはいつまでだった?

「ただいまー。」
返事の返ってこないあいさつをする。

—優しい声が返ってきたのはいつまでだった?

毎日毎日、同じことの繰り返し。

形式どうりに朝を迎えて
形式どうりに家を出て、
形式どうりに家に帰って、
形式どうりに1日が終わる。

同じ笑顔の仮面をかぶり、
同じ嘘で素顔を隠し、
同じ人を傷つける。

サイクルからは抜け出せない。
サイクルからは抜け出したくない。

だってしょうがないよね?

この生き方が楽だから。

事実と記憶の相違点 ( No.5 )
日時: 2011/03/07 20:34
名前: 妖 (ID: u.eaSnNq)

階段に飛び散るおびただしい血。
赤黒く固まったそれを気にせずに踏みつけながら、かつては姉と兼用していた部屋へと上がる。

子供部屋にしては大きなその部屋に、自分と姉の机は背中あわせに置かれていた。真中に置かれた二段ベットの下の段に、姉は今も眠っている。胸に包丁の突き刺さったまま。

服を着替え、真雪の家へ向かう。
キッチンに横たわる母の死体を通り抜け、赤い手形のついたドアノブに手をかける。

——ガチャ

ドアは外から開いた。

「久しぶりね優姫ちゃん?」

事実と記憶の相違点 ( No.6 )
日時: 2011/03/07 20:35
名前: 神楽 妖 (ID: u.eaSnNq)

 !
ドアの向こうの顔が見えた時、私の体に電流が走った。
軽く過呼吸になりそうなのだが、全力を尽くして無表情を保つ。

「……誰、ですか?」

私の気持ちが反映されたように、周囲の木が不安定にざわざわと揺れる。

この人にも感情が読めるとしたら、さっきの知らないふりは完全にアウトだ。

人の心を読んでるくせに、自分の心を読まれるのを恐れるなんてね。

「あ〜、やっぱ覚えてない?小3の時以来だもんなぁ」

ぱっと見美人系の20歳前後の女の人。
茶色のショートカットをくしゃくしゃとかき回す。

「もう4年も経ってるから、忘れんのも無理ないかぁ」

覚えてるよ?

忘れてないよ。
忘れるわけないよ。
忘れられるわけないよ。

いっそ、記憶喪失にでもなれれば良かったのに。

事実と記憶の相違点 ( No.7 )
日時: 2011/03/13 09:59
名前: 神楽 妖 (ID: u.eaSnNq)

「私は鷹野沙菜。優姫ちゃんのお母さんが大学生の時の同級生だよ。小さい頃はよく遊びに来てたんだけどなぁ……ちょっと思い出した?」

無邪気な笑顔で聞いてくる。

私は曖昧な微笑みを浮かべた。
「あぁ……なんとなく。」

部屋の惨状を見られないように、後ろ手にドアを閉める。
なおも彼女は笑顔を浮かべたまま、バックの中から紙袋を取り出した。
「これ、咲良から預かってたんだ。娘に渡してねって。優姫ちゃん引っ越ししちゃってたから、探すのにひと苦労だったよ。」

「ありがとうございます。……でも、あの、今から友達の家に遊びに行くので……」
手渡された紙袋を受け取り、少し困ったような表情を浮かべて遠慮気味に言う。

「あ、そうかぁ。中学生は忙しいのに……せっかくの遊び時間、邪魔しちゃってごめんね!!これ、電話番号だから。いろいろ連絡してね〜。じゃ、ばいば〜い!」
彼女は急いで名刺を取り出すと、足早に帰って行く。


「……全く。たいしたもんだよなぁ……私の演技力も。」

後ろ姿に呟いた。


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