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シリウスの空
日時: 2010/12/14 17:29
名前: 櫻井業火 (ID: enDlMgfn)
参照: http://goukasyousetu

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Re: シリウスの空 ( No.28 )
日時: 2011/02/20 15:45
名前: 櫻井業火 (ID: enDlMgfn)

〜晴登〜

 僕がアルテミスの力をこんなにおもいっきし使ったのは本当に久々だなぁ・・・。
なんて考えつつ、UZIで次々と撃ち落としていく。
背後に迫った敵に銃口を向けると自分が撃つ前に一筋の線が敵の頭を吹き飛ばしていた。
「・・・狙撃か?」
『ただいま、楓さんが出撃されました。』
「わかった。」
建物から奇襲してきた敵を短剣で切り裂く。
「そいつは頼もしいよ。」
楓のほうを見ると意味の分からない方向に銃を撃っていた。
なにやってんだ?
『フフッ・・・・』
「どうかしたのか?」
『いえ、意外と弄りがいがあるなぁっと思っただけですよ。』
「ほどほどにな。」
と、注意すると同時に頭上を熱の塊が通り過ぎて行った。
「な!?」
驚いて放たれたほうを見ると、そこには白いワンピースを来たかわいらしい小学生ぐらいにしか見えない女の子が立っていた。
『撃退してください。そいつが飛燕です。』
「なにいってるんだ!相手は子供じゃないか!!」
次は光の柱を顔の真横を通った。
当たってもいないのに頬がひりひりした感覚に奪われる。
「そのサポートの方の言うとおりです。死にたくなかったら逃げてください。私が飛燕です。」
高く透き通った声が響く。
くそっ・・・こんな幼い子まで・・・・・
「ねぇ君、ここは戦場だ。君のような子が来るとこじゃない。火傷じゃすまないよ。」
「心配無用です。私はアルテミス隊ナンバー3、少なくともあなたより上です。」
こんな子があいつより上だっていうのか。くそっ・・・・・。どうすればいい?
『ちょっと、あんた!!そいつが飛燕なんでしょ!?さっさとたたかいなさい!!』
楓からのうるさい無線が聞こえるが、戦う気になれない・・・。
「迷っているのですか?」
目の前の少女が腕を上げる。それと同時に右上に高エネルギー体確認と出てくる。
「君の戦う理由は?そんな歳で戦う理由は?」
「戦う理由・・・・・。」
飛燕の動きが止まる。
「私は・・・捕虜になった母を・・・・・私は・・・・・。」
飛燕の体が地面に崩れ落ちる。
味方の軍の兵士が現れ飛燕に銃口を向ける。
「やめろ!!!」
僕は炎でそいつの銃を溶かした。同時に飛燕に駆け寄る。
「君は脅されて戦わされてるんだね・・・・。」
怒りが込み上げてきた。
こんな幼い子まで・・・・許さない・・・。
「飛燕様!!」
頭上から無数の敵が飛び下りてくる。
「お前たち・・・・僕が・・・俺が焼き尽くしてやる!!!」
叫ぶと同時に心臓に何かが集まっていく感覚がした。シリウスツインが赤黒い輝きを放つ。
「グァアァアァアァァアァァァアァ!!!!!」
特大の炎と共に短剣を振り回す。敵が次々と焼却炉に入れたかのように消え失せていく。
「飛燕、お前の母親はどこにつかまっている?」

Re: シリウスの空 ( No.29 )
日時: 2011/02/20 16:01
名前: 櫻井業火 (ID: enDlMgfn)

「元帥閣下、シリウスツインが戦闘区域を高速で離れていきます!!飛燕を抱えているもようです!!」
「そうか、好きにさせようじゃないか。」
「よろしいんですか?」
「彼を信じてみようじゃないか。どこに向かっている?」
「おそらくメキシコかと、メキシコロシア軍収容所だと思われます。」
「なぜそこだといえる?」
「噂だとそこには飛燕を生んだ母がいるとか。」


〜楓〜

「ちょっとあんた!!どこにいってんの!!!」
私は無線に向かって怒鳴る。そうするとほんとにあいつかとおもうぐらい狂気に満ちた声が帰ってきた。
『楓か、お前は戻ってていいぜ、下手したらお前まで焼き焦がしそうだ。』
「わるいけどその命令は聞けないわ。バディだもの。」
『はっ、処分されてもしらねぇからな!』
晴登のいつもと違う口調に戸惑いながらも離れていく背中を最大速度で追いかけ続けた。

Re: シリウスの空 ( No.30 )
日時: 2011/02/20 17:09
名前: 櫻井業火 (ID: enDlMgfn)

〜晴登〜

 俺は、一時間飛び続けやっと目標が見えてきた。
「あそこだな?」
「は、はい。」
飛燕のおどおどした声に俺は、
「どうした?」
「あそこにはナンバー2がいるんです。護衛に。」
「はっ、焼き尽くしてやる。」
「だめです!!あれと会ったらすぐに逃げてください!!あれは化物ってれべるじゃないです!!」
「あらぁ?飛燕じゃない。」
「っ!!」
いきなり横から女の声が響くと同時に飛燕のからだがびくんと跳ねた。
「ちっ。シリウス!!」
俺はどこの誰だか知らないが遠慮なく炎を撒き散らす。
「逃げてください!!あれがナンバー2です!!」
「大丈夫だ。お前だけは守ってやる。」
短剣を腰から引き抜く。
目の前に緋色の光を放つ巫女装束をきた長い緋色の髪をした女が立っていた。
「あらあら。飛燕の言う通りにすれば助かったかもしれないのに。」
「悪いが今日の俺は機嫌がわりぃもんでな。手加減はしてやれねぇぞ?」
「くすくす・・・」
目の前から女が消えた。
「!?」
脳天にとてつもない衝撃が来たと思った時には体は地面にめり込んでいた。
・・・どうなってやがる。高度600のとこから一瞬で落としやがった。それにあのスピード・・・・。
「守り通せ・・・そこにある一つの炎を、主の魂がきえるまで!」
シリウス防護術と呼ばれるらしい初めて使う技をためしてみた。
すると飛燕のまわりに炎の壁ができる。
「これならえんりょなくいけるか・・・。」
「あらあら、無駄な足掻きね、あなたが死んじゃえば消えちゃうのに。」
「俺はまだ死ねねぇよ。」
「いうじゃない。」
再び頭上に現れた。
二度も食らうか!!
短剣を上に振り上げると爆風が頭上に生まれ、女の体が宙を舞う。
巫女装束の右腕が焼け落ちる。
「はっ!」
女が吹っ飛んだ先にUZIを撃ち込む。
「終わりだ!!焼き焦がせ!炎の神よ!!!我が存在理由!!!!シリウス一式爆散咆哮!!」
特大の炎の狼が何百体と女に襲い掛かる。
周囲は炎の大地と化した。いつもの俺ならここまでだが・・・・
「炎の犬よ、邪悪の存在を主の名前のもとに縛りつくせ!!」
炎の海から女が十字架にかけられたような形で出てくる。
「やるじゃない・・・まだなにかあるの・・・?」
「いや、これからだ。我が存在理由の神よ、神に歯向かう奴の愚かさに対する怒りを解き放て!シリウス一式怒涛砲煙!!」
炎の海が一斉に女を包み、飲み込まんばかりに圧縮する。
「生きてるか死んでるかなんて確認しないでいくぜ・・・神よ、我が存在理由の神よ、その炎の全貌を見せつけろ、その圧倒的な存在を示せ!!主さえも恐れるその力を!!!シリウス最終式断罪爆砲!!」
体中に炎が巻き付き、俺の体は一つの弾丸と化した。
「グァァァァアアア!!!!!」
回転と共に先端の短剣が女の心臓を貫いた。爆音とともに女の体が爆散する。周りは荒野になっていた。
「さすがにやりすぎたか・・・・収容所はのこってるだろうな・・・・?」
疲労困憊している体を起こし後ろにあるであろう収容所を見た。
ちょうど500m先に建物が焦げた収容所があった。
「飛燕・・・いくぞ・・・・。」
炎の壁から出てきた飛燕が無言でついてくる。
機体はシリウスの使いすぎたのかブーストが使えなくなっていた。
「歩くしかないか・・・・。」
「おいこら餓鬼共・・・・私をこの私によくもぉ!!!!」
「!?」
後ろを振り向くと両足と左腕がない女が右手でこっちを指さしていた。
「緋色の神・・・・巫女の死と共に・・・・胸を占める憎しみを力と・・・・・・私の存在を生贄に・・・・」
まさか自爆する気か!?
周囲が緋色の光で埋め尽くされる・・・・。
「焼き焦がせ!!炎の神よ!!我が存がはっ・・・・・」
どうやら体は限界らしく詠唱途中で地面に倒れこむ。
「飛燕と呼ばれしその理由を晒せ!!飛燕焼却!!」
となりで飛燕が技を放つが女の力の渦に溶けていく。
「無理です・・・・間に合いません・・・・」
くそ・・・こんなとこでおわれってのかよ・・・・・

Re: シリウスの空 ( No.31 )
日時: 2011/03/20 12:57
名前: 櫻井業火 (ID: enDlMgfn)

〜楓〜

「なんなのよぉ・・・・あいつメッチャ早いじゃない。」
飛行を続けながらそんなことぼやいているとスイルから、
『楓、4キロ先超高濃度エネルギー体を確認。シリウスツイン鳳凰式の反応をロスト。』
「どういうこと・・・?」
『詳細は不明ですがどうやら晴登さんは敵と遭遇。戦闘をしたが絶体絶命って感じですね』
「それで?そのエネルギー体はなんなの?」
『敵が自爆しようとしてるのではないのでしょうか。』
「どうやったら止められる?」
『本体のゼロ距離まで近づいて。敵のエネルギーを分解、または本体を殺すしかないかと・・・・。』
「・・・・・」
どうすればいい・・・・?どうすればあいつを・・・・・
(力をかそうか?人の子よ)
「!?」
(私の名はヴァンパイア・エンド。貴様のアナザーアルテミスだ)
「アルテミス・・・・・」
(シリウスに近付け。そうすれば貴様にシリウスの力が同調し、私の力が覚醒する)
「覚醒してなんだってのよ・・・・・・」
(そのエネルギー体を吸収しろ)
「はぁ?」
(わが力の象徴は吸収だ。いかなる力でも吸収し、自分の力にできる)
「私に、吸血鬼みたいなことをやれと・・・?」
(簡単に言えばそうだな)
「ふざけないで!だれが人の首なんかにかみつくものですか!」
(貴様は晴登を助けたくないのか?)
「っ!?」
(ほら見えてきたぞ。貴様はその機体の突撃モードを利用し、あそこに突っ込め。そしてあの力の本体に噛みつき吸収するだけでいい)

Re: シリウスの空 ( No.32 )
日時: 2011/03/21 12:49
名前: 櫻井業火 (ID: enDlMgfn)

「スイル、期待を突撃モードに、突っ込むわよ。」
『な、何をする気で?』
機体が突撃モードになりさらに加速する。シリウスダガーを目の前に構え、そのまま突っ込みながら回転する。
「スイル、見せてあげるわ、私のアナザーを。」
『わかりました。御武運を』
(覚悟はできたな?)
「えぇ、さっさとはじめるわよ!」
機体の表面が摩擦で徐々に赤く光りだす。
「はぁぁああぁ!!」
ズドン、という鈍い音とともに腕に衝撃が走る。
かまわず機体を高速回転させ潜り込もうとするが、徐々に装甲が削れていく。
(シリウスのやつは何をやっている!もっと力を出してくれれば・・・・)
「くっ、装甲が・・・・そうだ・・・」
私は片腕を腰に持っていきハンドグレネードをエネルギー体の間近くで爆発させる。一瞬だが力が弱まった。
私はそのまま両手で無理やりエネルギー体を広げる。
「はぁ!」
少しの隙間から首をつかむ。
女性は悲鳴をあげる。
(やれ)
「言われなくたって!晴登!!あなたの力を!!!」
「?」
晴登の腑抜けた面にもう一度叫んだ。
「力を貸しなさい!!」
「・・・・わかった。」
晴登は戸惑いながらうなずくと微弱だが力の出力を上げていく。
自分の胸の奥に何かが疼くのを感じた。
(貴様の力だ。自由に使うといい)
「クヮッ!!」
思いっきり女性に噛みつく。
ごめんね・・・痛いだろうけど、我慢して。
突如、私の体に力が次々と流れ込んできた。
「っ!!」
負けるもんか・・・・
そして私は、今日、人ならぬ存在へ足を踏み入れた。


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