ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

忘却の金曜日 完結しました
日時: 2011/01/08 13:05
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

クリックthanks!!

初めましての方もそうで無い方もこんにちは、こんばんは、おはようございます。涼原夏目です。

今回は「記憶喪失」系を執筆しようかなーと思ってます。
実はコメディ・ライトで建てたんですけどシリアスっぽくなりそうだったんでこっちに移しました(笑

〜完結しました!〜
ようやく完結しました。
最後の方とか上手く書けたかなーと不安ですが(苦笑
コメント下さった皆様、オリキャラを下さった皆様、そして今読んでくださっている皆様。
本当にありがとうございます。
180ページを突破できたのも、参照を何と500を突破できたのも皆さんのお陰です。
本当に、ありがとうございました。
                by 涼原夏目


《注意事項》
1.荒らし、誹謗中傷、複製目当ての方はブラウザバック推奨します。
2.涼原夏目が嫌いと言う方もブラウザバックを推奨します。
3.時々流血表現が有ります。
4.更新は遅いです。

以上の事が大丈夫! と仰って下さる方は観覧してくださると有難いです^^


  《目次》〜完全完結しました〜
プロローグ>>01
登場人物>>02

第一話 小鳥が一羽飛んで行く
>>03 >>04 >>14 >>21 

第二話 思い出
>>34 >>43 >>48 >>56 >>57 >>70 >>76

番外編 カルテ(読まなくても平気です)
>>77

第三話 失う、喪う
>>89 >>93 >>95 >>109 >>147 >>153

第四話 カウントダウン or タイムリミット 
>>158 >>160 >>161 >>163 >>167 >>168 >>169 >>170

第五話 後悔、安心
>>171 >>174 >>175 >>176 >>177 >>178 >>179

エピローグ ありがとう
>>183
  
  《お客様》〜皆様本当にありがとうございました!〜
ヴィオラ様 ポアロン様 フナ様 Neon様
水練様 鈴原玲様 アキラ様 月夜の救世主様 
かりん様 ペトルーシュカ様 蜜蜂様 白狐様 ゆn様


  《オリキャラ》〜素敵なオリキャラ、ありがとうございました〜
坂下狢(ヴィオラ様オリキャラ)>>05
大倉雅(ポアロン様オリキャラ)>>06
冬憂芽衣(Neon様オリキャラ)>>08
夜姫彩佳(水練様オリキャラ)>>09
清瀬小春(鈴原玲様オリキャラ)>>10
安藤宗弥(月夜の救世主様オリキャラ)>>20
七瀬馨(白狐様オリキャラ)>>81
長瀬空斗(ポアロン様オリキャラ)>>84


〜キャラを描いて頂きました〜
>>172 魅代夕
葉佩様が夕を描いてくださいました!
本当に上手すぎます。あまりの可愛さに卒倒しました((

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38



Re: 忘却の金曜日 参照500突破しました!!  ( No.175 )
日時: 2011/01/08 10:08
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
参照: http://ameblo.jp/tiakizero/image-10758909877-10964047708.html

アキラ様
突然です。本当に(苦笑
……どうなるんでしょうね……。
ハッピーエンドになるかならないか、物凄く不安です(汗

Re: 忘却の金曜日 参照500突破しました!!  ( No.176 )
日時: 2011/01/08 10:54
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)


「アイツが書いたのか……」


涼也はそう呟いて手紙を見た。字は細かく、かなりの長文である事が伺える。
そして涼也は集中してその手紙を読む。




「………」


ポツ、ポツ、ポツ、ポツ……。

手紙に一粒の涙が滴り、また一粒、一粒と染み込んでゆく。
泣いている。涼也は自分が涙を零している事に気付いていた。しかし止められなかった。
否、止まらなかった。


「……」


そして椅子から立ち上がり、手紙を持ちながら早足で病室から出る。
乱暴にドアが開き、驚く真白たちにただ一言告げた。


「……三人、来い」


——————————————————————————————


「……三人、来い」


突然病室から出て来た浪森先生は一言そう言う。
目には涙が浮かんでいたけれどどうしたのかすら聞けなかった。
ただ、誰が行くか迷ったので皆の方を見る。

やっぱり反応は同じで、迷っていた。


「とりあえず、真白さんと葉月さんが良いと思います」
「私と葉月? ……どうして」


嫌では無いけれど、あっさりと言う馨が気になって少し聞いてみる。
すると馨はちょっと悲しそうに微笑んだ。


「僕より、真白さんと葉月さんの方が口下手では無いし……」
「…………分かった」


そんな事は無い、と言いたかったけれど言わなかった。
馨なりの決断だと何となく分かって口出ししない方が良いかな、と察したので。
すると雅さんが蒼さんの背中をドン、と押した。


「じゃあ蒼、行って来い」
「え!? でも……良いのか?」


雅さんは二カッと笑ってから頷く。


「いっつも夕の事心配してる奴に行かせない訳は無いだろ?」
「おっ、お前…………いや……ありがとう」


深く頷いて言う蒼さんに雅さんは何も言わず頭をポンポンと叩いた。
そしてそれを見た浪森先生はいつの間にか涙を拭っていて、病室の扉を開ける。



「頑張って来いよ」
「……夕を傷つけたら、殺すから……」


雅さんと空斗君の言葉に押され、私と葉月と蒼さんは病室へと入った。

Re: 忘却の金曜日 参照500突破しました!!  ( No.177 )
日時: 2011/01/08 11:05
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)


病室へ入ると、夕がゼェゼェと苦しそうに呼吸をしながら寝ていた。
まだ危険な状態らしく、私達はそっと近づいてから夕の顔を覗き込む。

「……夕」

返事は来ない。
私は涙を堪えながら静かに椅子に座った。

「この手紙を見てくれ」

すると浪森先生が突然一枚の紙を私達に差し出す。何かと思い私がそれを見るとそれは夕の文字。
三人で食い入るように手紙を見始める。その手紙は遺書と呼べるのか呼べないのか分からない手紙だった。


———この手紙を読んでいるとき、僕の記憶は戻っているのでしょう
か。
皆さんの事を、忘れたりしていないと信じています。
そして皆さんと一緒に笑顔で話す事が出来ると信じています。

……でも、もし、そうでなかったら。
お願いです。泣かないでください。
そして沢山の物を見て、長く生きていてください。
出来れば金曜日には僕の事を思い出してください。

そして笑顔で生きていてください。


僕と仲良くして下さった真白さん。
真白さんはいっつも明るくて、僕はいつも救われていました。

面白くて優しい葉月さん。
真白さんと話す時は凄く面白くて、僕に優しくしてくれて……凄く嬉しかったです。

優しくて兄みたいに思える蒼さん。
穏やかで火曜日に「大丈夫」だと言って下さってとても安心しました。

温かくて皆に優しい浪森先生。
いつも迷惑をかけて御免なさい。僕の為に泣いてくださって、温かくて……感謝し切れません。


病室に響く笑い声も、時々切なくなる時も、いつも皆さんが居てくれたお陰で僕は笑顔で居られました。

一言だけ言わせてください。




ありがとうございます。
             魅代夕




「夕……っ! 夕!!!」


手紙を読み終え、私は半ば叫ぶ風にして夕の顔を再度覗き込む。
……何で? と疑問が次々に頭に浮かび、気付けば声が出ていた。


「まだ、死なないでよ! ……言ったじゃん、あの時……。護るって……」
「真白、アンタ……」
「夕の事護るって誓わせといて、何で死ぬ事に納得してるの!? ……そりゃあ、夕がどれだけ辛いか私には想像つかないと思うよ。……でも…………無いよ、そんなの……」


言いたい事がボロボロと出てきて変な文になったけれど、それでも気持ちは溢れ出してくる。
そして終いには私は泣いていて、夕の顔に雫が落ちていた。



















「泣か、な、いで……」







「!?」



気付けば、夕が目を覚ましていた。

Re: 忘却の金曜日 参照500突破しました!!  ( No.178 )
日時: 2011/01/08 11:19
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)


「夕……?」


夕はさっきの熱が何処へ行ったのか、と言うくらい突然に回復した。そして上半身を起こす。
けれど、あの日のように、震えていた。


「……っ、あぁぁぁぁ……」


そして声が漏れてくる。
やっぱり記憶が戻っているんだ。と私は改めて感じた。
と、思えば突然夕が、




           私を押してベッドから跳ね起きた。



・・・
あの日のように。




「駄目、だっ……僕は、僕は僕は僕は僕は僕は……ひ、とを……殺したん、だ……!!!!!」


押されて尻餅を着いた私を見ながら夕は頭を抱えて声を震わせる。
あまりの状況に皆押し黙っていた。


「来ないで……僕に、近づかないでっ……! もう止めて!! 人を殺させないでえええええええええええええええええええええっ!!!」
「夕!!」


浪森先生が夕を押さえつける。しかし今日は、違った。
夕がとんでも無い力で浪森先生を突き飛ばした。細い腕から、想像も出来ないくらいに。
浪森先生は吹っ飛び床に転がった。蒼が急いで駆け寄って無事だと私達に告げる。
私は何とか立ち上がったが夕の様子に少し唖然とする。


「っあ、はぁ、はぁっ…………」


叫びすぎたのか、夕は息も絶え絶えになっていた。
私は何故かその様子が何かを押さえ込んでいる風に見えていた。

気付けば夕の元へと走る。
そして驚く夕は気にも留めず、抱きしめた。



「夕」
「離せぇっ! もう嫌だ、嫌だっ……! 人殺しに、近づかないで……っ……」


もがいて暴れる夕を、自分にあるのかと思えるほどの力で抱きしめる。
そしてただ一言、







「もう泣いて良いよ」




と言った。

Re: 忘却の金曜日 参照500突破しました!!  ( No.179 )
日時: 2011/01/08 12:32
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

「……?」


夕も、葉月も、蒼さんも、浪森先生も皆呆然としていた。
私は微笑みながら、夕に話した。


「あの日……夕、泣かなかったでしょ? いや、あの日だけじゃなくて私と葉月と三人で居る時もずっと泣かなかった。
本当は苦しかったでしょ? ……もう泣いて良いよ。

夕は独りじゃないから」
「っ…………」


夕はペタン、と床に座り込む。私も床に座り夕をじっと見つめた。

知ってるよ、夕がずっと苦しそうなのは。だけど、何も言えない自分が居た。
今しか言えない事だけど、もう夕は独りじゃないから。

皆沈黙したままだったけど、表情が優しくなるのを感じる。


そして夕は


「うわぁっ……あぁっ、ふっ、うぇぇっ……」


遂に、涙を零した。
今までの思いを全て流すように大粒の涙が両目から無数に溢れ、私に抱きつきながら泣いている。
私は何もせず、黙っていた。余計な事を言わない方が良いと感じたから。


「僕、っは……生きてて、良いん、です、かっ……?」
「勿論。ねぇ、葉月?」
「当たり前じゃん!」


葉月はにっこり笑って床に座る。
夕はその笑顔を見ると口角を少し上げて嬉し泣きをした。
そして蒼さんと浪森先生も床に座り、図らずも四人で四角を作っていた。


ボーン。ボーン。


「……? 十二時……」
「金曜日、か……」


ふと夕の方を見る。勿論そのままで記憶は失っていない。
私達は一斉に涙を流し始めた。


正真正銘の嬉し泣きだけど。


「夕……良く頑張ったね」
「っ……真白さんも、ありがとうございました……」


夕が満面の笑みでそう言って私に抱きつく。
私も満面の笑みで夕に抱きつき返した。






……ありがとう、夕。








君のお陰で私も何かを手に入れた気がします。


忘却の金曜日 完


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38