ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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ピリオドをください。
日時: 2011/04/13 22:47
名前: AW工作員 (ID: 3JtB6P.q)

一度投稿したはいいけれど、ちっとも先に進まず
諦めました☆

今回は本気で書こうと思ってます…
…嘘ですwいつまで続くか分かりませんが、
書ける限り書こうと思います。

文章力がなく、グダグダですが
よろしくお願いします^^

>>2 プロローグ

>>3>>4 第一章

>>5>>10>>11 第二章

>>12>>13>>14 第三章

>>18>>19>>22 第四章

>>24>>25>>26>>28 第五章

>>29>>30 第六章

>>35 第七章       

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Re: ピリオドをください。 ( No.24 )
日時: 2011/02/09 17:29
名前: AW工作員 (ID: 3JtB6P.q)

第五章

『戻ってこい』

声が聞こえた。
優しい、青年の声が。

真っ黒な廊下ー。
いや、白い壁が闇に呑まれているのだ。

「どこにいるの?」

無数の扉が並ぶ廊下を
さまよった。

『戻ってこいよ』

また声がー。
違う。聞こえるんじゃない。

直接頭に響くような、そんな感じだ。

暗闇を手探りで、
足を引きずるように歩いた。

「一体誰なの?」

走ろうとする足がもつれ、床に倒れる。

『こっちに戻ってこい』

目の前のドアで声が大きくなったような気がした。

“重症420号室”と札が掛かっている。

ダイヤル式の南京錠だ。

私は立ち上がると躊躇なくその南京錠に手を伸ばし、ダイヤルを回した。

ー知っている。
何故かダイヤル番号を知っているのだ。

解錠し、私はドアに手をかける。

(何があるんだろ…?)

思い切って、ドアを開けてみた。

その瞬間。
まばゆい光が視界を覆う。

私は全てから遠のいた。

Re: ピリオドをください。 ( No.25 )
日時: 2011/02/21 23:27
名前: AW工作員 ◆DmA4Zkv3S6 (ID: 3JtB6P.q)
参照: トリップつけました

「待って!」

手を伸ばして飛び起きた。

「…夢?」

頭を抱えながら
枕元のデジタル時計を手に取る。

午前二時。
なんて不吉な時間に目を覚ましてしまったのだろう。

ゆるゆると体を起こし、台所に向かうとコップに水を注いだ。

医者は“強力な”睡眠薬だと言っていたが。

それを信じて、床に就きなおそうとした。


無理だった。
浅く眠ることすらままならない。

時計は進み、それでも私は目を閉じられなかった。

夢で見た部屋が気になる。

一体、あの部屋には何が…?

カーテンから光が差す。デジタル時計は午前四時だ。

たまらずベットから起き上がり、そこら辺に散乱していた服を着た。

組み合わせが変なことなんて気にしない。

ただ、あの部屋への好奇心だけが私を突き動かしていた。

玄関でスニーカーのかかとを踏むと、ドアを強く開けて駆け出す。

病院までの道のりを覚えているわけではない。

走っているはずだった。あてもなく。

「着いたの、私…?」

私の目にはあの病院が写っていた。

Re: ピリオドをください。 ( No.26 )
日時: 2011/02/21 23:28
名前: AW工作員 ◆DmA4Zkv3S6 (ID: 3JtB6P.q)
参照: トリップつけました

入り口に立つと、
自動ドアが開いた。

“本日の診療は終了致しました”の看板が立てられてるにも関わらず。

まるで罠。

危険、行ってはダメ。
心だけが戦慄いていたが足は進む。

真っ暗な受付フロアには出窓から光が注いでいる。

心は少し和らいだ。

「…重症420号室」

パネルにそのような部屋は無かった。

(やっぱり、ただの夢だったのかな…)

諦めかけたその時。

『戻ってこいよ』
「!!」

あの声だ。

私は声に誘われるように歩き出した。

どこを歩いてるのかなんて分からない。

静寂に足音だけが響き渡る。

滴を落とした水面のように、広がるようだ。

『戻ってこい』

声も強さを増している。

「…ここは!?」

気が付けば、ドアの前ー“重症420号室”だった。

『こっちに戻ってこい』
声も在る。
間違いなくここだ。

南京錠を見やると、

「夢と同じだ」

夢と同じ数字に合わせて解錠した。

南京錠がカシャンと音を立てて床に落ちる。

ドアは開かれた。

「やぁ。朝ご飯にしちゃちょっと早すぎやしないかい?」

同じ声。

彼はベッドに腰掛けて
こちらに背中を向けていた。

Re: ピリオドをください。 ( No.27 )
日時: 2011/02/23 22:17
名前: AW工作員 ◆DmA4Zkv3S6 (ID: 3JtB6P.q)
参照: トリップつけました

あげっw

Re: ピリオドをください。 ( No.28 )
日時: 2011/03/31 11:45
名前: AW工作員 ◆DmA4Zkv3S6 (ID: 3JtB6P.q)
参照: お久しぶりです^^

全身を黒で統一した服装は白い部屋では際立っている。

「私は看護師じゃない」

「じゃあ、面会?嬉しいね。ここじゃ面会は禁じられてるのに」

笑い混じりに言いながら彼はこちらに振り向いた。

長い前髪から穏やかな目が覗いたが、

「嘘、だろ…こんなことって…」

その目は一瞬にして大きく見開かれた。

ホラー映画のワンシーンのようなリアクション。

彼は立ち上がり私の前に立った。

「!?」

いきなり肩を掴まれ、
顔をまじまじと見つめられる。

「…咲希なのか?」

これまで全く違う場所で全く違う人間として生き還り続けていた。

唯一、共通していたことといえばー。

「ちょっ、何で私の名前を?」

肩を掴んでいる手を振り払った。

「…え?」

彼はただ愕然とする。

が、それはすぐに憂いの表情に変わった。

「そうか…。君は別人か」

「別人?」

「いや、君によく似た人を知っているだけだ。まさか名前まで同じなんてね…」

もとの穏やかな目に戻り、表情が温かみを帯びた。

「そんなことより、なぜ君はここに?」

「あなたが呼んだんじゃないの?」

そう。
私は声に呼ばれたから来ただけだ。

別に何か用があるわけではない。

「呼んだ?僕が?」

彼は驚いた表情を浮かべたがすぐフッと笑ってこう言った。

「何にしても好都合だ。僕をここから連れ出してくれないか?」


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