ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Different Worlds
- 日時: 2011/03/07 22:42
- 名前: ケンチン (ID: ZfyRgElQ)
はじめまして、ケンチンと申します。
小説を考えたり投稿するのは初めてなので、いくつかおかしな点が出てくると思いますが、大目にみてください。
アドバイスや改善点などがありましたら、教えてくれるとうれしいです。
それでは、よろしくおねがいします。
- Chapter16:兎を見て犬を呼ぶ ( No.22 )
- 日時: 2011/04/10 21:43
- 名前: ケンチン (ID: yMcOisx5)
再び正面からいっても負けてしまう。
何は手はないものか。
そういえばマンテルに蹴り飛ばされたとき、後ろのバンのドアが開いているのが見えた。
こいつらが使っていた黒いバンだ。
すこし首を振りバンの中を確認すると、車の床にM84スタングレネードが転がっていた。
学校から脱出するときに市川が使っていた、非殺傷武器だ。
閃光で目を晦まし、大音響で三半規管を攪乱させ動けなくする。
こいつを使えばあいつを一時的に麻痺させることが出来る。
だが、いま取ろうとしたらマンテルに気づかれる。
俺は市川に
「市川、後ろのバンの中にスタングレネードがある。俺がやつの目をひきつけるからその間に取って使え。」
そう小声でいう。
「だけど、あなたまで食らってしまうわ」
「かまわん。俺もろともやれ。やつが動けないうちに倒すんだ。後ろを向いて目を瞑り、両手で耳を塞げばお前だけスタングレネードを食らわずにすむ」
「わかったわ」
市川がうなずく。
俺は立ち上がってバンから離れ
「俺たちだってまだまだいけるんだぜ」
そういいながらマンテルを挑発する
「まあこんなことでやられるやつじゃねーか。俺の部隊にいたころのお前はいい仕事ぶりだったからな。」
マンテルは俺に視線を移している。市川の方は見ていない。
「だが、お前に俺は倒せない。人工人間のくせに上官様にはむかった罰としてこの場で処刑だ」
そういってマンテルがこちらに飛び出そうとしたとき
バンッ!
俺たちの間でスタングレネードが炸裂した。
まともに食らった俺は視界が奪われ、ピーと耳鳴りがする。
しばらくすると視界が回復し、耳鳴りもおさまった。
そしてマンテルは市川の攻撃をまともにくらったらしく、その場に倒れていた。
俺が何も見えてないうちにどうやら成功したらしい。
市川は俺の方に駆け寄り
「大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。それよりあいつを仕留めたみたいだな」
「ええ。動けずにいたからなんとか倒せたわ」
よかった。だがゆっくりしてはいられない。
他の部隊が来る前にここを離れないと。
マンテルから手錠の鍵を取り上げ親父を解放する。
「ありがとう和宏」
開放された親父はマンテルに近づき、服の内側をあさっている
「つかまっているときに見えたんだ」
そしてなにやら紙を見つけて俺たちに見せてくる
「こいつら以外にも、俺たちを捕らえようとしている軍のやつらがこの世界に来てるみたいなんだ」
- Chapter17:Exclude Taitors ( No.23 )
- 日時: 2011/04/15 00:00
- 名前: ケンチン (ID: yMcOisx5)
午後7時
日は完全に落ち、あたりは暗くなっていた。
俺たちは敵が使っていたGMCユーコンの黒いバンに乗り込み空港から出ることができた。
走る車の中で俺は親父が見せてきた紙を見ていた。
この紙は作戦指令書だったらしく
”オペレーション:エクスクルードトレイターズ”
紙の上にはでかでかとそう書いてあった。
どうやら俺たち3人を捕まえるための作戦名らしい。
「裏切り者たちの排除」か。
「排除」なだけあっていきなり殺しに来たからな。
さらに紙には作戦に関する詳細が書かれていた。
それを見る限りではどうやらこちらの世界にこの作戦を指揮するための作戦本部が設置されていたようだ。
「ここをつぶせば何とかなるのか?」
俺は隣に座っている市川に聞いてみる。
「それだけでは意味ないわ。結局またむこうからこの世界に軍の連中が送り込まれてくるだけだから」
根本的な解決にはならないのか。
「軍は初め、今日みたいな派手な行動は避けようとしていたの。違う世界で他人を巻き込めば問題になるし、この世界の住人に別世界があるなんて気づかれたくなかったから。だから私を送ったの。だけどしびれを切らしたようね。軍も速いこと片付けたいみたいだわ。」
確かに、これだけ派手にドンパチすればタダじゃすまない。
警察や、場合によっては自衛隊も動くかもしれん。
そういった国家機関と交戦することになればさらに厄介なことになる。
なのに作戦の方針を変え、これだけ送り込んでくるとは。
むこうも相当あせっているようだな。
ちなみに親父は家にいたところ、マンテルの部隊に突入されて捕まったらしい。
すでにやつらに家の場所がばれているということだ。
もうあの家には戻れない。
どこか遠くまで逃げる必要がある。
しかし、やはり親玉をつぶさない限りふたたび追いかけられ、また逃げて。それの繰り返しだ。
そしてその親玉は別世界にいる。
だったら行くしかねーな。別世界とやらに。
敵の作戦本部にはむこうのPriority Worldに行くことが出来る設備があるようだ。
作戦指令書にはその場所や概要までが書いてあった。
俺は運転している親父に
「もう家には帰れない。とりあえずここに行こう」
そういって紙を渡す。
まあ、どちらにしろこれから逃亡生活を長々と続ける気はない。
勝てるかどうかはわからないが、こちらから仕掛けるしかない。
そうしない限り終わらないんだ。この戦いは。
- Chapter18:侵入 ( No.24 )
- 日時: 2011/04/24 00:14
- 名前: ケンチン (ID: yMcOisx5)
「ここみたいね」
車で走ること数十分、俺たちは廃校になった小学校の近くに来ていた。
誰もいないはずなのに電気がついている。
グラウンドには3機のBell-412が駐機してあり、駐車場にはM2ブローニング付きのハンビーやGMCユーコンのバンが複数駐車してある。
間違いない。やつらはここを拠点としている。
そして、中には向こうの世界に行くことが出来る装置も整っているはず。
だが問題がある。当然、敵兵がいたるところで巡回している。
学校の屋上にはM24ライフルを持った狙撃兵。
おまけに警戒にあたっている敵兵は暗視ゴーグルをつけている。
猫1匹の侵入も許さない厳戒態勢の状態だ。
中に入るのはかなり厳しいが。
「着いたのはいいが、どうやって中に入る?」
市川はグラウンドの方向を見ながら
「装置のある場所は体育館。その反対側のグラウンドに敵を集められればいいんだけど。」
市川はバンに向かい、中をあさり始める
「この車の中、スタングレネード以外にいろんな物が入ってるわ。様々なことを想定して色々と持ってきたみたいね」
そういって車内からSPAS12ショットガンと弾を取り出し、俺に渡してくる。
車の中には銃以外に爆弾や弾、無線などが入っていた。
「その弾は12ゲージのゴム弾よ。殺傷能力はないわ。だけどあたったらしばらくは動けないでしょうね」
おれは受け取った弾の箱を開けて中をみてみる。
たしかにゴム弾だ。だが食らうと痛いではすまないだろうな。
「敵の目をグラウンドに向けるって、どうやるんだ?」
「これつかって派手に行けば、敵を一時的に混乱させられるわ」
市川が手に持っていたのは車内にあったC4爆弾だった。
彼女はそれを座席の下に設置。
さらにハンドルを紐で固定し、弾の入った弾薬箱をアクセルペダルの上におく。
「このまま真っ直ぐいったらどうなるでしょうね」
車はすでにグラウンドの方向に向いていた。
当然車はその方向に進んでいくわけだが・・
おいおい、まじでやるのか。ど派手だな。
「和宏、向こうの世界にいくのなら、これをもっていけ」
親父が後から声をかけてきた。
手にはなにやらCDを持っているが。
「これは一種のウイルスみたいな物だ。ACから戦闘プログラムだけを消すことが出来る。長い間作ってきたがやっと完成した。これをACを管理しているPCから流せば、やつらは君たちを攻撃してこない。」
- Chapter19:トラベル ( No.25 )
- 日時: 2011/05/05 15:15
- 名前: ケンチン (ID: 7hab4OUo)
俺たちは体育館のすぐ近くまで移動した。
市川は余っていたC4爆弾を適当な大きさに分けて、バックパックにしまっていた。
「いいぞ、やってくれ」
準備ができたみたいなので携帯で親父に指示をだす。
数秒後、車のエンジン音とおもにグラウンドで爆音が鳴り響く。
一瞬あたりは昼間のように明るくなり、1機のBell412を巻き込んで激しく燃えていた。
警戒にあたっていた敵兵がグラウンドへと向かい、屋上の狙撃兵も体育館側を見ていない。
敵数がかなり減ったみたいだ。
「いまならいけるわね」
数が減っているうちに体育館の裏口まで近づく。
だが、裏口に監視2名が残っていた。
さすがに全員グラウンドへ向かわせることは出来なかったみたいだ。
だが二人は爆発した車に気を取られていて、俺たちにはまだ気づいていないようだ。
「こいつであの二人をやるわ。私は左を、あなたは右をお願い。カウント3で同時に撃つわよ。」
車から持ってきた12ゲージのゴム弾が入ったSPAS12ショットガンを構える。
3・・2・・1・・
ボンッ
ゴム弾は命中し、同時に二人その場に倒れる。
ドアを開けて中に入り、
更衣室やトイレを通り抜け、窓からホールの中をのぞいて見る。
突然の爆発で中の人たちはざわめいていた。
白衣や作業服を着た人たちがいるが、銃を持った敵の姿はない。
真ん中には大きな筒のような機械にPCがいくつも設置してあった。
筒型の機械には「TRANSPORTER」と大きく書いてある。
あれか。例の異世界へ飛ばしてくれる機械ってやつは。
「あれでいけるんだよな?・・・ってあれ?」
隣にいたはずの市川の姿が消えていた。
どこいったんだよ。
すると体育館内で放送が流れる。
「グラウンドにて爆発事故が発生しました。安全のため、校門前の駐車場まで避難してください。」
放送をうけて作業をしていた人たちは出口から外へと出て行き、
ホール内は誰もいなくなる。
そして、体育館の放送室から市川が出てきた。
放送をかけたのは彼女だった。
「誰もいなくなったことだし、異変に気づく前にはやくいきましょ」
「これ、使えるのか?」
「この世界に来る前、なんどか使っているところを見たことがあるわ。だからある程度はわかるんだけど。あなたのお父さんに連絡してわからない所は聞きましょ。これの元をつくったのは岡本博士なんだから。」
「そうだな」
親父に携帯でいろいろと聞きながらチェックしたところ、すでに転送準備は出来ていたみたいだ。
なにか送ろうとしていた所らしい。
あとは転送先の座標入力をすませれば実際に飛ばされるとか。
「OK,できたわ。速く中に入って」
俺たちは転送装置の中に入る。
しばらくすると体がすごく軽く感じるようになる。
なんだか重力がなくなったような、不思議な感覚だった。
そして目の前が真っ白になり、あまりのまぶしさに思わず目を瞑ってしまった。
体の感覚が元に戻り目をあけると、俺たちは外にいた。
- Chapter20:研究所 ( No.26 )
- 日時: 2011/07/02 21:00
- 名前: ケンチン (ID: Z335tRta)
俺たちが立っていたのはビルが立ち並ぶ都心の真ん中だった。
時間は夜遅く、人通りはすくない。
「ついてきて」
C4爆弾が入ったバックを持ち上げ市川が歩き出す。
まあ異世界にきたわけだが、何だか実感がない。
というのも、俺たちが住んでいた世界とそんなに変わらないからだ。
ここにいたときの記憶はもうないし、初めてじゃないのにこちらの世界のことは何も知らない。
俺はてっきり車が空を飛んでいたり、ロボットが掃除していたり、そんな未来的な所だとばかり思っていた。
なにせ俺みたいなコンピュータ人間がいる世界だからな。
そんなことを考えながら街灯がむなしく照らす歩道を歩くこと数分
「あのビル、見える?」
市川が周りのビルよりもひと際でかい建物を指差した。
「あそこか?目的の場所って。」
「ええ、あれが国家AI技術研究所。戦闘用ACの研究、管理および異世界への物質転送技術の研究とか、とにかくいろいろやっているわ。あそこが潰れればSecondary Worldへ移動することができなくなる」
だから、あのでかい建物をそのC4で吹っ飛ばすってことか。
「どうやって中に入るんだ?」
「そうね、いろいろ準備するのに時間がいるわ。明日必要な物をそろえましょ」
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