ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- とおりゃんせ -恨みの童歌-
- 日時: 2011/03/21 11:16
- 名前: 京香 (ID: WVvT30No)
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とおりゃんせの歌声が
何処からか聞こえてきた
とても悲しい歌声だ
だけど次第に大きくなった。
次第に恐ろしさが伝わり、
逃げたいが、体が動かない。
ふと気付けば目の前に
着物を着た少女がいた。
—— 誰なの?
〝この恨み、未来永劫許さじ〟
目の前が真っ暗になった気がした。
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- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.23 )
- 日時: 2011/03/24 20:45
- 名前: 京香 (ID: fS3ho1RJ)
クピクピsama
沙奈母は実は数日前に
カナの手で死にました(怖っ
百合は何を考えてるんですかね(殴
沙奈に対する復讐でしょうが、
沙奈…お前、運が無いな。
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- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.24 )
- 日時: 2011/03/24 21:42
- 名前: 。+苺香+。 (ID: JD5DDSYn)
ひゃあ〜!!!!!!!!!!
怖いw
夜の廊下が気味悪くなってきた…
- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.25 )
- 日時: 2011/03/24 22:13
- 名前: 京香 (ID: fS3ho1RJ)
。+苺香+。sama
怖いと言ってくださるとは、
凄く嬉しいですっ!
更に燃え上がります笑
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- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.26 )
- 日時: 2011/03/25 12:44
- 名前: 京香 (ID: fS3ho1RJ)
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「あれ?可笑しいな……」
あたしは途方に暮れていた。
図書館から借りた絵本が
部屋にあるはずなのに、
無くなったからだ。
早く返したいのに…。
何処にも見つからない。
頭を冷やして考えようと部屋を出た、
下に降りてリビングに入る。
お母さんは仕事に行ったはずなのに、
リビングでテレビを見ていた。
「お母さん………?」
「あなたの母親じゃないわよ」
「ないよーん」
隣にカナが居た——。
何でカナが此処にいるの?
何で何でと頭が混雑してきた。
全て可笑しい。
絶対何かが可笑しくて気付かないだけなんだ。
もう一度お母さんを見ようとすると、
カナと女の子がいた。
あの少女は、
お祖母ちゃんを殺した女の子だ。
何故か冷静になったあたしに
カナは砕けた口調で話す。
こんな子じゃないはずなのに——
「あのね、率直に言えばアンタの母親を殺したのは、アタシらー」
お母さんを殺した?
本当に率直に告白したカナが
何故か憎いはずなのに憎く感じない。
「でさ、何であんた等一族を滅ぼすのか知らないけど、とにかく…死んでね」
軽はずみで遊んでるように言ったカナ。
あたしは途端に怒りが湧き上がった。
「………っ!!」
「アンタが死なないとアタシの未来がぶち壊しになるのよ」
カナは低音で暗い声で言った。
あたしが何かした!?
「長谷川啓太はアタシの初恋相手だけど……
アンタの事が好きらしいじゃない
アタシね小さい頃から全て奪われてきたの
成績も人気も何もかも沙奈が目立ってきた
お陰で親には毎日叱られるはで最悪なのよ
沙奈信者でリーダーの祐美も殺した事だし、
——だから、今度はアンタが死んでね?」
カナは言い終えるとカッターナイフを
あたしに差し向けてコッチに迫ってきた。
突然の告白や
突然の裏切りに
あたしは何も出来なかった。
逃げる事さえもせずに、
ただカナと女の子を見つめる。
もうすぐ
彼女等に殺されるんだわ、
あたしは殺される運命なんだ。
そう直感が働いた。
目を閉じる寸前に何処からか声が聞こえた。
〝逃げなさい!私が二人を止めましょう〟
その声にあたしは体が勝手に動いた———
リビングを出て玄関を出て外に出て、
何処に逃げれば良いのか
分からずに
ただ走り続けた。
途中で転んで膝に血が出て怪我しても、
狂ったようにあたしは走り続けた。
何処に行けば良いの?
良く分からない内に着いた場所は
お地蔵様の祠がある
道路の道脇だった
あたしは地面より少し高いだけの
コンクリートの段に座る、
急に力が抜けた。
と同時に涙が溢れ出した。
「……………っ!……かあ……さん…………」
声ならぬ声で泣き続けた。
ただ静かに泣き続けた。
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- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.27 )
- 日時: 2011/03/25 14:30
- 名前: 京香 (ID: fS3ho1RJ)
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夕焼けの光が目に映った。
家を出た時はまだ2時だったのに。
もうこんな時間になったのか…
ふらつく体で立ち上がった。
目は多分赤くなってるだろう。
目の前がぼやけて見える。
家に帰るにもカナと〝あの女の子〟が居る。
頼りの母は彼女等に殺された——。
お父さんは海外赴任で
2年後にならないと帰ってこない。
あるのは絶望のみ。
祠に祭られているお地蔵様を見つめる。
あの時に守ってくれたお地蔵様。
あれは幻だったのかな……。
「泣かないでください、私はあなたの味方です」
とお地蔵様が急にこう言った。
石像なはずなのに喋りだした事で、
あたしは唖然とするなか。
「あなたにはカナと〝百合〟を救う宿命なのです」
百合という単語に何処か聞いたことがあった、
だけど誰なのか良く分からず、
モヤモヤする。
「それでは今から百合という少女の生い立ちと悪霊になった訳を話しましょう」
何かを言いかけようとしたけど、
目の前の景色が歪み始めた。
目がクラクラする。
あたしは耐え切れずにその場に倒れた。
目の前にあるお地蔵様は消えていた。
——
気が付くと風景が変わっていた。
道脇にあるお地蔵様は無い。
それどころか人々は皆着物だった。
道はコンクリートはなく雑草だらけ。
すぐに気付いた。
あたしは〝タイムスリップ〟したのだと——。
幸い人々にあたしの姿が見えないらしい。
だから倒れても騒がれなかったのか。
良かった。
行くあても無いのに何処かへ行こう。
等と軽はずみな考えが浮かび
とりあえず町へと向かった。
町は活気に満ち溢れていた。
もしかして此処は江戸時代なのかも?
それにあたしの住んでる県は東京だ。
ということは……江戸だっ!!
歴史オタクのあたしには
大興奮で死に切れないくらいの
感動が待っていた。
ダメだ……鼻血で死ぬかも。
というおふざけは置いてここは何処なの?
歩く度に人々の体をすり抜けた。
幽霊みたいだ。
正確に言えばあたしは魂だけの状態なんだろう。
良く分からないままある長屋を見つけた。
江戸時代体験には庶民の暮らしから、
という意志を元にあたしは長屋に入る。
長屋は教科書やテレビどおりの明るい雰囲気だった。
ある部屋を見て中に入った、
お邪魔しますね…。
「百合、椿……遊びに行ってきなさい」
凄く綺麗な女性が二人の女の子に言った。
この子たちのお母さんだろう。
「はーい、お母さん。……ほら行くよ、椿」
「うんっ!」
百合という言葉にあたしは気付いた。
あの女の子は百合という名前だと、
そして……
江戸時代に生まれた子なんだと。
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