ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- とおりゃんせ -恨みの童歌-
- 日時: 2011/03/21 11:16
- 名前: 京香 (ID: WVvT30No)
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とおりゃんせの歌声が
何処からか聞こえてきた
とても悲しい歌声だ
だけど次第に大きくなった。
次第に恐ろしさが伝わり、
逃げたいが、体が動かない。
ふと気付けば目の前に
着物を着た少女がいた。
—— 誰なの?
〝この恨み、未来永劫許さじ〟
目の前が真っ暗になった気がした。
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- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.17 )
- 日時: 2011/03/23 18:19
- 名前: 京香 (ID: ZMeIuJbG)
クピクピsama
恐怖が込み上げてきますか笑
凄く嬉しいですっ!
稚瑠
私は敬語癖なので敬語ですが、
稚瑠と呼ばせて頂きます!
こちらこそ仲良くさせて頂きますね★!
カナの正体は……
いずれ分かります笑
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- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.18 )
- 日時: 2011/03/23 18:21
- 名前: クピクピ (ID: gHpB4F6k)
次にカナも正体がわかるのかな?
楽しみ〜〜〜〜〜!
- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.20 )
- 日時: 2011/03/23 21:46
- 名前: 京香 (ID: ZMeIuJbG)
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お地蔵様の前を通った。
あたしはチラっと見て一礼する。
あの時に守ってくれたからだ、
本当にありがとう、
お地蔵様…。
「今度は花を持ってきますね」
とだけ呟きあたしは携帯の画面を見る。
もうすぐ7時になる時間だ。
早く帰らないと、
帰った途端に説教だろう。
「あーあ……ま、仕方ないか」
あたしはお地蔵様の前を通り過ぎた。
あの時と同じようにお地蔵様は、
光った——。
——
家に帰るとお母さんは説教せず、
優しく家に出向いてくれた。
ホッと一安心もつかぬ間に、
お母さんからの一言。
「早くご飯を食べるのよ?」
「……はあーい」
説教しない母に違和感を抱きながら、
リビングに入りテーブルに置いてある
夕食を食べた。
お母さんは何も食べずに鼻歌を歌いながら、
キッチンで皿やお椀を洗っていた。
あたしは何も言わず、ただ食べる。
んんっ……何これ?
箸でつまみあげたものは、
本当に小さな〝針〟だった——。
あたしは目の前が暗くなった気がした。
「沙奈……どうしたの?」
キッチンにいる母が優しく言った。
あたしは何も言えずに、
何でも無いよ。
としか言えなかった———。
—— 何で針があるの?
疑問はすぐ消えた。
リビングのテーブルに裁縫箱が、
しかも人形を作っていたのだ。
あそこから、この針が、
なんらかの理由でご飯に紛れ込んだんだ。
「沙奈、早く食べなさい」
「う……うん」
お母さんが怖い。
そんな感情が急に湧きてきた。
そんなのただの気のせいだ、
なのに…
今日のお母さんは
何処か可笑しかった。
何処か可笑しいのか分からない。
ただ直感が働きかけてくるのだ。
お願いだから。
そんなの思わせないで。
お母さんはお母さんだよね—?
「沙奈、本当にあなた、どうしたの?」
「……何でも、ないよっ!」
あたしは慌てて残りのご飯を食べた。
今まで美味しかったご飯は、
美味しいとは思えなくなった。
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- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.21 )
- 日時: 2011/03/23 23:40
- 名前: 京香 (ID: ZMeIuJbG)
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とおりゃんせ とおりゃんせ
ここはどこの 細道じゃ
天神さまの 細道じゃ
ちっと通して くだしゃんせ
御用のないもの 通しゃせぬ
暗い人気のない夜道に響く歌声。
歌声の主はカナだった。
片手には、
カッターナイフ。
目の前に怯えるのは、
「ひっ…!いやああああああああああああっ!!」
「死んでね、祐美ちゃーん」
怯える祐美という少女に
近づき………。
ザシュッ—!!
カナは血まみれのカッターナイフを
口に近づけ、ぺろっと舐める。
目の前には〝友達〟の祐美が死んでいた———。
空き家の屋根に百合が居座っていた。
パチパチと軽い拍手を聞く。
祐美は息絶えていた、
喉をザックリと斬られている。
「カナ。上手くなったわね」
「百合ほどじゃないよー」
「ふざけないことね」
真面目になる百合に苦笑いしつつ、
カナは今まで溜まりに溜まっていた
ストレスや不満を〝殺人〟で、
解消したのだ。
カナは既に人としての〝精神〟を失っていた。
「とおりゃんせの歌も覚えたから、もう完璧ね」
「だけど指紋とか残らないかなー」
今の科学技術を舐めてはいけない
父親が刑事のカナはそう呟くが、
百合は——。
「そんなのあたしが消してるに決まってるでしょ?」
「ふうん、ま、よろしくねー」
「……軽く考えないでよ」
百合の願いは虚しくカナは
沙奈への劣等感からか
開放されると聞いて以来、
不真面目で気まぐれな性格になったのだ。
それは裏の性格で表はいつも通りだ。
とても連続殺人に協力している、
殺人鬼とは思えない。
カナも見た目はね、と心の中で思っていた。
目の前にいたはずの百合の姿はなく
顔見知りの女性がいた。
沙奈の母親だ———。
「しっかしさー」
カナは不真面目特有の
世間に良く思われない口調で言う。
「何?」
「ホントに沙奈のおばさんを殺すのさ、大変だったよねー」
普通の会話をしているように
目の前にいる〝沙奈の母親〟に言った。
「そうね、どうでも良いけど早く帰らせてくれない?沙奈にバレると大変だから」
「そーだね、あいつ。超ウザすぎだもんねー」
沙奈の母親に化けた百合に
カナはバイバーイと手を振った。
百合も一応カナに手を振り返して、
闇夜に消えたカナを見送った後……
「本当にあの子との友情は脆いのね」
と呟く。
「まあ、カナだけは死なせないわ。……あたしの、」
言い掛けた言葉を再び言わずに、
無言になり闇夜に消えた。
目的地は、
憎き沙奈の住処へ
沙奈の母親を演じる百合は
憎しみを隠しながら、
今日を迎えようとしてる空を見上げ
「もうすぐお別れになるわね、沙奈……」
と静かに呟いた。
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- Re: とおりゃんせ -恨みの童歌- ( No.22 )
- 日時: 2011/03/24 18:36
- 名前: クピクピ (ID: gHpB4F6k)
沙奈母が百合〜?
私が沙奈だったら地獄だね!
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