ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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私と清田くんとあとひとつ【目次かいたよっ!よっ!】
日時: 2012/12/19 22:19
名前: 揶揄菟唖 (ID: w1J4g9Hd)


※この小説はいつ更新するか分かりません。僕と戸口さんともうひとつの番外編で更新率は揶揄菟唖の小説の中で一番低い物と考えてください。

+目次+
『そして音が消える。』>>1
『確かにそこにいた。』>>4
『酷く脆いその花。』>>7
『世界を閉じ込め包むそれ。』>>12
『物を語ること。』>>14>>43
『それを巻く手はもう痺れているけれど。』>>16>>40
『もう誰もいない。』>>19>>39
『一方通行の話。』>>26>>38
『夜明けを飲み込む。』>>32>>37
『二人が重なる時。』>>34
途中までの題名解説(更新予定無し)>>20

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「僕と戸口さんが同じ・・・か」 ( No.34 )
日時: 2011/10/10 14:30
名前: 揶揄菟唖 (ID: VBgkspJi)



僕と戸口さんと死に損ないの世界


・・・という夢を見た。
目を開ければ、いつもの窓の外の景色。

あぁ、本当に、夢だったのか。
妙にリアルだから、一瞬現実なのかと疑ってしまった。

幸い、教師にはねてたのがばれていなかったようだし今日はついてる。

途中から聞いてもわからないので、聞いているフリをしながらノートに頬杖をつく。

そして、さっきの夢を思い出す。

目線は、私じゃなかった。

いつだって夢の中では私は『僕』だった。

『僕』の心はなんだかずっともやもやしていて、自分の心なのに他人のもののようにそこが見えなかった。
それが凄く怖くて、不安で。
いつか、自分の心がなくなってしまうのではないかと思ってしまうのだ。

授業が終わる。
私は号令に合わせて立ち上がり、適当に礼をした。

変な夢で、コレまでの夢と違って、深く頭にこびりついていた。

あの音。あの鉄。あの花。あの空。あの物語。あの鼓動。あの席。あの忘却。あの悪臭。

夢の内容と恐怖と不安が、今でも思い出すことができる。

でも、何故か怖いとはもう思わない。

それが現実だからなのか、もう自分が『僕』じゃないからなのかはわからない。

「ねぇ、ノート見せてくれない?」

声をかけられて、顔を上げれば、隣の席の男子が立っていた。

「あ、ごめん。私、寝てたんだ」

少々恥ずかしいが、こう答えるしかない。

彼はかすかに笑う。

彼の笑顔が、私は嫌いだ。

心から笑っていない、しかも『嘘の笑顔』ともいえないどちらかというと死に顔に感じる。
それが嫌だ。

「そっか。君もか」

「寝てたの?」

彼に聞けば、彼は頭の後ろをかいてから、また後ろで手を組みなおす。

「うん。夢を見るほど、ぐっすりね」

珍しく口数が多い彼に驚きながら私のほほが緩む。

「私と、同じだね」

驚いた顔を一瞬した彼はまた死に顔を晒すように、笑った。

「・・・そうだね」

彼は、笑顔を作ったまま、顔を伏せる。
口がもぞもぞと動くのは分かったが、何を言っているのかまでは分からなかった。

「ありがとう、じゃあね」

手を振りかえして、私は思考に戻る。

愛がほしかったんだと思う。

今思えば、夢の中のあの心がここにないような感覚がしていたのは愛がなかったからだと思った。

たしかに愛はあったが、それは乾いたものでとても温かいとはいえないもの。
その愛を渡すのが怖くて、二人はすれ違っていたんだ。
これは私の推測だし、今更分かったってここは現実だからどうにもできないんだけど。

軽く伸びをすれば背骨がパキパキと音を立てる。

まぁ、いっか。

そう思い、また机に顔を伏せる。

それじゃあ、またあの夢を見てこよう。

私の瞼が降りると同時に、この世界が死んだ。


〜end〜


えーっと。
最終話です。
最後にしては物足りないとは思いますが、ごめんなさい。
最後まで、あやまってばかりでした。
満足のいく作品はかけませんでした。
みなさんも満足されなかったと思います。
結局、誘拐の話もかけなかったので最悪ですね。
ぐだぐだだったけど、終わるとなればやはり淋しいです。

だけれども、今まで呼んでくださった皆さん、ありがとうございました!

また別スレにてあえたら幸いに思います。



Re: 僕と戸口さんと最終話『ありがとうございました!』 ( No.35 )
日時: 2011/10/20 18:29
名前: ほろ ◆8kmAHmy8qM (ID: Qx27qPYR)

九話と十話、更新お疲れ様です。

九話のヤンデレ戸口さんに悶え、最終話で「僕」が見て、経験してきたものが全て夢だったという事実に驚きを隠せなかった僕です。
「彼」も、「私」と同じ夢をみていたんだったらいいなあ、と思います。「彼」が「戸口さん」の視点で夢をみていたのであれば尚更です。

終わってしまうんだ、と思うとやはり寂しいですね。揶揄菟唖さんの書くこの物語が大好きでした。
ネットの小説で鳥肌がたち、涙腺が緩み、感動し、驚き、そんな文章が書けるということに憧れたのはこれがきっと初めてです。
本当に、お疲れ様でした。
ありがとうございました。

Re: 僕と戸口さんと最終話『ありがとうございました!』 ( No.36 )
日時: 2012/01/03 00:13
名前: 揶揄菟唖 (ID: Dfaev/X/)


おひさしぶりです、揶揄菟唖です。

実は、私この小説が恋しくなってしまったようなのです。

ですので今度は戸口さん目線で書こうかと………

いつからはじめるのかは分かりませんが、頑張りたいと思います。


そしてほろさん!
コメント、応援ありがとうございました!
最後のコメント、私は正直驚いております。
私も実は彼も戸口さん目線の夢を見ていると言う設定を自分の頭の中で浮かべながら書いたもので………
ほろさん、あなたは………私ですか?
といいたくなるくらいです。
しかもそんなに褒めていただきますと私は死にます。
嬉しすぎて。
本当に、ありがとうございました。


またいつか、あえますように。

Re: 私と清田くんとあとひとつ【再更新かも】 ( No.37 )
日時: 2012/01/03 17:41
名前: 揶揄菟唖 (ID: hj9a4sJB)



私と清田くんと夜の奇行


あれ、と思い握っていた物を落としてしまった。

フローリングの床にペットボトルが落ちて中身が散乱する。
ベコっと変な音がした。
きっとペットボトルが凹んだんだろう。

どこにいったんだろう。
確かにここにいたのに。
そう、さっきまでは。

待っててって言ったのに。
どうして、私の言うことを聞いてくれないんだろう。

どうして、どうして。
私のものになってくれないの。
私はこんなに愛しているのに。

私が身体についた血を落としてあげるために水を持ってこようとちょっと離れた時だ。
逃げてしまったのかな。
今日はいつもより優しくしてあげたつもりだったのに。
それに、あれだけ傷だらけなら動けないんじゃないかって思ったのに。
私が間違いだったのか。

私の元を離れてしまうなんて、嫌だ。
ずっと私たちは一緒なんだ。
ずっとずっとずっと、一緒。

足元のペットボトルが吹っ飛ぶのも気にせずに玄関へと走る。

まだ、近くにいるはずだから。
絶対、私の元に返してあげるからね。
安心してね。

玄関に鍵はかけない。
その時間も惜しい。
私が大切なのは一番大切なのは、おにいちゃんだけだから。

おにいちゃんしか要らない。
私の世界にはおにいちゃんだけでいいんだ。
他なんて、要らない。

マンションの階段を駆け下りようとして、足を踏み外して転げ落ちたけどどうでもいい。
右足がズクズク痛む。

おにいちゃん、おにいちゃん。
私の頭の中はいつだっておにいちゃんだけなんだ。
今だって、昔だって、これからも。
だけど、おにいちゃんは違う。
私以外のことも考えるんだって。
考えられない考えられない考えられない考えられない。
私以外のことをおにいちゃんは考えるなんて。
嫌だ。

道路を少し進んだところで人が一人立っていた。
近くに倒れているのも人の様だ。

あ、あぁ、おにいちゃん。
おにいちゃんだ。
良かった。
すぐに近寄りたかった、抱きしめたかった。
でも、様子が変だ。
足元にいる、いや、あるのはアレか、死体だ。
おにいちゃんは必死に身体を揺さぶって起こそうとしているけれどもう無理だ。
アレはもう死んでいる。

殺したの、ねぇ、殺したの、お兄ちゃんが。
どうしてそんな人を殺すの。
私は殺してくれないのに。

おにいちゃんは死体をタクシーのトランクに詰めていく。
隠すつもりなんだね。
自分の罪を認めないんだね。
私は認めたんだよ。
おにいちゃんのことを愛してるってこと、認めたんだよ。
悪い事だって、いけない事だって、分かってたけど、認めたんだよ。

おにいちゃんは殺した人の服に着替えたようだ。
そんなことしたって私に見つかるのは分かってるくせに。
おにいちゃんが乗ったタクシーが走り去るのを確認して狭い路地に足を進める。

しばらく歩くと広い道に出た。
人通りも多い。

心待ちにしているとしばらくしておにいちゃんの乗ったタクシーが走ってきたから右手を上げる。

大人しくおにいちゃんのタクシーが私の前で止まったから乗り込んだ。
おにいちゃんはバックミラーを見ようとしていないから私だと気付いていないようだ。

「+++までお願いします」

「はい」

静かな時間を楽しもうと座席に背を預けるとやはり雑音が気になった。

「ラジオ、消してくださる?」

「はい」

いつもより人間らしいおにいちゃんが嬉しいけれどなんだか嫌だった。
ねぇ、私は何でこんなに苦しい思いをしなくちゃいけないの?

「お仕事は、なにを?」

ようやくおにいちゃんと目が合った。
バックミラーを見つめてくる冷たい瞳に身体がゾクゾクした。
うん、嬉しい。私を見てくれて。
目の下に入った私が目を抉ろうとしてついた傷跡。
あの時の怯えたおにいちゃん、可愛かったなぁ。

「人を、探していたの」

ねぇ、貴方を探していたんだよ。
おにいちゃんを。
私、偉いでしょう?
ほら、転んじゃったの。
でもこんな傷、平気なんだ。全部おにいちゃんのためだから、大丈夫。

「………あなたは、なにを?」

少しだけ意地悪をしたくなって問いかけてもおにいちゃんは眉ひとつ動かさない。

「みたとおり、しがないタクシーの運転手ですよ」

つまんないの。
もっと焦ってよ。

「違うわ。あなたはなにを《していたの》?」

再び問いかけて重要なところを強調してみた。
そうするとやっとおにいちゃんの顔から余裕が消える。
なんか、勝った気分。

「………どういう」

もう少し、遊んでもいいかな。
ちょっと大人ぶって髪を耳にかけた。
たまにはおにいちゃんと遊ぼう。
昔みたいに。

「因みに私はさっき兄を殺されたわ」

丁寧な口調で言ってみる。
ねぇ、昔おにいちゃんにこの口調で話しかけたら似合わないって笑われたんだよ。
覚えてる?結構傷ついたんだよ。

「丁度、三時間ほど前よ」

それは、私がおにいちゃんを見つけたくらいの時間。
ねぇ、おにいちゃんはその頃何していたか、覚えてる?

「現場に大量の血が残されていたのに、なぜか死体だけ見つからないの」

私はその死体がどこに行ったのか、知ってるよ。
見てたんだもの。

「………なぁーんちゃって………」

口元を歪める。
いつも部屋の中でおにいちゃんの身体に傷をつけている私みたいに。
笑う。
だって、楽しいから。
おにいちゃん、そんなに焦って、可愛い。

「おにいちゃんが死ぬわけないよねぇ」

そんなこと、私が許さない。
私以外に私のおにいちゃんが傷つけられるなんて、許すはず無い。

「殺されたのは、タクシーの運転手だよね?」

かわいそうに、なんていってあげない。
だって羨ましい。
おにいちゃんに殺されるなんて。
私だって、私だって。

「あなたが殺したんだよね、」

大好きな、大好きな。

「おにいちゃん」

私がおにいちゃんを呼ぶと顔を真っ青にしてドアを蹴破った。

そんなことして、暴れないでよ。

離れていくおにいちゃんが怖い。
私から離れないで。

「どうして逃げるの?私はこんなに愛しているのに。やっぱり、動けないようにしないとだめなの?」

縛って、部屋にずっと閉じ込めようか。
私以外をみないように、感じないように。

「おにいちゃん」

愛しい人の名前を呼んで車を発進させておにいちゃんの身体のおもいっきりぶつける。

あは、面白いほど吹っ飛んだおにいちゃんの身体。

それに急いで駆け寄った。

真っ赤で、ぐちゃぐちゃで生きているかどうかもわかんないけれど。
まだまだ、大好きで。

「ずぅーーっといっしょだよ、おにいちゃん」

離す気なんて私はないからね。


〜end〜

Re: 私と清田くんとあとひとつ【再更新かも】 ( No.38 )
日時: 2012/01/07 17:27
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: f0LIvz7Q)


私と清田くんと24の記憶


目を覚ました。

ここは、どこだろう。

見たこともない部屋をきょろきょろと見渡した。
生活観が溢れる部屋でピンクの物が多いのできっと私と同じ女の子の部屋なのだろう。

やはり、見覚えは無い。

誰の部屋なんだろう。
私はなんでこんなところで寝ているんだ?

ベッドから立ち上がり、部屋の窓に手をかけた。

でも窓を開いても景色は見えず隣の家の壁がすぐそこにあった。

「おはよう」

そこにいたのは、私と同じくらいの歳の子だった。

「あ、おはようございます」

挨拶されたのには返さなければいけないから頭を下げる。

「………えっと………はじめまして」

見たこともない子だったから。
初めて会ったから。

だから私はこの言葉を発した。

その時どこかが痛んだような気がしたんだ。
おかしい。
一体何処が、痛いんだろう。
痛いんだ、痛いんだ。
痛いのは、何処?

「はじめまして」

その子は優しく微笑んだ。

優しい目がなんとも心地がいい。

私がこんなに混乱しているのにその子はとても落ち着いていた。冷静だった。

まるで、慣れているかのように。

「今日はいい天気だね」

その子が何も見ないでそういうから私は身を乗り出して空を見上げて天気を確認する。

確かに空は晴れていた。
気持ちのいいほどに晴れ渡っていた。

だけど私の心はもやもやしている。
その子が笑ったのが悪いんだ。
どこかが痛い。まだ痛む。
じくじくとした、鋭い痛み。

「………そうですね」

身を引っ込めてその子に向き直る。
まだ、笑っていた。
そのとき、この家の一階から声が聞こえた。

「あ、あの人が呼んでるから」

あの人と言っても私は知らない。何となく言ってみただけだ。
とにかく私は逃げたかった。
この子から逃げたかったのだ。
そして、この痛みからも。

私が窓を閉めようとした時、その子の顔から笑顔が消えた。

「『また明日ね』」

あしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあしたあした。

その子はすぐに笑顔に戻る。

ねぇ、ねぇ。

どうか教えて。

「………アシタって何?」

この痛みは、何?

「………君の知らない時間」

その子は最後まで笑っていた。

 + + + +

目を覚ました。

ここは、どこだろう。

見たこともない部屋をきょろきょろと見渡した。
生活観が溢れる部屋でピンクの物が多いのできっと私と同じ女の子の部屋なのだろう。

やはり、見覚えは無い。

誰の部屋なんだろう。
私はなんでこんなところで寝ているんだ?

ベッドから立ち上がり、部屋の窓に手をかけた。

でも窓を開いても景色は見えず隣の家の壁がすぐそこにあった。

「………おはよう」

「………はじめまして………?」

私の中の何かが悲鳴を上げた。


〜end〜


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