ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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私と清田くんとあとひとつ【目次かいたよっ!よっ!】
日時: 2012/12/19 22:19
名前: 揶揄菟唖 (ID: w1J4g9Hd)


※この小説はいつ更新するか分かりません。僕と戸口さんともうひとつの番外編で更新率は揶揄菟唖の小説の中で一番低い物と考えてください。

+目次+
『そして音が消える。』>>1
『確かにそこにいた。』>>4
『酷く脆いその花。』>>7
『世界を閉じ込め包むそれ。』>>12
『物を語ること。』>>14>>43
『それを巻く手はもう痺れているけれど。』>>16>>40
『もう誰もいない。』>>19>>39
『一方通行の話。』>>26>>38
『夜明けを飲み込む。』>>32>>37
『二人が重なる時。』>>34
途中までの題名解説(更新予定無し)>>20

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Re: 僕と戸口さんともうひとつ ( No.19 )
日時: 2011/06/19 21:32
名前: 揶揄菟唖 (ID: 7qKHqMvL)



僕と戸口さんと隣の席


左に目を向ければ、雨が降っていた。
しとしと。
草を雨粒が叩く音が僕の耳に侵入し、やがて消える。
上を見れば空が重たい色の雲を体中に抱えていた。
しとしと。

右を見れば、隣の席の戸口さんが必死に教師の声に耳を傾けてノートをとっていた。

最近までは寝ていたのに。
授業なんて世界の中で一番にどうでもイイことだっていっていたのに。

・・・そこまではいっていなかったか。

僕は前まで戸口さんがやっていたように腕枕を作って自分の机に顔を伏せる。
でもすぐに暗いだけのその体勢に飽きて顔だけ戸口さんのほうに向けた。

しとしと。
教師の言葉なんてはるか遠くに聞こえる。

戸口さんは僕の視線に気付かないほど熱中しているようだ。

あぁ、つまらない。

そうおもってこんなに戸口さんが真面目になってしまった理由について考えた。

おそらく、いや、きっと、いや、確実に。
『アレ』が原因か。

僕の視線は戸口さんを通り過ぎて、さらに奥へ。

「・・・」

戸口さんの右隣の席。
そこには今は誰も座っていない。

前まではその机は使われていたけど。
今は誰もいなかった。

ただひとつの空席。
その机の上には白い菊の花が花瓶にさしてある。

しとしと。

少し萎れているその花を僕は目を細めながら見つめた。
戸口さんがぼやけて見える。

「・・・何?」

ぼけーっとしていると、戸口さんがこっちを向いていた。

ただキミに見とれていただけだよ・・・
なんてー。

「・・・いやぁ、がんばってるなぁ、とおもって」

ただ、あの白い花が、人の思いの象徴が萎れているのを無機質にみていただけ。

「・・・おかしい?」

変なことを聞くねぇ。
そういうってことは自分で自覚してるってことかな。

しとしと。

雨の音につられて笑いそうになるのを堪える。

「・・・そうかもね。どうしたの?」

わかってるけど、聞いてみた。
返ってくる答えも、戸口さんが俯くのも、知っていたけど、聞いてみた。

「・・・」

しとしと。

ぐちゃ。

通行人の誰かが蛙を踏む音がした。

ばしゃ。

車が水溜りを轢く音もした。

「あ、のね・・・アイツが死んじゃったから・・・」

アイツ、というのは戸口さんの隣の席だったやつだ。

「後悔してるの?」

僕が次の言葉を言ってしまうと戸口さんは驚いたように眉間に皺をよせた。

「・・・どうして・・・アイツなんだろう・・・」

つまり、自分を責めてるんだね。

「別に、アイツじゃなくて・・・」

戸口さんは自分のシャーペンを机に突き立てた。

ガッガッ。
しとしと。

人工的な音が追加されてにぎやかになった。

「・・・私でも・・・別に・・・よかったのに・・・なんの取り柄のない私でも・・・」

僕の視線はもう戸口さんを映していなかった。
白い菊。
それだけが僕の視界を支配している。

「だから、私・・・あいつがしたくてもできなかったこと・・・やろうって思ったの」

・・・へぇ。
    
そんな、つまらない理由か。やっぱり。

「じゃあ、」

いいかけて、息を呑む。

まぁ、いいか。
僕には関係ない話だし。

僕は僕のやりたいことをするために、息を吸う。

戸口さん。
キミのやりたいことは、どこにいくの?

しとしと。

白い菊の花びらが僕の視界の真ん中で息絶えた。


〜end〜


七話目です。

なんかこれ、自分的に面白くないなぁ、と思いました。
(しかも戸口さんの一人称でちゃったし。ださないようにしてたのに・・・)
でも、なんか感動・・・なのかな?
わからない・・・自分でも何をしたかったんだろう。

それじゃあ、またいつか会いましょう。
今度はちゃんと自分でも面白いと思える物を書きたいです。
いや、書きます。

ネタが切れるまで、私は消えないはずです。

Re: 僕と戸口さんともうひとつ ( No.20 )
日時: 2011/06/26 18:01
名前: 揶揄菟唖 (ID: ucUVqCzD)

暇つぶしに題名の意味みたいなものを紹介しましょうか
あぁ、飛ばしていただいても結構ですが、うん・・・まぁ、私の言い訳みたいのも含まれているんで・・・はい・・・
(こんなことしてねぇーで面白いの書けよこの野郎・・・今までロクなの書いてねぇーじゃねぇか・・・)
と全員思っていることでしょう。
存じ上げております←

では、まいりましょう!
一話目
嘲弄の音は「ちょうろうのおと」と読むのですが、コレの意味は、「バカにするように笑った音」みたいな感じですね「『今から、キミを』」といった戸口さんの声が僕をバカにしているようだったから、ということにしています。それで、なんで声にしなかったのかというと、その時の戸口さんの声は無機質だった設定なので音にしました。これを一話目にしたのには理由がありまして、私の名前にある「揶揄」と「嘲弄」は同じような意味だからです。

二話目
錆びた鉄は・・・そのまんまの意味でしょうか。鉄は一応、血にみたててあります。血ってなめると、鉄分が豊富なので鉄の味しますよね。それが錆びているので随分昔の血、という感じかな。

三話目
白雪の花は、戸口さんの死体が白い雪のような花のように美しいという意味だった気がします。

四話目
赤い空・・・は・・・文字通りと、小説の中身と同じですね。

五話目
閉ざされた物語はわりと文字通りですね。戸口さんの人生の物語が閉ざされた的な。読み返すと酷いな。

六話目
ゼンマイの鼓動も文字通り。最初は戸口さんも僕と同じようなことしてるって設定にしようかと思ったんですけど、私の頭がおっつかないのでやめました。

七話目
隣の席は、戸口さんの隣の席の生徒は既に亡くなっていて、その生徒の変わりに生きると戸口さんは決めたわけですから生きていないと同然です。というわけで、戸口さんの隣の席も、僕の隣の席も、人がいないねー。みたいな。ちなみに僕が言いかけた言葉も「じゃあ、僕の隣の席も死んでる同然だね」ということでした。

はぁーここまでまとめる理由はあまりなかったですね。
ま、いっか

最後に私のペンネーム紹介!(一番要らない)
揶揄菟唖 やゆうあ
揶揄かゆうあにしようとおもってて、なんならくっつけちゃおう☆
ってことで、これからも罵ってもかまわないので揶揄菟唖をよろしくお願いします!

(あまりうまくまとまっていない)


Re: 僕と戸口さんともうひとつ ( No.21 )
日時: 2011/06/27 18:03
名前: ほろ ◆8kmAHmy8qM (ID: 2N4onKWr)

またもや訪問してしまいました。ほろです。

七話目と題名の解説(?)更新お疲れ様です。
やっぱり、大好きです。「僕と戸口さんともうひとつ」。思わず友人に紹介してしまいました。かってにすみません orz
紹介したのは私と同じくこういう小説が好きな方でしたが、やはりすごく好評でした。嬉しいぜ。

題名にも意味があったんですね。もう一度読み直させてもらおうと思います
ペンネーム格好いいなーと思っていたのですが…くっつけてたんですねw

長々と失礼しましたー。次の更新、すごく楽しみにしてます!

Re: 僕と戸口さんともうひとつ ( No.22 )
日時: 2011/06/29 17:57
名前: 揶揄菟唖 (ID: P2C8LicT)


コメありがとうございます!
申し訳ないです・・・
なんか無駄なモノを入れてしまって・・・

大好きだなんてそんな・・・ろくなものをかけなくてごめんなさい!
ご、ご友人に・・・!
いえ、大丈夫なのですが、もう感激です。
喜んでもらって感謝感謝でございます!

えぇ、くっつけましたw

実はまだこのスレの存在をリア友ににはいっていないんです。
なので初対面の人が読んでコメをしてくれるって言うのがすごく新鮮ですし、嬉しいです。

ほろさんのコメに答えられるように頑張ってまいります!

Re: 僕と戸口さんともうひとつ ( No.23 )
日時: 2011/07/01 23:26
名前: 揶揄菟唖 (ID: 6vEo4atf)


別館の社会問題系で新しい小説を書き始めました。
調子に乗ってすみません。
揶揄菟唖で書いてます。
ここと同じく、いつ更新しなくなるか分かりません。
面白くなかったらごめんなさい。

主人公の一人称は相変らず『僕』です。
題名は どうもこんにちは『 』です。 といいます。

恐ろしく暇だったらでいいので、覗いていただけると幸いです。

宣伝すみませんでした。


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