ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Ebony girls dual Fencer 参照400
- 日時: 2011/09/09 01:23
- 名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
- 参照: http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=5640
こんばんは、そして、初めてのお方は始めまして、無名の作者でございます、だいこん大魔法というものです^^;ほかの掲示板では完成させていない作品が何個かあると思いますが(おいw それはおいといて・・・今回は初めて(シリアス全般のファンタジー)を書くという事で、作風を大きく変えて、一人称物語を変更いたしました。まぁ変えたところで結局駄作には変わりないのですが、温かい目でお見守りいただけると不肖だいこん大魔法、嬉し涙があふれんばかりです^^
というわけで、まず最初に注意書きをおいておきたいと思います^^
1、更新速度がとてつもなく遅いかもしれませんが、そのあたりは作者の気まぐれなので暖かいめで見守っておいてください^^;
2、中傷やわいせつな発言、荒らしなどは作者やお客様にも迷惑になってしまうと思われますので、控えるどころか絶対にしないでいただけるとありがたいです、もしもやりたいおかたは直ぐに戻るのボタンをおしてお帰りください^^
3、コメント、アドバイス(ここをどうしたらよく見えるか)などはいつでもまっておりますので、やっていただけると作者が喜びます^^
とまぁこんな感じになります。
細々とした設定などは、追々と追加させていく所存ですので、よろしくお願いいたします^^
なお、キャラクターたち【企画参加者さまも】を勝手に作者が絵に描いてしまいますがあしからず・・・
タイトルの意味 Ebony girls dual Fencer 【デュアルフェンサー 漆黒の少女】
†・・・First story(シャルル・S・リーネ ルート)・・・†
First Chapter Zero・・・【Variant】 >>1
First chapter・・・【Storage】>>2 >>3 >>4
Chapter II・・・【Dual Fencer】>>5 >>9 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>21 >>23 >>25 >>26 >>30 >>31 >>32
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†・・・Character・・・†
Hero 夜峰 黎迩 (やみね れいじ)
Heroine シャルル・S・リーネ(シャルル・シャドウ・リーネ)【漆黒の少女】>>24
Classmate 幸凪 遥 (こうなぎ はるか) 舟木 力也(ふなき りきや) ・・・Coming Soon
Enemy 【異形】(Variant)
Mad god 【企画進行度零パーセント】
Organization name 【デュアルフェンサー】
Organization 【企画進行度十二パーセント】
第一企画出演者 野宮詩織さま
(キャラクターネーム【暁寧々】ヒロインの同僚。十六歳にして女。能力は異次元の扉を開くことができ、そこからさまざまなものをだすことができ、いろいろと応用を利かせることができるという。二つ名は【次元の鍵守】)出演開始>>15
第二企画出演者 れおいさま
(キャラクターネーム【由詩】ヒロインの同僚。十七歳にして女。能力は自身の血を固めて刃に変える能力。その形はどこかトンファーにも似ているが、一言で表すのなら魚の胸鰭。二つ名は【深紅の剣士】)出演開始>>26
特別企画参加者募集中(敵キャラ【Mad god】・味方キャラ【Organization】)・・・URL参照
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物語をつかむためのあらすじ↓
これは・・・とある普通の少年が、仮初の空間を通して現実を知る・・・不可解かつ残酷な物語———
いったいなにがどうなってんだよ・・・その言葉は、自身が見慣れていたはずの街をなにかから逃げるかのごとく疾走する少年の口から放たれた。
夕闇に染まっていたはずの街は、また違う、別の色によって染め上げられてしまっていて、さきほどまで騒がしいぐらいにまでいたはずの人々は全員動かなくなってしまい、自分自身だけが動けるという状況に恐怖しながら・・・後ろから迫る、さらなる恐怖から必死に逃げ続けていた。
その少年の後ろからは、ケタケタと不快に笑う———人間の倍以上の体躯をもった、顔の位置にはピエロの仮面、服は道化のような格好をしていて・・・左右に三本ずつぶらさがる腕のさきからはひとつの手に五本ずつの巨大なナイフという・・・ごく普通の生活をおくっていて、ごく普通の人生をおくっていた少年から見たら・・・【化け物】としかいいようがない姿をしたその・・・【異形】が、近づいてきていた。
少年と【異形】の歩幅はぜんぜん違う。そのためか、少年が全力で走っても一向に距離は離れない。それ以前に、少年が少しでも失速してしまったらすぐにでも追いつかれてしまうような、そんな勢いだった・・・まるで、見ている側からだと【逃げる獲物とそれを狩りにかかるハンター】のような光景だった。
やがて少年は時間をむかえる。
全力で、限界を超えるほどの力で走り続けていた少年は、足を攣る。それは、運動をしているものでもかならずなる現象で、少年がそれにさからえるはずもなく———少年は地面に無様に転がった。
それをみた【異形】は———少年のことをあざ笑うかのようにケタケタと笑う。耳障りな声で・・・不快な声で———恐怖を煽るかのような、声で。
少年はそこで絶望する。自分が助かるのがもう絶望てきだとわかったから、少年は顔を青ざめさせて【異形】のほうをにらむ。そしてその瞬間・・・少年の顔に、疑問の色が浮かぶ。
そう・・・少年は見たのだ。【異形】の後ろのビルから———小柄な人影が落ちていくのを———
———なにも知らない、なにも記憶しない、ただの人間であるはずの少年と、【異形】の存在の意味を追うヒロインたちが繰り広げる・・・過去に囚われ続ける哀れな物語———
参照100突破、あらすじ文公開
参照200突破、企画参加者の作中設定の公開(新情報)
第一企画参加者 れおいさま
小説内名前 由詩
年齢 十七歳
性別 女
小説内設定【自らの血を使い刃とかえて敵を殲滅する【デュアルフェンサー極東支部】のエリート。シャルルとは同僚で、よくともに【異形】を狩るために仲もよい。シャルルが心を許している数少ない人の一人。だが基本的内弁慶というか、仲間内弁慶なため、人見知りが激しい。自身では強くないというが、その実力は【デュアルフェンサー本部】にも認められているほどで、【化け物ぞろいの極東支部】に移されるという経緯をへてシャルルと出会う】
第二企画参加者 野宮詩織さま
小説内名前 暁 寧々(あかつき ねね)
年齢 16
性別 女
小説内設定【異世界の扉を開き、そこから銃弾や弾幕、光の剣などを生み出すことができ、【異形】をも圧倒する力を振るう美女。【デュアルフェンサー極東支部】のエリートでもありシャルルが心を許す友人の一人。基本的に楽観的なのかどうかはわからないが、いつも軽く物事を見ているような言動をする。悪戯好きでちょっと困りものだが、その実力は誰もが認めるものであり、【化け物ぞろいの極東支部】でも一際目立つ存在である】
参照300突破・・・自作絵(シャルルと寧々)>>29
参照400突破・・・企画参加者の名前と代表作(複数ある場合は作者が読んで一番心に残っている作品、小説を書いていない方は作者がその人に抱いている印象)
れおいさま(複雑・ファジーの 不定期更新で短編やら書いてみる)
野宮詩織さま(誰もが知っている小説大会優勝作品、おいでませ、助太刀部!!)
翡翠さま(コメディ・ライトの *。・二人の秘密・。*〜)
ヴィオラさま(シリアス・ダークの Redmoon night)
神様の懺悔さま(合作をやる予定でございます^^合作の話の進め方もうまく、頼れる方でございます^^)
焔錠さま(その物言い、その態度、なにもかもが魔王にふさわしい存在・・・かっけええっす、あこがれるっす←)
生死騎士さま(シリアス・ダークの 極彩色硝子【ステンドグラス】)
Neonさま(シリアス・ダークの 大好きだった君へ無様に生きた私より)
グレイさま(シリアス・ダークの 冥界の主は———)
菫さま(シリアス・ダークの 生徒会の秘密)
甘木さま(シリアス・ダークの 六道サイコパス)
秀元さま(二次小説(紙)の ぬらりひょんの孫〜短編集〜か〜も〜)
スフィアさま(シリアス・ダークの バスターワールド)
丸転さま(コメディ・ライトの 妹の小説にトリップした会社員23才。高校生やってきますっ!)
大王タコさま(・・・すべてが謎につつまれている。自分ではどんな印象をもっているのかもわからない・・・)
No315さま(前の小説でもいろいろとアンケートに答えてくださったりとお世話になったお方です、なんというかその温かい心は画面越しにも伝わってくるのですぜ・・・)
世渡さま(企画に参加してくださった神様の一人、その存在は明らかとなっていない・・・)
篠崎紅架さま(企画に参加してくださった神様の一人、名前からなんか美人さんな雰囲気が・・・)
IANAさま(二次小説(映像)の VOCALOIDで小説!)
風猫さま(シリアス・ダークの パラノイア)
美月さま(・・・うーん、なんていうんだろうか、名前から感じるにロリてきなイメージが・・・うへへww←)
ネズミさま(シリアス・ダークの 戦慄ユートピア かなり前の作品だ・・・)
jyuriさま(コメディ・ライトの バトルとお米と少しの勇気)
- Re: Ebony girls dual Fencer 【自作絵】 ( No.25 )
- 日時: 2011/08/30 15:44
- 名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id
「ちょいとばかしふせときな!!」
「うおおおぉぉ!?」
寧々の掛け声とともに黎迩がよくわからない悲鳴をあげる。
その瞬間、さきほどまで黎迩がたっていたところを無数の弾幕が貫き・・・黎迩の真後ろまでせまっていた今まで以上にでかい、その分血とか肉片とか骨の断片とかがくっきりと見えてグロイが・・・的がでかかったのだろう、すべての弾幕は【犬】の全体を貫いて、血を飛び散らさせる間もなくその存在を消滅させてしまう。
さきほどの戦闘のあと、再び【犬】が黎迩たちを取り囲んだのだ。というよりも、黎迩たちが少しばかり広い道路に出た後直ぐに【犬】たちが黎迩たちを取り囲んで、逃げ場をなくしてしまったのだ。当然のごとく黎迩は絶望しそうになったが、寧々がすぐにそれに応戦して、だいたい四十体ぐらいの【犬】にむかって果敢に挑む寧々のその姿はまるで、戦に赴く女戦士のそれに見えて・・・それでいて、どこか人をもてあそぶ遊び人のその姿にも見えた。なんとも不思議な光景を目にしながらも、半分ぼその数を減らしてしまった【犬】を油断無く見つめながら黎迩は寧々に問いかける。
「・・・あっぶねぇ。それより暁さん、そのあんたの同僚ってのはどこにいるんだ?」
「そうだな・・・だいたい近くにいるとは思うけど、あいつもたぶん【犬】に囲まれてるだろうから助けに入るのはまだ先だと思うぜ」
そういいながら寧々が再び裂け目から弾幕を出現させて、【犬】を二体貫く。だけども、それではさすがに倒せなかったのか、今度は裂け目からオレンジ色に光剣のようなものを二本出現させて———
「ま、この程度の雑魚どもなら私一人でも十分いけるから安心しな!!」
といって黎迩に微笑みかける。ニカッといったふうに無邪気に笑うその姿は黎迩にとって眩しいばかりで、直視することができなかった。
それでも寧々は気にしていないのか、スッと指を動かして、その出現した剣を弾幕によってボロボロになった【犬】にむかって一直線に飛ばす。
裂けている顔の中心にそれぞれに剣がつきささり、グチャリという嫌な音が黎迩の耳を貫く。【犬】がなにかを喚くが、その剣はグググ、といったふうに中にどんどんと突き進んでいき・・・【犬】を完全に中心から両断してしまう。
内臓が、血が、内におさめられていた人間の手のようなものがそれによってダラン、ととびでてくる。その光景はあまりにも残酷で、とても嫌悪感を誘うものだった。だけども黎迩はやはり平然としていて
「じゃぁその同僚の人は?」
と聞く。
それに寧々は、当然だ、といわんばかりに首をかしげて
「大丈夫だって。・・・そうだな。まだシャルルから聞かされていないと思うからとりあえず【デュアルフェンサー】内部のことについて軽くおしえといてやるよ」
という。それに黎迩は正直どうでもいいと思ったが、【化け物】と戦うその組織の内部というのがちょっと気になったのか
「そういえば、シャルルは【デュアルフェンサー支部】が近くにあるとかいってたな・・・」
と思い出しながら言う。
その間にも寧々は指を流れるように動かし、ありとあらゆる所に・・・最初に黎迩が見たほどの大きさの裂け目ではないものの、れっきとした空間の切れ目を作り出し、そこから弾幕を放ち続けている。【犬】たちはその猛攻撃になすすべもなく体に風穴を開け続けていくが、やはりそれだけでは死なないのか、ジリジリと近づいてきている。だがあと一歩というところで・・・決定的な一撃をくらい、その場で存在を消してしまう。
「そうだな、正確にいえば【デュアルフェンサー極東支部】。日本を活動拠点とした【異能力者】たちの組織だぜ」
「じゃぁなんだ、お前らはそこに配属されているやつらってことなのか?」
「その通りだぜ。っと・・・今はまぁそんなことはおいといて、だ、【デュアルフェンサー】の内部・・・【デュアルフェンサー極東支部】
の内部のことを軽く教えといてやるよ」
そういいながら寧々が腕を振り下ろす。黎迩をそれを見た瞬間かがみこんで事の成り行きを見守る。黎迩がしゃがんだ直ぐ真上で寧々が放った光る弾丸が通り抜けていく。その弾は確実に【犬】の脳天をぶち破り、垂れ下がっていた脳みそが派手な音を鳴らして砕け散る。しかし、その脳は見た目だけの代物なので、決定的な一撃にはなりえなかったが、そのひるんだ瞬間を狙って他の弾幕が殺到して【犬】を一体仕留める。
「そうだな・・・まず、【デュアルフェンサー】本部っていうのは、世界中から異能の才能をもつものたちを集めて結成されている組織なんだわ。そんでもって、だ。その【異能力者】の中でももっとも異端でもっとも化け物じみたやつらだけが集められた場所っていうのが、私たちが所属する【デュアルフェンサー極東支部】っていうわけなんだ」
「・・・えーと、それはつまり?」
「だから、だ、私たちがこの程度の、ただの使役されている雑魚どもに負けるはずが無いってことだ。それは私の同僚にもあてはまるし・・・シャルルにも当てはまるんだぜ」
「それはつまり、お前らが化け物だっていいたいのか?」
シャルルに化け物といったときの、あの過剰すぎる反応を思い出して黎迩は申し訳ない気持ちになりながらも寧々に聞く。正直いってしまえば、寧々もシャルルと同じように、化け物と言われることになにか嫌な思い出があるかもしれないと思ったから、それでもちょっとだけ気になり、好奇心に負けて聞かずに入られなかったのだ。もしもこれで寧々がきれて黎迩におそいかかるようなことがあれば———後悔できない後悔をしてしまうかもしれないのに・・・黎迩はためらわなかった。
しかしそれは杞憂だった。寧々は別段気にした様子もなく黎迩のほうをみると、ちょっとだけニヤリと顔をゆがめて、ちょっとだけ意地悪そうな笑顔になり・・・
「あ、そっかお前、シャルルに化け物だって冗談でもなんでもいいからいっちまったな?」
「・・・ま、まぁそうなんだけど、それとこれとは別で———」
「あーあー、別にいいさ、私だって最初あいつにあったときいっちまったからなぁ・・・ついちょっとした【デュアルフェンサー極東支部】に配属された仲間っていうか化け物同士っていうか・・・そんな感覚でいっちまったからな。というよりも、あそこには自分の力が化け物だって自覚しているやつの割合のほうが高いし、そっちのほうが自然だったからしょうがないといえばしょうがないんだけどなー」
「・・・お、思い出してるとこ悪いんだけど」
「わかってるんだぜ・・・私に近づくんじゃねぇ、雑魚が」
その冷ややかな言葉とともに寧々の手が流れるようにして動く。その瞬間、寧々の間じかに迫っていた【犬】が無数の風穴を広げて存在をなくす。一瞬の出来事で黎迩にはなにがどうなったのかわからなかったがやはりそれも寧々の力なのだろうと理解する。
寧々はまるでなにごともなかったかのように手を休まず動かし続け、【犬】を近づけまいと弾幕を放ち続ける。おそらくそれは黎迩には考えられないほど大変なことだろうに、寧々はまるでなんでもないといわんばかりに口を開く。
「まぁシャルルは昔いろいろとあったからな・・・本人がしゃべるまでは私の口からはなにもいわないけど、そうだな、【極東支部】は化け物ぞろい・・・いや、【異形】をも圧倒するほどの力の持ち主しかいないっていったほうが自然かな?」
「じゃぁ・・・なんでその、圧倒的な力の持ち主は【日本】に集まるんだ?」
黎迩がそこでもっともな質問をする。それは一言でいえば残酷で、一言でいえば物事の確信をついていて、一言でいってしまえば、誰も答えられないものだった。そう、それが【デュアルフェンサー】で長年戦い続けてきた戦士でなければ・・・誰も答えられなかっただろう。
日本を舞台として戦い続ける・・・極東支部の人間でなければ。
寧々はニヤリ、とそこで、ひどく・・・ひどく楽しげな顔をする。それは狂気にも似たなにかで、黎迩はその笑みにゾッとする。だがその狂気にも似た笑顔をした寧々は、さもおもしろそうに、さも当然かといわんばかりに・・・口を開く。自身の経験を語るように・・・、自分のお気に入りのおもちゃのことを語るかのように———
「【最強の異形】・・・。【凶悪な異形を引き寄せる力をもつ形】・・・【白夜】が日本にいるからなんだぜ」
その瞬間、寧々が生み出したいくつもの切れ目から巨大な弾幕が飛び出す。それぞれが【犬】一体一体に飛んでいき、すべての【犬】を浄化、あるいは消化していく。【犬】たちはなす術も無くその弾幕によって体を引き裂かれ、四肢を切断され、血を飛び散らせながら存在ごと吹き飛ばされる。それを放った寧々はさもおもしろそうに、再び言葉を紡ぐ
「その性質は謎、見たこともないし触れたことも無い、だけど【極東支部】の誰もが目標とする【異形】・・・そいつの討伐こそが【極東支部】構成員に当てられた使命なんだぜ」
そして・・・最後に残った【犬】を———指を操り、境界の扉を操り———そこから生み出された光の弾幕で、貫く。
すべての【犬】を殲滅した寧々は、まるで何事も無かったかのように黎迩に振り向く。その姿は一般人である黎迩からみると、やはり普通の人とは違う、狂気に似たなにかを宿していたが、それは一瞬の出来事で、すぐに寧々はおちゃらけた雰囲気に戻る。だがしかし、寧々が紡いだ言葉の半分も理解できなかった黎迩は、その言葉の意味を理解しようと頭をかかえるが、理解できないものはしょうがないとあきらめたのか
「・・・よくわかんないけど、いろいろ大変なんだな」
と適当なことをいう。
それに寧々は心外だ、といわんばかりに胸をそらし、フン、と息をはく。
「まぁいいんだぜ、ただの人間は本来記憶するはずのない情報だからな。忘れてくれてかまわないんだぜ」
「・・・一応覚えておくよ、でもその情報が必要にならないことを祈ってるよ」
と、黎迩は自分がこれ以上【デュアルフェンサー】とか【異形】とかと関わりたくないと直接ではないが、その意味が思いっきり込められた言葉をはく。たけど寧々はなぜか意味深な表情を作って・・・
「さぁて・・・それはどうかな?なんだぜ」
まだまだ続く【異空間時計】の空・・・色が完全に夜の色、正常な夜の色ではなくなってしまった空を見上げながら、黎迩は手を仰ぎ、どうして自分がこんなことにまきこまれないといけないんだといわんばかりのため息をはき・・・とっととこの【非日常】から抜け出したいぜ・・・と若干寧々の口調が移ってしまったかのような言葉をはき捨てながら・・・シャルルとの合流にむけて歩き出すのだった。
その後ろ・・・まだ意味深な表情をつくっていた寧々が・・・不意にまじめな顔になり・・・黎迩に聞こえないほどの小さな声でこう・・・つぶやくのだった。
「哀れなやつだぜ・・・【堕ちた剣】に気に入られるなんて・・・な」
「なんかいったか?」
「・・・なんでもないんだぜ!!」
すべては操られた過去の元に・・・歯車が回り始めるのだった。そしてそれは———誰も知ることはない、誰も記憶することはない・・・誰も、抗うことはできない。哀れな運命は———
- Re: Ebony girls dual Fencer 【自作絵】 ( No.26 )
- 日時: 2011/08/30 16:26
- 名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id
「れいじ・・・あの馬鹿は!!どうして逃げ足だけは速いのですか!?ていうかどこまで逃げたのですか!?」
再び現れた【犬】の大群を目の前にして、シャルルが咆哮する。怒りを孕んでいるような、どこか黎迩がちゃんと逃げおおせているのかという心配の色を宿しているような・・・なんともいえないような声だったが、【犬】たちには容赦することなく、漆黒の剣を振りかざし、風をも、音をも斬るのではないかというほどの速さでその刃を叩きいれる。目にも留まらぬ速さ。まさにそれにあてはまる速度で切り刻まれた【犬】たちは一瞬でその存在を消滅させていき、なかには逃げるものまでいる。だがしかし、シャルルの爆走は止まらない。一体一体確実に仕留めるのではなく、二体同時、三体、四体同時と・・・とにかく数を減らすべく圧倒的なスピードと圧倒的な大振りでなぎ倒していく。ただの下僕である【犬】にはそれに反応することもできず、ただただ血飛沫をあげ、血を吐き、骨髄を粉砕され、内臓を飛び散らせながら存在を消していく。
一秒も惜しい、シャルルのその思いが形として表れているのだろう。シャルルの振りにはどこか乱雑さが含まれていて、危ういところがいくつも見受けられた。下手をすれば———死角を作ってしまい、戦士として最悪な状況を招いてしまう可能性があったが・・・今のシャルルにはそれを気にしている暇はなかった。
斬る、斬る、斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る・・・ただそれを繰り返す。今まで以上に、ありえないほどに大量出現した【犬】をなぎ倒し、
潰し、殺し、殲滅する・・・ただただシャルルは斬るだけ。というよりも、本体、この【異空間時計】を創りだした【異形】と戦う前にして力はおさえないといけない。何度も何度も【デュアルフェンサー】の封印をとけば、さすがのシャルルでもその疲労は隠せないものになってしまう。だからただ太古から続く一般的な行動・・・斬るだけ。超高速で。
「ああもう・・・どんだけいるのですか!?今回の【異形】はびびりなのですか!?」
そう叫びながら武器を大きく振る。それによって【犬】が三体ほどその体を両断されて、存在をなくす。・・・しかし、シャルルの勢いは、そこで止まってしまった・・・否、きたるべくして、止められてしまった。
ただ我武者羅に武器をふるいまくっていたシャルルは、最後の一振りで勢いあまったのか、剣を手から離してしまう。
「あっ・・・!!」
気がついたときにはもう遅い、剣は斜め上方向に勢いよくとんでいってしまい、隣にある家の屋根を通り越して反対側の道にいってしまう。
丸腰になったシャルルを見て、逃げていた【犬】たちが異常に気がつき、仲間の仇といわんばかりに殺到する。だがシャルルは長年【デュアルフェンサー】としての仕事で培ってきた経験のもとに、とっさな反応で剣術から体術へとシフトを入れ替える。
一番にせまってきた【犬】の真ん中から裂けている頭に右の拳を叩きいれ、ひるませてところで腰を低く構え、一気に拳を振り上げる。
その拳は【犬】の腹を貫き、内蔵をひき潰す。そのまま【犬】の腹の中に入った手をひろげて内臓のひとつをつかむと、一気に引き抜く。
【犬】はあまりの苦痛に絶叫をあげて、そこに悶えるようにして倒れる。だが死なないのは流石【犬】といえよう。シャルルは掴んでいた【犬】の内臓を適当な場所に放ると、その【犬】の後ろから殺到してくる【犬】から距離をとるために一度後ろに跳躍して、それなりの距離をとった。
「・・・くそっ、まずいのです。【デュアルフェンサー】がなければ、力を使わずにこれを切り抜けるのは過酷なのです」
そういいつつシャルルは腰を低く構える。もともと体術は得意ではないために、その構えには達人からみたらちょっとした隙が存在するかもしれないが、それなりに隙のない構えをとりつつ、後ろに後退していく。【犬】たちはそんなシャルルをみて、丸腰と感じたのか大挙して押し寄せる。
だが———【犬】がシャルルのもとにたどり着くことは無かった。
「シャルル!!大丈夫!?」
「————由詩!!」
そう、シャルルの目の前に、突如として一人の女が現れたのだ。
屋根から飛び降りるようにして現れたその女は、由詩という。そう、由詩という名前だけの不思議な少女だった。黎迩ほどとはいわないがれっきとした日本人の髪の色、黒。瞳の色は茶色で、強気なイメージがもてる少女だが、その身長はシャルルよりも高く、だいたい160センチぐらいとうかがえる。服装は【デュアルフェンサー】公認の制服・・・黒い半そでYシャツにシンプルな赤いプリーツスカート。細い足をおおうのは黒いタイツという、いかにもまじめそうなイメージをもてる少女だが・・・その両腕には縦に伸びる細長い傷跡があり、何度もその場所を傷つけているのだろうか、一生消えない傷になっているのは見ている側からでも明白だった。
そこからは今も血が流れている。それはさっきも傷つけたよと言わんばかりに生々しいもので、どこか嫌悪感を誘うどす黒い色の血だったが、由詩のほうは別に気にしていないのだろう、シャルルの目の前にたって、【犬】たちのでかたを伺っている。
そう・・・この由詩という少女こそが、この【異空間時計】にまきこまれたシャルルの同僚の一人だった。
由詩が両腕を自らの眼前に構える。どこか止まっているかのように思えるほど滑らかな動きで前につきだされた腕・・・それを目の前にして、由詩がつぶやく・・・静かで少し弱気だが・・・力のある声で。
「・・・起動【ブラッディエッジ】」
ズズズ・・・という音をたてて、今まで傷口から流れていた血が固まっていく。それは歪な形ではない。ただただ鋭利に研ぎ澄まされたかのような、逆刃の剣が由詩の両腕にくっつくかのようにして固まる。その色はどす黒い・・・赤。血で作られたその刃は、どこかトンファーのようなイメージをもてるが、その切っ先は相手がわにむけられているわけではなく・・・由詩自身にむけられている。そう・・・一言であらわすのなら———魚の胸鰭のようなものだった。
それを腕から生やした由詩は、【犬】にむかって一直線に走っていく。真っ向から迫ってくる由詩に若干気おされながらも【犬】たちは、滑降の獲物だといわんばかりに咆哮をあげて由詩に迫る。だが・・・どこか体術を連想させるその由詩の動きには、ひとつの死角も、ひとつの隙も存在しなかった。
右腕を大きく振りかぶり、拳を振り下ろすようにして放たれた一撃。拳は【犬】にはあたらないものの、その腕に形を創る刃が【犬】を両断する。たった一撃で【犬】はその存在を消し去るが、由詩の動きは止まらない。振り上げるようにして放たれた拳・・・それと同時に刃が【犬】の引き裂き、その反動で由詩は一回転して回し蹴りを【犬】の頭に直撃させる。例によって威力が相当なものなのか、【犬】の頭はからだからきりはなされて、動けなくなる。そのような動きを何度も繰り返し繰り返す。何度も腕をふりあげ腕を振り下ろす。たまに蹴りや投げ技などをきめたりして、【犬】を一人で蹴散らしていく由詩の姿を見ながらシャルルは
「・・・少しの間まかせるのです!!由詩!!」
「りょうかーい!!でもなるべく早く戻ってきてほしいかな、僕は君が思っているほど強くないんだよ〜っと」
のんびりとした口調で由詩はそういうものの、シャルルはどこがですか、とあきれたようにため息をついて足に力をいれる。反対側にいってしまったであろう自らの半身である剣をとりにいくためだ。
シャルルは力強く地面を蹴り、宙を飛ぶ。その勢いで屋上に飛び乗って、もう一度跳躍をして反対側の地面に着地する。どこに剣がいったのか一度あたりを見回してから
「・・・あったのです!!」
といって、わかりやすい、自分の姿格好と同じ色を宿す剣・・・【デュアルフェンサー】をとりに走る。
剣は地面に突き刺さるようにしておいてあった。シャルルはその柄を握り、思い切りひっぱる。シャルルの細腕からはありえないと思うほどの力強さで引き抜かれた剣はなんともなかったが、無理やり剣を引き抜かれたほうの地面には罅が走っていたが、そんなことは気にしなかった。もとより【異空間時計】と現実世界と乖離されているため、ここで物を壊そうがなんだろうが、それに命が宿っていない限り現実のほうではなんの変化もないのだ。気にする要素がなかった。
- Re: Ebony girls dual Fencer 【自作絵】 ( No.27 )
- 日時: 2011/08/30 18:57
- 名前: 風猫(元:風 ◆jU80AwU6/. (ID: COM.pgX6)
初めまして、あんたの企画に参加させて貰っています風猫です(“あんた”はシャルルの真似の積りなのでゆるして<汗
いまだ、>>5までしか読んでいないのにコメントをするお馬鹿ですが宜しくです!
先ずは、黎迩の件。 私は、基本野郎はどうでも良いのですが(否、美形は好きだ! 特にビジュアル系の男前とか)彼の様な野郎は、基本本当にどうでも良いのです。 重要なので……もう一度。 どうでも良いのです。
そんな彼に対しては、いきなりの日常からの乖離の憐れと遥ちゃん獲得に対するリア充爆発しろと、シャルルさんに意外と格好良い扱いされている事への嫉妬を感じた所です。 後、剣道部と言う事に何か共感を持てます。
私も、中学生の頃は剣道部でしたので♪
そして、何よりツンデレ「ですます」口調のシャルルが素敵です! 遥ちゃんも可愛いですけどね。
【異空間時計】や———【デュアルフェンサー】の真相が気になります。
続きを読んだらまた、感想書きますね!
- Re: Ebony girls dual Fencer 【自作絵】 ( No.28 )
- 日時: 2011/08/30 22:35
- 名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id
風猫さま>>
ふっ・・・黎迩ですか・・・まぁいろいろと嫉妬を抱かれる存在かもしれませんが、主人公ですので・・・大切なことなのでもう一度いいます、主人公ですので!!←
まぁリア充としてたしかにみれちゃうかもしれませんが・・・そこはバ○テスのFFF団を元ネタとしたクラスメイト男子諸君がどうにかしてくれるのであしからず←w
【異空間時計】や【デュアルフェンサー】・・・その真相がわかるのはまぁいつになるかぜんぜん考えていないのがこの駄作者の駄目なところですぜ・・・というわけで、コメントありがとうございました!!どこまで読んでいるとかいないとか関係なくコメントをいただければこの不肖だいこん大魔法、よろこび、あまりのうれしさに踊ってしまうのですぜ←
- Re: Ebony girls dual Fencer 【自作絵】 ( No.29 )
- 日時: 2011/09/01 03:09
- 名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id=942
参照300突破してたぜ記念!!
今回は企画参加者さまのキャラクター・・・暁寧々さまとシャルルのネタ絵を投稿させていただきました!!・・・依頼も完遂せずになにをやっているのだろうか^^;←
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