ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Ebony girls dual Fencer 参照400
日時: 2011/09/09 01:23
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
参照: http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=5640

こんばんは、そして、初めてのお方は始めまして、無名の作者でございます、だいこん大魔法というものです^^;ほかの掲示板では完成させていない作品が何個かあると思いますが(おいw  それはおいといて・・・今回は初めて(シリアス全般のファンタジー)を書くという事で、作風を大きく変えて、一人称物語を変更いたしました。まぁ変えたところで結局駄作には変わりないのですが、温かい目でお見守りいただけると不肖だいこん大魔法、嬉し涙があふれんばかりです^^

というわけで、まず最初に注意書きをおいておきたいと思います^^

1、更新速度がとてつもなく遅いかもしれませんが、そのあたりは作者の気まぐれなので暖かいめで見守っておいてください^^;

2、中傷やわいせつな発言、荒らしなどは作者やお客様にも迷惑になってしまうと思われますので、控えるどころか絶対にしないでいただけるとありがたいです、もしもやりたいおかたは直ぐに戻るのボタンをおしてお帰りください^^

3、コメント、アドバイス(ここをどうしたらよく見えるか)などはいつでもまっておりますので、やっていただけると作者が喜びます^^


とまぁこんな感じになります。

細々とした設定などは、追々と追加させていく所存ですので、よろしくお願いいたします^^

なお、キャラクターたち【企画参加者さまも】を勝手に作者が絵に描いてしまいますがあしからず・・・



タイトルの意味  Ebony girls dual Fencer 【デュアルフェンサー 漆黒の少女】 





     †・・・First story(シャルル・S・リーネ ルート)・・・†


First Chapter Zero・・・【Variant】 >>1

First chapter・・・【Storage】>>2 >>3 >>4

Chapter II・・・【Dual Fencer】>>5 >>9 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>21 >>23 >>25 >>26 >>30 >>31 >>32


————————————————————————


      †・・・Character・・・†


Hero  夜峰 黎迩 (やみね れいじ)

Heroine  シャルル・S・リーネ(シャルル・シャドウ・リーネ)【漆黒の少女】>>24

Classmate  幸凪 遥 (こうなぎ はるか)  舟木 力也(ふなき りきや) ・・・Coming Soon

Enemy   【異形】(Variant)

Mad god   【企画進行度零パーセント】

Organization name  【デュアルフェンサー】

Organization   【企画進行度十二パーセント】
第一企画出演者 野宮詩織さま 
(キャラクターネーム【暁寧々】ヒロインの同僚。十六歳にして女。能力は異次元の扉を開くことができ、そこからさまざまなものをだすことができ、いろいろと応用を利かせることができるという。二つ名は【次元の鍵守】)出演開始>>15

第二企画出演者 れおいさま
(キャラクターネーム【由詩】ヒロインの同僚。十七歳にして女。能力は自身の血を固めて刃に変える能力。その形はどこかトンファーにも似ているが、一言で表すのなら魚の胸鰭。二つ名は【深紅の剣士】)出演開始>>26

特別企画参加者募集中(敵キャラ【Mad god】・味方キャラ【Organization】)・・・URL参照


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物語をつかむためのあらすじ↓

これは・・・とある普通の少年が、仮初の空間を通して現実を知る・・・不可解かつ残酷な物語———


いったいなにがどうなってんだよ・・・その言葉は、自身が見慣れていたはずの街をなにかから逃げるかのごとく疾走する少年の口から放たれた。
夕闇に染まっていたはずの街は、また違う、別の色によって染め上げられてしまっていて、さきほどまで騒がしいぐらいにまでいたはずの人々は全員動かなくなってしまい、自分自身だけが動けるという状況に恐怖しながら・・・後ろから迫る、さらなる恐怖から必死に逃げ続けていた。
その少年の後ろからは、ケタケタと不快に笑う———人間の倍以上の体躯をもった、顔の位置にはピエロの仮面、服は道化のような格好をしていて・・・左右に三本ずつぶらさがる腕のさきからはひとつの手に五本ずつの巨大なナイフという・・・ごく普通の生活をおくっていて、ごく普通の人生をおくっていた少年から見たら・・・【化け物】としかいいようがない姿をしたその・・・【異形】が、近づいてきていた。
少年と【異形】の歩幅はぜんぜん違う。そのためか、少年が全力で走っても一向に距離は離れない。それ以前に、少年が少しでも失速してしまったらすぐにでも追いつかれてしまうような、そんな勢いだった・・・まるで、見ている側からだと【逃げる獲物とそれを狩りにかかるハンター】のような光景だった。
やがて少年は時間をむかえる。
全力で、限界を超えるほどの力で走り続けていた少年は、足を攣る。それは、運動をしているものでもかならずなる現象で、少年がそれにさからえるはずもなく———少年は地面に無様に転がった。
それをみた【異形】は———少年のことをあざ笑うかのようにケタケタと笑う。耳障りな声で・・・不快な声で———恐怖を煽るかのような、声で。
少年はそこで絶望する。自分が助かるのがもう絶望てきだとわかったから、少年は顔を青ざめさせて【異形】のほうをにらむ。そしてその瞬間・・・少年の顔に、疑問の色が浮かぶ。



そう・・・少年は見たのだ。【異形】の後ろのビルから———小柄な人影が落ちていくのを———


———なにも知らない、なにも記憶しない、ただの人間であるはずの少年と、【異形】の存在の意味を追うヒロインたちが繰り広げる・・・過去に囚われ続ける哀れな物語———



参照100突破、あらすじ文公開


参照200突破、企画参加者の作中設定の公開(新情報)

第一企画参加者 れおいさま

小説内名前 由詩ゆた
年齢 十七歳
性別 女
小説内設定【自らの血を使い刃とかえて敵を殲滅する【デュアルフェンサー極東支部】のエリート。シャルルとは同僚で、よくともに【異形】を狩るために仲もよい。シャルルが心を許している数少ない人の一人。だが基本的内弁慶というか、仲間内弁慶なため、人見知りが激しい。自身では強くないというが、その実力は【デュアルフェンサー本部】にも認められているほどで、【化け物ぞろいの極東支部】に移されるという経緯をへてシャルルと出会う】

第二企画参加者 野宮詩織さま

小説内名前 暁 寧々(あかつき ねね)
年齢 16
性別 女
小説内設定【異世界の扉を開き、そこから銃弾や弾幕、光の剣などを生み出すことができ、【異形】をも圧倒する力を振るう美女。【デュアルフェンサー極東支部】のエリートでもありシャルルが心を許す友人の一人。基本的に楽観的なのかどうかはわからないが、いつも軽く物事を見ているような言動をする。悪戯好きでちょっと困りものだが、その実力は誰もが認めるものであり、【化け物ぞろいの極東支部】でも一際目立つ存在である】



参照300突破・・・自作絵(シャルルと寧々)>>29


参照400突破・・・企画参加者の名前と代表作(複数ある場合は作者が読んで一番心に残っている作品、小説を書いていない方は作者がその人に抱いている印象)


れおいさま(複雑・ファジーの 不定期更新で短編やら書いてみる)

野宮詩織さま(誰もが知っている小説大会優勝作品、おいでませ、助太刀部!!)

翡翠さま(コメディ・ライトの *。・二人の秘密・。*〜)

ヴィオラさま(シリアス・ダークの Redmoon night)

神様の懺悔さま(合作をやる予定でございます^^合作の話の進め方もうまく、頼れる方でございます^^)

焔錠さま(その物言い、その態度、なにもかもが魔王にふさわしい存在・・・かっけええっす、あこがれるっす←)

生死騎士さま(シリアス・ダークの 極彩色硝子【ステンドグラス】)

Neonさま(シリアス・ダークの 大好きだった君へ無様に生きた私より)

グレイさま(シリアス・ダークの 冥界の主は———)

菫さま(シリアス・ダークの 生徒会の秘密)

甘木さま(シリアス・ダークの 六道サイコパス)

秀元さま(二次小説(紙)の ぬらりひょんの孫〜短編集〜か〜も〜)

スフィアさま(シリアス・ダークの バスターワールド)

丸転さま(コメディ・ライトの 妹の小説にトリップした会社員23才。高校生やってきますっ!)

大王タコさま(・・・すべてが謎につつまれている。自分ではどんな印象をもっているのかもわからない・・・)

No315さま(前の小説でもいろいろとアンケートに答えてくださったりとお世話になったお方です、なんというかその温かい心は画面越しにも伝わってくるのですぜ・・・)

世渡さま(企画に参加してくださった神様の一人、その存在は明らかとなっていない・・・)

篠崎紅架さま(企画に参加してくださった神様の一人、名前からなんか美人さんな雰囲気が・・・)

IANAさま(二次小説(映像)の VOCALOIDで小説!)

風猫さま(シリアス・ダークの パラノイア)

美月さま(・・・うーん、なんていうんだろうか、名前から感じるにロリてきなイメージが・・・うへへww←)

ネズミさま(シリアス・ダークの 戦慄ユートピア かなり前の作品だ・・・)

jyuriさま(コメディ・ライトの バトルとお米と少しの勇気)

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Re: Ebony girls dual Fencer 【企画始動】 ( No.20 )
日時: 2011/08/26 17:20
名前: ツつセツつ「ツつアツゑソス& ◆h7Q7be4RW6 (ID: qd1P8yNT)


続きがんばってください

Re: Ebony girls dual Fencer 【企画始動】 ( No.21 )
日時: 2011/08/27 23:48
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)

黎迩が強風に飛ばされないように踏ん張る中、【犬】も同じように踏ん張る。だがしかし。風の強さは弱さをますどころから強くなっていく。黎迩は後ろにいるためか、その風の威力はそこまで強くないのだが、【犬】たちのほうではそうではない。じょじょに強くなっていく突風にとばされそうになりながらも地面にへばりついている。だがしかし、腐敗しているかのようにボロボロで気色の悪い体は次々にその形をくずれさせていっていた。毛がなくなり、その下から無数の人間の腕のようなものが生えてくる。それは壁に張り付いてなんとか体を固定させるが、半分から裂けている頭は中心からどんどん体にそって避けていき、そのごとに白い生々しい骨がバキボキと折れるいやな音が聞こえてくる。それをさもおもしろいといわんばかりに見ていた寧々は・・・ついに、それを放つ。
寧々が指をパチンッと一度鳴らす。その音は風の唸り声の中でも響くほど大きな音で、黎迩の耳にも届く。そして、それが攻撃の合図だということがわかる。だから黎迩は目を瞑って、耳をふさぐ。これから聞こえてくるであろう断末魔の叫び声を聞かないために・・・。
やがて、その弾幕ははなたれる。ありえないほどに大きいそれは、圧倒的な破壊を撒き散らし、左右にそびえる家の壁を巻き込み、破壊しながら【犬】にむかって飛んでいく。そのスピードはけして速いものではないが・・・それが近づくにつれて黎迩のほうにくる風は弱まり、【犬】たちのほうの風は強くなる。そのため、ノロノロとしたその弾幕をよけることは・・・ほぼ不可能だといえた。
【犬】たちは怒りに狂い、咆哮する。だがその音はすべて風の唸りにかき消されて聞こえない。皮膚がはがれはじめ、血がいたるところから飛び散り始める。それでも【犬】は雄たけびを、咆哮をあげつづけ———やがて、その音は・・・断末魔の叫び声となる。
弾幕は【犬】たちに直撃した瞬間、その姿をあっさりと消してしまった。
ただ【敵】を排除するための力・・・その対象が消えてしまえば自動的にその存在価値をなくしてしまう力。それを垣間見たとき、ただの人間が正常でいられると、そのとき誰がおもっただろうか。その存在はただの人間にとっては、拳銃の銃口が自分にむけられているのと同じようなものでもあるし・・・たとえそれが自分にあたらなかったとしても、別の誰かにあたって、その瞬間を見てしまったときと同じ———わけがわからないという感情と、関わりたくないという衝動に駆られるのも無理は無いのだ。
だけど黎迩はなぜかそうならなかった。最初にシャルルの【異能】というのだろうか、軽い振りで圧倒的な存在感をはなつ敵を殺してしまったのを見て黎迩はなにもかんじなかった・・・というよりも、自分と【シャルル】という存在が別次元の存在だと勝手に認識して、恐怖を上塗りしてしまったのだ。人間にとっての恐怖・・・黎迩の恐怖は自分にむかう殺意ではない。そんなものは、とっくの昔に克服してしまっている・・・だからこそ怖いものがあるのだ。自分が垣間見たその殺意が・・・自分ではなく、他人にむけられるということが・・・。
自分の知っている・・・なにかにむけられてしまったときのことが———。
・・・とまぁそんなことは今はどうでもいい。とにかく黎迩はこの時、普通の人間のように、今までこんな明らかな殺意をもってあいてを殺すという状況を見て・・・なにも感じなかった。ただ思ったことは・・・寧々がまた、自分とは別次元の存在だということだけだった。

「・・・ったく、今回はちっとばかし大物すぎねぇか?こんな大量の【犬】を見るのは久しぶりだぜ」

寧々のほうは、黎迩がとくになにも反応しないということをいいことに愚痴り始める。そのことから、寧々が黎迩を助けに入る前に何度か【犬】と遭遇しているということが伺える。そのたびに寧々は【犬】を殲滅しているのだろうか、あたらからはもう【犬】の遠吠えだのは聞こえない。もしかしたら、黎迩がここまで逃げてくる際に何度か【犬】に見つかっていたのかもしれないが、それもすべて寧々が倒してくれていたのではないだろうか?
そう思ったときにはもう、黎迩は聞いていた。

「なぁ、暁さん。あんたさ、これまでに【犬】を何回ぐらい見かけたんだ?」

でも、その質問はすこし的が外れていた。
寧々は黎迩が考えていることなんてちっともわからないのだろう、命の危機にさらされている黎迩の緊迫感とかけはなれた、楽観的、おちゃらけた態度で黎迩に振り返ると、さきの戦闘で一切乱れていないその髪の毛を少し撫で付けるように押さえてから

「んー・・・そうだな、だいたい五十体ぐらいはみかけたかなぁ?でも私のほかにこの【異空間時計】の中にはいった同僚も三十体ぐらいぶっつぶしてたから、今だと軽く百体ぐらい殺したんじゃないのか?」

「・・・俺は何体殺したか、という質問をしているわけじゃないんだが」

「おっとすまないね。でも結果おんなじことだろ?」

ケラケラといってのける寧々。それに黎迩はなにかおぞましいものを体のおくそこに芽生えさせる。そう、生物を殺してもなんにもの感じていないかのような寧々の態度・・・なにかを殺したというのに平然と笑っている寧々のその姿・・・シャルルもここまでとはいわないけれども、平然としていた。それで感じる・・・もしかしたら自分だけがおかしいんじゃないかという、錯覚。それを覚えてしまう自分に対する恐怖が舞い上がってくる。そう・・・まるで昔のように。自分が剣道の道を突き進むというのはおかしいことなんじゃないのか・・・自分だけが、その夢に執着しているんじゃないのか・・・という・・・妄念。そのときと同じように・・・今も、そんなことが黎迩の頭の中で交差する。

「・・・どうしたんだ?」

だがしかし、寧々が黎迩の顔を覗き込むようにしていったその言葉に無理やり意識を、その妄念の交差を切り捨てられる。

「な・・・なんでもねぇっすよ」

ちょっとばかし言葉がおかしくなってしまったが、黎迩はなにごともなかったかのようにそう言う。

「そうか?ならいいんだが・・・いやでもお前、なんでこんな・・・まぁ自分でいっちまうのもあれなんだけどさ、生物が目の前で殺されているっていうシーンをみても平気なわけよ?ふつうなら吐いたりなんなりするはずなんだが・・・ていうか私もそうだったしな」

寧々のその疑問は当然といえよう。なにかが殺される。というよりも、大きなものというか、血が流れているものが目の前で殺されるという背景を一度もみたことがないただの人間のはずの黎迩が、なぜこんな平然としていられるのだろうか。しかし黎迩は、それを恐怖とは感じない。なにかが殺される。自分に牙をむくものが殺されるというのは、恐怖ではない。そう。ただひとつ、自分の大切なものにその牙がむくこと・・・自分の大切なものが、血を流すこと・・・自分の大切なものが、殺されること・・・それが、黎迩にとっての恐怖ですべてでもあった。だからこそ黎迩は吐いたりしない。少しばかり怯えは感じるが、吐くまでにはいたらない。
だから黎迩はもとのとおりの、それでもちょっとだけ引きつった顔で

「・・・なんでだろうな?」

というだけにとどめた。

「・・・ま、いいさ。慣れも不慣れも関係のねぇ仕事現場だ・・・私たちの目的は【異形】の殲滅とお前の保護の二つだから・・・しっかりと私の後ろに隠れておけよ?」

「・・・そうするよ。そうしないと簡単に死にそうだ」

「ハハッ!!事実だぜ」

黎迩になにも変化がないことをとくにきにもとめないで寧々は歩きはじめる。この【異空間時計】を作り出した【異形】のもとにだろうか、それとも仲間のもとにだろうか・・・それとも、シャルルの元にだろうか、それは黎迩にはわからなかったが・・・ついていくことしかできない、守ってもらうことしかできない無力な【獲物】は・・・ただ無様に、歩きだすのだった。

Re: Ebony girls dual Fencer 【企画始動】 ( No.22 )
日時: 2011/08/27 15:25
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)

王翔さま>>


こちらでもコメントありがとうございます!!

そうですねぇ・・・追われているぶぶんはどうかけばいいかわかんなくてあのような結果になってしまったのですが・・・結果てきに大丈夫なのかな?とかいまだにおもっていたりもします^^;
シャルルは・・・やはり自分の可愛いと思う要素、自分の好きな要素をつめこみまくってできたヒロインなのでかわいいといっていただけるととても作者がよろこんでいたり←wwwww


というわけでコメントありがとうございました^^



・・・>>


再びコメントありがとうございます・・・名前がなんともいえないあなたさま!!
続きがんばりますぜ・・・たとえパソコンが前以上に重くなっているとかそんなことは無視してがんばりますぜ!!

Re: Ebony girls dual Fencer 【企画始動】 ( No.23 )
日時: 2011/08/27 23:54
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)


「・・・コイツッ!!しつこいのです!!」

可愛らしく、そしてどこか清んでいる声がそう叫ぶと同時に、生物的な血・・・よりも赤黒い、どちらかというとゾンビの血を思い出すかのような色をした血が飛び散り、なにも動かなくなってしまった住宅街の壁に広がる。
【犬】三十頭・・・いや、もっといるだろうか。黎迩が逃げたすぐあとにあらわれた大量の【犬】を一体一体確実に仕留めながらシャルルは攻撃の手を止めない。
三十頭いる【犬】は、どこもかしこもシャルルがつけたのだろう、刀傷というか、切れ筋がいくつもうかんでいて、もともとどこかしらか流れていた血以上にその切れ筋から滴り落ちている。
シャルルの漆黒の剣はそれでも、赤黒く染まるということは無かった。どこまでもどこまでも・・・漆黒の闇の色をしていて、何度も何度も肉を切っているのに、血をながさせているはずなのに・・・一滴の血も、シャルルの剣にはついてさえいなかった。それ以前に・・・シャルルはここまで大量の敵を開いてにしていても・・・傷ひとつなかった。
か弱い女の子があぶなっかしく武器を振るうのとは違う。屈強な男が力強く武器を振るうのとも違う。流れるように軽く、風のように速く動くシャルルのその柳眉な動きに【犬】たちは反応がついていっていないのだ。反撃にでようとしてもシャルルの【漆黒の剣】によって叩き斬られ、その存在をなくしてしまう。だからといって動かなければならないからいっせいに飛び掛ると、シャルルが【異能の力】を放ってそれをふせいでしまう。
人間相手には絶対の力をもっているはずの【犬】は・・・シャルルの前ではただの蠅のような存在だった。

「お前らにかまっている暇なんてないのです!!早く・・・早く黎迩を助けないと!!」

そういいながらシャルルが剣を横薙ぎに振るう。それはあまりにも軽く、どの【犬】にもあたっていなかった。宙を薙いだ剣はシャルルの動きにあわせて一回転して、そのままシャルルは一周したところで一度上にむかってジャンプする。するとさきほどまでシャルルがいたところには、剣の切っ先の軌跡の円が魔方陣を作り出していて・・・そりにむかってシャルルは剣を地面に突き刺す目的なのだろうか、思い切り上からなげつけて、そのまま魔方陣の中心部に突き刺してしまう。
丸腰になったシャルルを見上げて、【犬】たちは殺到しはじめる。今まで圧倒的な力をはなっていたのがシャルルではなく剣のほうだと勘違いをしてしまっているのだろうか、地面につきささっている剣と魔方陣には目もくれずにシャルルが落ちてくるのを、咆哮をあげながら待っている。
だがシャルルは・・・そこで口を開いた。それはまるで呪文を唱える魔術師のように・・・世界をあざ笑う、神のように———

「荒れ狂え・・・【漆黒の剣———デュアルフェンサー】」

その瞬間———剣がシャルルの声に呼応するかのように、シャルルの声を否定するかのように・・・内側から白い光を放ち始める。そのたびに魔方陣が漆黒に染まっていき———やがて剣から、頭のなかに直接響いてくるかのような、人間てきではない、生物てきではない・・・無機質でしわがれているかのような声が———聞こえてくる。

『我は堕ちた魔剣・・・【白夜の剣———デュランダル】』

刹那に鳴り響く轟音、刹那に揺れる地面、刹那に塵となる【犬】・・・すべてが一瞬の出来事だった。さきほどまでの住宅街の一面は、一瞬で・・・剣から放たれた白い光のような稲妻によってクレーターのような跡がそこにのこっているだけだった。風がそのあとにふきあれ、シャルルは一瞬それにとばされそうになるが、すぐに地面に着地して、白くなった剣に捕まりそれを耐える。
自分でさえも危険にしてしまうほど強大な威力を放つ一撃・・・自身のいる組織と同じ名前をもつ剣の力の解放・・・封印の解放。それをすることによって、今までシャルルは大切なものを失ってきた。自身の両親さえも・・・自身の立場さえも・・・自身の人生さえも。
だけれども、シャルルは自分のことを弱いと思っていた。なにもかもを守れなかった、壊してしまった自分は弱いと感じていた。過去にいつまでも振り回され、過去に囚われ続け・・・過去に怯え続ける自分は弱いと思った。だから、自身が剣を握ることなんてもう二度とないと思っていた———。こんな力を使うことなんてないと思っていた———。
だけど、自分の周りではその力を使い続ける仲間がいた。自分と同じような過去を繰り返していながらも強く生きる仲間がいたのだ・・・そして、今日出会ってしまったのだ———【デュアルフェンサー】が選んだ———契約者に。
そのことはシャルル本人しかしらない、誰にもいうことのない秘密のひとつだった。その剣を手にしたときからシャルルは・・・その契約者を探していた。自身と同じ闇を背負い、それでも自分ではなく誰かを守ることを誓ったあの優しすぎる少年のことをずっと探していた。
だからこそ、シャルルは守ろうと思った。ただのイレギュラーな存在だからではない、ただの仲間だからではない・・・それは———
そこまで思ったところでシャルルは首を振る。弱くなった風、それを確認してシャルルは剣を地面から引き抜く。引き抜くと一気に白くなっていた剣は漆黒に染まり、なにごともなかったかのように風がなくなり魔方陣も消える。だがそのあたりにはただ吹き飛んでしまった街が広がっているだけで、血のあとさえも、【犬】がそこにいたという証さえも、なにもかもが消えてなくなってしまっていた。

「・・・黎迩っ!!」

だがシャルルはそれに眼もくれずに走り出す。今日出会ったばかりの少年を助けるために、もしかしたら自分の同僚が助けに入っているかもしれないとも思ったが、自分が助けなくてどうするんだと自身にいいきかせて走り出す。そもそもシャルルは黎迩に一度だけ助けられているのだ。いくらシャルルが【異能の力】をもっていたとしても、ビルの屋上から飛び降りて、着地を失敗してしまえばただではすまない。
それだからこそ黎迩のあのとっさの行動というのはシャルルにとってありがたいものだった。あんなところで自身の目的を潰すわけには行かないから・・・【狂い神】をすべて殺すまでは———。

「・・・そうじゃない、今はそんなこと関係ないのです!!」

そう、関係ない。【狂い神】のことなど今はどうでもいい、とシャルルは首をふる。一番大事なのは・・・自分が黎迩を助けることであって・・・黎迩が誰かに助けられることではない、黎迩が殺されるということではないのだ。結果的に誰かが黎迩のことを助けたとしても・・・最終的に黎迩を自分が助けられればそれでいいのだ、とシャルルは強く思う。

「・・・またなのですか!?」

しかし、そのシャルルの動きは再び封じられる。まだ一分もたってないというのに【犬】が一せいにせまってくるのが見えたのだ。その狙いはあきらかにシャルルを狙っているものであり、あきらかに戦力を分散させようという動きが見て取れた。
武器はしまってはいない。いつどこでどんな敵があらわれるかわからない【異空間時計】の中で武器をしまうというのは自殺行為といってもいい。
見て取れる数はだいたい三十近い。それを倒すことはたやすいのだが、シャルルにとって今は時間が惜しかった。だから・・・力を使うことは惜しまない。

「契約の声に呼応しろ・・・【デュアルフェンサー】!!」

清んだ声。その言葉は呪文を唱える魔術師のように・・・世界をあざ笑う神のように、その言葉を噤んだ。
それに呼応するかのようにして剣が反応する。その内から白い光をあふれ出しながら・・・もとの漆黒の色とはかけ離れた純白の色となった剣が、脳に直接響いてくるかのような声で、脳に直接語りかけてくるかのような声で———

『契約、第一段階解除・・・【ゲイ・ボルグ】を起動』

その瞬間、剣に紫色の炎が宿り始める。剣をもっていないほうの手、つまりシャルルの左手にもその紫色の炎が宿り始めたかと思えば、それはまるで意思をもっているかのようにして荒れ狂い・・・大小さまざまな形をした【犬】たちにむかって、竜の頭のような形を象りながらはなたれた。

グウウゥゥゥアアアァァ!!

【犬】と炎の竜の咆哮が重なるようにして響く。果敢なのか無謀なのか、一体の【犬】が竜にむかって突進する。だがしかし、無慈悲にも竜は【犬】を一瞬にして塵にしてしまい、後ろに続いた【犬】たちも一瞬にして塵にしてしまう。
圧倒的なまでの破壊の力。【デュアルフェンサー】・・・組織名と同じ名前をもつその剣・・・これを組織の人間は【異形】と呼んだ。そしてそれを扱うシャルルのことを・・・【化け物】と呼んだ。【異形】という名の化け物を殺す組織の人間のほとんどがシャルルのことを化け物と呼び、傷つけた。そのことからシャルルは自身が化け物と呼ばれることを嫌う。人が化け物と呼ばれるのを嫌う。だからこの力を、【デュアルフェンサー】の力を使うときのほとんどが、一人で行動しているときなのである。
別に秘密にしているというわけではないが、これによって———最近配属された【デュアルフェンサー極東支部】の人々にまで化け物と呼ばれることを恐れていたのだ。
だけど・・・それももう無用な心配だ。というよりも———【極東支部】には自分と同じような・・・圧倒的な力、それこそ【異形】を一瞬で殲滅させてしまうような力をもった【異能力者】であふれかえっているのだ。いわば【極東支部】は・・・【異端者の集まり】というわけだ。

「そこをとっととどくのです雑魚ども!!」

そういいながらシャルルは走る。竜によってことごとく塵にされる【犬】たちを無視して、その場を駆け抜ける。後ろから聞こえるのは竜の咆哮と【犬】の断末魔のみ・・・自身を追うものはもう、いなかった。
それにしても、とシャルルは思う。今回の【異空間時計】というかなんというか、今回の【異形】はどれくらい大物なのだろうか、と。
もともと、【異端者】ばかりが集められている【極東支部】周辺では、力の強い【異形】が多く現れると聞く。噂では、【異形】を形創るなにかが【極東支部周辺】・・・【日本】という国のどこかにあるのではないか、というのが【デュアルフェンサー】の考えだった。それを裏付けるものはなにもないとしても、シャルルにはひとつだけ覚えがあるのだ。その【異形】を形作る存在じゃなかったとしても・・・【異形】を操る存在を、一人だけ、シャルルは知っているのだ。でも、今回のそれは関係ないとシャルルは断言するだろう。
そう、力の強い【異形】は・・・【狂い神】によって操られることはないのだ。
そのために、前回、黎迩に助けてもらったときの戦いでは、【異形】は弱かった。だから【狂い神】が絡んでいるものと思ったが、自身の部下を殺されたというのにでてこなかったからあれも違う。でも、あのように弱い【異形】がでてきた場合は、かならずといっていいほどシャルルは警戒している。だけど今回はケースが違う。まずはイレギュラーである【黎迩】だ。快感を味わうために【異形】はこれから黎迩によってたかって集まってくると考えるとすると、おそらく今回現れたのは、この区間を締める【異形の主】、つまり最強クラスの【異形】のはずだ。そう考えるとこの多すぎる【犬】の説明もつくし、【狂い神】が関連していないという説明もつくというわけだ。
とにかく、敵が最強クラスなのかどうかはわからないにしても、強者であることはたしかだった。だからシャルルは再び気を引き締めて、黎迩の捜索に力をいれることにした。

Re: Ebony girls dual Fencer 【企画始動】 ( No.24 )
日時: 2011/08/29 20:35
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id=928

シャルルの絵をアナログで描いてみた・・・相も変わらず低クオリティー^^;



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