ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Ebony girls dual Fencer 参照400
日時: 2011/09/09 01:23
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)
参照: http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=5640

こんばんは、そして、初めてのお方は始めまして、無名の作者でございます、だいこん大魔法というものです^^;ほかの掲示板では完成させていない作品が何個かあると思いますが(おいw  それはおいといて・・・今回は初めて(シリアス全般のファンタジー)を書くという事で、作風を大きく変えて、一人称物語を変更いたしました。まぁ変えたところで結局駄作には変わりないのですが、温かい目でお見守りいただけると不肖だいこん大魔法、嬉し涙があふれんばかりです^^

というわけで、まず最初に注意書きをおいておきたいと思います^^

1、更新速度がとてつもなく遅いかもしれませんが、そのあたりは作者の気まぐれなので暖かいめで見守っておいてください^^;

2、中傷やわいせつな発言、荒らしなどは作者やお客様にも迷惑になってしまうと思われますので、控えるどころか絶対にしないでいただけるとありがたいです、もしもやりたいおかたは直ぐに戻るのボタンをおしてお帰りください^^

3、コメント、アドバイス(ここをどうしたらよく見えるか)などはいつでもまっておりますので、やっていただけると作者が喜びます^^


とまぁこんな感じになります。

細々とした設定などは、追々と追加させていく所存ですので、よろしくお願いいたします^^

なお、キャラクターたち【企画参加者さまも】を勝手に作者が絵に描いてしまいますがあしからず・・・



タイトルの意味  Ebony girls dual Fencer 【デュアルフェンサー 漆黒の少女】 





     †・・・First story(シャルル・S・リーネ ルート)・・・†


First Chapter Zero・・・【Variant】 >>1

First chapter・・・【Storage】>>2 >>3 >>4

Chapter II・・・【Dual Fencer】>>5 >>9 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>21 >>23 >>25 >>26 >>30 >>31 >>32


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      †・・・Character・・・†


Hero  夜峰 黎迩 (やみね れいじ)

Heroine  シャルル・S・リーネ(シャルル・シャドウ・リーネ)【漆黒の少女】>>24

Classmate  幸凪 遥 (こうなぎ はるか)  舟木 力也(ふなき りきや) ・・・Coming Soon

Enemy   【異形】(Variant)

Mad god   【企画進行度零パーセント】

Organization name  【デュアルフェンサー】

Organization   【企画進行度十二パーセント】
第一企画出演者 野宮詩織さま 
(キャラクターネーム【暁寧々】ヒロインの同僚。十六歳にして女。能力は異次元の扉を開くことができ、そこからさまざまなものをだすことができ、いろいろと応用を利かせることができるという。二つ名は【次元の鍵守】)出演開始>>15

第二企画出演者 れおいさま
(キャラクターネーム【由詩】ヒロインの同僚。十七歳にして女。能力は自身の血を固めて刃に変える能力。その形はどこかトンファーにも似ているが、一言で表すのなら魚の胸鰭。二つ名は【深紅の剣士】)出演開始>>26

特別企画参加者募集中(敵キャラ【Mad god】・味方キャラ【Organization】)・・・URL参照


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物語をつかむためのあらすじ↓

これは・・・とある普通の少年が、仮初の空間を通して現実を知る・・・不可解かつ残酷な物語———


いったいなにがどうなってんだよ・・・その言葉は、自身が見慣れていたはずの街をなにかから逃げるかのごとく疾走する少年の口から放たれた。
夕闇に染まっていたはずの街は、また違う、別の色によって染め上げられてしまっていて、さきほどまで騒がしいぐらいにまでいたはずの人々は全員動かなくなってしまい、自分自身だけが動けるという状況に恐怖しながら・・・後ろから迫る、さらなる恐怖から必死に逃げ続けていた。
その少年の後ろからは、ケタケタと不快に笑う———人間の倍以上の体躯をもった、顔の位置にはピエロの仮面、服は道化のような格好をしていて・・・左右に三本ずつぶらさがる腕のさきからはひとつの手に五本ずつの巨大なナイフという・・・ごく普通の生活をおくっていて、ごく普通の人生をおくっていた少年から見たら・・・【化け物】としかいいようがない姿をしたその・・・【異形】が、近づいてきていた。
少年と【異形】の歩幅はぜんぜん違う。そのためか、少年が全力で走っても一向に距離は離れない。それ以前に、少年が少しでも失速してしまったらすぐにでも追いつかれてしまうような、そんな勢いだった・・・まるで、見ている側からだと【逃げる獲物とそれを狩りにかかるハンター】のような光景だった。
やがて少年は時間をむかえる。
全力で、限界を超えるほどの力で走り続けていた少年は、足を攣る。それは、運動をしているものでもかならずなる現象で、少年がそれにさからえるはずもなく———少年は地面に無様に転がった。
それをみた【異形】は———少年のことをあざ笑うかのようにケタケタと笑う。耳障りな声で・・・不快な声で———恐怖を煽るかのような、声で。
少年はそこで絶望する。自分が助かるのがもう絶望てきだとわかったから、少年は顔を青ざめさせて【異形】のほうをにらむ。そしてその瞬間・・・少年の顔に、疑問の色が浮かぶ。



そう・・・少年は見たのだ。【異形】の後ろのビルから———小柄な人影が落ちていくのを———


———なにも知らない、なにも記憶しない、ただの人間であるはずの少年と、【異形】の存在の意味を追うヒロインたちが繰り広げる・・・過去に囚われ続ける哀れな物語———



参照100突破、あらすじ文公開


参照200突破、企画参加者の作中設定の公開(新情報)

第一企画参加者 れおいさま

小説内名前 由詩ゆた
年齢 十七歳
性別 女
小説内設定【自らの血を使い刃とかえて敵を殲滅する【デュアルフェンサー極東支部】のエリート。シャルルとは同僚で、よくともに【異形】を狩るために仲もよい。シャルルが心を許している数少ない人の一人。だが基本的内弁慶というか、仲間内弁慶なため、人見知りが激しい。自身では強くないというが、その実力は【デュアルフェンサー本部】にも認められているほどで、【化け物ぞろいの極東支部】に移されるという経緯をへてシャルルと出会う】

第二企画参加者 野宮詩織さま

小説内名前 暁 寧々(あかつき ねね)
年齢 16
性別 女
小説内設定【異世界の扉を開き、そこから銃弾や弾幕、光の剣などを生み出すことができ、【異形】をも圧倒する力を振るう美女。【デュアルフェンサー極東支部】のエリートでもありシャルルが心を許す友人の一人。基本的に楽観的なのかどうかはわからないが、いつも軽く物事を見ているような言動をする。悪戯好きでちょっと困りものだが、その実力は誰もが認めるものであり、【化け物ぞろいの極東支部】でも一際目立つ存在である】



参照300突破・・・自作絵(シャルルと寧々)>>29


参照400突破・・・企画参加者の名前と代表作(複数ある場合は作者が読んで一番心に残っている作品、小説を書いていない方は作者がその人に抱いている印象)


れおいさま(複雑・ファジーの 不定期更新で短編やら書いてみる)

野宮詩織さま(誰もが知っている小説大会優勝作品、おいでませ、助太刀部!!)

翡翠さま(コメディ・ライトの *。・二人の秘密・。*〜)

ヴィオラさま(シリアス・ダークの Redmoon night)

神様の懺悔さま(合作をやる予定でございます^^合作の話の進め方もうまく、頼れる方でございます^^)

焔錠さま(その物言い、その態度、なにもかもが魔王にふさわしい存在・・・かっけええっす、あこがれるっす←)

生死騎士さま(シリアス・ダークの 極彩色硝子【ステンドグラス】)

Neonさま(シリアス・ダークの 大好きだった君へ無様に生きた私より)

グレイさま(シリアス・ダークの 冥界の主は———)

菫さま(シリアス・ダークの 生徒会の秘密)

甘木さま(シリアス・ダークの 六道サイコパス)

秀元さま(二次小説(紙)の ぬらりひょんの孫〜短編集〜か〜も〜)

スフィアさま(シリアス・ダークの バスターワールド)

丸転さま(コメディ・ライトの 妹の小説にトリップした会社員23才。高校生やってきますっ!)

大王タコさま(・・・すべてが謎につつまれている。自分ではどんな印象をもっているのかもわからない・・・)

No315さま(前の小説でもいろいろとアンケートに答えてくださったりとお世話になったお方です、なんというかその温かい心は画面越しにも伝わってくるのですぜ・・・)

世渡さま(企画に参加してくださった神様の一人、その存在は明らかとなっていない・・・)

篠崎紅架さま(企画に参加してくださった神様の一人、名前からなんか美人さんな雰囲気が・・・)

IANAさま(二次小説(映像)の VOCALOIDで小説!)

風猫さま(シリアス・ダークの パラノイア)

美月さま(・・・うーん、なんていうんだろうか、名前から感じるにロリてきなイメージが・・・うへへww←)

ネズミさま(シリアス・ダークの 戦慄ユートピア かなり前の作品だ・・・)

jyuriさま(コメディ・ライトの バトルとお米と少しの勇気)

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Re: Ebony girls dual Fencer 企画進行中 ( No.15 )
日時: 2011/09/04 14:16
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)

「まだ終わってないのです」

「・・・は?」

「だから私は、まだ終わってないのですといったのです」

さきほどの出来事がなかったかのように黎迩をシャルルがひっぱりながら、二人はまだ消えない【異空間時計】の中をさまよっていた。
黎迩はシャルルの言葉を理解することができなかった。第一、さっき【異形】を倒して、だから時間がたてばもうすぐでこの【異空間時計】はきえると思っていたから、理解することができなかったのだ。不測の事態に弱い、ということからそのことが伺える。

「ちょ・・・ちょっとまてよ、【異形】はさっき倒したんだろ?だったら歩かなくてももう【異空間時計】は崩壊するんじゃ———」

「・・・さっきのが【異形】?笑わせるんじゃないのです」

シャルルは黎迩を小ばかにしたかのような態度になり、でも困惑している黎迩を見て可愛そうになったのか、すぐに説明を始めた。

「さっきのは文字通り【犬】なのです。【異形】が使役する、というのでしょうか?とりあえず【異形】が使う使い魔のような存在なのです。そいつの味覚、嗅覚、感覚、聴覚、視覚はすべて主である【異形】と【共有】されるので、お前をさっきのやつが喰らっても【異形】はそのまんま自分が食べているのと同じような感覚を味わうことができるので———とりあえずは、今回の【異形】が大物だということが明らかになったのです」

「・・・ってことは、さ。どんくらいその【犬】はいるんだ?」

「さぁ?その【異形】の力によっては何十体も一気に扱うことが可能と聞きますし、今回のがその例に漏れないとしたら、まだたくさんいるということなのです」

「うそだろ・・・」

「でも一体一体は雑魚のようですし、問題はないのです」

恐怖にふるえそうになりながらも、なんとかそれを抑えている黎迩。しかし、それとは反対にぜんぜん余裕なシャルルの姿は、頼もしいを通り越していっそ清々しいといえるほどでもあった。
黎迩はシャルルのことを改めて見る。自分の手をひっぱって先導する姿はどこか頼りないのに、ものすごく頼もしかった。自分がなにもできないという現状が気に喰わない、自分がなにもできない、なにもすることができない、ただの足手まといでいるこの現状が気に食わなかった。だけど、それを覆すような能力は黎迩にはない・・・だからこそ、腹立たしかった。シャルルを手伝えない自分が・・・自分の命すら自分で守ることのできない自分が———。

「———黎迩、ちょっとはなれているのです」

「・・・きやがったのか?」

「はい・・・前の曲がり道から何体か気配を感じます。ですが、心配はいらないのです。どうやら【デュアルフェンサー】の増援部隊も近くまで来ているようなので」

「えーとさ、なんでそんなことが分かるんだ?」

「ただのかんなのです」

堂々というシャルルにあきれ返りつつも、黎迩はシャルルからはなれて後ろにさがる。緊張感に包まれ始めた雰囲気の中で———その姿を、あらわした。
それはさきほどと変わらない、嫌悪感を振るい立たせる気色の悪い造型をした【犬】だった。だがしかし、それは一体だけではなく、その壁のさきから何体も・・・何体も何体も、大きさは違えど姿かたちがまったく同じの【犬】が・・・現れる。その数、十五匹。
大小さまざまな形でそろったその【犬】たちは、統率のとれたかのように動きだし、シャルルを取り囲みつつも、二体だけ黎迩のほうににじりよってる。・・・この状況で、一番好ましくない状況だった。なんにもできない黎迩に、二体もの【化け物】をあいてにできるわけがなく、

「れいじ!!とりあえず逃げるのです!!絶対に後でむかえにいきますから!!」

そういいながらシャルルが取り囲まれつつも【犬】の首をはねるのが見えた。それを見て一瞬吐きそうになるが、黎迩は吐き気を無視して走り出す。その速度は一般の高校生よりはちょっとばかし速く、黎迩が運動神経がよいということが伺えるが、いかんせん、相手は【化け物】だ。黎迩が逃げ切れるはずも無いので———その住宅街の地形を上手く活用して、黎迩は逃げることにした。
後ろから死を誘うような唸り声がきこえてくる。よだれをたらしながら、狂ったかのように黎迩に迫ってくる感覚がわかる。黎迩は体を九十度横にまげて、曲がり角に入ると、そのまま一直線に続く道をダッシュで駆け抜けて、大通りに出た後もう一度複雑につながる曲がり角をまがって路地に入る。【犬】たちは黎迩のその相手を惑わすかのごとく逃げる姿に怒りを覚えたのか、けして犬のそれではない、どちらかというと猛獣のそれに近い咆哮をあげながらも黎迩を追う。
その距離は縮まることは無かった。このあたりの地形を理解している黎迩だからこそできる逃走術だった。追っている側は追われている側がどの道を進むかわからないので、黎迩が突発的に壁を曲がったりすることによって今までだしていた速度が失速してしまい、また初めから走りなおし、ということになる。相手が人間ならばその不利を悟った時点であきらめてくれるのだが、相手は【化け物】だ。それが通用するはずがなかった。
黎迩の息がだいぶあがり始めてくる。そもそも運動をここ最近やっていなかった黎迩にとって、これはつらいとしかいいようのない逃走術だった。というより、あきらめというものをしらない、欲望と快感を求めるその【化け物】たちは体力という概念が存在しないのだろうか、いっさい息を切らすことなく、スピードも最初のころからぜんぜんかわらないその速さで黎迩のことを追い続ける。その距離もじょじょに縮み始める。
黎迩が再び曲がり角に入る。そのすぐ後に二体の【犬】が軽率の取れた動きで曲がり角にはいり、黎迩を追う。そして・・・

「しまった・・・っ」

黎迩はうめく。距離が縮まりつつある現状で———一本道の曲がり角に入るのは———間違いだったと。
黎迩の服になにかがふれる。それは牙だった。その牙が黎迩の服のすそを引きちぎり、黎迩をその場に倒させてしまう。黎迩はいきなりおこったそのことに反応することができずに、地面に頭を叩きつけられる。ぐぁっ・・・とうめいた黎迩は、逃げ切れなかったことに憤りを覚え・・・本当に、逃げることすらまともにできなかった自分の無様な姿を思い浮かべて———諦められるか、と、自分の首もとに近づけられた【犬】の頭を殴り飛ばし、すぐさま跳ね上がるようにして立ち上がり、ダッシュして逃げる。・・・ただあそこであきらめるよりも、逃げていたほうが———可能性があったからだ。自分が助かる・・・ただひとつの可能性が

「雑魚のわりにはなかなかいい動きをしてるんだな」

そして———その瞬間、黎迩のすぐ横を、銃弾の形に光るなにかが二つ通り抜けて、正確に二体の【犬】の、脳がのこっているほうの頭を貫いく。

「そもそも・・・貴様らのような【下僕】が人間を喰らおうなんて考えるのがまず第一に早いんだよ」

そしてまた、その少しだけ物事を楽観的に考えているかのような口調ではなたれた少女の声に呼応するかのように、色とりどりに光る銃弾のようなものが出現して、それぞれがすべて【犬】の体に吸い込まれるかのようにして放たれ、【犬】たちが悲痛な悲鳴をあげる。
その光景を呆然と眺めていた黎迩は、その声の主を探す。だけどもその姿はどこにもなくて、それでも声が聞こえてきて———

「くたばれ」

最後に、もう一度色とりどりの銃弾がどこからともなく出現して———【犬】の体のいたるところに風穴をあけて、その姿を消滅させてしまった。
呆然と黎迩はそれを眺める、あまりにあっさりと倒されてしまった【犬】たちがいた場所をながめながら、再び声の主を探すために首をふる。だけどもやはりそれらしい姿はなかったが———

「こっちだよ」

真上から聞こえてきたその声で———ようやく、その姿をたしかめることができた。
その少女は、黎迩のいるすぐ近くの家の屋根から顔をだしていた。すこし癖のある金色の美しい髪の毛。目は緑色で見ているとどこか吸い込まれてしまいそうな雰囲気を漂わせていて、シャルルとは違う、少しだけ大人っぽい雰囲気を宿した少女がそこにいた。
その少女は屋上からヨッ、という掛け声とともにとびおりて、地面に着地する。黎迩の前にたったその美人さんは・・・握手を求めるかのように黎迩に手をさしだして

「暁寧々だぜ。よろしくな」

と、前歯を見せて爽快に笑って見せた。
黎迩は少しばかりしどろもどろになりつつも、汗でびっしょりとなった自分の手を見返して、ズボンで強引にぬぐうと、それを見た寧々と名乗るその美人さんは笑う。美しい雰囲気を漂わせている彼女には少しばかり不似合いなほど子供らしく笑う。だけども、それがまたその美人さを際立たせているようにも見えて・・・お姉さんタイプな女性がちょっぴり苦手だったりする黎迩にとっては、ありがたいギャップだった。

「お・・・俺は夜峰黎迩だ。た・・・助けてくれてありがとな」

「ハハハ!!お前かわいいなぁ・・・。なぁに、あいつが気に入ったおもちゃだ。そう簡単に壊させてたまるかよ」

「あいつ?」

「ああ、シャルルのことだよ。あいつが誰かを気にかけるってめずらしいことだからなぁ・・・でもま、だいたいわかるような気がするよ、あんたのその・・・目を見ているとな」

にらみつけるかのようにして寧々は黎迩と目を合わせる。黎迩はそれに、自分のすべてを見透かされているかのような気がして・・・目をそらしてしまう。それを見てやっぱお前かわいいよとかいいながら寧々が黎迩の肩をバンバンと叩く。黎迩はそれに

「か・・・かわいくなんかねぇよ」

とせめてものばかりの反抗をする。

「お?そうか?」

とかいいながらニヤニヤ笑っている寧々のことを、黎迩はまじまじと見つめる。
その寧々の格好が少しばかり気になったのだ。
今の自分と同じような、まったくもって外にでるような姿ではないと思われる、短めのジーパンに、ちょっとだぶだぶの丈の長いTシャツ。
普通すぎて今の時期だと誰も着ていないような姿格好をしているが、とくにそこには気をつかっていないという現われなのだろう。だけども、その手につけられている黒い皮製のグローブはいかにも高級そうで、膝上あたりまで覆いかくす黒いブーツはシャルルのつけている漆黒のレギンスにも負けず劣らない不自然さをかもしだしていた。いってしまえば、グローブとブーツだけ力をいれているといったふうな感じの服装をした、珍妙な美人さんだった。あと少しだけ話てわかったことがあるのだが、どうやらこの美人さんは他人との間に壁を作らないタイプの人間らしかった。どちらかというと黎迩にとってはありがたいタイプの人間だ。

「ま、とりあえずそれなりに関わるとおもうから念のため、私はお前よりいっこ上の先輩ってことでよろしくたのむぜ」

「・・・ていうことは十六歳ってことか?」

「おおぅ・・・先輩にため口をきくとはこいつ、なんたることか!!ってそんなことはどうでもいい。とりあえずそのとおり、十六歳だぜ」

「・・・もっと年上かと思ったぜ」

「おおっと、それは聞き捨てならないなぁ!!それは私がおばさんだとでもいいたいのか?このくそじじい!!」

「ってなんでそうなるんだよ!?ていうか俺はじじいじゃないっ!!」

「なら私もおばさんじゃねぇ!!」

「だから俺は一言も・・・」

「なんて冗談だよ、ハハハ!!」

黎迩の肩を叩きながら、さも面白いといわんばかりに笑うその寧々の姿を見て黎迩は、緊迫したこの雰囲気を一切忘れてしまいそうになったが・・・そうもいかなかった。
寧々が笑いながら黎迩をかばうように前にでる。するとその視線のさきには、さきほどと同じような形をした【犬】が五匹、曲がり角を曲がってくるところだった。ここは壁と壁、家と言えにはさまれてしまっているせいで狭いため、一匹一匹をあいてにしやすいという利点があるが、シャルルみたいに武器を使って戦うのならばかなり不利なものになるだろう。だけども、寧々はそんなことは興味ないな、といわんばかりに【犬】たちをみながら

「一撃で終わらせてやるぜ」

そういって、手を前に突き出す。
その手を一度上にあげて、そのまま下に、垂直に降ろすという不可解な作業をした寧々が、一言口にする

「開け」

そう寧々が言った瞬間に———その寧々がさきほど指さきで描いた線が空気中で裂かれ始めるそれは縦に開いた目のような形にも見えるし、また違うものにも見える。後ろからだとよくわからないのだが、それが寧々の力だということが・・・黎迩にはわかった。
【犬】の一体が寧々にむかって猛然とダッシュする。その速度はあまりにも速く、よくさっきまで逃げられてたなとか黎迩は思いながら、後ろにじりじりと後退していく。恐怖に気おされながらも、寧々の邪魔をしない程度に———。

「ま、見てなって。こんな雑魚、私の敵でもなんでもねぇ」

そう黎迩に笑いかけながら、寧々はその作り出した隙間の線をさらに広げるかのようにして、上にまた線をひき、下にも線を伸ばす。その裂け目はさらに広がって息、やがて寧々の身長と大差ないほどまでにその裂け目が広がる。
そこで寧々は笑う。あまりにも楽しいといわんばかりに・・・その力を使うということが、あまりに楽しくてしょうがないといわんばかりに・・・笑うのだ。

「さぁて雑魚ども・・・私の愛をこめた弾幕、喰らっとくかい?」

その言葉とともに、無風だったはずのこの【世界】に強烈な風が吹き出す。そう、それはまるで、別の次元からあらわれた風のように・・・、その隙間から、その裂け目から・・・あふれ出していた。
やがてその裂け目は開く。縦に開かれたかのような瞳のような形に大きく開き、そこから風を噴出す。【犬】とそれに一瞬ひるんだが、すぐに体勢を立て直してかけだし、だが———寧々より半径五メートル。そこからさきに進むことは・・・かなわなかった。
そう、さきほど、黎迩を追っていた【犬】がなったように・・・その体のいたるところに風穴をあけ、もはや自分が死んだということすらわからない程度に原型をなくしてしまったその【犬】は、音もなくその姿をけしてしまう。一瞬のことすぎて、血すら飛沫をあげることはなかった。それに黎迩は驚愕の表情をうかべて、寧々は笑う。

「ほらこいよ雑魚ども。テメェら全員皆殺しにしてやるよ!!」

それに反応して【犬】たちが咆哮する。狭苦しいこの通路を無理やり四体ではいろうとした結果入り口あたりでつっかかってしまい、身動きがとれなくなってしまう。だがしかし、その闘争心はなくなっていないのか、煩いばかりの咆哮をあげ続ける。それに寧々は、寧々とその裂け目は近づいていく。どういった原理で裂け目が動いているのか黎迩には謎だったが、黎迩はいつ自分が危険に及ぶかわからないので寧々の後ろをついていく。
寧々は【犬】たちと十メートルぐらいの距離の場所で立ち止まり、裂け目にむかってこういうのだ。動けない敵に容赦のない一撃を与えるために———その、力を放つのだ。

「さあ・・・雑魚ども、命乞いをしてももうおせぇからな!!」

隙間がその声に呼応するかのように眩いばかりの光を放ち始める。瞳がたに開いていたその隙間は中央からさらに大きく広がり、その中から・・・さきほどの弾幕とは比べ物にならないぐらいに大きい、さきほどの弾幕の攻撃力をみているかぎりこれはあたったら本気でまずいんじゃないかと思えるぐらいの威圧感をだしていた。
その例にもれることなく、それは【異常】だった。隙間からでてきた、大きさでいってしまえば体重百五十キロ台の男のサイズと同じぐらいの大きさのそれが【異空間時計】の中にあらわれたことによって、強烈な風が吹き荒れたのだ。それはまさに、台風の日に無謀にも外にでているのと同じような感覚で、黎迩は別の意味での危機を覚えてしまっていた。


Re: Ebony girls dual Fencer 【企画始動】 ( No.16 )
日時: 2011/08/21 19:33
名前: 夕凪旋風 ◆PQzQy5g.72 (ID: aOQVtgWR)
参照: だぁっから、僕は神凪和乃なんだって! 別人じゃないよって!

ゴキブリ……
うん、僕もゴキブリは苦手です。
あのわさわさーとした感じは思い出すだけで寒気が……。
——ってか、僕よりシャルルの方が年上っっ!?
いやはや、シャルル“さん”ですね;

そして、寧々さんかっけえ!

Re: Ebony girls dual Fencer 【企画始動】 ( No.17 )
日時: 2011/08/23 00:42
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)

夕凪旋風さま>>



ゴキブリ・・・あれを見ただけで私は絶叫して逃げ回ってしまうという←    そんななさけない自分をモチーフにしてシャルルのゴキブリ嫌いと黎迩のゴキブリ嫌いをつくりましたwwww
そうなんです、実はシャルル、十五歳なんですw  実年齢よりも若く見えるというか、ギャップというのがすきなので、自分の好きという要素をすべてシャルルにもりこんでおりま←


寧々さんは企画キャラクター(とあるカキコ住民の分身)なので、おそらくはその本人がかっこいいのだと←


というわけで、コメントありがとうございました^^

Re: Ebony girls dual Fencer 【企画始動】 ( No.18 )
日時: 2011/08/25 09:12
名前: だいこん大魔法 (ID: qd1P8yNT)

お久しぶりです、だいこん大魔法です^^;


このたびはパソコンの修理というわけで、しばらく時間をあけていましたが、これから本腰を入れなおしたいと思っております!!というわけで、企画に参加してくださっているみなさま、そして、これを読んでくださっている神さまがた!!いましばらくお待ちをお願いいたします!!

Re: Ebony girls dual Fencer 【企画始動】 ( No.19 )
日時: 2011/08/25 10:26
名前: 王翔 (ID: dP9cSz6y)

こんにちは、王翔です。
こっちでも書いていたんですね^^
追われてる部分とか読んでてゾゾゾとしました!
すごい文才ですね^^
個人的にシャルルが可愛くて大好きです。
まだ途中までしか読んでませんが、これから読み進めていこうと
思います。

では、頑張ってください!
失礼しました><


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