ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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消失病 Disappearance【人気投票】
日時: 2011/11/11 22:02
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: TtH9.zpr)
参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%B3

URL……自己紹介((

 改めて考えると、親子が出てくる話ははじめて書きます
コーヒーやミルクティーが手放せない今日この頃
カフェインに激しく依存している……
暮来月 夜道に改名しました
12月の夜道はネオンの明かりだらけということで
リア充のお祭りは好きではありませんが(苦笑)
読みは、くらづき よみち・やどう どちらでも
判別はトリップでお願いします

毎度の事ですが、引くほどグロテスクな表現が多いです

11/11:しばらく、更新を停止して読む側に回りたいと思います

>>32  人気投票用紙

 序章
>>1

 第一章『不死鳥の雛』
>>4§>>6§>>8-10§>>14-22

 第二章『嘘吐きな道化の肖像』
>>24-31

Page:1 2 3 4 5 6 7



Re: 消失病 Disappearance  ( No.2 )
日時: 2011/10/06 21:33
名前: イカ飯 ◆7dc6rjLZUg (ID: 0M.9FvYj)

初めまして……、じゃなくてオリキャラを提供してもらいましたねw
あの時は有難うございました、どうもイカ飯です。

僕もこの頃はね、友達がインデックスみただけでロリコンとか言ってくるしw
少しアレなところにしか目はつけないし、あんた等の目は節穴かって突っ込みたくなりますよww


さすがNeonsですね。見事な設定です、惹かれますww
この調子だったらどの面に置いても期待大ですね!
続き楽しみにしています!頑張って下さい!

Re: 消失病 Disappearance  ( No.3 )
日時: 2011/10/07 17:03
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: QwdVpVQe)

お久しぶりです、イカ飯さん
私は、従兄弟がね、うん
私が成人するまで待って欲しかったのですが、まあ仕方ない
というので気を取り直そうかなって思いまして

インデックス読んでただけでロリコンw
流石に、それは極論ですよね
私は、学校の左斜め後ろに一人。 右横一個飛んで一人左斜め前に一人
まあ、そんだけ周囲にロリコンが居ます(笑)
インデックス読んでる奴含めれば、倍くらいになりますかね

いいじゃないですかね、ロリコン
中には『俺のロリ魂は誰にも止められないぜッ!』とか言ってる奴居ますし



設定は……今まで使った小さい出来事を誇張してみました
あまり、期待されるとプレッシャーで潰されてしまいます(笑)
執筆、がんばります

Re: 消失病 Disappearance  ( No.4 )
日時: 2011/10/07 17:37
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: QwdVpVQe)

 一匹の白と黒の獣が、その手に刃を握り締め、今にも振り下ろそうとしている。
 あまりにも長い黒い頭髪が舞い上がり、その手に握った刃の先には人間の眼球が。 今にも、切っ先はその眼球を抉るかというところで、眼球はどす黒く変色すると同時。 刃がそれを突き抜けた。
 だが、眼球を捕らえることなくその刃は、空を掻く。
 眼球のあった場所には、黒い靄。 まるで霧を引き裂くように、刃はその空間を駆け抜ける!
 が、その霧を散らすだけで手ごたえはない。

 「あっ!」

 次の瞬間、刃を手にした獣の腕に舞い散った靄が巻きつくと、人の手の形を成してみせる。
 そして、刃を握った獣の背後から、純粋無垢な笑顔が……獣に向けられた。

 「うん、今の一瞬の内に何回死んだだろうね? ボクだったら……132回、殺せるよ」

 笑みを向けたのは、赤毛の癖毛頭が特徴的な青年。 ただ、彼は青年などと呼べる年齢ではない。
 笑顔を向けられた長い髪の獣こと、少女は……その手に握った刃を地面に取り落とすと、笑顔に向かった。

 「クロアさん、強すぎるよ」

 少女は、その金色の瞳で赤毛の彼を不思議そうに見つめる。

 「いいや、ボクと同じくらい強い奴なんて沢山居る。 死んじゃった君のお母さんの方が、ボクより強かった。 君も、同じ使命を背負っている生きているんだよ。 だから、ボクよりも強くなってもらう必要がある。 まあ、立て続けにボクを殺そうとして疲れただろう? そろそろ、昼ごはんにしようか」

 アリス・F・N・セイファート。 これが彼女の名だ。
 物心ついたときから、ずっとこの辺鄙な村でクロアさんと暮らしている。 周囲は山や森に囲まれ、近くを川が流れている。 自然豊かといえば聞こえはいいかもしれないが、率直な私の感性で言えば超ド田舎だ。
 私という生き物は、井の中の蛙だ。
 私は都会というところに、行って見たいと思う。 本で読んだだけだが、沢山の人間と、店と、見たこともない大きな建物。
 そんなものが沢山有る中に、行って見たい。 ただ、それを今丸太小屋で暮らしている『クロアさん』に言うと、必ず答えは決まって、
 「都会なんて、まやかしだよ。 上っ面だけの友情は確かにあるけれど、その裏では欲望が渦巻いているこの世界で最も穢れた場所さ。 君には、まだ早過ぎる」
 と、返されるのだ。
 欲望。 それが何を意味するかなど、私には分からない。
 他にも、
 「ボクから見て都会と呼べる場所なんて、もう無いんだよ。 馬鹿な人間が、自分達で壊したんだ」
 とも、答えてくれた。 やっぱり、意味が分からない。
 まるで、この村が今この世界に人の居る場所。 そんな印象を受ける。 だが、私達以外の人間は、確かに居るのだ。
 私のお母さんの友達の、黒薙童子さんや、シェリーお婆さん。 他にも、サタンって言うおじさんや、ロアという私と同年代だろう女の子。 ミゲルという、クロアさんに似た小さな子供や、フィオという画家さん。 会ったことが無いけれど、アリソンさんやヴァンさんという人も居るらしい。
 ただ、会った事のない二人の事は、クロアさんに聞いただけだ。

 「お昼、何にするの?」

 私の問いに、クロアさんは少し考え込むと、小屋の横に立てかけてあった鉈を手に取ると、

 「熊鍋」

 笑顔で答えてくれた。
 でも、それって……

 「昨日と同じ?」

 「そうだっけ? じゃ、鹿鍋」

 いや、それも……

 「それ、昨日の夜ご飯」

 「じゃ、猪鍋」

 「鍋ばっかりだね」

 「そうだね。 んじゃ、魚」

 「それじゃあ、鉈はいらないよね?」

 私の言葉に、クロアさんは首を横に振った。
 蒔き割用の鉈で、クロアさんはさまざまな動物を捕らえてくる。 昨日のお昼は熊。 夜は、鹿。
 それで、今日の朝ごはんは昨日の熊と鹿の残り。
 クロアさんが、鉈を手足のように扱うのは良く分かっている。 いや、鉈に限らず刃物全般をとても上手に扱う。 ただ、鉈で魚は……どうやって獲るつもりなんだろう?
 
 「いいや、要るよ。 アリスも……来るかい?」

Re: 消失病 Disappearance  ( No.5 )
日時: 2011/11/15 17:17
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: TtH9.zpr)

キャラクター
多分、どこかで見て知っているものも多い

クロア・ディナイアル=ディアボロス  Cloa・Denial=Diabolos
158歳(外見20代前半) 性別は男
癖のある赤毛に、屈託の無い笑顔が特徴。
 『クロアさん』と呼ばれている人間。 
 昔は能力者の組織を指揮する指導者だったが、現在はアリスの保護者であり、不死鳥の頼みでアリスに戦闘訓練を施している。
 魔力耐性は、並の人間を遥かに上回るようだ。
 知恵戦争【ウィズデム】に巻き込まれ、検体名【孤独な道化】として人体実験に貢献した人材。
 高い身体能力と、万物の法則を無視し、逆転させる能力を有するが、彼曰く「意味の無い力」だという。
レベルゼロ事件で被検体名【逆巻く道化】という妹が居る事が後に発覚。
 彼自身、彼女と過ごしたことは完全に忘れている。

 アリス・F・N・セイファート Alis・Feacutenix・Nocturno・Seyfert
 14歳 性別は女
 脹脛まである長い黒髪に、金色の瞳が特徴。
 どういうわけか、『クロアさん』から戦闘訓練を受けている。 特に、必要の無い事だとは思いつつも楽しんでいる自分がいることを全力で否定している様子。
 不死鳥と鬼の娘であり、その能力は未知数。 知能指数はかなりのものらしく、一度見た、聞いた内容は忘れない。
 
 フィオ・シュレーディンガー
 Fio・Schrodinger
 354歳 性別は♀
 紫苑色の長髪に、青い瞳。
 細身で、色白。 数年前までは車椅子に座っていたが、最近回復した様子。
 油絵から、水彩画まで。 広い分野で絵を描く才能を有し、魔術を扱う技能も高い。
 肉弾戦は苦手な様子。
 通り魔に襲われ、死亡した後にアリソンによって船員にスカウトされた。


 ファウスト
 Faust
 439歳 性別は♂
 黒髪に、金色の瞳。 目の下に大きな切り傷が二本走り、第一印象は怖いの一言に尽きる。
 魔術を扱うのは苦手で、純粋な魔術を扱うことを嫌う。 その癖、彼の持つ魔力は膨大で、それを力に変換する事で能力を強化する事を主力としての戦闘を得意とする。


 ミゲル
 Migel
 486歳 性別は不明
 アリソンの従者であり、その姿は翼を持ったモルモットに近い。
 幼く、無駄にプライドが高いが、戦闘に関しては頼りになる。

 骸骨 (スカル)
 Skull
 872歳 性別不明
 単純に見ると人体骨格だが、白衣を纏い、常に葉巻をくわえた姿を見れば骨格にはどうしても見えない。
 火のついた葉巻をくわえていると、目の空洞から煙が立ち上り、奇妙奇天烈な姿へと変貌する。
 元々は、殺された人間の骨を適当に見繕い、繋げて人の骨格の形を成した結果。 殺害された複数の人間の記憶を引き継ぎ、命を得た。
 頭蓋骨に使われた人間が医者だったため、船医に。
 特に、殺されたことを恨んではいない様子。

 アリソン・F・セイファート
 Alison・Feacutenix・Seyfert
 享年−243歳 性別は女
 踵まである長い金髪に、深い青の瞳。
 悪魔との取引で失った恋人を取り戻すに当たり、自ら望んで不死鳥となった。
 戦闘では法廷などで使われるガベルを扱う。 ガベルは閻魔大王から『貰った』らしい。
 彼女は二代目不死鳥であり、初代不死鳥は既に死亡している。 
 彼女曰く、不死鳥とは職業に過ぎないとか。

 ヴァン・ノクターン
 Van・Nocturne
 享年−244 性別は男
 紫がかったくろかみに、真紅の瞳。 痩せ型で、黒いコートを着用。 中性的な顔立ちで、色白。
 アリソンを助け、助けられた。 アリソンの恋人。
 空虚な思想を掲げ、友人のためであれば後先を考えず。 自分で全てを背負う癖がある。
 彼が言うには、それはただの自分勝手だとか。
 アリソンが彼を助けるに当たり、彼を人間で失くす必要があったために龍の力を与えられた。
 鬼の力は、生まれたときから持ち合わせていた。

 怪物
 monster
 年齢不明 性別不明
 黒い、人の姿を模した何かであり、強大な力を有する反面。
 恐ろしく言葉に脆く、感情を制御できていない“何か”であり、【道化】と仲がいいが、道化を嫌う。
 

ティディアス
現在未登場

Re: 消失病 Disappearance  ( No.6 )
日時: 2011/10/09 12:31
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: QwdVpVQe)

 私は、魚は釣るものだと今日その時まで認識していた。 だが、クロアさんの思考は奇妙奇天烈を極めたような奇抜な発想が多い。
 鉈の使い方は、確かに合っている。 木を割るのに使っているからだ。
 ただ、割った後の木と小さな木片。 それの使い方に大きな差があった。
 小さな木片や木っ端は焚き木に使われ、細長く削れた棒状の破片。 それを彼は手荷物と、水中へ。 魚めがけてまるでダーツの矢の様に突き立てたのだ。
 鉈を持ち出した時点で、釣らないとは認識した。 だが、まさかこんな奇妙な捕まえ方を釣るとは、夢にも思わなかったというのが現状。
 この人は、一体いつも何を考えているのだろう?

 「ほら、焼けたよ」

 焚火にさらしてあった魚を、投げ渡され一瞬と惑うが、難なく手に取ると口へと運んだ。

 「何で、クロアさんはこんなところに住んでるの?」

 いつもの習慣であり、食事のときの質問タイム。
 その問いに、彼は少し考えたように見えたが、直ぐにこちらを向いて

 「化け物が、追いかけてくるからさ。 ボクより強くて、恐ろしい奴がね」

 いつもどおりの答え。
 質問する内容は、いつも同じ事を聞く。 だが、決まって毎度答えが違うのだ。 ただ、この質問。 「何故ここに居るのか」というものに限っては……恐ろしい化け物が追いかけてくると答えるのだ。
 だが、私はその化け物を知らなければ……小屋の近くの森にいる魔物どころか、動物ですら見たことが無い。
 
 「いつも、それが同じ答えなのは?」

 「これが、真実だからさ」


 その言葉の後、クロアさんはその場から立ち上がると川の向こうに目をやった。 クロアの視線の先には、こちらをサングラス越しに見ている白髪の男が。
 今までに、見た事が無い人間。 そして、この……クロアさんの放つ皮膚に突き刺さるような空気……。
 自分で対応できないくらい危ないときは、逃げろ。 そう言われてきたが、今がそのときなのだろうか?

 「アリス、ボクから……この場から離れろ」

 クロアさんの口調が、今までにない程静かで……重々しいものに変化した。 明らかに、これは危険。

 「シグマ君じゃないか。 黒薙童子に殺されたと聞いていたんだけど……、中々、元気そうじゃないか」

 相手を挑発するように、クロアはいつもの口調で川の向こうにいる男に喋りかける。 シグマと呼ばれた男は、黒いスーツを着なおし、ネクタイを直し、ローファーにも拘らず川を跳躍のみで飛び越えた。
 クロアの目の前に、シグマが迫る。

 「あぁ、お蔭様でな。 まさか……貴様がここまで腑抜けるとは思わなかったぞ。 あの程度の人間に……温室育ちのガキどもに唆され、何を得た? 俺は……命を失ったが」

 シグマという男もまた、クロア同等。 いや、それ以上の悪寒を抱かせる言葉を吐き出す。 口調や、言葉にはなんら特別なところは無い。
 ただ、彼がその言葉を口から吐き出した……それだけで、その言葉は威圧へと変わるのだ。
 これが、恐怖?

 「そう、災難だったね。 ボクも、まさか改心させられるとは思ってもみなかったよ。 ところで、君も食べるかい?」

 クロアは今しがた焼きあがったばかりの魚を、シグマに勧める。 だが、シグマのクロアに伸ばされた腕は魚ではなくクロアの顔面を引っ掴み、高々と彼を持ち上げた。
 それに対し、クロアは笑顔のままだ。

 「魚は嫌いだったかな?」

 「貴様、何故裏切った!」

 シグマの読めない表情が、今はっきりと憤怒を浮かび上がらせる。
 だが、クロアはそれに対してもやはり気おされることなく笑顔のままだ。 クロアの体がどす黒く変色すると、霧散してシグマの目の前で再び人の体を成す。

 「裏切ったつもりは無いんだよ。 ボクはただ、住み心地のいい世界を手に入れたかっただけさ。 君の見たかった地獄絵図は、必要なかったんだよ。 でも、いいものが見れただろう? 魔力に耐性の無い一般人が次々に消滅していく。 消失病。 ボクにとっては、十分地獄だったけどな」

 「貴様のその思考が、腑抜けたと言っている」

 シグマの言葉に、クロアは少し考え込み、

 「そうだな、死体が見たかったのかい? まさか、封印空間にまで追ってくるとはね ……アリス、逃げろ!」

 彼の言葉の直後。 二人とアリスを、突如地面から出現した巨大な黒い壁が分け隔てる。 そして、次の瞬間。 アリスの足場がまるで組みあがったパズルのピースをひっくり返したように。 次々と崩れ落ちる!


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