ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

“Daath”
日時: 2012/01/08 14:02
名前: たけのこごはん (ID: VaYZBoRD)

————「さあさあさあ、やってまいりました! お待ちかねの遊戯のお時間、泣く子も嗤う闘人ゲーム“Daath(ダアト)”!




ルールは至ってシンプル、勝てばそれで良し!
最後の一人には、栄光と、願いを一つ、叶えて差し上げます!」

興奮気味の司会者が、黒く光るマイクに向かって汗と唾を飛ばすように叫ぶ。
巻き起こる歓声、そして昂る人々をより高ぶらせるように照らす無数のライト。
叫ぶ司会者と騒ぐ人々が注目するその中央には、二人の人物がいた。
彼らの表情は険しい。
何かを話し合っているようだ。
その光景を見る人々からは嘲笑が起こり、晒し者にされている二人は、突然駆け出す。
鋭い音が鳴り響くと同時に、人々の歓声が沸き起こった。
二人の中の内の一人が、頭から真紅を流し地面に倒れる。
——パァン、ともう一つ。

——Daath、それは【デウス】にとって最高の娯楽。
 ——Daath、それは人々にとって最高の楽しみ。
  ——Daath、それは【ピース】たちにとって最悪の、悲劇。

Daathでしてはいけないこと、それは「ルール違反」。
裏切り、略奪、何でもアリであるこのゲームにも、絶対のルールが存在する。
  “闘わないのなら死ね”
  “自分以外は敵だ”
  “×ゲームを拒むな!”


Daath、それは、





前置き長くてスイマセン。
皆様初めまして、たけのこごはんと申します。
ゴミかクズかゴミクズで御呼びくださいませ。
今回はとあるスレの皆様のご協力の末出来上がった小説を晒させていただこうと思います。
正直やっちまった感が否めませんがどうか最後までお目をお通し下さい。
序盤の雰囲気でもう駄目だと感じた方は×ボタンを連打する事を推奨します。

Page:1 2 3 4 5 6



Re: “Daath” ( No.21 )
日時: 2012/01/25 07:04
名前: たけのこごはん (ID: VaYZBoRD)
参照: コメント返しは後程

——完全に決められると思っていたのだろう。
霊刀で弾かれても、そのまま長剣を出し、勢いでかっさいて終わり……大方そんな風に考えていたのであろう。
だがそれは、義邑の覚悟を決めた霊力の壁に防がれる形となった。

「んだとぉ! 隠し玉だと!?」

ディアはさらに冷静さを失ったような声で、二本の日本刀を出した。
ディアの能力……それは、理性を失う代わりに、身体能力の強化、空間から武器を出す事が出来、そして——それを難なく扱うことが出来ること。
ならば、二刀流程度が出来ないなどということがあるだろうか?
答えはNoだ。

「こっちも奥の手だ。一瞬で決めてやるから感謝しな! 終わらせてやるぜ!」

不敵な笑みと共に二本の日本刀を構えた。
奥の手——と言ったとおり、本来ならば、相手の霊刀による接近戦中に不意打ちとして使う予定だった筈の二刀流。
これを、冷静さを失ったディアはそれを待てずに解放した。実力こそ上がるのだが、これで、不意打ちは不可能になった。
まあ、それを嗅ぐわせ、警戒を煽ることぐらいならば出来るのかもしれないが、そんな利点など、極限の勝負には些細な事でしかない。
だから、事前に二刀流の使い方は二つの人格の間で確かめていた…………にも関わらず、二刀流を解放した。
つまり、現在のディアはそこまでに冷静さを失っているということだ。

「はぁ……はぁ……」

苛烈極める戦いで伸ばされた幸運の女神の手。
だが、義邑はそれを取る事が困難な程に負担が大きかった。
今はもう肩で息をしている状態だが、彼はなんとかその場に踏み止まっている。
ディアを霊弾のみで仕留められないのは考えるまでもわかった。
つまり、近接戦闘で勝利するしかない。
しかも、残り体力はあと僅か…………長期戦は即、負けを意味する。
——残る道は、最後の力を出し切り、打ち勝つ事。

「……もう、1分と立っていられんな」

苦々しく呟いてから、今度は両の手に霊刀を形成する。
さらに、変換した霊力エネルギーを義邑自身に展開。
確かにこれで運動能力は上昇するが、エネルギーを自身に展開するからには肉体疲労は馬鹿にならない。
……短期決着。彼が狙うのはそれだけだった。

「……ふん!」

掛け声と共に、義邑は上へと跳躍し、霊壁を飛び越えて静かに着地すると、おもむろに構えを取り、射抜くような視線で、対峙しているディアを睨んだ。『一気に勝負を決める』とでも言わんばかりに……
自分の両手に霊刀を持ち、更に覚悟を決めた義邑を見てディアは引き裂くような笑みを浮かべた。

「最後の特攻ってか? 嫌いじゃねぇ、むしろ大歓迎だぜ!」

壁を乗り越えて自分に近い位置に対峙した義邑に自身の二本の日本刀を突きつけるように構えるディア。

「俺だって久々に勝負でここまで使ってんだ、今更防御に行くなんて無粋なこたぁしねぇよ。じゃあ、文字通り最後の攻防で! デウスを! 俺達を楽しませようぜ!」

そう言って、当然のごとくディアから動き始めた。
動き始めた……と言うよりは、詰め寄ったと言った方が正しいだろう。
そう、ディアも、最後の攻防の意味を十分に理解し、少しの間無理矢理自分の筋肉のリミットを……解放する。
その結果、5mはゆうに越えていたであろうディアと義邑の距離が一瞬で詰まる。
解放された筋肉に十分に力を溜め、一本の刀を突きのように鋭く放ち、もう一本を追撃、防御用として出しやすい位置にキープ。
リミットを外した攻撃、この威力こそ有効だが、自らの狂気でリミットを外したディアにも時間は残されていない。
こうなれば残りは保って50秒。
義邑と完全に同タイミングで途切れてしまう諸刃の剣を、義邑に対する敬意からなのか、当然のように使った。義邑はこちらに詰め寄ったディアを見て、微かに口の端が上がるのを感じた。
勿論今の義邑に笑いを浮かべる余裕はない。
それどころか、常人ならば意識を失って崩れ落ちてもいい程に疲労している。
だが、その疲労以上に、ディアとの勝負を楽しんでいたのだ。
そして、繰り出された突きを馬鹿に落ち着いた様子で刹那の間見つめると、それを左の霊刀で防ぐ。
いや、『防ぐ』と言うよりも受け流したという方が正しかった。
大きい動きで避ければ、そこに二撃目を入れられるのは目に見えていたからだ。
そして、瞬きの間にディアの片方に向けて右の霊刀を振るった。勿論、防がれる事は前提だ。
義邑の狙っているのはこの後のディアの動作——
だが、受け流される……これは、受けられるよりもディアにとって好都合な事を義邑は知らない。
なぜなら、防がれれば決して出来ない攻撃がもう一発放てるからだ。
そして、ディアは受け流された勢いに逆らわず前方に重心を移動しながら、防弾ジョッキと腕に近づくことで義邑の剣の被害を最低限に減らし……

「うらぁ!」

自分の全体重、リミットを解除した腕の力、遠心力など、使える物は全て利用した回転斬りを放った。
さらに、今持っているのは先程までの細い日本刀などではない。
斬馬刀……そう言って良いようなバカみたいに重く、強い刀だった。
結論から言えば『剣術のレベルが同じで、防がれるなら、防ぎきれない一撃を放てばいい』これが、ディアの出した最終結論だった。
もう一度言わせてもらうが、最後の攻撃……ともとれるような、必殺の回転斬りを、近づききって、絶対に避けきれない間合いで義邑に放った。
これは義邑にとって完璧に誤算だった。
体力消費を抑えるが為に受け流した結果がこうなってしまうとは夢にも思わなかったのだ。

「い、いかん……!!」

避ける事は現在の体勢上不可能。
それどころか防ぐ事もだ。
何故なら左の霊刀は、ディアの一撃を受け流す為に使用したため、この一瞬で防御の位置に移動する事など不可能。
右の霊刀とて、攻撃に使用したため言わずもがな。
一応、足ならは攻撃可能だが、蹴りの一つでディアを押し返せる訳がないのは、考えるまでも無くわかった。

「……見事」

ディアの斬撃が身を裂く瞬間、義邑はこの場にそぐわない穏やかな表情で、笑った。
次の瞬間、ディアのとてつもない一撃が煌めき、義邑の身体を横一文字にえぐった。
どこからどう見ても、『勝負あり』。
それどころか、絶命したのかとさえ思われた。

「……だが……!!」

胴体の肉はえぐれ、表情は激痛に歪み、状態は筆舌に尽くしがたい程までに酷い状態となっている。

だが、そんな状態でも義邑は倒れずに、右足の底で微かに地面を叩いた。

「……だが、ただでは負け……ん……!!」

虫の声の様な掠れた声で呟くかの様に告げた瞬間、場にあった霊壁が鈍い音を響かせながら崩れたが、その中のひとつの拳大の破片は地面へ落ちずに、宙に浮いたまま霊弾へと『変化』し、ディアへと撃ち出された。
……霊弾に運動エネルギーを乗せた事で体力の臨界を越えてしまったのか、霊弾がディアに向かっていったと同時に、義邑は前のめりに倒れ込んだ。

放った回転斬りが義邑を捉え、勝った……ディアはそう思った。
いや、確かに勝ちに変わりはない、その状態だったら誰もが勝ったと思うだろう。
……回転斬りを終えたその直後、上から巨大な霊弾が落ちてきたのである。
あの速度、現在の自分の体勢、それらの要因で、リミットを外した今の状態のディアでも……片手で防ぐことしか出来なかった。
斬馬刀のような大きな太刀を上方へかざし、巨大な霊弾から身を守る盾にしたのだ。
しかし……

「むっ!?」

その霊弾はディアの想像を上回る威力を誇り、次第にその威力に押されていった。
両手を使い、受け流すように斜めに剣を構えている今でも……だ。
剣に受け流された霊力は次第に弱くなっていく……が、とうとうここで、ディアのリミット解除の限界が来た。
つまり、支えていた腕は急激に力を無くし、弱まったとはいえ、威力なら十分とはいかないまでも、八分ぐらいなら有る霊弾に押しつぶされた。
上に重なるようになった剣、攻撃に対する防御手段として着けている防弾ジョッキがさらに自分を守る盾となったが、その霊弾による肉体ダメージ、リミット解除による肉体疲労により、ディアも倒れ込み、意識は失わないまでも、義邑のように動けなくなった。

「…………ふぅ……動くことすらままならん……」

かろうじて動く口でそう呟き、微かな笑みを浮かべ、再び身体を回復させるために疲労に身を任し、ぐったりと動かなくなった。
死んだり、意識を失っている訳では無いが、ディアが動く気配は、ない。

暫く、ヴィエ・マルシェは静寂に支配される。
だが、その中で金縛りから漸く解け、興奮した司会者がマイクを握り、叫ぶ。

『ダブルノックアウトォォオオオオ!! Daath始まって以来の出来事です! それにしても、手に汗握るスリリングな戦いを見せていただきました! 会場のピース、いえ、誇り高きナイト達に盛大な拍手を!』

ぱら、ぱらと拍手が沸いたと思えば、次の瞬間割れんばかりの拍手の大合唱がヴィエ・マルシェを包み込んだ。

「……引き分け……か。勝ち負けはつけたかったが……こういうも悪くはない……まあ、それもこの男が対戦相手だったからかもしれないが……」

ディアは僅かに仮面の下で微笑みながら、ようやく意識を落とした。
限界などとうに来ていたのだが、結果を聞くまでは絶対に眠れないという気持ちだけで、それを我慢していた。
そして、勝敗の結果を聞いた直後に……ディアの意識は闇へと吸い込まれるように落ちていった。

Re: “Daath” ( No.22 )
日時: 2012/01/25 07:12
名前: たけのこごはん (ID: VaYZBoRD)

>>17
二人合わせても白人程度の色素しか無いでしょうね。
ビアンカ君の色素が無いのは伏線だったりするとかまさかそんな(ry

私はパピヨンが浮かびました。
こういうネタを暴露しても年齢がばれないので安心です。まる。

国語はテストの必要が無いに同意します。
テスト頑張れないですorz

コメント有難う御座いました。

>>18
そう言って頂けて幸いです。
あの激闘を再現するには私の力不足の気がしてなりませんでした。
知ってるか……ナイトvsナイトって前後編に分けてもどっちも3000文字越えてるんだぜ……

コメント有難う御座いました

Re: “Daath” ( No.23 )
日時: 2012/01/25 17:40
名前: 白波 ◆cOg4HY4At. (ID: 7mGgpC5l)

千波の設定にはオタクが多少入るんだぜぃ!
まあ、どうでも良いドラえもん並びにストウィ発言の理由を説明しつつ、実はしらなみとしらはって二つの呼び方(字は変わらないのですが)こと白波が出現しましたよ。
ナイト戦長いですねー。猫宮さんとの戦闘が楽しく、なりきりでは3000字制限が意味を為さないために、こんなに長くなっていたとは……。400字ぐらいを一ページと考えれば小説15ページ以上あったんですね(笑)
猫宮さんの次元が違う描写はともかく、僕程度の書き手の描写は上方修正されて書かれてるかと。これがたけのこごはんクォリティーですか。僕も一つの戦闘に6000字以上使ってみたいです。目指すは10000と言ってみたり。
ではでは、更新頑張ってください。
好きなキャラが未だに定まらないんだ……。こと、白波でした。

Re: “Daath” ( No.24 )
日時: 2012/01/25 17:47
名前: 鏡音 リン ◆BnikQelkAk (ID: 6nOSsJSp)
参照: http://返信遅いですよ〜(っ´∀`)っβ急に落ちるカモ、、、

やって来ました、鏡音 リン様のお通りだ〜!
…ハイ、こんばんまして!鏡音 リンです~>゜)〜〜〜
あ、さっきのは、気にせんで良いですよ〜
慣れなれしくてすみません…m(__)m

更新、頑張って下さい!(^^)!

Re: “Daath” ( No.25 )
日時: 2012/01/25 22:14
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)

3000字ですか……素晴らしい。僕もそこまでかけるといいのですが……

ナイト戦終わりましたか…… あの戦いはなんども読んでもすごいですね。


猪ノ口も戦わせてみたいという気持ちに包まれています。


頑張ってくださいね


Page:1 2 3 4 5 6



この掲示板は過去ログ化されています。