ダーク・ファンタジー小説
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- 廻る世界で。
- 日時: 2012/07/02 22:10
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
初めまして!
ふぁると申します!!
初心者ですが頑張っていきたいと思います^^
さっそくですが「廻る世界で。」の
オープニングです!!↓
〜オープニング〜
気がついたとき、世界は黒く染まってた。
・・・・いや、もともと色なんてなかったんだ。
そう思うことによって、自分を守った。
自分が正しいと思い込んだ。
だって、この世界は私がいることによって廻っている。
私は、この世界の軸となる中心のモノ。
私が踊ることをやめれば、世界も・・廻ることをやめるだろう。
- Re: 廻る世界で。 ( No.23 )
- 日時: 2012/07/24 21:28
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
目から零れ出た雫が、頬を伝い、何度も何度も床に落ちる。
「・・・・・今は、何も話せなさそうですね。」
セレティアが僕の様子を見ていった。
そして、そっとハンカチで顔を拭いてくれる。
「今日は、もう寝てください。多分色んなことがあって、疲れているのでしょう。明日また、話して下さいね。」
そう言って、寝室まで案内してくれた。
「おやすみなさい。」
一言。たったその一言が、僕はとてもうれしかった。
★
——会話——
「皇帝殿、アレが見つかりました。」
「ほう・・・・・見つかったのか。」
「はい。計画は、順調でございます。」
「そうか・・・。ところで、あの方は今、何をしている?」
「・・・・あの方は今、作戦を決行中で、この館内にはいないかと・・・。そして現在は、音信不通でございます。」
「音信不通・・・・・か。分かった。お前はもう下がれ。」
「はっ・・・・」
「ふむ・・・・・面白いことになりそうだ。」
- Re: 廻る世界で。 ( No.24 )
- 日時: 2012/09/23 22:30
- 名前: +ふぁる+ (ID: 18CkmatM)
「そういえば、ルナさんもユースさんも、歳はいくつなんですか?」
リアサが、唐突に二人に聞いた。
「いきなりどうしたの?」
「い、いえ・・・・・・。セレティアさんが、せ、千歳を超えてると聞いて、ふと二人の歳が気になったんです。」
「ふ〜ん・・・・・。ユース、あんた何歳か覚えてる?」
「僕かい?・・・・そうだね、サファイア戦争を見てきたから・・・・」
「さ、サファイア戦争!?」
リアサが、ユースの言葉に驚く。
「サファイア戦争って、たしか二百年ほど前にあった戦争じゃ・・・・・」
「あれ、もうそんなにたつっけ?ついこの間あったような、気がしたんだけど・・・・・」
サファイア戦争・・・・・・・それは、約二百年ほど前にあった戦争だ。サファイア姫という姫をめぐって、起きたのがこの戦争である。
「じゃあ、お二人とも結構な歳なんですね・・・・・。」
「そうかしら?少なくとも、あのババアよりは若いと思うわよ。」
「そうだね。僕もまだまだ現役だよ。」
そんな二人の言葉を聞いて、リアサはもっと強くならなければならないと、心に思った。
- Re: 廻る世界で。 ( No.25 )
- 日時: 2012/10/13 21:40
- 名前: +ふぁる+ (ID: L.9EcUH1)
「それにしても、あの戦争はすごかったね。」
ユースが、ルナに話しかけた。
「ああ・・・・。そうだったわね。この家も、他の人に見えないとはいえ、外からの干渉は受けるからつぶれるかと思ったわ。」
「毎晩毎晩、銃撃と叫び声の連続。うるさくて、寝る暇なんてなかったよ。まったく、どうして人間は、あんなにも騒がしいんだい?」
ユースが、リアサに問いかける。
「え!?・・・・・どうしてと言われましても・・・。」
リアサが返答に困っていると、ルナがふと思い出したかのように、ユースに聞いた。
「そういや、サファイア戦争の間、私たちの家にかくまってた女の子居たわよね?」
「そういや、そんな子いたね。確か名前は・・・・そうそう、アイルだったっけ?」
「アイルさん・・・・・ですか?」
「綺麗な女の子だったわ〜。多分あの子も、“選ばれし者”だったから、まだ生きてるんじゃないかしら?」
アイルという少女・・・・・。その少女が、歯車を狂わすことは誰も想像していなかった。
- Re: 廻る世界で。 ( No.26 )
- 日時: 2013/01/20 19:41
- 名前: +ふぁる+ (ID: MCeIcGNV)
〜03 それぞれの役目〜
「・・・さてと。リアサもそろそろ、自分の役目に就いた方がいいのかもね。」
ルナが唐突に、ユースに言った。
「そうだね。この館に来て結構時間が経つし。といっても、リアサには何の能力があるんだい?」
「そんなの、私に聞かないでよ。でも、何かあるのは事実よ。それが何か分かればいいんだけど・・・。」
「まあ、能力に気付くのは自分次第だからね。僕だってそうだったし。」
「あの・・・・先ほどから何の話をしているのですか・・・・・?」
リアサが二人の会話について行けず、おどおどと尋ねた。
「あなたの話よ、リアサ。」
「私の話・・・ですか?」
リアサが首をかしげる。
「〝選ばれし者″については、知ってるわよね?」
ルナがリアサにたずねた。
「えっと・・・、まあなんとなくは・・・・・。確か、この月の館が見えて、月の館の中に入れる人の事ですよね?」
「あながち間違ってはいないわ。だけど、〝選ばれし者″にはそれぞれ、個々の能力を持っているの。」
「能力・・・・・ですか?」
「ええ。」
ルナはそう頷いた後、ユースにちらりと視線を向けた。
ユースは立ちあがる。
「たとえば、僕の場合はほんの少しの間、時間を止めることができるんだ。」
「時間を!?」
「うん。そうだよ。君と初めて会った時、僕、走り出そうとした君の足首を、ロープで結んでたよね?」
「あ・・・確かに。」
「あれは、君が勝手なことをしないように、少しの間だけ時間を止めて、ロープを結んでおいたんだ。」
「なるほど・・・。」
リアサが納得したように、うなずいた。
- Re: 廻る世界で。 ( No.27 )
- 日時: 2013/03/04 14:45
- 名前: +ふぁる+ (ID: MCeIcGNV)
「えっと、じゃあルナさんはどんな能力を持ってるんですか?」
リアサがルナに訊ねた。
「そんなの、今まで見てきたでしょう?世界を廻すことができる、これが私の能力よ。」
そう言って、ルナはワインを飲み干す。
「君にもなにか、能力があるはずだよ。今まで、不思議な経験をしたことはないかい?」
ユースがリアサに尋ねた。
リアサは首をひねる。
「う〜ん・・・・・。特にないですね・・・。しいて言えば、弟の考えていることが分かる・・・ってことぐらいですかね。」
「あら、それじゃないの?心が読める、って能力なんじゃない?」
「いや、でも考えていることが分かるのは、弟だけですよ?ルナさんとか、ユースさんの考えていることなんて、全然分からないですし。」
「最初はそんなものさ。僕なんて、最初は1秒ほどしか時間を止められなかったからね。今では、三十分程度なら止めていられるけど。」
「そういうものなんですか〜?」
不安そうに、リアサがルナを見た。
「ま、しばらくは様子を見るってことでいいんじゃない?」
ルナがリアサに、優しく微笑んだ。