ダーク・ファンタジー小説

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Happy End と Bad End 【連載一周年感謝】
日時: 2015/10/04 17:21
名前: 音宮 (ID: KLpo2fZJ)

こんにちは。初めまして、音宮(おとみや)でございます。
普段は、コメディーライト小説のほうで活動をしています。

ここでは初めての小説…、なんとしても完結を目指したいです(-_-メ)
音宮が完結できるよう、皆様、応援よろしくお願いします!!
【作品の要素はこちら】 >>2


みんな、誰にでもハッピーエンドが必ず待っている……訳ではないと思う。
誰かひとりはバットエンド……になってもいいんじゃないかな。

【Table of contents】

≪Character introduction≫ >>1
           
≪Prologue≫ >>3

≪第一部(テーマ:恋愛)≫ >>34

≪第二部(テーマ:復讐)≫
第零番 >>35 第一番 >>36 第二番 >>37 第三番 >>38

第四番 >>39 第五番 >>40 第六番 >>41 第七番 >>42

第八番 >>43 第九番 >>44


【Guest】
雨空様 >>4>>5>>11>>12
黒hana様 >>22>>23

参照突破、ありがとうございます。

【News!!】
★三月二十四日に、第一部(美波&渚編)が完結しました!!
 ありがとうございます!!
 これからも頑張りますのでよろしくお願いします(≧◇≦)

☆第二部執筆中……


★もうすぐで連載一周年です!!


☆連載一周年です、ありがとうございます!!

Re: Happy End と Bad End ( No.27 )
日時: 2014/11/29 22:43
名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)

EpisodeⅩⅤ

ドクドクと心臓音が体に響いている。
緊張?
恐怖……?

そうだ。
私は、この状況に恐怖を感じている。
怖いのだ。一人だから。
一人という環境に慣れていたはずの私だと思っていたのは間違っていたのだ。

先生にこの部屋にいろと命じられて一週間がたとうとしている。

私から恐怖、緊張感がさろうとしない。

「……だ……れかぁ……っ」

叫ぼうとしても声がかすれて大きな声が出ない。
ずっと助けを求めている。
もう……のどが渇ききっていて苦しい。

「……」
そしてまた音にもならない涙が滴った気がした。
もう涙すら流せない。

体から水分が抜けているのだ。

これ以上は、つらい。

先生、早く……。

もう誰でもいいから私に食事と水分を与えてほしい。

先生は、私をこの真っ白な部屋に置き去りにしてどこかにいってしまった。

真っ白な部屋には小さな窓がポツリとあるだけで、あとは、部屋と同色のベットしかない。

生活感のない不思議な空間。
見ているだけで洗脳されそうだ。

「はぁあっ、はぁあっ」

呼吸が過呼吸になる。

限界が近づいてきた。

突如、私の頭の中に見えたのは、”悠斗さん”だった。

「……っ」

声にならない声で彼を呼ぶ。

微笑みが私に向けられる。

私は、

このまま、悠斗さんのいる天国にいけばいいと思い始めた。

一刻も早くこの状況から抜け出したい。

もうつらい試練……この場所は嫌だ。

嫌いだ。

私も人間だ。

欲望のままに行きたい。

自分の欲望を押し殺して生きれる人なんているのだろうか。

私は人間としての限界を悟った。

もう死が来たのだと。


私は、悠斗さんがさわやかに笑いながらこちらに手を差し伸べてくれたのを見届けた瞬間、気を失った。


悠斗さん、




         来てくれたんだね——

Re: Happy End と Bad End ( No.28 )
日時: 2014/12/05 23:14
名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)

EpisodeⅩⅥ

「先生ッ」
俺は、あれから三日たったその日の放課後、羽鳥先生を引き留めた。
引き留めた理由は、

「木野川はなんで休んでいるんですか」

そうこれだった。

さすがに三日たっても学校に来ないのは不自然。
毎日、元気よく無欠席無遅刻で登校していた木野川だから学校を休むということは何かあったに違いない。

「なぜ、俺に聞く?」
羽鳥先生はいつもと違った雰囲気で声も低かった。

だって木野川は先生とあのあと、どこかに行ってしまった。
だからきっと行方を知っていると思ったから。
そして……。

「担任に聞けばいいことだろう」
ふんっと鼻で笑ってバカにしたような顔をしている。

「それは……、先生が木野川のことを一番知っているだろうと思ったからです」

先生に聞いた一番の理由は、正しくこれだった。
悔しいが、木野川と一番かかわりがあったのは紛れもなく羽鳥先生だった。

「そうだな。あいつのことは俺が一番わかってる。そして今、どこにいるのかも、君が察した通り、俺が知っている」
腕を組みながらいう。

やっぱり。
俺の読みは正しかった。

「じゃあ……教えてくださいよ」

頼むのはいやであったが、仕方のないことだ。

「無理だ、君には」

「俺にはなんでだめなんですか」

そうだ。なぜだめなのだ。

「教えたら助けに行くだろうからな。というよりも独占したいからだ」

なるほど。
合点が行った。

「じゃあ、勝負しませんか」

「勝負……?」

勝負の内容は、

先生が俺に勝ったら、俺はもう木野川とはかかわらない。
俺が先生に勝ったら、先生は彼女がどこにいるのかを教え、かかわらない。

そして勝負方法は、バスケの一対一の対戦。


「わかった。やろうではないか」

先生は勝負に乗った。


——

そして勝った……”俺”が彼女を助けに来た——

「……っ」

彼女を俺は強く強く抱きしめた。


Re: Happy End と Bad End ( No.29 )
日時: 2014/12/10 22:25
名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)

EpisodeⅩⅦ

薄手の上着を着るにはもう遅い時期で、早くも半袖のTシャツがちらつく今日この頃。
もうすぐ夏休み。
後輩たちにとっては何気ないこの期間だけれども受験生と呼ばれる私たちにとっては、とても苦しい挑戦の期間で……。
その迫りつつある恐ろしさを背中に通う六月の雨季の季節。
私は、あの出来事以来、美濃君とも先生ともとても平穏な生活が関係が築かれている気がしていた。

たぶん、あの時、彼が助けに来てくれていなければ、私はどうなっていたのかわからない。
だからまずは、彼とのあのこの関係が戻るきっかけとなったわずか三日間のことを思い出していこうと思う。

時は戻り、三日前のこと。

あの時、先生の部屋で倒れていた私だったはずだが、目を覚ましたらあたたかい部屋で目の前には優しく笑いかけてくれた彼がいた。

やっと目を覚ましてくれたんだね——

そういってくれているのは、言うまでもなかった。
美濃君であった。

「……ん」

彼の優しさに私は救われたのかもしれない。
傷ついていた心もなぜか安らかになっていて今までのつらいこと、悲しいことを思い出してしまって私は静かに泣く。

ほんのわずかな雫が私のほほに伝わる。
それを掬い取るように彼は、ハンカチでそれを拭いてくれた。

「大事?」

最近、どの男の子からも発せられるこの流り語を口にして笑う。
あとで聞いたところこの意味は、大丈夫の略称だという。
とても安心感のある言葉でいいと私も思った。

私にとって感情というのは、ただの飾りでしかなかった。
そう悠斗さんがいなくなってからはより一層。
でも、この時を境にして感情というのが芽生えたのかもしれない。
彼のおかげで人をちゃんと見れるようになったかもしれない。


——信じられるようになった——



私はまた人間というのを自分というのを信じられるようになったんだ。


なぜのかわからない。
わからないけど、嬉しかった。

そしてこの三日間を美濃君と一緒に過ごしてわかったことがもう一つある。

——それは悠斗さんが初恋相手ではないこと。

衝撃的だった。
今まで恋人だと思っていた人が実際にはそうではなかっただなんて。

美濃君から暇つぶしにともらった恋愛小説。
それを読み始めた私。
それに恋というものの正体が書いてあった。
恋とは、ある人を見てときめいたり、笑顔になること。また苦しんだり心が破けてしまいそうになること。

確かに悠斗さんを好きではいたが、そういう好きではなかった。
私は尊敬してあこがれていてそれがずっと恋だと悠斗さんに言われ続けていたので恋だと勘違いしていたらしい。
そこまでして自分を悠斗さんは恋人にしたかったんだと改めて愛されていたことに気づき、そしてその気持ちに応えられなかったことにとても胸が痛んだ。

”悠斗さん……、ごめんなさい。”

言おうとしてもいない存在である彼は私に試練をくだしているようだった。

どうこれから生きていけば、どうやって彼の前に墓の前に立てばいいかわからない。

でもそのままの自分をこれからは、出していければと思う。
これからは、”感情”とともに。

Re: Happy End と Bad End ( No.30 )
日時: 2015/01/04 21:28
名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)

EpisodeⅩⅧ

一体、何なのか。
わからない。

私は、感情というのが表情というのが、よくわからない。
どうやって表せばいいのだろう。

なんでみんな、そんなふうに笑ったりできるの?

どうやったらそんなふうに笑えるの。

私は自分から意識的に感情を出したことがない。
今、振り返ってみると、自分でもどうやって表していたのかさえもよくわからない。

きっと感情とは、無意識に出ているのだろう。
私はあれから人とのかかわりをさけていたのだから。

しょうがないのかもしれない。


Re: Happy End と Bad End ( No.31 )
日時: 2015/03/23 17:29
名前: 音宮 (ID: laaGvqHD)



だけど、今は違う。
悠斗さんを追いかけていた私ではない。

昔とは、違うんだっ。

悠斗さん、あなたは私を独り占めにしたかったの……?
あの手紙で私を、私だけを見て愛し続けて、私をあなたから離れないようにしたかったの?

分からない。
死人に口なしだから。死人だから、悠斗さんは。
悠斗さんはでも私を最後まで愛してくれたことには違いない。
でもね、私は、恋愛的な意味で悠斗さんを多分、見たことがなかったんだと思う。
悠斗さんに対する愛は、憧れと尊敬、そして……、友情。
恋によく似ているほどに、あなたを友として大好きになってしまった。
勘違いするほど、あなたを愛していた。
あなたとは違う意味で、あなたには理解できない愛で愛していたの。
それがあなたはもう私自身が気付く前に知っていたのね。
だからあなたは悔しかった。

こんな方法で私を手に入れようと……。
裏切られた気分でもあり、なんだかよく分からない。
悠斗さん。
あなたのその気持ちはすごくうれしい。
だけどね、だけどね。
私は、応えられない。

だってね、もう好きな人が出来てしまったの。
彼は、私を最後まで見守ってくれた。
そして私の周りを明るく照らしてくれたんだ。

彼を見るたびに、この高鳴る胸、いつからだったんだろう。
何時から好きになっていたんだろう。
そんなの、もう分からない。
もう気付いてしまったこの想い。
彼に届けたい。

彼に好きって言いたい。
悠斗さんもそうだったんだね。
なんとしても、どんなに汚い手を使っても私を手に入れたかった。
今なら分かる気がする。
悠斗さんがしたことに、悠斗さんがくれた愛に。

私は今日、君に伝えます。

「好きです、美濃君」


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