ダーク・ファンタジー小説
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- Happy End と Bad End 【連載一周年感謝】
- 日時: 2015/10/04 17:21
- 名前: 音宮 (ID: KLpo2fZJ)
こんにちは。初めまして、音宮(おとみや)でございます。
普段は、コメディーライト小説のほうで活動をしています。
ここでは初めての小説…、なんとしても完結を目指したいです(-_-メ)
音宮が完結できるよう、皆様、応援よろしくお願いします!!
【作品の要素はこちら】 >>2
みんな、誰にでもハッピーエンドが必ず待っている……訳ではないと思う。
誰かひとりはバットエンド……になってもいいんじゃないかな。
【Table of contents】
≪Character introduction≫ >>1
≪Prologue≫ >>3
≪第一部(テーマ:恋愛)≫ >>34
≪第二部(テーマ:復讐)≫
第零番 >>35 第一番 >>36 第二番 >>37 第三番 >>38
第四番 >>39 第五番 >>40 第六番 >>41 第七番 >>42
第八番 >>43 第九番 >>44
【Guest】
雨空様 >>4、>>5、>>11、>>12
黒hana様 >>22、>>23
参照突破、ありがとうございます。
【News!!】
★三月二十四日に、第一部(美波&渚編)が完結しました!!
ありがとうございます!!
これからも頑張りますのでよろしくお願いします(≧◇≦)
☆第二部執筆中……
★もうすぐで連載一周年です!!
☆連載一周年です、ありがとうございます!!
- Re: Happy End と Bad End ( No.7 )
- 日時: 2014/09/20 16:48
- 名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)
EpisodeⅡ
あれからというもの、私は美濃君が気になってしょうがない。
誰かが「美濃君!」と言っただけでもそっちのほうを見てしまう。
ただ名前を呼んでいただけなのに。
美濃君がどういう人なのか、どんな友達がいるのだろうか。
そんなことばかり、ここ最近は考えている。
なんか関わることないかとまで考えてしまっている私はおかしいだろうか。
「はぁ……」
溜息をつきながら今日は先生が来るまでに廊下の雑巾がけ。
これは当番制なのであるが、なぜか毎日、私ということになってしまった。
でもそのことに気付かない先生も先生である。
ある人曰く、れっきとしたいじめではないかという。
でも私は、いじめられていてもまったくそんなことには気づいていないというよりも動じない。
そんな私がみんな、憎たらしいのか、やじを飛ばす。
「ったく」
そんな光景を他人事のように見ながら私は雑巾がけを続ける。
無反応な私、故にみんなは数分それを続けただけですぐに自分たちの会話へと戻っていくのがいつものことである。
「大丈夫かい?」
そんなことを言ってきた美濃君。
右手には雑巾。
手伝ってくれるのだろうか。
なんて優しい人なのであろう。
「あ、はい……。大丈夫です」
つい涙ぐんでしまった。
だって今までそんな人いなかったから。
でも美濃君はやじとかこういうことをやらされているのに涙ぐんでしまっているんだと勘違いしているらしく、
「僕もやるから。もう泣かないで、大丈夫」
まぁ、そういわれて嬉しくないなんて人はいないと思う。
私も実際にちょっと嬉しかったり。
「はい……」
小麦色の大きな左手が私の頭をなでる。
その手は温かい。
私の心まで温めてくれているようだった。
なんて心地の良い……。
「じゃあ、続けよっか」
といって頭をなでるのやめる。
それにちょっと惜しい気持ちがあったが、自分の仕事はきちんとやらないとなと思い、雑巾がけに戻る。
黙々とその後、十分間続けてその日の当番の仕事を終えた。
- Re: Happy End と Bad End ( No.8 )
- 日時: 2014/09/21 17:08
- 名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)
EpisodeⅢ
人間はめんどくさい、目立つことが嫌いだ。
——私はやりたくない。
——目立つから嫌。
——目立つといじめられたりするから。
人間は人と同じことをするのがどうやら好きらしい。
だから今日の先生の提案というかあれにも。
雑巾がけを手伝ってくれた美濃君にちゃんとお礼を言った後、すぐに担任がやってきた。
担任は臆病な女教師。
だから生徒、つまりクラスメイトがいじめられたりしていても無視するタイプ。
だって臆病だから学生相手でもつよく言えないから。
それに自分の性格、いい先生、かわいい先生というイメージを壊したくないからそういうことに目をつぶっているのだろうか。
「きょ、今日はですね…、体育祭実行委員を決めないといけないんですよ…」
弱弱しくホームルームで切り出した言葉。
「ええー。めんどくさいー。それって他のクラスでやればいいんじゃないですか!?」
クラスの中心にいる女の子がいう。
こんなことを言われたらあの先生はどんどん声が小さくなってしまうだろう。
「ご、ごめんね。今回はうちのクラスからも……」
ほら、ね。
言ったとおり。
「誰かやってくれないかな?」
生徒の表情をうかがいながらいう。
その目はまるでどこかの上司を見るみたいに弱弱しい。
しょうがないな。
今回も私がやってあげよう。
ピシッと手を挙げる。
「誰もやらないんでしたら私がやりますよ」
みんなが笑顔を見せる。
拍手をしている。
「じゃあ、俺もやります。木野川だけじゃ、かわいいそうなので」
そんな中、またしても美濃君が手を挙げて言った。
ぎょっとして美濃君をみる。
みんなも同じくそうしてしまう。
「あら、これで安心だね」
嬉しそうに先生はいった。
「はい。精一杯、頑張ります」
「お、同じく」
まだ驚きを隠せないまま、そのホームルームは終了した。
とりあえず、同じ委員になったことだし、挨拶とかしたほうがいいよね。
「あ、あの……」
美濃君の席にいく。
私と美濃君の席は結構、離れている。
私は廊下側の席だが、美濃君は窓側の方の席。
「ああ、木野川。よろしくな」
笑顔を見せた。
とても素敵な爽やか笑顔。
光に反射して歯まで光ってしまっている。
「えっと……なんで一緒にやってくれるのですか?」
その笑顔に少しときめきながら疑問を口にする。
「んー。おもしろそうだし、木野川が大変そうだったから」
なんていい人なのだろう。
世の中にはこんなに明るくていい人がいるんだな。
ちょっと感動しながらそっか、ありがとうございますとお礼を述べる。
「てか、なぜ敬語なの?」
「えっと……その方がいいのかなっと」
えー。敬語はなんか堅苦しいとか言って笑ってる。
私はその笑顔につられて笑ってしまった。
ちょっとだけの幸せを感じた気がする。
人と笑ったり話したりすることってこんなに楽しいことなんだ——
- Re: Happy End と Bad End ( No.9 )
- 日時: 2014/09/22 16:49
- 名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)
EpisodeⅣ
人間の感情っていろいろあると思う。
怒りに悲しみ、喜び、楽しい、好き、嫌い、嫉妬、罪悪感……。
基本的には喜怒哀楽で作られていてその感情にあった表情を人間はする。
その中でも一番つらいのが悲しみ。
なぜって。
それはだね……。
今日の午後から体育祭実行委員会が始まる。
全学年から集められた人たちの会が、ね。
実行委員会の監視役の先生は羽鳥慎吾先生。
一年前くらいにここに来た新しい先生だ。
優しくてかっこいい先生。
なおかつ、ちゃんと怒ったりしてくれる、生徒と向き合ってくれる先生。
どこをとっても素晴らしい先生だ。
「えー、今回、この委員会の担当職員になりました、羽鳥だ。よろしく」
先生がさっと自己紹介が終わらせた後、次は私たちの自己紹介になった。
自己紹介——
それで第一印象が決定されるとても大切な行事。
だから私は少しでも印象をよくしようと頑張る。
一人一人が短い自己紹介で終わる為、まわってくるのが早い。
もう美濃君だ。
「初めまして。三年の美濃渚です。皆さんと一緒に体育祭を成功させるため、一生懸命、頑張ります」
美濃君はかっこいい。
爽やか笑顔を乗せながら上手に印象を良くした。
まわりの女子達もうっとり。
よし、私の番だ。
「こんにちは。三年の木野川美波です。精一杯、みなさんと一緒に体育祭を盛り上げていきます」
あぁ……おどおどした感じの声になってしまった。
今回も失敗かなぁ……。
「……三年の東村悠です。よろしくお願いしまーす!!」
私の次の子が元気いっぱいに声をあげて自己紹介する。
明るくていい子だなと思いながら自己紹介した子をもう一度見る。
その子は茶髪のベリーショートで茶色の瞳、小柄な体型であるのに胸が結構、あった。
なんだか感じのよさそうな印象をその姿からまた読み取れる。
この人たちがこれから私と体育祭実行委員をやっていくんだなぁと改めてまわりをぐるっと見渡して思う。
頑張らないとな。
迷惑をおかけしないよう精一杯、やらないと。
「木野川?」
「え、何、美濃君?」
「……あ、何でもない」
周りからはぼっとしているように見えたと思う。
だから声を掛けてくれたのかなぁ。いい人っ。
第一回目の実行委員の集まる会は自己紹介とこの委員会の役目の説明だけで終わってしまった。
まぁ、まだ体育祭まで2か月もあるから大丈夫かなと思う。
「木野川」
実行委員会が終わった後、美濃君が声を掛けてくれた。
「何かな、美濃君?」
「ちょっと笑ってみて」
爽やか笑顔を見せながらいう。
たぶん、こうやってみてよと言いたいらしい。
ちょっと笑ってみる。
「こうかな。美濃君?」
あまり笑わない私の顔はひきつっていたと思う。
「……あ、うん。そうかな……」
ちょっと残念そうにしながらじゃあ、そんだけと言って私の横を通りすぎて行った。
「みーなみちゃん」
美波……。私の事かな。ちょっと声がした方を見てみる。
「……東村さん」
そこにいたのは東村悠だった。
スクールバックを右肩に下げ、カラフルなシュシュを左手に着けている。
「やだ。悠でいいよ」
「あ、うん……。じゃあ、悠ちゃん。何か用かな」
「一緒に帰らない?」
彼女から出た言葉は私にとって初めて言われた言葉だった。
- Re: Happy End と Bad End ( No.10 )
- 日時: 2014/09/24 00:38
- 名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)
EpisodeⅤ
悲しみが一番、辛いといったね。
知りたいと思うでしょ。
教えてあげるよ、君にだけ。
だって泣くのが辛いから。
泣くというのは、感情を訴えるものだから。
感情を表に出すのはとても勇気のいることだし、心を誰かに打ち明ける人がいないと泣けないから。
泣くのを我慢するということは、感情を自分で押しつぶすのと同じだと思うな——
「一緒に……?」
幻聴を聞いたのではないかと疑ってしまう。
「そう、一緒に。女の子同士で話したいことがあるし、ね」
にこっと笑う。
女の子同士……。
良い響きだな。
生まれて初めてだ、こんなこと。
だからね、精一杯の私なりの笑顔でいいよって言ったんだ。
自然に笑顔が出てきた。
とってもいい笑顔だったと私も思う。
ところでお話ってなんだろ。
正門を出たところあたりから気になってくる。
チラチラと横目で見ながら歩く。
「ねぇ、美波ちゃん」
おおぉ……名前で呼んでくれたぁ……。
そういえばさっきも名前で呼んでくれたなぁ。
「はい。何でしょうか、悠ちゃん」
かしこまって悠の方をみる。
「あ、あのさ、美波ちゃんって好きな子いる?」
悠はちょっと赤くなりながら聞いてきた。
好きな子……。
んー、どうだろ。
唸りながらちょっと心当たりを捜してみる。
「えっと……尊敬している人はいるけど、好きな子はいないと思う」
そうだ、尊敬している人は何人もいる。
目の前にいる悠もそうだ。
まだ浅い尊敬だけど尊敬は尊敬だ。
「そっか」
短くそう答えた。
「悠ちゃんはいるのかな?」
私がよそよそしく聞いた。
その言葉、待ってましたという風に目を輝かせて言った。
「いるよ。実は私、渚君が好きなんだ」
美濃……君……。
「そ、そうなんだぁあ……」
「うん。だからね、渚君にはあまり近づかないで、私を積極的に渚君の話し相手になるようしてくれるかな?」
こつこつとコンクリートの道路を靴底で叩きながら言ってる。
「えと……」
「お願いだから、ね。話はそれだけ。じゃあ、また明日ねー!」
手をぶんぶん振りながら口出しはできないようにしてくる。
「あ、ちょっと待って……」
さっきの告白からうつむいていた私は、顔を上げていう。
だけどもうそこには、悠の後ろ姿が遠くの方に小さくあるだけで、私の声は届いていないようだった。
「あ……待ってよ……」
お願い……。
これって人のためになることだよね……。
いつものように手伝ってあげないと。
あの日の誓いを破ることになってしまう。
いつもだったらよし、やろうっていう気持ちになるんだけど、今回は違った。
「なんか……変だな……私」
やりたくないって思ってる。
手伝いたくない。
でもこれってただの駄々を言っているしかならない。
お願いを仮にも受けてしまった私は必ずやらないといけない。
たとえ、押し付けられたお願いだとしても。
「やるしかないな……」
せっかく友達みたいな人ができたのに。
その人となるべく話さないようにするってちょっと辛いかも。
生暖かいものが頬をつたわる。
理解するのにちょっと時間かかった。
これ、涙だ。
私、泣いてるんだ。
こんなにもこんなにも辛いことなんだ。
あふれてくる涙が静かに静かに地面にぽつりぽつりと落ちていく。
美濃君——
- Re: Happy End と Bad End ( No.11 )
- 日時: 2014/09/24 16:51
- 名前: 雨空 (ID: LfhJsbHs)
どうも。久しぶりの雨空です。
まとめ読みしましたが、文章力高くて羨ましいです。私には文章力が存在しないので。←ここ笑う所。
これからも見ますね。