ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

I live with ヴぁんぱいあ。【4/19更新】
日時: 2021/04/19 22:08
名前: はるた (ID: vQ7cfuks)

【お知らせ】

 完結に向けて、一度物語の矛盾点等をなくすために書き直すことにしました。
 これから読む際は、目次をつくりますので、そこからお願いします。
 



 目次 >>198




 ※ 全編書き直しなので、すべて初期のものは削除しております。
   残ってるのは参照記念と番外編(幕間除く)だけです。作品を読むのであれば目次から飛んでください。









 初めましてor(知っている人がいましたら)お久しぶりです。
はるたと申します。
 五作目は吸血鬼ものです。頑張ります(; ・`д・´)



【参照記念】

 参照300記念小説 >>55
 参照600記念小説 >>81
 参照900記念小説 >>111
 参照1200記念小説 >>112
 参照1500記念小説 >>121








【お客様】

◇ゴマ猫様
◆ひよこ様 
◇雨空様
◆朔良様
◇覇蘢様
◆占部 流句様
◇いろはうた様
◆錦歌赤兎様
◇紗悠様
◆如月 神流様
◇みるく様
◆波璃様
◇星来様
◆蒼様
◇美奈様
◆ゆーき。様
◇戒壇様
◆ことり様
◇顔無し@様
◆村雨様
◇佐渡林檎様
◆Garnet様


【目次】




 ※調整中












 参照19000感謝です。
 



では、物語の世界へどうぞ。





Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32



Re: I live with ヴぁんぱいあ。【10/22更新】 ( No.204 )
日時: 2020/11/19 20:50
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg (ID: d6rzi/Ua)





 大遅刻ですが、ヴぁんぱいあ。六周年になりました。おめでたい。
 いやもうおめでたいというか、はよ完結させろやってことなんですけど。最近は月1更新を目標にやってて、なんだかんだ一本書けてるので是非褒めてほしい。すごいぞ、わたし。
 今年の夏の小説大会でも銀賞をいただきました。読んでくださる皆様、投票してくれた皆様、本当にありがとうございました。これからも頑張りますので、引き続き宜しくお願い致します。

 



 十一月は更新できたら、更新したいなという気持ちです。無理だったら十二月に二回くらい更新されますので、頑張ってるよってことにしておいてください。はるたでした。

Re: I live with ヴぁんぱいあ。 ( No.205 )
日時: 2020/12/23 23:21
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg (ID: vQ7cfuks)

 ■ 3 「 消えたい彼女と、淡い炎 」


 幸せとは何だろうか。いつか失う命を、どうして大事にしなければいけないのだろうか。
 考えても正解は見つからなくて、私は大事なものを全部捨てて逃げてきた。
 私に救われる未来はない。いつか、この仮初の幸せが壊れていくのを信じて、ずっとずっと、待っている。


     □ 好きになる、好きにならない


 私を拾ってくれた少年は、加瀬さんといって私と年齢はそんなに変わらないように見えた。ソファの上に置かれたスポーツバッグと脱ぎ捨てられたジャージの上着。磨いていた途中なのか、スパイクが彼の足下にあった。
 私の髪をドライヤーで乾かし始めた加瀬さんに、私は戸惑いながらもじっと正座で耐えた。

「家に帰らねえの?」
「……帰れないんです」

 髪を乾かし終わって満足したのか、加瀬さんは後ろから私に話しかけた。硬直した体がびくりと震えて、私は振り返ることなく答える。

「火事って家が燃えたのか?」
「そう、ですね。私がいない間に燃えて灰になりました」
「それは、なんていうか」
「可哀想、じゃないんですよ。ちゃんと自業自得ですから」

 私がすべての引き金だった。お父さんがよそで女を作り始めたのも、お母さんがお酒におぼれたのも、全部私のせいだった。私が病気になるから、全部狂っていったのだ。誰も悪くないのに、誰かのせいにしないと心が落ち着かない。人間の心理が私たち家族をあっという間に闇に突き落とした。
 その被害者が悠真だっただけ。

 私は被害者ですらない。悠真が泣いているのを知っていて、何もできなかった弱虫だ。自分のせいだから、と私は強く出られなかった。
 馬鹿な人たちと彼らを嘲笑うことで自分を正当化していたのだと思う。悠真のことが大事なんて口だけで、結局私は悠真をずっと傷つけ続けてきたんだ。
 その結果が、あの火事だった。


「ねえ、お姉ちゃん」

 今でも、悠真のあの日の声を昨日のことのように思い出せる。

「海里ちゃんがね、今日一緒に遊びたいから家に来てって、さっき電話がかかってきたんだ」

 悠真が私についた初めての嘘だった。
 行ってきます、と家を出たのが最後。悠真の笑顔が脳に鮮明にこびりつく。
 あのときにはきっともう。

 海里がそんなこと言ってないよ、と不思議そうに首を傾げた時、すっと背筋が凍るような嫌な予感がした。
 救急車と消防車の音が、絡まり合って響き渡る。気持ちの悪い音が、私の世界を壊していった。黒い煙と、灰になってきえていく家。救出された両親と悠真の姿を見て、私は絶句した。

 真っ黒になった両親は、悠真をまもるように死んでいた。

 酷い呪いだと思う。最後まで、私たちにとって嫌な親でいてくれればよかったのに、彼らは結局優しい感情を持った私たちの両親であることに変わりなかった。
 悠真が生きていたのは奇跡に近いぐらいのレベルで、いつ目が覚めるかはわからないけれど、悠真の捨てた未来は彼が殺そうとしたものによって突き返されたのだ。
 可哀想な悠真。目覚めても罪悪感できっと苦しむだろうに、それなのに死ぬことも許してもらえない。両親は、生きてほしいなんて残酷な愛を押し付けて死んでいったんだろう。


「お前はさ、これからどうすんの?」

 加瀬さんの質問と同時に、テレビで速報が流れた。
 行方不明になった女子高生の捜索が始まったという速報。ベテランのアナウンサーが渡された原稿を落ち着き払って読むその名前は、聞き覚えのある、それは私の名前。

「行方不明になったのは、××県在住の、相楽ゆたかさん十七歳で……」

 どうか私のことなんか忘れて、幸せに生きてくれればいいのに。
 私の願いは誰も聞いてくれない。私はこのまま誰にも気づかれずに、ひとりで死んでいきたかったのに。

Re: I live with ヴぁんぱいあ。【12/22更新】 ( No.206 )
日時: 2021/01/10 23:28
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg (ID: vQ7cfuks)

加瀬さんは「死にたいの?」と私に尋ねて、その答えには興味のないように机の上に置かれたリモコンでテレビを消した。

「……」

 私は彼の問いに答えることができなかった。
 死にたいのか、死にたくないのか、私は考えることを放棄していたんだ。諦めていた、どうせ死ぬからと自分の中で割り切って、願うことも祈ることも無駄だと思い込んでいた。
 生きたい、といえば両親はどういう反応をしたのだろう。私が死を仕方のないことだと笑ったから、彼らはあんなふうに壊れてしまったのだろうか。

「加瀬さんはさ、死にたい、って思ったことありますか?」

 質問に質問で返した私の言葉に反応して、加瀬さんはこちらをちらりと見た。ちょっとだけ間があって、何も映っていないテレビに視線を戻して彼は言った。

「さあね」

 ヒーターで温まった部屋だけど、ドアの前は冷たい風が通っていて少し寒かった。くしゃみをした私を手招きして加瀬さんはヒーターの近くに座らせて、私の髪をタオルでぐしゃぐしゃと拭く。

「それより、髪濡れたままだと風邪ひくよ」
「……あ、えっと」
「俺は今まで普通に生まれて普通に生きてきたから、死にたいとかそういうことを考えたことはないけど、あんたがそういうことを考えるのが異常って言いたいわけじゃない」
「……」
「でも、こうやってあんたを探してくれてる人たちがいる以上、逃げ続けるわけにはいかないんじゃないの?」

 加瀬さんと視線がばちっとあって、私は思わず怯んでしまった。
 加瀬さんの言うことは正しい。私のことを少なからず心配してくれる人たちはいるんだろうし、その気持ちを無視するわけにはいかない。
 私は今までちゃんといい子でいたつもりだった。病気だって、悲しむ両親を見たくなかったから「大丈夫だよ」って笑顔で言ったじゃないか。両親が壊れても、どれだけ酷い暴力をふられても反抗しなかったじゃないか。悠真だって、今の今までずっと守ってきたのに。それなのに、私が悪いのかな。私が全部悪いんだ。

 世間は可哀想な私を、そういう目で見るから。



「生きたいって言ったら、加瀬さんは私のことを守ってくれますか?」

 今日会ったばかりの赤の他人に何を言っているんだろう。自分で言って、鼻で笑ってしまった。それなのに、馬鹿正直に目からは大粒の涙がこぼれて止まらない。
 何が怖いのだろう。死ぬことが怖いわけでも、悠真が目を覚まさないことが怖いわけでも、ここから連れ戻されることが怖いわけでもない。
 私は、また諦めることが怖いんだ。


「ここにいたいなら、いればいいじゃね」

 涙でぐしゃぐしゃな私の顔もタオルでごしごしと容赦なく拭く加瀬さんの雑さに思わず吹き出してしまった。タオルの隙間から見えた加瀬さんの優しく微笑む表情に胸がどきんと脈打つ。
 この気持ちの正体が何なのか、私はまだ気づいていなかった。きっと一生、気づかないままのほうがよかったんだ。
 




□ それが恋だと、知らない少女
 

 

Re: I live with ヴぁんぱいあ。【1/10更新】 ( No.207 )
日時: 2021/02/07 13:15
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg (ID: DlG4FP6O)

 【嬉しいお知らせ】


 リメイクを始めて8か月くらいになりました。月に一回程度は更新できているので成長を感じます。これからも頑張りますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
 なんと今回は嬉しいお知らせが2つもあります。
 一つ目はこちらの小説が参照20,000を突破しました。すごいぞ!!!!!
 6年諦めずに書いてきた私にご褒美をくれたんだと思ってます。ありがとうございます。
 個人的には10,000突破したのがちょうど3年前の今頃なので、30,000突破するのは単純計算であと3年後? ということはきっともう完結しているはず。大丈夫、わたしはやればできるこ。
 何度も筆を折ろうとしましたが、書き続けていられるのはこうやって閲覧数が地道にこつこつ増えているおかげだと思っています。これからも読み続けていただけるような作品を書き続けていけたらと思います。

 そして、二つ目。冬の小説大会で銅賞をいただきました~。今回もほんとうにありがとうございます。もう常連と言っても過言ではないでしょうか。過言ですね、すみません。
 投票してくださった読者様、本当にありがとうございます。大好きです。
 読み続けてくださる皆様のためにも、小説の執筆を頑張っていきます。これからもどうぞ宜しくお願い致します。二月中に一回は更新できると思います。多分月末にはなると思いますが、お楽しみに~。

Re: I live with ヴぁんぱいあ。【1/10更新】 ( No.208 )
日時: 2021/04/19 22:08
名前: はるた ◆OCYCrZW7pg (ID: vQ7cfuks)

 加瀬さんが死んだのは、それから二か月後のことだった。その日はバレンタインデーだったから、加瀬さんに頼んで材料だけ揃えてもらって、ガトーショコラを作った。そして、私はもう二度と帰ってこない加瀬さんの帰りを待ち続けた。





 加瀬さんの両親は仕事で忙しく、家に帰ってくるのは稀で、たまに加瀬さんのお姉さんがご飯を作りに来てくれるくらいの、ほとんど一人暮らしみたいな状態だった。
 私を匿うことが面倒ごとに直結すると分かったうえで、彼は自分の家に住まわせてくれていたみたいで、なんだか申し訳なくて、それでも私にもう帰る場所はなかったから私はその優しさにずっと甘えていた。一緒にご飯を食べる時間が好きだった。暖かいごはんとお味噌汁が食卓に並んで、いただきますを二人で言う。そんなドラマとかでしかみたことのないような時間が、わたしにとっては奇跡みたいで、泣きそうになる私を加瀬さんはいつも優しい顔で見ていた。
 好きになるのは自然の流れだった。加瀬さんは私を助けてくれた恩人で、それ以上でも以下でもない。私に生きる理由をくれた。
 でも、わたしはここに死にに来たはずなのに。ときどき思い出すことを加瀬さんの笑顔が忘れさせてくれた。この時間が永遠に続けばいいのに、と思った。






 二月十四日。加瀬さんは深夜になっても帰ってこず、家の鍵が開いたのは翌日の朝。加瀬さんの姉が泣きながらリビングに入ってきた。私はこそっとクローゼットの中に隠れて彼女の様子を見ていたけれど、彼女はただずっと泣き続けて加瀬さんの名前を呼んでいた。
 「なんで、死んじゃったんだよ」「馬鹿」加瀬さんのお姉さんの口からその言葉が吐き捨てられた瞬間、息がうまくできなくなった。演技のようには全く見えない。だって、もう一時間以上彼女は泣き続けていたから。
 私は加瀬さんのお姉さんがトイレに行っている間にこっそりと荷物をまとめてベランダから外に逃げた。加瀬さんが死んだ。嘘だと思った。

 だけど、逃げた先で見たのは加瀬さんが交通事故でなくなったという記事の載った新聞。
 私は彼が死んだ現実を突きつけられて、受け止められずに吐き気で死にそうになった。

 彼のために作ったガトーショコラは渡せなかった。
 彼のことがこんなにも好きで、一緒にいられるだけで幸せだったのに、それは一瞬で消えてしまった。

 歩道を歩いていると後ろから声をかけられた。警察官のお兄さん二人組だった。
 彼らは「こんばんは」と声をかけた後に私の名前を呼んだ。


「ちょっと、一緒に来てもらってもいいかな?」

 私はその言葉と同時に走り出した。全力で、彼らに捕まらないように必死で逃げた。
 




 逃げてる途中に、吐いてしまった。気持ち悪くて、死にそうだった。
 近くの公園でしゃがみこんで、嗚咽を漏らす。口の中は血の味がした。





 気持ちの悪い、死の味。






 □ そして、君は死んだのだ


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。