ダーク・ファンタジー小説

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生まれてくれて、ありがとう
日時: 2017/01/26 20:21
名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)

どーもです。白雪姫と申します。
初小説です。
文才が無いただの女子中学生ですが、精一杯頑張らせていただきます。
内容は思いつきで、はっきり決まってるわけではありませんが、それでも許してくださる方、御ゆるりとご覧ください。

なんでも完璧にこなす青年、一条春香いちじょうはるか
春香はある日、誰も近寄りたがらない怪しげな森に足を踏み入れた。
森にある不気味な井戸で、春香は "サキ" と名乗る少女に出会う。
少女との出会いが、春香の運命を大きく狂わせてしまう……

グロいっていうか、そうゆう描写もあるかもしれません。
最後はhappyendにする予定です。誤字脱字などもあるかもしれませんが、
ご覧いたたければ幸いです。

Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.22 )
日時: 2017/03/15 14:59
名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)

「今日は本当にごめんね、サキちゃん。」

「ンモー、イイってイッテルヨ!ハルカ、あやまりスギ〜。」

「んーでもやっぱり申し訳ないし…。」

「またこんどイコッ!ネッ!」

なんか…小さい子供に言いくるめられるのって、結構傷つく。
……でも

「うん。そうだね。」

…相手がサキちゃんなら、それでも構わないかなって。

「サァハルカ。オムライスをつくりましょー!」

「うん。え?サキちゃんもやるの?」

「え…。サキ、やっちゃダメなの?」

「え、いや、駄目じゃないよ!一緒にやろっか。」

「ワァイ♪ありがとー。」

あんなにウルウルした瞳で見られたら、断るなんて無理でしょ〜。

「ではさっそく、ハルカセンセー、なにすればイイ?」

「それじゃぁ、まずは…」

サキちゃんと作ったオムライスは、今までで一番おいしかった。かも?

Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.23 )
日時: 2017/03/27 14:18
名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)

お昼ご飯を食べ終わったあと、俺たちは家でずっとゴロゴロしていた。
サキちゃんが俺に質問したり、俺がサキちゃんのこと聞いたり。
サキちゃんはプリンが好きらしい。いちごのプリン。
そんなところも、彼女とそっくりだなぁなんて。
でも、彼女は確かチョコのプリンが好きなんだっけ?

「ジャアジャア、ハルカのスキなひとは?」

「好きな人…?」

「うん!きになる!」

好きな人…か。

「えーっとね。歌織って言って、結婚を約束してた人がいるんだ。」

「ケッコン…?ハルカは、そのひとがスキなの?」

「うん。愛してる。ずーっとね。」

「でも、いまは?ヤクソクしてたって、いまはヤクソクしてないの?」

春香は儚げな笑みを浮かべて、まるで他人のことを語るように、淡々と言葉を紡いだ。

「丁度一年前くらいかな。信号無視の車に轢かれてそのまま…ね。」

春香は止まることなく語り続けた。まるで壊れたおもちゃのように。

「あの時、おれも一緒に居たんだ。なんで轢かれたのが俺じゃなくて、歌織だったんだろうって。俺が代わりに轢かれれば良かったんだって。」

「そんなの___!」

「子どもが居たんだ。歌織のお腹の中には。」

「もうすぐで産まれるってところだった。あと一週間、一週間でだぞ?」

「最愛の人と産まれてくるはずだった俺たちの子どもまで失ったんだ。
それなのに車の運転手は全く悪びれもしない…。」

「どうしてあんな奴が生きて居て、歌織が死ぬんだ。あんな奴が死んだ方が、よっぽどこの世のためになる。」

「あんな奴…!」

「___ハルカ!」

「っ!」
(あ…俺、サキちゃんの前で何口走ってんだ…。)

「あ、サキちゃんごめん。変なこと言っちゃったね。」

「ネェハルカ。そのウンテンシュ、コロシてやりたいっておもってる?」

「え?」

「コロシたいほど、ニクいっておもってる?」

サキちゃん…どうしたんだ?
サキちゃんの目が、雰囲気が、いつもと全然違う。
それに…

「ネェ、ハルカ。カオリのカタキ、とりたいっておもわない?」

サキちゃんは、こんなことを言う子だったのだろうか。

でも…

「殺してやりたいよ。あんな奴…。木っ端微塵になるまで引き裂いてしまいたい。」

俺も、サキちゃんと同じ目をしてるんだろうな。

Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.25 )
日時: 2017/04/18 20:41
名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)

俺は普通だったんだ。
少なくとも、歌織が死んでしまうまでは。
でも、悲しいかな?
歌織が死んでから、少しずつ、でも確実に、俺は狂っていった。
子どもの頃からなんで生きているんだろうって思っていた。
死のうと生きようと、俺はどうでもよかった。
でもこの世界は『死』は悪いことで、『生』が正しくて。
俺は自分を偽って生きてきた。
そんな俺に、生きる意味を教えてくれたのが歌織だ。
彼女はいつでも明るくて、生きているということに感謝していた。
例えるならば、全てを照らす優しい太陽の光のような人だった。
正反対とも言える彼女に、俺は恋をした。
でも、今なら言える。

それは、許される恋じゃなかったんだ。

俺は自分で言うのもどうかと思うが、かなり家柄がいい。
俗に言う、お坊っちゃまってやつだ。
しかし歌織は幼い頃に父親が借金を残し逃亡。
母親と共に多額の借金を返済している。
俺の両親はかなり厳しい人で、幼い頃から様々なことを教えられた。
俺は両親に敷かれたレールをただ歩むだけだった。
まぁ、家を継ぐのが俺じゃなくて、
長男の兄だったってことだけは不幸中の幸いだな。
厳しい両親。それにビクビクしているだけの使用人。そして、いじめてくる同級生。
普通じゃないな。いつ狂ってもおかしくなかった。
けど、そんな俺の唯一の心の拠り所が、兄だった。
家を継ぐことになった、3つ上の兄。
自分のことで手一杯だっただろうに、俺が両親に叱られ、目を泣き腫らしていくと必ず仕事の手を止めて、優しく話しを聞いてくれた。

そんな兄に背中を押され、俺は家から逃げることになった。
高2の時だった。

Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.26 )
日時: 2017/06/01 20:47
名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)


「…ん。」

夢を、見た。
昔の夢のような、まだ見たことのないような夢のような。
今では思い出せないけれど、なんだか気分が重たくなるような、そんな夢。
隣では、サキちゃんがスヤスヤと心地好さそうに眠っている。
起きたら隣に誰かがいるっていうには、結構心安らげるな。
なんて。

「…起きよ。」

いつの間にか眠っていたんだな。もう夜が明ける。
朝日が少しずつ覗いてきて、星がだんだんと消えていく。
それでも星は見えなくなっただけで、遠くの方ではまだ輝いているんだろうな、
なんて、どうでもいいことを考えて。

重要なのは、昨日のサキちゃんのことだ。

サキちゃんは、一体何なんだろう。
あの時の人をも殺してしまいそうな目。
10歳そこらの女の子…と言っても死神だが…に、あんな目ができるのだろうか?

「…考えるのは、もうよそう。」

昨日のは、見間違い。
そう済ませてしまうのが、1番楽だったのだ。
そうと決まれば、今日からまたサキちゃんとの楽しい1日が待っている。
まずは、美味しい朝ごはんを作ってあげよう。
それから、今日は俺が大学だから、一緒に連れて行ってみよう。
今日は3限目しかとってないし、その授業の教授とは仲がいい。
もしかしたら、サキちゃんのことを許してくれるかもしれない。
それから、大学のオープンテラスで昼食をとって、
昨日行けなかった買い物に行こう。
サキちゃんがいつまでいるかは分からないけれど、
色々買っておいた方がいいだろう。
さぁ、今日1日の計画は立てた。

「今日は、いい1日になるといいな。」

なんて、間抜けに輝く太陽に向かって呟いてみた。

Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.27 )
日時: 2017/06/03 12:13
名前: 萌夏 ◆IrmWJHGPjM (ID: 0vpgU5W6)

お初です!萌夏といいます!
白雪姫さんの小説、面白いです!

うーん…てるてる522さんの感想と
ちょっと(っていうかほぼ)
被っちゃうんですけど、
サキちやんの台詞が所々カタカナ
だったり、いきなり謎発言する所とか
キャラが定まってて会話シーンが
読みやすくて羨ましいです(^^*)

あと、伏線が分かりやすいので
続きがさらに楽しみです(ノシ>∀<)ノシ

無理しない程度に頑張って下さい!
また読みに来ますd(・ω・´d)


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