ダーク・ファンタジー小説
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- 生まれてくれて、ありがとう
- 日時: 2017/01/26 20:21
- 名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)
どーもです。白雪姫と申します。
初小説です。
文才が無いただの女子中学生ですが、精一杯頑張らせていただきます。
内容は思いつきで、はっきり決まってるわけではありませんが、それでも許してくださる方、御ゆるりとご覧ください。
なんでも完璧にこなす青年、一条春香。
春香はある日、誰も近寄りたがらない怪しげな森に足を踏み入れた。
森にある不気味な井戸で、春香は "サキ" と名乗る少女に出会う。
少女との出会いが、春香の運命を大きく狂わせてしまう……
グロいっていうか、そうゆう描写もあるかもしれません。
最後はhappyendにする予定です。誤字脱字などもあるかもしれませんが、
ご覧いたたければ幸いです。
- Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.17 )
- 日時: 2017/02/17 20:16
- 名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)
遅くなって申し訳ございません。
詳しい感想、ありがとうございます。
同じ年頃の方にそのようなことを言ってもらえて、嬉しいです!
更新は本当に遅いと思うのですが、これからもご覧いただければありがたいです!
- Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.18 )
- 日時: 2017/02/17 20:43
- 名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)
ガチャ
「あがったよー。わ、何してるの?サキちゃん。」
扉を開けると、綺麗な体育座りをしたサキちゃんがいた。
「はやく!おかいものイコッ!」
ピョンピョン飛び跳ねながら、サキちゃんはそんなことを言った。
……元気なのはいいのだけど、床が抜けないかが心配だな…。
「ハルカって、オフロおそいんだねぇ。オンナノコだね!」
そんなに遅かったかな?てゆうか、それだけで女の子って…。
「あー、待たせてごめんね?」
「モォー、はやくイコッ?まちつカビれた?まちフカビレタ?」
「待ちくたびれた、じゃない?早く行こっか。」
「それだ!うん、いくー。」
そう言うと、サキちゃんは玄関まで走って行ってしまった。
「待ってよ、サキちゃん。」
取り合えず、財布だけ持っていけば平気かな?
「ハールカ。」
「ん?どうしたの、サキちゃん?」
サキちゃんに追いついたところで、急に呼ばれた。どうしたんだろう?
「なんでもない。イコ?」
その時のサキちゃんの顔は、すごく綺麗だった。
まさに、花が咲くように笑っていた。
サキちゃんは、彼女に似ているのかもしれないな。
だからこんなに、一緒にいて心地いいんだろう。
そんなことを考えながら、僕は扉を開け、一歩を踏み出した。
- Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.19 )
- 日時: 2017/02/27 18:51
- 名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)
激しく降っていた雨は止んだようだ。
真新しい水溜りと、鼻に付く雨の匂いだけがあった。
「ところでサキちゃん、何を買うの?」
「ン?さっきいったヨ?ヨウフクとかなにかとか?」
洋服は分かるけど、何かとかってなんだろう…。
まぁそこは、サキちゃんも女の子だし。触れないでおこう。
「じゃー…洋服から買うか。俺も欲しいし。俺がいつもいってるところでいい?」
「いいよぉ〜。ふふっ。サキねぇくろいふりふりのヨウフクほシーの。」
こうやって無邪気に笑っているところを見ると、サキちゃんも子どもだなって思う。…でも、サキちゃんは死神だ。こんな子どもの姿をしていても、恐らく簡単に人を殺せるのだろう。
…サキちゃんは、何の為に俺のところにいるんだ?
そもそも、俺が 罪 を犯すって…?
(いや、考えるのはやめよう。)
折角サキちゃんと買い物に来ているんだ。もっと晴れやかの気分で行こう。
「ハールカ!」
「……へっ?」
「マァタかんがえゴトダ〜。あれだよ、フケちゃうんだよ。」
「うん…。」
そういって眉間に皺を寄せながら渋い顔をするサキちゃんは、やっぱり彼女に似ていた。
(その仕草…彼女が良くやってたな…。)
サキちゃんといると、本当によく思い出す。
彼女と共に過ごした、あの懐かしき日々を。
- Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.20 )
- 日時: 2017/03/06 16:31
- 名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)
「はーるか!」
そう言って彼女は、俺に抱きついてきた。
「ん?どうしたの?」
「ンフフ〜。えへ。幸せだなぁって。」
「どうしたの?そんな急に…。」
「ねぇ春香。もしも私が死んだらどうする?」
「…っ!そんなのっ!」
「もしもの話。もしも、私が春香の手の届かないようなところに行ったらどうする?追いかけてくる?それとも、新しい人を探す?」
「新しい人なんて、もう考えられないよ。君がいなくなったら、俺は生きる意味をなくしてしまうんだ。君は、俺の生きる希望だよ。」
「春香、くさーい。よくそんなこと言えるねぇ。」
「たまには正直にならないとね。」
「ふふ。でもね、春香はダメです。ブブー。失格だよ。」
「どうして?」
「私が死んでも、絶対に追いかけてこないで。私のぶんまで、生きるの。」
「君は酷なことばかり言うね。愛する者と共に死にたいって言うのは、当然のことだろ?」
「今日の春香は変。まるで別人みたい。」
「そうゆう君だって。今日は変なことばっかり言うね。」
「そうゆう気分なの。」
「そっか。」
「そうなの。」
「……ねぇ春香。」
「なぁに?」
「春香のこと、大好き。愛してるよ。」
「俺も愛してるよ。」
「私ね、春香と別れたい。」
「えっ?」
「私といたら、春香が不幸になっちゃうの。幸せになれない。」
「そんなの…。……そんなの、俺が決めるよ。君と別れたら、俺は死んでしまうよ。」
「嘘ばっかり。」
「嘘じゃないよ。」
「ねぇ春香。」
「幸せに生きてね。」
「もちろんだよ。君も一緒に。」
「そうだね。一緒にいようか。」
「ずっとだよ。」
「うん。ずーっと。」
キキィィーー ダァーーーン
「あ…な、なんで…。なんで・君が…。」
『ずーっと一緒だよ。』
「一緒にいるって、約束したのに…。ずっと…ねぇ、目を開けて…。」
「嫌だよ。一緒にいよう。…いか、ないで…。」
「っあい、してる。ずっと、ずっと。だから…。」
「一緒に…か、おり…。」
- Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.21 )
- 日時: 2017/06/15 20:11
- 名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)
「…カ…ハルカ?ダイジョーブ?」
「…サキ…ちゃん?」
「ハルカ、ダイジョーブ?なんで…。」
あぁ、俺はまたぼーっとしてたらしい。にしても視界が歪んでるなぁ。
なんでこんな…
ポタッ
「あれ?また雨が降り出したのかな。」
「ハルカ…ねェ、なんでナイてるの?なにかアッタ?」
(泣い、てる?俺が?)
春香はそっと頬に手を伸ばすと、そこは確かに濡れていた。
「ははっ。ごめんね、サキちゃん。買い物はまた今度でいい?」
「アッ、うん、ダイジョーブだよ。…ねェハルカ「今日はちょっと調子が悪いみたい。もう帰ろっか。」……ワカった。カエロっか。」
何故か今日は彼女のことばかり考える。
なんで、今更…。
「……」
「サキちゃん、ごめんね。また明日行こっか。」
「…ねェ、ハルカ。サキ、死神だっていったよネ。」
「うん。それがどうかした?」
「サキはね、ハルカをたすけるタメにここにきたの。」
「うん。言ってたね。」
「だからネ、ハルカをきずつけるモノを、サキはユルサナイ。」
急にどうしたんだろう?サキちゃんは。
でも、そんな風に言ってくれるのは嬉しいかな。
「ありがとう。そんなこと言ってくれて。」
「ねェハルカ。」
「どうしたの?」
「ゼーンブサキにまかせてネ。ハルカはなぁんにもシンパイしないで。」
「ははっ。ありがとう。」
心強いね。でも、サキちゃんはなんでそんなことを言うんだろう?
どこから来て、何をするために生まれたんだろう?
死神……
「うん♪じゃぁカエロッカ。」
「え?あ、そうだね。帰ったらお昼かな〜。」
「ハルカ!オムライスたべたい!」
「オムライス?りょーかい。作ってあげる。」
オムライス好きなのかな?てか、オムライスは知ってるんだ。
「ワーイ!アリガトッハルカ。」
「ん、どういたしまして。」
さぁ、卵はあったし、ウィンナー…は、ないからハムでいっか。
オムライス作るの久しぶりだなぁ。
「…春香……。」
「……絶対に、守るから…。」
黒に包まれた少女の呟きは、誰にも聞かれず空に消えた。