ダーク・ファンタジー小説

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レールの敷き方
日時: 2018/05/05 08:54
名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)

産まれてから中学2年生まで
大半の人が敷かれたレールの上を歩いてきたんじゃないだろうか。それが中学三年生になると自分で「進路」というものを決めてそれに向かって努力をする必要がある。中には適当に行ける高校を決めるだけの人もいるかもしれない。受験をしたことの無い自分にとってはとても不安なことだらけだ。

私たちはどうやってレールを作っていこう。

Re: レールの敷き方 ( No.24 )
日時: 2018/05/05 09:33
名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)

大石大地
「え?・・」

清野拓真
「黙ってろよ?」

大石大地
「お、おうよ。」

金曜日
この日を乗り越えれば三連休
そしてゴールデンウィーク
でも今年は全て勉強詰めになりそうだ。

「うっそ!ガチ?!」
「クソ野郎じゃん!」

わたしはいつものように教室のドアを開けた。すると辺りがシーンとなった。なにそれ怖い。

とりあえず自分の席に向かいワークなどを進めしばらくすると。

「ねえ清水さん。」

清水音羽
「ん?」

話したことのない女子4人のグループの人に話しかけられた。

「鈴木っているじゃん?去年3組だった。」
「2年の頃そいつに何かされなかった?」

その途端ビクッとした。

清水音羽
「なに?・・いきなり」

「あいつが2年の頃に同じクラスの女子を殴ったって誰かが言っててそしたら殴られたのは清水さんだって。」

清水音羽
「誰がそんなこと言ったの?」

「それは、言えないけど。」
「で、本当なの?」

清水音羽
「・・・・」

返答に困ってると本人が登校してきた。
そして教室中がシーンとなった。

鈴木唯緒
「・・・・」

「よおよお暴力魔くん!」
「君けっこう最低だね。」

鈴木唯緒
「・・は、はあ?」

「とぼけんじゃねえよ!」
「被害者がここにいるんだぞ!」

クラス中が彼に罵声を浴びせた。
そして1人の生徒がわたしを指差した。

「女子で、しかもトロそうな清水?本気でやられたら死ぬぞ。」

冗談じゃないよ。
わたしはその場から逃げ出した。
とりあえず教室から遠いところへ。階段を登ってると

大石大地
「あ、音羽・・どうした?そんなに慌てて。」

清水音羽
「お前一生恨んでやるから!!」

強くそう言って走って階段を登った。
そして気づいたら屋上まで来てきた。
鍵は閉まってるけど。

清水音羽
「・・・・」

今言ってたことは本当のこと。
わたしは2年のほんの1時期傷が出来るほどの暴力を奮われていた。

神様がわたしを恨んでるのか何なのか知らないけど彼は私がこの学校に転校して来る前の学校でも同じクラスだった。

はじめて会ったのは6年生の頃であいつが転入してきた時だった。そのクラスではいじめが流行っていた。ターゲットを見つけては徹底的にいじめるまたターゲットを変えてはいじめ・・・を繰り返していた。そんな時あいつが転入してきた。その時の彼は背が小さく体力も無く性格は比較的穏やかだった。そんな彼はいい標的になった。

そしてある日
彼が複数の男子にかつあげされてるところを目撃した。わたしは怖くて逃げ出した。

それから彼は私に攻撃するようになった。
私は彼よりも弱く友達も少なかったため助けてくれる人がいなかった。だから一人でいる時は攻撃された。最初はすれ違いざまに舌打ち、それから聞こえるように悪口、そして教科書やノートを隠す。机に落書き、そして暴力、だんだんとエスカレートしていった。

そしてみんな彼に飽きてきた頃
ターゲットは私へと変わった。
いじめられないように頑張って体力つけたりした彼を誰も虐めなくなった。

中学に上がってもそれは続いた。
そして中2の夏に私が引越しあいつから解放された。

転入してからはクラスメートや友達に恵まれ1人にはならなかった。

だけど数ヶ月後にあいつがやってきた。
そして同じことを繰り返された。

何をされただろうか。
髪を掴んで引きずり回されたり蹴られたり画鋲を口に入れられそうになったり。

でも・・・
助けてくれたんだよね。

鈴木はあんな酷いことしているのに当時は優等生を装ってた。

清水音羽
「スッゲぇムカつく・・・」

大石大地
「俺も、」

清水音羽
「ごめん。引いたよね?帰ろっか」

大石大地
「別に引いてない。あのさ、俺じゃ力になれるか分からないけど。あいつに何かされそうなら頼ってよ。」

それが本当に嬉しかった。
だけど力では勝てなかった。

それから救世主が現れた。
今も同じクラスの大澤花凜
後に聞いたのだが鈴木をぶん殴ったらしい。
そして私への暴力は止んだ。

しかしそれからしばらくして体育の時間に事故った。その日は男女混合のソフトボールの試合をしていてわたしは珍しくボールを強く投げられそれが鈴木の頭に直撃して病院送りになった。

そこからは何事もなく現在に至る。
一体どこのどいつがバラシやがった?
花凜は噂話しないし。さっき思い切り疑ったけどよく考えたら大地は口軽いけど話していいことと悪いことくらい分かる奴だし。

清水音羽
「・・・・」

Re: レールの敷き方 ( No.25 )
日時: 2018/05/05 09:35
名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)

清水音羽
「・・・・」

南沢胡桃
「ごめん。まさかあんな酷いことするなんて思ってなかったから。」

すれ違いざまに謝られた。

清水音羽
「別に・・胡桃を恨んでないよ。」

昨日の夜に子猫を埋めた。
一人で掘ったから時間が掛かった。
そしてすっかり疲れ今日は午後まで寝て子猫の好きだったツナ缶をお供えしていた。そう言えば名前考えてなかったな。

南沢胡桃
「ありがとう。音羽・・」

清水音羽
「うん。胡桃が責任感じる必要無いよ。それじゃあね。」

そう言って歩きエレベーターに乗った。

南沢胡桃
「人殺し・・・・」

まだ眠い。ここ数週間は日付が変わってから寝ることが増えた。つい数ヶ月前は勉強なんか全然しなく朝から晩までスマホを弄ったりして寝落ちする生活を送ってたから体力も無いし。

それが最近はホームルーム前や先生の雑談中や10分休憩では学校のワークを解いたりコピーノートをしたりどうしても分からない問題があった時は塾のワークを持ち出したり。

一見ちゃんと勉強してるように見えるけど実はあまりそうでは無い。学校から帰ってきたらヘトヘトで勉強始めるのは1時間後だしお風呂とか長いから平日に勉強してるのはたったの3時間
とても逆転合格目指してるには少なすぎる。そして休日は平日の睡眠不足で疲れ長くても8時間少なくて4時間くらい。

そもそも勉強って量より質だよね。
ちゃんと質のある勉強出来てるかな?

確か某有名子役が元から頭がいい上に休日は12時間勉強して有名私立進学校に受かったんだっけ。とんでもなく劣等感を感じるな。私もあれくらい出来たらな。いやそれ以上

今までなんで自分の学力では到底叶わない浜ヶ丘高校を受けようかと思ったのかよく分からなかったけど最近分かってきた。今まで落ちぶれたくなかったからだと思ってたけど違くて

シンプルに憧れてたからなんだ。
毎日見かけて毎日あの学校の校舎を見ている度にかっこいいと思っていた。

今まで受験なんてそこそこの高校行けたらいいやって思ってたけど余程の底辺校じゃない限り受験で苦労するのは当たり前だし本気で行きたいと思ってもない高校受かるために本気で勉強出来ないだろうし。

1つの事に全力で取り組んでみたかった。
それが本当の理由かもしれない。

清水音羽
「・・・・」

エレベーターが違う階で止まった。

内村陽太
「お、」

内村先生だ。
確か私より上の階だったような。
まあいいや。

清水音羽
「ども。」

内村陽太
「おう。何か疲れてそうだね。目の下にクマが出来てる。」

目の下を指差してそう言った。

清水音羽
「まあ。」

内村陽太
「頑張ってるんだね。」

清水音羽
「いえそんなに。内村先生こそいつも遅くまで仕事してるようですね。斎藤先生が言ってました。」

内村陽太
「あの人お喋りだな。」

照れるように言い

清水音羽
「教師って相当ブラックらしいんですけどなんで教師になろうと思ったんですか?謎過ぎます。しかも聞いたんですけど1組けっこうダルいの多いそうですね。まあ2組も同じようなもんですけど。」

内村陽太
「まあ大変だけど。そう言う生徒が多いってことは頼られてる証拠だしそれに子供の頃からの夢だったし。」

清水音羽
「・・・なんかすごいですね。尊敬します。」

内村陽太
「それはどうも。」

話してるうちに自分の階でエレベーターが止まり降りた。音羽が降りるとエレベーターのドアが閉まり上の階へと進んでいった。

内村陽太
「あと30分で戻らないと。」

PM6時30分{職員室}

内村陽太
「あれ、今日は誰もいないんだ。」

坂下真理亜
「みんなそれぞれの部活の顧問終わったらさっさと帰りましたよ。」

一人で職員室に残りパソコンを打っていた。

内村陽太
「そっか。」

坂下真理亜
「・・・・」

内村陽太
「どうです?新しいクラスは。けっこう大変みたいですけど。」

坂下真理亜
「別に。2年の頃と変わりませんよ。」

内村陽太
「そっか。俺もです。あ、知ってます?3年2組って霊の通り道らしいですよ。確か2組って余分に机と椅子がありましたよね。」

坂下真理亜
「ちょっとお手洗いに。」

陽太が話した途端に職員室から出た。

内村陽太
「・・・・」

ホラー苦手なんだよねあの先生
普段冷静なくせに。

坂下真理亜
「ビビってないっつうの。」

教室でそう呟き余分にあった机と椅子を学年室へ運んだ。


Re: レールの敷き方 ( No.26 )
日時: 2018/05/05 09:36
名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)

内村陽太
「遅かったですね。」

坂下真理亜
「うるさいです。」

内村陽太
「解せぬ・・」

10分経って戻って来た。
そしてまたキーボードを打った。

内村陽太
「・・・・」

昨日怖くて聞けたもんじゃなかったけど
あの腐乱臭と血
どう考えても怪しすぎる。
でもどうして?可愛がってたのに。

それとも濡れ衣?いや、どうやって着せた?返り血は殺した奴に飛ぶ物だぞ。誰かが無理矢理ナイフを持たせて後ろから腕を掴んで無理矢理刺せば返り血は清水の方へと飛ぶ。

もし自分が帰る途中に誰かに遭遇しても疑われない為に。

内村陽太
「坂下先生?」

坂下真理亜
「なんですか。」

内村陽太
「猫の返り血って飛ぶと思いますか?」

坂下真理亜
「実践したことないから分かりません。刺し方によるんじゃないですか?グサッと刺して抜いたら飛ぶと思いますけど刺したあとに中で掻き回して慎重に抜けば飛ばないと思いますけど。」

内村陽太
「そうなんですか。それじゃあ殺した後って臭います?強烈な。密室にいたら臭う。」

坂下真理亜
「少しは臭うんじゃないですか?刺したあとにすぐ去れば分かりませんけど。・・でも普通は何か羽織ると思いますよ。レインコートだと、ちょっと怪しいと思いますけど汚れてもいいパーカーとか。」

内村陽太
「ですよね。」

じゃあやっぱり濡れ衣?

内村陽太
「なんでそんな事聞かれてビックリしないんですか?」

坂下真理亜
「どうせ誰か怪しい人がいるんでしょ。で、誰です?同じマンションの清水さん?それとも問題児の鈴木君?」

内村陽太
「前者です・・てかどんだけ鋭いんですか。」

坂下真理亜
「他になにかありますか。」

内村陽太
「ありませんね。」

「本当悪魔だよねあいつ。」
「恐ろしいやつだわー」

内村陽太
「・・・・」

あんなこと。
もう御免だぞ。

坂下真理亜
「・・・可愛がってた動物の恨みは恐ろしいですからね。その矛先が全く関係無い人に向かないといいんですけど。」

昔のわたしみたいに。

内村陽太
「殺した奴に向けられるでしょ。それでそいつを・・・あの猫のようにしてやりたいって思っちゃったり。」

昔の貴方みたいに。

坂下真理亜
「当然思うでしょ。どうしようもありません。殺さない限り相手に何してもいいって思ってますけどわたしは。」

内村陽太
「流石に1週間や2週間飼ってたペットで殺意は湧くと思いますけど流石に殺しはしないでしょ。」

坂下真理亜
「だといいですね。まあ私は湧きましたけど。」

内村陽太
「俺を殺しはしなかったでしょ?」

坂下真理亜
「犯人じゃありませんでしたからね。結果的に犯人死にましたけど。わたしが殺したって形になりました。」

内村陽太
「やめましょうその話は。」

坂下真理亜
「そうですね。今日は仕事ひと段落ついたんで帰りますね。電気と窓閉めよろしくお願いします。」

内村陽太
「はい。お疲れ様です。」

真里亜はパーカーを羽織り荷物を持ち職員室から出た。

内村陽太
「・・まだ罪の意識感じてるの?」

独り言のように真里亜に問いかけた。
真里亜には聞こえない。

内村陽太
「・・・・」

もう13年前か。
俺たちが中2の頃

あの時の彼女は明るくて素直で
俺は暗くて口が悪くて意味悪がられてた。

その頃は彼女のことが嫌いで向こうも俺のことが嫌いだった。

今考えてみたらクソしょうもない理由だったけど。

それで学校で飼育されてるウサギの毛を切り落としたりなどのイタズラをした。彼女が可愛がってたから。それは彼女にバレた。

そんなある日そのペットが死んだ。
そして彼女から疑われた。

でも俺は真犯人を知ってた。
真犯人は彼女の親友だった。
俺は現場を目撃した。そして濡れ衣を着せられた。

そしてクラスメートにも疑われるようになった。

だが何故か彼女は俺を庇った。
嫌いなはずの俺を。それが気に入らずクラスで立場の強い奴らは二人とも犯人に仕立て上げ悪質ないじめをするようになった。

流石にまずいと思いある日彼女の親友にボイスレコーダーを聞かせた。それは俺を犯人に仕立てあげるような会話と彼女が殺したと分かる内容の音声それは怖い担任にも聞かせた。

逃げられないように追い詰めるつもりだった。

そして庇いだした。
二人で屋上まで行き親友は転落死

ますます状況が悪化したが主犯たちの仲間割れによりおさまった。

PM8時30分

家に帰ると即シャワーを浴び部屋着に着替え適当にご飯を食べソファーで本を読んでいた。

坂下真理亜
「つい昔を思い出しちゃった。」

彼がウサギ殺しではないと思ったのは単純な事だった。ある夜部活の肝試しでホラースポットと呼ばれるところを一人で歩くように言われた。ホラー嫌いな私にとってただの拷問

でも「いや」と言えずに歩いてた。
そしたら彼と遭遇した。彼も部活で来たらしい。それでお互い嫌々一緒に歩くと部活メンバーの誰かが脅かし私はビックリして腰を抜かし動けなかった。

そしたら彼はわたしをおぶってくれた。
こんなに優しい人だとは思ってなかった。
本当はコミュニケーションが苦手なだけで根は優しいのでは?

そう思い彼を疑うのをやめた。
そしてクラスで一番彼を疑ってる人に「犯人は私だ」と言いいじめが始まった。

もっと他に手はあっただろうに。

本当に酷かった。
1番酷かったのは弁当にウサギの死骸が入っていた事だ。しかも丁寧にウサギに肉を美味しく調理して味付けまでしてあった。あとは皮と目だけ。

そんな酷いことをしておいて何故いきなり私を庇ったんだろう。
いつものように暴力を奮われてる時にわたしを助けて屋上まで連れ出した。

庇ってくれた。
でも全ての元凶を作ったのは彼女だ。
彼女がわたしに濡れ衣を着せ関係ない人まで巻き込んだ。「あなたさえこんな下らないことしなければ」だから謝られても許さなかった。許す条件として自首して罪を償うことを強要した。そしたら彼女は自ら飛び降りた。

追い詰めようなんて思ってなかったのに。
彼女を殺したのは私なんだ。

Re: レールの敷き方 ( No.27 )
日時: 2018/05/05 09:38
名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)

大石大地
「ガチ勢じゃん。」

清水音羽
「どうかしてた。」

三連休明け2日間学校へ行きまた連休

大澤花凜
「担当の先生鬼畜すぎない?51ページから77ページは沸いてるよ。誰?塾長?それとも音羽にやたらキツい長瀬?」

清水音羽
「後者だよ。最近いい先生ばっかに当たってたからさ。油断した。2時間連続だよ。数学と英語」

大石大地
「でも俺あの先生と当たった時自分で決めていいって。やっぱいじめられてんじゃないの?パワハラ」

清水音羽
「それ職場内同士の奴で使うやつや。いやね、私も自分で決めていいって言われたよ?でも早く受験勉強やりたいしテスト勉強もしたいからね。ゴールデンウィーク頑張って平日はそっちに集中したいよ。だから」

大石大地
「中間テストって6月じゃなかった?」

清水音羽
「今5月じゃん。まあ期末テストの範囲学校で進んだとしても関数くらいでしょ。あの変なグラフ的なの見ただけで吐き気がしてきたよ。」

大澤花凜
「関数から解けなくなるって塾長に脅された。」

清水音羽
「平方根難しかったんだけど。あの小さくするやつ。割り算できたのに掛け算が苦労した。」

大澤花凜
「音羽は数学範囲どこまで?」

清水音羽
「次の授業で二次方程式だけどまだ平方根の足し算引き算が終わってないから今日徹夜だわ。」

大澤花凜
「寝れなかったんでしょ?無理しないでよ?」

って言う会話を今日の朝のホームルーム前に交わした。

「自慢もいいとこだわ。」

音羽が「大丈夫大丈夫」と言い教室を出ると近くの席からそんな声が聞こえた。とりあえず2人は無視した。

大石大地
「英語ってさ。unit3からunit4までの間にめんどくさいのなかった?」

大澤花凜
「Let's Leadとか長文がやたら多いやつでしょ。あと自分で何行で文作れとか言うやつ。」

大石大地
「あれだるくない?」

大澤花凜
「それな。てか塾長ふざけてるよ。1回間違えたら1ページ宿題増やすだとよ。10ページもやらされたから。まあ26ページやった音羽には叶わないけど。」

{女子トイレ}

清水音羽
「暑っつい・・。」

本当冬服鬱陶しい。
登校しただけで汗かくやん。

音羽は肩に着く髪を手首に付けてる黒いゴムで結んだ。

清水音羽
「・・・・」

鏡を見ながら髪を結んでた。
気のせいか目の下のクマが濃くなってるような。元々スマホばっかり弄ってたから薄くはあったけど。肌が白いから濃くなったら目立つ。

「ねえ。」

{3年2組}

清野拓真
「めんどくさい奴絶対答え見てるじゃん。でなきゃそんなにやらないよ。78ページ以降からunit4入るし。」

大地と花凜との会話の間に拓真が入ってきた。

大石大地
「でも10時間だよ?!昨日部活終わったら即帰って勉強したってことでしょ?」

大澤花凜
「家から学校まで30分くらいって言ってたから帰ったら急いで着替えてご飯食べてお風呂入って。まあ寝られないわな。」

清野拓真
「まずそこまで体力あることに驚きだわ。」

{女子トイレ}

何この状況
リアルでこんな状況に立たされるとめっちゃ怖いんだけど。

神崎梨南かんざきりな
「前もそうだけど勉強時間の自慢話クソウザイんだけど。」

「同じ塾だから知ってるけどこいつ講師に馬鹿にされてるからね。」
「自習室の隣に講師たちいるから丸聞こえなんだけどけっこう愚痴られてたわ。三年生の中で1番お馬鹿だって。」

清水音羽
「別に自慢してる気なんか無いんだけどな。だってみんな1日5時間6時間は当たり前だと思ってたし。」

神崎梨南
「喧嘩売ってんの?今の言葉に悪意が無かったらバカだわ。」

清水音羽
「なんで思ったこと言ってそこまで言われなきゃいけないの?」

{3年2組}

大石大地
「運動面の体力と比例しないのかな。」

大澤花凜
「英語だからでしょ?わたしも10時間はテスト期間中にしかやらないけどさ。数学よりも集中しやすいんだよ。私はね。数学は全然はかどらん。」

清野拓真
「やるのかよ!頭おかしいよ。でも量より質でしょ。あいつは解説を1回見ただけでも分からなくて1問の問題に30分も掛けるから。同じ席だっ時見た。」

大澤花凜
「その精神力がすごいわ。でさっきからdisってるけどなんか恨みであんの?」

清野拓真
「普通に嫌い。面白くもねえところで過剰反応するし。口悪いし。すぐキレるし。頭悪いしチビのくせに調子乗っててうざい。」

大石大地
「最後らへんただの悪口じゃん。あとトイレ遅くない?」

大澤花凜
「髪結んでるんじゃないの?結んだことない人からすれば難しいよ。」

{女子トイレ}

神崎梨南
「それくらいその無い脳みそで考えれば?」

清水音羽
「・・・・」

神崎梨南
このクラスで目立つって行ったら目立つ
あとなんか情報網がえげつない。

清水音羽
「なんかごめん。」

あほらしい。
心の中でそう思って教室に戻った。
普通に。教室のドアを開けると。

・・・・・・

シーンとしている。
何それ怖い。

なんで全員こっちを見る?

清水音羽
「どうした?」

微妙な雰囲気になると予鈴が鳴った。

清野拓真
「ベル席・・お前」

{1時間目}

内村陽太
「みんなあれ?五月病?」

このクラスはやかましい奴らが多いくせに反応の薄い1番授業のやりにくいクラスらしい。

内村陽太
「じゃあ黒板に書いてくれるかな。自分と同じ班の人とか周りでいい意見の人のとか。」

大石大地
「音羽さんがこれ良くない?ってさっきから自慢してくるので是非書いてほしいでーす。」

清水音羽
「はあ?!」

んな自慢してないっつの。
それ以前に書けてない。

清水音羽
「嘘です。」

清野拓真
「ええ?さっき自慢してたじゃん。後ろで見てたし。」

清水音羽
「・・はあ?」

内村陽太
「謎の喧嘩しないで!で、書けるの?」

清水音羽
「書けません。てか何も書いてません。ちょっと黒板の文字が見えないんですけど。」

「おっそ。」
「何してたの。」

{2時間目}

斎藤明
「じゃあなんて訳す?清水」

清水音羽
「この映画はたくさんの人に愛されています。」

斎藤明
「正解!」

大石大地
「チッ・・」

なんでわたし舌打ちされてんの。

斎藤明
「それで受動態を疑問文にする時はどうするんだった?清水」

答えられるので手を上げた。

清水音羽
「be動詞を先頭にします。」

斎藤明
「その通り!」

なんか周りの視線が痛い。

{3時間目}

坂下真理亜
「女子は決まった?」

3時間目は修学旅行の部屋班決めだそう。

大澤花凜
「音羽どっちがいい?」

わたしか。まだ決まってないの。
10人部屋と6人部屋
少ない方がいいから

清水音羽
「6人部屋の方で。」

「はあ?!」

6人部屋のメンバーの1人が嫌そうな顔でそんな声を上げた。

清水音羽
「・・・10人の方で。」

「ええ・・・」
「しょうがないよ。」

清水音羽
「・・・・」

Re: レールの敷き方 ( No.28 )
日時: 2018/05/05 09:40
名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)

南沢胡桃
「元気ないね?」

清水音羽
「そう?」

ゴールデンウィーク後半
塾の宿題をしていた。

清水音羽
「・・・・」

何だったんだろう。
一昨日のあれ。
花凜達と話してる時に髪をまとめにトイレに行って戻ってきてから違和感があった。

教室に入って来たらシーンとなるし。
愚痴られてたのかな?あまり仲良くない奴に喧嘩腰に「自慢やめろ」って言われたし。

だって今まで良くても7時間が限界でクタクタだったのに10時間勉強してもあまり眠くならずに集中出来て嬉しかった。今思えば調子乗ってたわ。もっと勉強してる人たくさんいるのに。

清水音羽
「ねえ胡桃展開が入った計算全滅したんだけど。」

南沢胡桃
「どれ?」

胡桃がわたしのノートを見る。

南沢胡桃
「ここの計算間違ってるよ。あとワークの問題とノートに書いてる問題が違う。あとこれルート外れるじゃん。」

清水音羽
「あ!本当だ!なんか毎回どうでもいいミスしちゃうんだよ!」

南沢胡桃
「せっかちだね。」

清水音羽
「最近自覚し始めた。」

ゴールデンウィーク明けが憂鬱だな。
あと国語の時間の謎の嫌がらせ
まあそこはどうでもいいや。
普段からお互いにそう言うのしてたし。
舌打ちもたまにやるし。

だけど修学旅行の部屋のメンバー決めの時はさすがに傷ついた。クラスにあまり仲の良い友達多くなかったし。でもあそこまでなる?露骨に嫌がってた。

南沢胡桃
「そう言えばね。勉強見てくれるって人がいるんだ。その人小学生時代の先輩の彼氏だけど。この前会ったらすごい優しくてさ。教え方も上手だったの!」

清水音羽
「わたしコミュ症だよ?」

南沢胡桃
「大丈夫!その人もかなりヤバいから!年下の私にでさえ最初怯えてたからね。あがり症なのかな。」

清水音羽
「よし。その人は味方だ。」

PM6時10分{夏目大学付属高校}

北条美郷
「それでは、お疲れ様でした。」

部活が終わり先輩達に挨拶をして部室から出ようとすると

加賀美優羽
「待って。時間あったら駅前のカフェ行かない?」

北条美郷
「ごめんなさい。このあと予定あるので。また今度」

高校に入り加賀美優羽に勧誘され演劇部に入った。ちなみに部員は5名しかいない。1年生は美郷のみ。

加賀美優羽
「あんたは行くよね?」

冴島恵美
「はいはい。最初に断っとくけど奢らないからね。」

加賀美優羽
「給料貰ったばかりでしょ?」

冴島恵美
「4月けっこう使ったから今月は控えるようにしてるの。」

加賀美優羽
「偉いわあんた。高校生にしてちゃんとやり取り出来て。すぐにでもお嫁に行けるんじゃない?」

冴島恵美
「まだ高校生だし。でも普通に大変よ。勉強とバイトを両立させるのは。家事はほとんど任せっぱなしだし。」

加賀美優羽
「音羽ちゃんでしょ?どうなの?家事の腕前は」

冴島恵美
「それがまあ上手でね。わたしより。掃除はちゃんとやるし。料理だって上手よ。私の作るゲテモノより。」

加賀美優羽
「すごいな。中学の頃なんてまともに料理した事ない。で普段どうなの?」

冴島恵美
「まともに口聞いたことないから分からないわ。どんどんガリ勉化してるくらいしか。」

加賀美優羽
「勉強見てあげればいいのに。て言うか同じ家に住んでるのに話さないって。向こうからしたらけっこう辛いと思うよ?」

冴島恵美
「自分のことで精一杯よ。」

加賀美優羽
「今住んでるマンションって叔母さんが借りてくれたんでしょ?」

冴島恵美
「かつて叔母さんが受験生時代に使ってたらしい。集中出来るように。どんだけ金持ちなのよ。」

加賀美優羽
「生活費免除してくれるように頼んだら?」

冴島恵美
「それは無理それに出来たとしてもわたし高校出たら自分のお金でマンション借りて一人暮らしする予定だからどっちにしろコミュニケーション取るのは難しい。」

加賀美優羽
「いつから貯めてた?」

冴島恵美
「高校生になってから時給の高いバイト見つけて大学生だと偽って稼いでた。」

加賀美優羽
「よくそれで成績維持出来るな。いつ寝てんの?」

冴島恵美
「しっかり寝てるわよ。バイト先ホワイトだし。」

加賀美優羽
「それは良かった。でもそしたら音羽ちゃんに高校生になったらバイトして生活費稼げってこと?」

冴島恵美
「それだよ頭抱えてんの。まず年齢誤魔化せないわあれじゃ。それに高校生のバイトでろくに生活費稼げないし遊べない」

加賀美優羽
「・・・・」

PM9時10分{桜美町}

仕事が終わりその日は3年生の先生達でカラオケに行っていた。二人は他の先生より遅く店を出た。

坂下真理亜
「受験生だった時の勉強法ですか?」

内村陽太
「ちょっと気になって。」

坂下真理亜
「まず3年生の勉強は早めに終わらせてそのあと復習したり完璧だと思ったら入試問題とか解いたりしてました。あまり覚えてませんけど。」

内村陽太
「1人でですか?」

坂下真理亜
「それは無理です。志望校と同じくらいの学力の人に教えてもらいました。朝から晩まで。」

内村陽太
「・・・・そんな人いたんですか。すごいですね 。」

坂下真理亜
「・・・・ええ。」

内村陽太
「・・・・どんな人だったんですか?」

坂下真理亜
「あまり覚えてません。何年も会ってませんから。」

内村陽太
「そうですか。」

ちょっと切なそうな顔してたのは気の所為?

「あのすみません。」

心の中で呟いてたら声をかけられた。

坂下真理亜
「はい。」

真理亜が返答する。

「桜美駅ってどの辺ですか?」

話しかけたのは背の高くてスマートな人だった。

坂下真理亜
「そこの歩道橋渡って真っ直ぐ歩いて左曲がったらあります。」

「ありがとうございます。」

爽やかな笑顔でお礼を言った。

坂下真理亜
「・・・あの、人違いでしたら申し訳ありませんが・・白鳥さんですか?」

「えっ・・なんで・・知ってるんですか?」

すごい感動の再会もどきだな。
そして俺は場違いか。どうしたものか。

「あんたもしかして真理亜?!」

相手の男性がビックリした様子で聞いた。
もどきじゃなくて本当だったか。

坂下真理亜
「お久しぶりですね。」

白鳥翔流しらとりかける
「えっ?待って。?すごいビックリ何だけど。最後に会った時より身長伸びたね?すっかり綺麗になっちゃって。彼氏まで出来て・・彼氏?」

俺を見て聞いた。
ここで「そう言う関係じゃありません!」って突っ込みを待ってるかのように。よくある茶番的な

坂下真理亜
「それはどうも。」

突っ込まなかった。

白鳥翔流
「でもちょうど良かった。真理亜の親からどんなか様子見るように言われてね。あまりメッセージ返さないでしょ?」

坂下真理亜
「あ、うるさいからブロックしてましたわ。」

白鳥翔流
「冷たいな。・・それでどんなか話でもって。何年も会ってないのに無茶だよって思ったけど。とりあえず結婚は大丈夫そうって伝えておくよ。」

坂下真理亜
「大きなお世話ですって言っといて下さい。」

真理亜がそう言うと「ははっ」と笑った。

白鳥翔流
「それとここに住んでる知り合いに用があってね。それじゃ邪魔しちゃいけないからそろそろ行こうかな。またね。」

そう言ってこの場から去った。
真理亜達が見えないところまで歩き

白鳥翔流
「なんか・・あった?・・」

別人じゃないか。


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