ダーク・ファンタジー小説
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- レールの敷き方
- 日時: 2018/05/05 08:54
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
産まれてから中学2年生まで
大半の人が敷かれたレールの上を歩いてきたんじゃないだろうか。それが中学三年生になると自分で「進路」というものを決めてそれに向かって努力をする必要がある。中には適当に行ける高校を決めるだけの人もいるかもしれない。受験をしたことの無い自分にとってはとても不安なことだらけだ。
私たちはどうやってレールを作っていこう。
- Re: レールの敷き方 ( No.19 )
- 日時: 2018/05/05 09:26
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
大石大地
「今度こそ勝ってやるからな!」
大澤花凜
「今まで1度も勝ったことないのに?あ、でも今回はけっこう危なかったかな。前までボロボロだったのに。」
部活終了時間
試合をしていた2人が話していた。
この2人は部活内ではけっこう強い方だと思う。
この学校も卓球はそこそこの強豪校だ。
清水音羽
「・・・・」
その中でわたしは誰にも勝ったことが無い。
市の試合で1回だけ自分よりかなり小柄な子に勝ったくらい。
わたしは水筒のお茶を思い切り飲み干し流した汗をタオルで拭いた。
なんで入ったんだろうな。
大澤花凜
「ミーティングの時間じゃん。早く並ばないと内村先生に殺される。怒るとめんどくさいじゃん。あの人」
花凛が体育館の時計を見てそう言うと私たちは急いでここからかなり距離がある4階の卓球部の部室まで走った。
内村陽太
「また行けなかったな。そろそろ部員からクレーム来る。」
斎藤明
「もう時間じゃない?」
内村陽太
「ああやばい!遅れる。」
内村陽太は職員室から急いで向かった。
机の上には修学旅行関係や授業関係のプリントがたっぷりあった。
内村陽太
「あれ、鈴木欠席だったの?」
大石大地
「なんか病院行くからって早退しました。」
内村陽太
「そっか。」
昨日の事件か。
「昨日のやつ?」
「かなりヤバかったもんね。」
「前から行ってたじゃん。そもそも唯緒はそんな怪我してないから。」
ミーティングが終わり挨拶をして帰った。
清水音羽
「・・・・・」
東海林美月姫
「・・・・・・」
もう私のこと好きなんじゃないの?ってくらい遭遇する。マンション違うのに。
東海林美月姫
「見てんじゃねえよ!」
清水音羽
「ひっ!」
会って睨みつけられたら気になるわ。
早く帰って子猫で癒されるか。そしたら予習だ。
{鈴木家}
「いったいどう言うことですか!」
鈴木美桜すずきみお
「すみません。」
鈴木唯緒
「・・・・」
夜7時頃
昨日椅子を投げられた生徒の親が本人を連れて怒鳴りこみに来た。唯緒の母親の美桜はソファーに座ってる被害者の母親に立ったまま頭を下げた。
唯緒はドアの向こう側でその様子を見ていた。
「もういいって。」
「何言ってんのあんた!背中に大きな痣が出来ちゃって!足にもぶつけたそうじゃないですか!この子はサッカー部ですよ?!試合に負けたらどうしてくれるんですか!」
鈴木美桜
「大変申し訳ありませんでした!」
もう一度頭を下げて謝る。
「謝れば済むとか思ってません?!ちゃんと慰謝料は払ってもらいますからね!治療費も!」
被害者の母親がガラス製の机を強く叩く。
「て言うか。なんで怪我をさせた張本人がいないんですか?普通本人が謝りますよね?」
鈴木美桜
「すみません。今謝らせます。」
頭を上げ弱気にそう言い唯緒のいるドアの方に振り返ると
鈴木美桜
「なにこんなところでボサっとしてるの!」
唯緒にそう言い腕を引っ張り無理矢理
頭を下げさせた。
鈴木美桜
「さっさと謝りなさい!」
鈴木唯緒
「・・・・すいませんでした。」
棒読みで謝った。
「はあ、・・教育がなってないんじゃないですか?!今は時間ないので。また来ますからね。」
ため息をつきそう言い子供を連れて出ると
鈴木美桜
「っ・・」
美桜は唯緒の髪を掴んだ。
鈴木美桜
「このクソガキが!なんでわたしがテメエの分まで頭下げなきゃいけねえんだよ!」
そう言って唯緒の腹を蹴った。
唯緒が倒れ込むと問答無用で次は顔を往復ビンタした。
鈴木美桜
「これで何回目だ?!ああ?!」
鈴木唯緒
「・・・・・・」
- Re: レールの敷き方 ( No.20 )
- 日時: 2018/05/05 09:27
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
「どうしたんだよ。それ。」
「え?何かあったの?」
金曜日の朝のホームルーム前
鈴木唯緒
「何が?」
「なんか腫れてない?」
「本当だ!けっこう赤い」
唯緒が席に座ってると近くに一人の男子生徒が駆け寄り唯緒を心配するとその近くにいた人がどんどん集まってきた。
「保健室行った方が良くない?」
「あと5分ちょいしかないけど。」
みんなが騒ぎ出すと
鈴木唯緒
「ほっとけよ!うるせーな!」
大声で怒鳴り辺りがシーンとなり
「あれは無いだろ。」
「まあまあ、無理矢理連れてくのも良くないって。」
「・・・・」
騒いでた人達が唯緒の席から離れ先に心配した男子生徒も時間を置いて離れようとすると
鈴木唯緒
「誰のせいだと思ってんの?」
「えっ」
男子生徒を鋭く睨みつけてそう言った。
「・・・・」
しばらくするとチャイムが鳴り朝のホームルームが始まった。
坂下真理亜
「昨日行きたいところを書いてもらった紙読んだけど。理由が俺の恋を応援して欲しいからとか。何となく。とかアホな理由が多かったのでちゃんとよく考え直して下さい。あと最低三つは寺をまわるように。みんなグルメに偏りすぎ。食べに来てるんじゃ無いんだからね。」
「誰そんなこと書いたの」
「このクラス頭悪いんか。」
坂下真理亜
「あと来週中に席替えをするので誰を班長にしたらいいか考えといて下さい。下らない理由だったら無効にします。人気投票にならないように。」
「この学年クソ野郎しかいませんから人気投票になるじゃん。」
「お前が一番クソ野郎だわ」
「本当口悪いな。お前」
「お前に言われたくねえよ!」
「お前最近調子乗ってない?ふざけた理由で提出したのお前だろ?」
坂下真理亜
「静かにして。ここは動物園じゃないんだから。」
(放課後)
清水音羽
「ヤバっ切らしてた。買い足し行ってこよ。」
家に帰り猫に餌を上げようとすると見事に切らしてたので近所のスーパーに急いで買い足しに行った。
清水音羽
「あっ・・」
東海林美月姫
「・・・・何その目・・」
清水音羽
「いやっ・・そのっ」
何で最近会うんだろ。
絶対つけてるでしょ。
と、心の中で突っ込みその場から離れようとすると
東海林美月姫
「なにシカトしてんの?」
そう言って私の歩く足を蹴り
わたしは見事に転んだ。
そして手に持っていた袋が切れ中身がぶちまけられた。流石に買いすぎたか。
東海林美月姫
「缶詰め?・・ああ。最近消えたと思ったけど。まさかあんた・・あの小さい猫を飼ってるの?」
転んだ私を見下しながらそう言い
清水音羽
「だったら何?うちのマンションペット禁止じゃないから勝手でしょ。」
立ち上がり汚れた制服のスカートや上をはたいてぶちまけられた缶詰めを拾いながら言った。
東海林美月姫
「・・・」
清水音羽
「いっ!」
すると私の頬をひっぱたき驚いているとセーラー服の裾を引っ張り
東海林美月姫
「誰に向かってそんな口叩いてんの?あんた私になにしたか分かってる?」
清水音羽
「・・・・」
東海林美月姫
「黙ってんじゃねえよ!口があんでしょ!」
裾を強く引っ張りわたしを持ち上げて怒鳴った。
南沢胡桃
「ちょっと何してんの?!」
タイミング良く胡桃が大慌てで駆け寄るとわたしを離した。
清水音羽
「・・・・」
東海林美月姫
「チッ・・」
舌打ちをしてその場から立ち去る。
南沢胡桃
「大丈夫?大変!膝から血が出てるじゃん!」
清水音羽
「全然大丈夫!助かったよ!ありがとう!」
そう言って急いでマンションの中へと入った。
南沢胡桃
「なんでこんなことしたの?東海林さん。」
まだそれ程遠くに行ってなかった彼女を追いかけて聞いた。
東海林美月姫
「あんたに関係無いじゃん。なんか文句ある?」
南沢胡桃
「友達が暴力振るわれてるのに文句ない訳無いじゃない!」
東海林美月姫
「暴力ねぇ・・あんたあいつがどんな奴か知っててつるんでるの?だとしたらドン引きだわ。」
PM8時30分
清水音羽
「眠い・・」
やっと1週間が終わった。
今日は当たる先生の運が良かった。
数学ではケアレスミスが減ったし。
褒められたし。でも英語がな。難しかった。
今日は宿題だけ済まして明日やるか。
南沢胡桃
「やっほ!音羽!」
清水音羽
「ああ。胡桃今から塾?」
南沢胡桃
「うん!それであの後家に帰ったんだけど腐るほど缶詰めがあったからあげるよ!」
そう言ってレジ袋を渡された。
2キロくらいはあるだろう。
南沢胡桃
「ちょっと重いけど頑張って!それじゃあ!」
清水音羽
「うん!胡桃も授業頑張って!」
南沢胡桃
「うん!それじゃ!」
- Re: レールの敷き方 ( No.21 )
- 日時: 2018/05/05 09:29
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
内村陽太
「このクラスだけ異様に国語少ないんだよね。」
月曜日の2時間目の事だった。
清水音羽
「時間割り作ってる人頭大丈夫かな。」
大石大地
「そのおかげでテスト範囲が減る。」
内村陽太
「だと思うじゃん?3年生は授業でやってない文章題が出るんだよ。」
清水音羽
「嫌がらせじゃん。」
内村陽太
「まあこっちは仕事減るから楽なんだけど。3年生は週三だし。」
大石大地
「いつも何時まで仕事してるんですか?」
内村陽太
「遅くて10時早くて8時くらい。たまに日付変わる。」
清水音羽
「遅っ!」
内村陽太
「しかも給料出るの4時くらいまでだし。部活6時までなのに。しかもそこから授業の準備だよ。新学期はクソ忙しいし。」
清水音羽
「ブラックじゃん。」
「家で準備とかすればいいじゃないですか。」
「変わらねえよ。バカか。お前」
「なんでそこまで言われなきゃいけないの。」
内村陽太
「家じゃ気が緩む。君たちだって学校や塾ではしっかり勉強出来るけど家だったらスマホとか見ちゃうでしょ。何故か読みたくもないマンガ読んだり部屋の掃除始めたり突然やったことも無いお風呂掃除したり。」
清水音羽
「ああ!それ分かります!でも熟に行ったら行ったで集中は出来るけど疲れるんですよ。家だったら音楽聴きながらだからなんか良い。まあ気づいたら違う動画見てるんですけど。本当どうやったら集中出来るんだろ。」
大石大地
「7時間も勉強出来るやつが言うかセリフかよ。」
「マジで?!」
「いつ寝てんの?」
清水音羽
「いやいや最高で7時間だから。普段は4時間くらい。あ、でも昨日は8時間出来た。でも休日だしね。もっとヤバいやつ10時間くらいやってるし。」
「自慢じゃん。」
「赤点常習犯の分際で。」
清水音羽
「誰だいま赤点常習犯って言ったの!事実だけどさ。」
内村陽太
「君らの担任受験生のころ最高16時間勉強したってさ。」
大石大地
「それは頭おかしい。」
内村陽太
「苦手な教科で80点に満たなかっただけで答案用紙破り捨てたくなったらしいよ。3がついた成績表をドブに投げ捨てたくなったり。4が多い成績表で絶望したり。」
「エグいって!4なんて宝物だぞ!」
「あの人ヤバすぎでしょ。」
「俺んとこの塾は内申42で授業料が1万円減る。」
内村陽太
「とんでもねえな!それじゃ進めようか。今日は教科書の一番最初の生命をノートに写してもらうから。まずは読もうか。みんな立って。」
AM10時45分
「てか鈴木に殴られたやつの名前知ってんでしょ?」
「いや、言うなって言われてるし。」
授業が終わり10分休憩の時に聞こえた会話
あのイス投げ事件以降
鈴木唯緒の悪口を耳にすることが多くなった。
普段は仲良さそうに接してるくせに。
「て言うか顔面腫れてたけど何だったんだろうね。」
「喧嘩でもしてるんじゃね。それか虐待」
「てか清野お前大変だったらしいな。」
清野拓真
「ああ。うちの母親すぐにキレるから。モンスターペアレント」
「どんなだった?」
一人の男子生徒が聞くと一瞬黙り
清野拓真
「なんかヤバかった。母親も茶髪でなんか怖そうだったし。」
「あのあとボコされてたりしてな。」
会話が盛り上がっていると
本人がこちら側を見て
鈴木唯緒
「人の顔見て笑ってんじゃねえよ!」
{放課後}
清水音羽
「よし!完璧に治った!」
その日は4時間授業で部活も無しで帰りが早かった。私はいつものように急いで家に帰り猫に餌を与えた。猫の怪我は良くなり歩けるようになっていた。
PM6時10分
南沢胡桃
「お久しぶりです!美郷さん。」
北条美郷
「ええ。」
部活帰りの二人は同じ駅で偶然会った。
北条美郷
「どう?授業ついてこれてる?そんなに頭悪くは無かったけど。」
南沢胡桃
「聞いてくださいよ!Aクラスに入れたんですよ!」
北条美郷
「すごいじゃない!」
この2人は小学校時代部活が同じでよく絡んでた。中学から美郷が他の学校へ行きそれからもちょくちょく連絡を取っていた。
北条美郷
「どこの高校行くか決まった?」
南沢胡桃
「ああ。それ聞いちゃいます?浜ヶ丘受けようと思うんですよ。」
北条美郷
「けっこう近いね。今の学校より近いんじゃない?それ重視なの?」
南沢胡桃
「それもそうですけど共学っていいなって。友達と同じ高校入りたいんですよ。」
北条美郷
「いいんじゃない?でもまあちょっと勿体ない気もするけど。胡桃ならうちの高校入れそうだし。」
南沢胡桃
「遠いじゃないですか。わたし朝は苦手ですよ。それより言いそびれましたけど婚約おめでとうございます。」
北条美郷
「ええ。ありがとね。」
そう言って目の前の紅茶を飲み干しメニュー表を見て店員を呼び出し注文した。
南沢胡桃
「さっきからめっちゃ食べますね。ケーキ5個目ですよね?」
北条美郷
「いつもこのくらいよ。」
南沢胡桃
「なんでそんな痩せてるんですか?」
どこからどう見ても痩せている。
両手で囲える程の脚
北条美郷
「生まれつきよ。普通の量だと栄養失調になっちゃうの。」
南沢胡桃
「大変ですね。それで婚約者どんな人ですか?」
北条美郷
「あがり症よ。あと頭がいいわ。今度勉強見てもらえば?わたしより教え方上手だから。」
南沢胡桃
「いいんですか?!」
{音羽の部屋}
南沢胡桃
「ってことで勉強見てもらえることになった。」
清水音羽
「おお!でも胡桃は余裕だから必要無さそうだね。わたしはかなりヤバいけど。」
学校から帰り二人で勉強していた。
カーペットの上のテーブルでお互いに向かい合って
南沢胡桃
「休み中にどこまで進んだ?」
清水音羽
「休み中は英語しかやってなかったかな。unit2の3の現在完了形ってところまで。数学は平方根の有理化ってとこがよく分からない。」
南沢胡桃
「分母を掛ければいいんだよ。分母は同じでこれは分子がルート5で分母がルート7だから。」
清水音羽
「分母同じままで分子を掛ければいいの?」
南沢胡桃
「そゆこと!それと約分する時はルートは約分しないでね。」
{職員室}PM8時45分
坂下真理亜
「話を盛らないでください。何で覚えてるんですか。」
内村陽太
「あまりにも衝撃的だったんで。」
坂下真理亜
「16時間は追い込みの時期だけですよ。普段は10時間が限界でしたよ。」
宮村麗子
「それでもかなりスゴいよ?て言うか何で学生時代の勉強時間知ってるの?」
席の近い宮村麗子が口を挟んだ。
斎藤明
「宮村先生知らなかった?この二人この学校のOBだよ。中2で同じクラスだった。」
宮村麗子
「マジ?」
- Re: レールの敷き方 ( No.22 )
- 日時: 2018/05/05 09:30
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
内村陽太
「マジです。」
坂下真理亜
「ただし仲はすごい悪かったですけど。わたしも内村先生もお互い面と向かって大嫌いって言ってましたから。」
内村陽太
「ああ。それ言っちゃいます?」
宮村麗子
「何それどう言う状況?」
坂下真理亜
「別にいいじゃないですか。何年も前のことだし。まあ今もそんな仲良くありませんけど。」
内村陽太
「ええ。なんかすごいショック何ですけど。」
PM9時30分
内村陽太
「いない。」
最近うちのマンションの近くにいた野良猫居なくなったな。飼い主見つかったのか。それとも拾われたのか。
清水音羽
「あれ、内村先生じゃないですか。」
内村陽太
「ああ、清水・・こんな時間にどうした?」
清水音羽
「ちょっと近くのコンビニに買い足し行ってました。で、誰がいないんですか?」
そういやよく見たらレジ袋持ってた。
内村陽太
「野良猫がうろついてたんだよ。何週間も前から。」
清水音羽
「もしかして子猫ですか?1部の毛が茶色のそれなら私預かってました。」
内村陽太
「そうなんだ。俺も飼いたいなって思ってたんだけど猫アレルギーだから現れたら餌置いてダッシュで逃げてたんだ。」
清水音羽
「猫アレルギーなのにそこまでするとか優しくないですか?あのネコ可愛いですけど。」
内村陽太
「・・・あの猫さ、たまに傷出来てる時あるんだよ。」
清水音羽
「たしかに。ありました。今はだいぶ治りましたけど。」
内村陽太
「なら良かった。」
清水音羽
「・・・・」
犯人絶対に許さない。
{次の日}
内村陽太
「俺の悲しい話聞いてくれる?」
大石大地
「聞きたいです!」
国語の授業
久しぶりに面白い雑談が聞けそうだった。
内村陽太
「昨日さ、コンビニで一リットル入ってる牛乳を買おうとしたのね。そしたらレジでストローつけますか?って聞かれたの。めっちゃショックだよ。牛乳一リットルをストローで飲むやばい奴に見られたって事だよ。」
「新人店員だったとか。」
「だとしても頭おかしいでしょ。まず届かないじゃん。」
内村陽太
「本当やめてくれ。そんなに飲むのは坂下先生くらいだよ。」
大石大地
「やべえな!自販機の飲み物感覚で?!」
内村陽太
「中学のころ身長伸ばしたくてめっちゃ飲んでたらしい。でも後から牛乳で身長は伸びないって分かって絶望」
大石大地
「しっかりした人だと思ってたのに。そんな時代があったんだ。でも身長内村先生より少し高いですよね。いや、内村先生が小さいのか。それでも決して低くは、」
内村陽太
「うるせえ!あともう1つあったわ!春休みに駅前のマックで教員分36個のハンバーガー注文してここで召し上がりますか?って聞かれたからね。俺そんなに食うように見られてるかって。」
大石大地
「新人でもヤバイわ。」
内村陽太
「もうやばいから。・・・思ったけどこのクラスあれだね。反応薄いね。他のクラスめっちゃ笑ってたのに。」
だいたい分かる。
笑い声聞こえたら隣のクラス国語やってるなって。2年生の頃からよく雑談聞いてたけどこの先生はどんだけ身の周りで面白い事が起きてるんだ。それでけっこう笑わされた。
今は笑ってる人もいれば無表情の人もいる。
内村陽太
「さ、授業始めようか。なんかつまらなすぎて他の教科の勉強してる人いるし。仕舞おうか清水」
清水音羽
「・・・・」
やばい。全然分からない。
難しいって平方根
因数分解がかわいく思えてきたよ。
一晩勉強しても分からなかった。
今日塾なのに。
清水音羽
「もう雑談終わりですか。」
大石大地
「無表情で数学解いてたのに何残念みたいな顔してるの。」
PM5時50分
清水音羽
「それじゃあ行ってくるね。」
わたしはいつものようにそう言い聞かせ塾へ向かった。
- Re: レールの敷き方 ( No.23 )
- 日時: 2018/05/05 09:32
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
清水音羽
「暑い・・」
南沢胡桃
「午前中まですごかったのにね。」
4月の終わり頃
黒く厚い生地のセーラー服が鬱陶しくなるほど気温が上がってきた。今日は朝からどしゃ降りの雨が降り気温も低かったのにお昼頃から雨が止み暑くなってきた。
清水音羽
「早く夏服に着替えたい。この制服本当に暑いんだよ。黒いから日光の光寄せ付けて余計暑くなるし。」
南沢胡桃
「でも可愛いじゃん。」
お互い学校帰りで制服を来たままだった。
胡桃の着ている制服はいかにもお嬢様進学校と言う感じの制服だった。
清水音羽
「修学旅行の時もっと暑いんだよな。京都なんだけどさ。」
南沢胡桃
「京都行ったこと無いんだよ。いいな。」
清水音羽
「そっちは?どこ行くの?て言うか修学旅行ある?」
南沢胡桃
「ないけど夏休みにフランスの貸し切りのホテルで強化合宿ならあるよ。受験のね。小・中・高の中で外部受験する人が行く。先輩のスケジュール見たけど拷問だよ。朝の4時に起床して夜の12時に就寝だよ。あんたら私たちを殺す気かよって。」
清水音羽
「真似できたもんじゃないよ。」
南沢胡桃
「本当ね。それで何か分からないとこあった?」
清水音羽
「数学が全然分からない。あと理科も作図辺りから分からないな。」
南沢胡桃
「どれ?」
PM6時25分
「んな事で時間取らせてんじゃねえよ!」
こんな時間にいるはずもない生徒の大声が廊下中に鳴り響いた。
坂下真理亜
「・・・・」
なに?
気になって声のする方に行くと自分のクラスだった。そこにいたのは
鈴木唯緒
「散々なんだよね。どうしてくれんの?そもそもお前らが俺を煽ったんだろ!」
清野拓真
「まさかあんな大事になるとは思ってなかったから。」
鈴木唯緒
「なに?俺が短気だとでも言いたいの?くっだら無い噂流しやがって!何が俺の好きな奴は進藤若菜だ!」
普通に笑うわ。
もっとすごい事だと思ったのによくあるからかいで。大事でも困るけど。
清野拓真
「本当に悪かったって。それに親に頼み込んだら許すって言ってくれたし。」
鈴木唯緒
「んなことはどうでもいいんだよ慣れてるから!」
清野拓真
「えっ・・」
こいつ何度もあの親に暴力振るわれてたの?
こいつはあまり評判良くはない。
今回のこと以外でも・・いや、今回の事なんか可愛いくらいに思えることを2年の時にやらかしてるし。
殴られたやつの名前は知ってるけど鈴木とそいつの間で何が起こってたのかは分からない。
鈴木唯緒
「だから次下らないことで時間取らせたら2年の頃のあいつみたいにしてやるから。」
最後に脅して教室から出た。
鈴木唯緒
「あ、先生いたんですか。さよなら。」
坂下真理亜
「待ちなさい。」
鈴木唯緒
「なんすか・・」
坂下真理亜
「あんま家庭の事情に首を突っ込むつもりは無いけど。さっきのお前もあいつのようにしてやるって。その事で学年室に呼び出されたのにまだ懲りないみたいね?先生があまかったのかしら。次は誰がいい?斎藤先生?なんなら・・」
鈴木唯緒
「ただの脅しだろ!なに本気になっちゃってんですか。」
そう言って走ってこの場を去った。
清野拓真
「先生・・」
坂下真理亜
「なに?」
PM6時45分
南沢胡桃
「それじゃあこれから用事あるから。」
清水音羽
「うん!ありがとう。勉強教えてくれて。」
南沢胡桃
「うん。あとさ、この猫の飼い主見つかったんだ。この猫けっこう活発でさ、玄関開けた拍子に逃げ出しちゃったらしいの。」
清水音羽
「本当に?!で、誰なの?」
南沢胡桃
「・・・・この時間にここに来るように言ってあるから。下行けばいる。」
清水音羽
「そっか。寂しいな。でも飼い主のところに帰りたいよね。・・・よし、引き渡して来るか。」
寂しそうな表情で頭を撫でたあと抱き上げて部屋を出た。
南沢胡桃
「それじゃあおやすみ。頑張りすぎて体調壊さないでよ?」
清水音羽
「うん。ありがとう。胡桃」
そう返してエレベーターのドアが閉まり1番下の階へと向かった。
エレベーターから降りてマンションを出ると
清水音羽
「え?・・・」
東海林美月姫
「さ、とっとと返して。南沢から話聞いてるでしょ。」
清水音羽
「なんでみづっ・・貴方が、・・」
拾ったとき傷だらけだった。
飼い主ってことはこの人が・・・
東海林美月姫
「ガタガタうるせえな!」
清水音羽
「ひっ・・」
急に怒鳴り制服の襟元の部分を掴んで引っ張った。
清水音羽
「痛い・・」
連れてこられたのは人気の無い所だった。
夜だから余計に怖い。
東海林美月姫
「まあ嘘なんだけどさ。」
清水音羽
「はあ?」
なにがしたいの?
清水音羽
「ちょっと!」
彼女はわたしから子猫を奪い取りあろう事か子猫を地面に叩きつけるように投げた。
清水音羽
「何してんの?!」
慌ててしゃがんで子猫を見るともう動いてなかった。
東海林美月姫
「・・・」
清水音羽
「ひいっ!・・」
美月姫はカッターを取り出しその子猫に何度も刺した。音羽は怖くて目を閉じていた。
東海林美月姫
「おい・・・」
呼ばれてしばらくして目を開けた瞬間
清水音羽
「キャッ!」
子猫の死骸を音羽に投げつけた。
音羽はただ黙っていた。
東海林美月姫
「ざまあみろ。これは仕返しよ。あんたが私から大事なものを奪おうとした仕返し。未遂だけど許さないから。まあいいわよね。こんな小さいの死んだって。」
笑ってそう言いこの場から去った。
清水音羽
「・・・・・」
{マンション}
内村陽太
「よっ!」
清水音羽
「・・・」
エレベーターの前で会い話しかけると音羽は何も反応せずにエレベーターのボタンを押した。
内村陽太
「・・・すまん。」
機嫌悪いのかな。
内村陽太
「・・・・清水・・あの猫元気?」
清水音羽
「死にました。もともと弱ってましたし。」
落ち込んでたのか。
そりゃそうだわな。
それとさっきから強烈な腐乱臭がする。
血の匂い?このエレベーター2人しか乗ってないのに。 よく見ると清水の制服の肩の部分が赤くなってる。横顔も赤いのついてる。
内村陽太
「・・・・」