ダーク・ファンタジー小説
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- レールの敷き方
- 日時: 2018/05/05 08:54
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
産まれてから中学2年生まで
大半の人が敷かれたレールの上を歩いてきたんじゃないだろうか。それが中学三年生になると自分で「進路」というものを決めてそれに向かって努力をする必要がある。中には適当に行ける高校を決めるだけの人もいるかもしれない。受験をしたことの無い自分にとってはとても不安なことだらけだ。
私たちはどうやってレールを作っていこう。
- Re: レールの敷き方 ( No.14 )
- 日時: 2018/05/05 09:14
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
清水音羽
「は?!」
二時間目の体育館でそんな声を上げた。
周りの人が「なんだあいつ」みたいな顔をしてこちらを見たのでわたしは逃げるように体育館を出た。
その日は身体測定だった。
視力、体重、聴力、身長の順番で測った。
何度見ても結果は同じだった。
「身長伸びた?!」
「2センチ伸びた!いえーい!」
やめてくれ。
身体測定が終わり制服に着替えようと更衣室に行くと身長の話題ばかり。たしかに1番気になることだけどそれを聞く度わたしのメンタルはズタボロにされる。
とっとと着替えて教室に行き
「お前何センチ伸びた?!」
大石大地
「7センチだから!すごくない?!」
嬉しそうに自慢するクラスメート
大石大地
「お前何センチ伸びた?」
清水音羽
「喧嘩売ってんの?」
思わず低めの声で返した。
大石大地
「すんません・・」
ごめんなさい。
身長が0.7センチしか伸びませんでした。
なのに体重は増えました。
ごめんなさい。
昨日寝ずに予習終わらせるつもりだったのに気づいたら床で寝転がってました。
そして今ものすごく体がだるいのです。
もっと頑張らなければいけないのに
何もしたくありません。
(音羽の部屋)
現在3時ちょうど
3時半から勉強しよう。
昨日ろくに寝てないから疲れてしまった。
早く勉強したいのに
身体が言うことを聞きません。
なんて意地悪なんでしょう。
とてもだるい。
こんなことになるくらいなら日曜サボるんじゃなかった。
(浜ヶ丘ゼミナール)
頭のいい人と同じ席になると格差を感じます。
必修テキストに加え発展問題などといかにも難しそうなワークを解いてます。
それに加え当然ページもわたしより進んでる。
あの人たちはいつ寝てるんだろう。
ああ言う人達と受験戦争をするとなると不安で不安で仕方が無い。
それにしても・・
この問題どうやって解くのでしょう。
英語ばかりで数学をろくにやってなかった。
ただでさえ色々なパターンで出題される証明問題
因数分解やX=○○の時の値は?的な問題は苦労したけど何とか解けた。
今考えれば馬鹿みたいに簡単だった。
でも証明は本当に難しいの。
2年の頃の証明問題も△ABCと△DEFにおいてしか書けなかったし。
もう訳分からん。
入試問題ってこれより難しいんだよね。
清水音羽
「先生ここ分かりませっ」
〜キーンコーンカーンコーン〜
なにそのタイミング
「え?なんか言った?」
清水音羽
「いいえ。」
しょうがない。
奥の手使って解けるようにしよう。
数学の時間が終わり次は英語
席から立ち上がり次の席を確認するために移動した。
・・あれ、
なんか・・ヤバい。
「え?!」
「ちょっとあなた大丈夫?!」
その場で転んだ。
大石大地
「何も無いところでコケるか普通」
大地が引いたような表情で言ったので「うるさい。うるさい」といつものテンションで返して立ち上がり授業を受けた。
PM8時20分{職員室}
宮村麗子
「お先失礼しますって言ってもあんたらしか居なかったわ。程々にね。」
夜の職員室
その日はいつもより教員たちが帰るのが早かった。
内村陽太
「お疲れ様です。」
陽太がパソコンのキーボードをカタカタと押して言うと麗子は職員室から出た。
坂下真理亜
「私も帰ります。」
やっと仕事を終えた真理亜が席から立ち上がりそう言った。
内村陽太
「俺も仕事終わったんで。」
坂下真理亜
「・・・・」
- Re: レールの敷き方 ( No.15 )
- 日時: 2018/05/05 09:16
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
清水音羽
「英語のコピーノートと国語のプリント?」
大澤花凛
「国語は明日まで。」
一昨日は貧血で帰りの電車で吐きそうになり昨日は休んだ。
昨日出された課題をホームルーム前にさっさと終わらせるところから1日が始まった。
1時間目は数学
その日は初めてだったので授業開きで授業や評価の説明や先生の自己紹介など
そしてすごく大事なことを話された。
松本裕二
「内申重視のところが葉山高校とか石原高校で試験と内申どっちも同じのところが浜ヶ丘とか。で、内申3試験5が横野高校とか桜美高校で試験重視が清蘭とか。詳しいことは7月に冊子渡すから。」
わたしの今のところの第1希望はこの学校のすぐそこ。多分普通の人が全力で走って一分も掛からない。偏差値は63と高く文武両道で校舎が綺麗で校則も緩い。ただたまに聴こえる吹奏楽部かなんかの楽器の音が超うるさい。その高校の入学式の時はかなりヤバかった。
大石大地
「お前どこだっけ?」
大澤花凛
「今のところ桜美」
今のところは浜ヶ丘だけど最近迷い始めた。
桜美高校はここから電車で30分
校則がかなり自由で行事がかなり楽しいらしい。
偏差値は59でそこそこ高い。
それに電車通学って憧れるし。
今は疲れた時は電車使ってるけど歩いて帰れる距離だし。それに30分なら起きるのそんなに苦じゃない。
そして浜ヶ丘より内申重視じゃない。
まあ頑張らなければいけないことには変わりないけど。揺らいでんだよね最近
松本裕二
「みんな私立と公立の違いわかるよね?」
大石大地
「私立は金がくっそ掛かる。」
それを即座に思いついた。
私立高校の口コミの下辺りにある学費とか見たけどエグすぎる。
大地がそう言うと松本は苦笑いしクラスメートは「お前金のことしか頭にねえな。」的なことを言っていた。実際そうだろうよ。大半の人が言われてるだろうよ。「私立には行くな」って。
大澤花凛
「私立は個人とか団体が運営してる所で公立は県とか市が運営してるところですよね多分」
松本裕二
「はい!正解!あと私立は内申重視でそれに満たないと受けることも出来ない。どこまでがOKか説明会とかで聞くといいよ。たまに資料とかで満足してる人いるけど。あと文化祭に行けばいいってもんじゃないから。」
ちなみに落ちる気ないけど滑り止めは「十六夜学園」
偏差値は特進科50普通科41と低めで校則はやや厳しめらしい。ただ制服が可愛くて行事が盛ん。内村先生の母校
{放課後}
ホームルームが終わりとっとと家に帰り疲れたので20分くらいスマホを見て勉強を始めた。昨日ずっと寝てたからけっこう大変だ。まあその分体力がついたけど。
勉強している時のBGMってけっこう重要だと思う。
わたしは音楽聴きながらじゃないと長時間もたないからけっこう気を使ってる。
何度も聴いてると飽きてくる。
わたしは東方聴きすぎて飽きた。だから今はニコニコ組曲かJPOPを聞いてる。ニコニコ組曲はなんかやる気出てくるしJPOPは自己満の恋愛曲が多くて滅多に聞かないけどたまに聴きたくなる。
清水音羽
「・・・・」
気づいたら勉強始めて2時間経って7時
その時間は休憩ついでに明日のお弁当と夕食を作る。そして8時に勉強開始して終わるのは11時半
まあ一つ一つが遅いから長いだけなんだけど。本当は夜10時に寝て朝4時に起きての生活したいけど普通に無理だし。そもそもわたしは夜型だった。
無理矢理朝型にする必要なんか・・。だいたいご飯や風呂を1時間で済ませられない。どう考えても鬼畜すぎる。身体が先にやられる。
けっこう長くやったつもりなのにあまり進まない。余裕で解けると思ってた問題間違えるとめちゃくちゃイラッとする。しかも下らないミスで。
なんかいつも計画通り進まないんだよな。
やっぱり集中力無いのかな。
- Re: レールの敷き方 ( No.16 )
- 日時: 2018/05/05 09:17
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
光森恋来
「今日も部活無し?」
南沢胡桃
「そうみたい。帰ろ」
授業が終わり教室で話していた。
南沢胡桃
「そう言えば転入生来たの知ってた?特進クラスに。」
光森恋菜
「この時期に?!いや、特進クラス?!」
胡桃たちが通う私立星華女子学園は小・中・高の最高学年にはA組より1つ上の「特進クラス」というのがある。滅多に行けるところではない。
その人達はその学年でやる単元は早めに終わらせて受験勉強に専念する。
南沢胡桃
「卓球部で頭は言うまでもなく良いじゃん。スポーツとかけっこうヤバいらしいよ。今日体力テストあったじゃん?100メートル走13秒だからね。ちなみにわたしの友達で50メートル13の人いる。」
光森恋菜
「それは別の意味でやばい。同じ年なら尚更ね。どこの漫画のパーフェクトヒューマンだよ。」
南沢胡桃
「あ!いた!おーい!」
教室で盛り上がって話してると教室前廊下を通った一人の生徒
「・・・・?」
光森恋菜
「話したことあったの?」
南沢胡桃
「初対面だよ。」
光森恋菜
「えっ!」
胡桃が手を振ると彼女はこちらを振り向き
「何か用ですか。」
南沢胡桃
「そこに居たから話しかけた。特進クラスの東海林さんでしょ?さっきから部活のポスター見てたけど良かったら演劇部入らない?めちゃくちゃ自由だよ。」
東海林美月姫とうかいりんみづき
「お断りします。興味無いので。あと初対面でタメとかドン引きです。」
胡桃の目を見てキツく言い放ってこの場を去った。
南沢胡桃
「ありゃりゃ。断られちゃった!」
東海林美月姫
「当たり前だ。わたしでも引くよ。」
東海林美月姫
「なんなの馴れ馴れしい。」
階段を降りながらそっと口に出した。
彼女の名前は東海林美月姫
3年生からこの学校に転入してきた。
スポーツ万能で成績優秀
外見の特徴として身長は高めで濃い目の茶髪を高くポニーテールしても腰に届く長い髪が特徴的
無愛想で友達は1人も作れていない。
PM8時30分
自分の部屋で勉強する時と塾で勉強する時じゃ疲れ具合が全然違う。自分の部屋は音楽聴きながら自分のペースで勉強出来るからいい。さあ明日は休みだし宿題終わらせてちょっと勉強しようかな。
いつものようにマンションに向かう途中
わたしと逆方向から歩いてくる人がいた。
清水音羽
「えっ、」
今のって・・
- Re: レールの敷き方 ( No.17 )
- 日時: 2018/05/05 09:19
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
また会う事になるなんて。
もう二度と会う事は無いと思ってたのに。
南沢胡桃
「東海林さんおはようー!」
東海林美月姫
「・・・・いま夕方だし。」
放課後すれ違い胡桃が挨拶をすると冷たく言い放ち通り過ぎて行った。
光森恋来
「あんた何やってんの?」
隣にいた恋来が胡桃に突っ込む。
南沢胡桃
「だってこんちには。とかこんばんわ。も何かあれだし。」
光森恋来
「常識だわ!」
PM3時10分
その日は授業参観だったので早めに帰ることが出来た。その日は歩いてマンションまで向かった。
清水音羽
「うそっ・・」
東海林美月姫
「金曜もそうだったけど久しぶりに会ってその反応?」
マンションの前まで行くとバッタリすれ違った。
清水音羽
「はっ・・えっと、」
テンパリ過ぎて何を言えばいいのか分からない。
東海林美月姫
「おどおどしてんじゃねえよ!」
彼女がわたしに対して大声で怒鳴った。
清水音羽
「べつに、おどおどなんて。」
してるのかな。
東海林美月姫
「弱虫は相変わらずかよ。」
そう言ってその場から去った。
清水音羽
「ああ。やだ。」
彼女が去ってしばらくすると
清水音羽
「え?」
足元に変な感触がする。
柔らかいような。フサフサな。
気になって下を見ると白と濃い目の茶色のフサフサな毛をした子猫がいた。ちょっと汚れてる。
清水音羽
「野良猫かな。」
なんか立ってるのも辛そうな感じだな。
今にも消えそうな小さな声で「ニャーニャー」と鳴いていた。
清水音羽
「・・・・」
わたしはその猫を抱き上げて連れて帰った。
このマンションはペット禁止じゃ無かったから助かった。まあペット禁止だとしても死にかけたような子猫を放っておくような人間では無いとは思うけど。
とりあえず自分の部屋のクッションに寝かせて水を入れた器と都合よく買ってあったツナ缶を持ってきた。
すると子猫はすごい勢いでありついた。
よほどお腹が減ってたのか。
にしてもこんな子猫を捨てるような冷血漢いるんだな。捨てるなら飼うなっての。わたしは子猫の頭をそっと撫でた。
清水音羽
「さてと、わたしは勉強しますか。」
わたしが真面目に勉強するようになったのは2年生の三月頃のこと。志望校を「浜ヶ丘高等学校」に決めた時
その高校は偏差値63で市内の難関校に入るレベルの高校
倍率は比較的高い。
自由な校風が特徴的
なぜ私のようなテストで必ず一つは赤点
50点以上行けばいい方のバカがその高校を目指すようになったか。
特別な理由は無い。
ただこれ以上劣りたく無かったから。
たったそれだけ。
わたしはネットサーフィンは好きでもう生活の1部のようなもの。その中でYouTubeはよく見る。
そしてDQNの動画なんかを見ることがある。
底辺連中の事だ。だいたいそういう奴らは当たり前だが「バカ」だ。
毎回毎回バカみたいに炎上する。
中学校生活をどうするかによってどちら側の人間になるか決まると思う。もちろんいい高校に行ってもその後失敗して落ちていく人もたくさんいる。そして底辺から逆転する人はいるがそれはほんのひと握り。落ちていく人の方が多い。
むかし某受験生ドラマで学校で最下位だった人が有名大学に合格するってドラマあったけどあれはその人の先生が優秀でその人も今まで勉強しないで本気で勉強したら頭が良かったから。
しかもドラマだから大袈裟に作ってるし。
偏差値63はけっこう高い。
だから自分の力で何とか頑張って入りたい。
あの高校に合格したい。
- Re: レールの敷き方 ( No.18 )
- 日時: 2018/05/05 09:24
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
斎藤明
「あんた達それセクハラ!」
内村陽太
「そこ痛いって!」
昼休みの事だった。
廊下を歩いているとこの学年の教師の中でダントツで好かれているであろう内村先生が複数の女子生徒にくっつかれている。
清水音羽
「うわっ・・・」
よくもまあ堂々とセクハラ紛いなことが出来るな。いや、完璧にセクハラだ。
大石大地
「あいつらヤベえな。」
教室の近くにいた大地が引き気味の目をして言った。
清水音羽
「扱いがペットじゃん。」
「テメェふざけんな!」
「ああ?!やんのか?!掛かってこいよ!クソッタレが!」
女子に囲まれてる内村先生を見て話してると教室から荒々しい大きな声が聞こえた。いつものじゃれ合いの声だと放っていると。
「暴力反対!」
「坂下先生に言うから!」
「斎藤先生の方が効果的だ!」
「ふざけんじゃねえよ!」
その時ものすごい音が聞こえた。
「そうやってさ!椅子投げていいと思ってんの?!」
「うっせえ!テメエが先に手出したんだろ!正当防衛だ!」
教室を振り返ってみると思っていた以上に酷い状態だった。クラスの中の一人の男子が倒れていてその上に椅子がある。さっき会話で聞こえた投げられた椅子だ。
斎藤明
「何事?!」
内村陽太
「お前ら何やってんだ!」
それに気づいた内村先生が教室に駆け込み
椅子を投げられた生徒の側に駆け寄った。
「何すんだよ!コラ!」
椅子を投げられた生徒は起き上がり投げた生徒に襲いかかった。
内村陽太
「やめろ!」
内村先生がその生徒を必死で押さえつけた。
「離せ!マジで許さねえ!」
前言撤回
このクラスは平和では無さそうだ。
大石大地
「荒れすぎだろ。」
昼休み後
坂下真理亜
「この時間は自習です。英語のコピーノート進めたりやらなきゃいけない課題などをしておいて下さい。」
その後の5時間目は修学旅行の班決めだったがさっきの件で自習になった。喧嘩に関わっていた人が1人ずつ学年室に呼び出される。
「さっきのどうしたの?」
「なんかちょっかい出したっぽいよ。」
「どんなちょっかい掛けたら椅子投げるの。」
前の席の女子二人が話していると
「複数で煽って煽り返してを繰り返したらキレてああなった。」
近くの席の男子が軽く説明した。
「椅子投げたのって鈴木でしょ?」
「あいつ確か2年の冬に3組に転入して来たよね?」
周りの人が喋ってるのを聞き流して英語のノートと教科書を開いた。
「元3組の中で鈴木が3組の中の誰かに暴力振ったとか噂が流れてたらしい。」
大石大地
「コピーノートどこまで進んだ?」
清水音羽
「Unitの1ー3の単語」
大石大地
「早くない?」
席の近い大地に聞かれた。
コピーノートとは英語のノートに教科書の本文を写しそのページの単語を調べて書き込むこと。それをノートの左側に書き右側は授業で使う。
「それ知ってる。殴られた人の名前は言えないって言ってたけど。」
「クソ野郎じゃん。騙されたわ。」
「ジャイアンかよ。」
進藤和香菜しんどうわかな
「喋んのやめなよ。」
彼女はこのクラスの学級委員
2年の時のクラスは違う。
リーダー的な存在
教室のドアが開く音が聞こえた。
「噂をすれば・・」
「しっ!」
鈴木唯緒すずきいお
「次お前らだってさ。そこ2人」
「おう。」
「なんで俺?」
「とりあえず行こうぜ。」
さっき話していた鈴木唯緒
2年の頃同じクラスだった。
身長が高くスポーツ万能で頭も悪く無いが
危なっかしいって言うのは本当のこと。
あまり近寄りたくはない。さっきの会話の彼に関しての噂に嘘偽りは無い。
「あれもう終わり?」
3分くらいで呼び出された二人が帰ってきた。
「うん。安心したわ。」
そして担任の先生も戻って来た。
坂下真理亜
「机の上の物をしまって。今から大急ぎで班決めをします。」
(放課後)
南沢胡桃
「超かわいい!」
清水音羽
「でしょ!」
その日は二人の予定があったので胡桃の部屋にいた。散歩しているところで遭遇した。
清水音羽
「でもちょっと弱ってるんだ。病気かな。」
この子猫は歩くことは出来ない。
怪我してるところの手当はしておいたけど。
南沢胡桃
「いけない!今日は塾だった!」
清水音羽
「行ってたんだ。どこの塾?」
南沢胡桃
「浜ヶ丘ゼミナールってところ。水曜日と月曜日なの。」
清水音羽
「同じじゃん!なんで今まで会わなかったんだろ。」
南沢胡桃
「曜日が違うからね。それに入ったの春休みからだし。」
PM6時30分{職員室}
坂下真理亜
「本当下らない。なんであんな下らない喧嘩で時間潰れるかな。」
職員室の席でイライラしながら書類をまとめていた。
内村陽太
「でもちゃんと決まったんですよね?俺のクラスけっこうギリギリでしたよ。」
坂下真理亜
「あなたと一緒にしないで下さい。」
内村陽太
「OK死のう」
坂下真理亜
「・・・・」
内村陽太
「突っ込んでよ。・・」
真理亜が覚めた表情で黙ったままでいるとこの世の終わりのような顔をして言った。
坂下真理亜
「ちょっと教室の窓閉め忘れたの思い出したので。」
陽太を無視して職員室から出た。
斎藤明
「2組はリーダー的な子がしっかりしてたり穏やかな子が多い代わりにやかましい奴らはとことんやかましいからね。」
内村陽太
「みたいですね。雑談の反応は薄いくせに。」
{次の日}
大澤花凜
「明らかに食べ物多いでしょ。」
速水優衣
「寺なんて適当でいいの!」
清水音羽
「使っていいお金が1万円って少なすぎ。パスモに二万くらい入れとこっかな。」
大石大地
「何でそういう所だけ頭いいの?」
清野拓真きよのたくま
「さりげなく普段はバカって言ったな。」
大石大地
「どストレートに言ったけど。」
5時間授業が終わり6時間目の総合では修学旅行でまわる所を雑誌などを見て決めていた。
清水音羽
「八つ橋ってどんな味?食べたことないんだけど。餅みたいな?」
大澤花凜
「めっちゃ美味しい。」
大澤花凜
「てか残り早く決めないと。あと五分しかない。」