ダーク・ファンタジー小説
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- レールの敷き方
- 日時: 2018/05/05 08:54
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
産まれてから中学2年生まで
大半の人が敷かれたレールの上を歩いてきたんじゃないだろうか。それが中学三年生になると自分で「進路」というものを決めてそれに向かって努力をする必要がある。中には適当に行ける高校を決めるだけの人もいるかもしれない。受験をしたことの無い自分にとってはとても不安なことだらけだ。
私たちはどうやってレールを作っていこう。
- Re: レールの敷き方 ( No.4 )
- 日時: 2018/05/05 09:00
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
清水音羽
「QRコード撮って。よし!追加できた!」
神代陽菜乃
「やったー!これでいつでも連絡取れる!今日の夜通話しよ?!」
お昼くらいのこと。
二人は音羽の部屋の絨毯の上に座りLINEを交換していた。
神代陽菜乃
「いつも思ってたけど音羽ちゃんの部屋ってかわいいよね。いいなー」
陽菜乃が辺りを見回して羨ましそうな顔で言うと
清水音羽
「そうかな?」
少し首を傾げた。
音羽の部屋は玄関からすぐの部屋で
六畳くらい。
白い壁に音羽の好きなキャラのイラストが1枚飾られている。
カーペットは白くてモコモコ
汚さないようにめっちゃ気を使う。
ベッドはシングルで布団と枕の柄がお揃いの花柄
すぐそこに制服が掛けてありそのすぐそこに私服の入ったタンスがある。
清水音羽
「もう40分じゃん。そろそろ出ないと。」
音羽が時計を見てそう言う
神代陽菜乃
「じゃあ春期講習終わったらメッセージ送って!」
清水音羽
「うん。」
音羽が荷物を持ち
二人とも立ち上がり部屋から出た。
清水音羽
「次の電車何時だったっけな。」
エレベーターから降りてとりあえず近くの駅まで走る。
清水音羽
外見の特徴として同級生より背が低い。
肩につくツヤツヤな黒髪を下ろしている。
まつ毛が長い。似ているキャラとして某クズ代表の男が出ているアニメのとあるキャラに似ている。意識してないと言ったら嘘になる。
外見以外の特徴として体力がない。普通に可愛らしい外見だがちょっと短気で「ほざく」だの「クソ」だの「殺す」だの「死ね」だの言葉遣いが悪い。勉強もすごい苦手
清水音羽
「どうかあのクソ講師には当たりませんように。」
PM1時10分
清水音羽
「ゲッ!・・」
塾で指定された席に座り英単語帳を見ていると嫌いな講師がやってきた。
音羽の通う塾は同じ学校の人が多い。
生徒4人たまに3人で講師1人
各教科のワークを解き分からなかったら講師に聞く。
「え?なに?その嫌そうな顔」
清水音羽
「そんな顔をしてません。」
講師が嫌味な顔をして聞いてきたので英単語帳を見ながら潮対応で返す。
永瀬陽ながせはる
「失礼なやつだな。面接落ちるぞ。勉強出来ないんだから愛想くらい良くしろよ。」
大きなお世話何だけど。
アルバイトの大学生の分際で
音羽が嫌いな永瀬陽
アルバイトの大学生
外見の特徴として身長が高くスマートで成績の良い一部の人には愛想が良く評判は悪くないがわたしのような下等生物には嫌味ばかり言う。とっとと辞めちまえばいいのに。
わたしがこの野郎が嫌いな理由として差別が主だがいつだったか塾に入りたての頃のテスト期間中
自習室で遅くまで勉強してた時のこと。生徒全員が帰った時すぐ近くが学校で言う職員室的な部屋なんだけどそこから永瀬が生徒の悪口をボロクソ言っていたのを聞いてクソ野郎だと思った。
永瀬陽
「はあ?なんでこれ合ってるのにそこ間違うの?公式理解してる?!ちょっと矢印書いてみ!」
三年生の単元
多項式の除法の式の展開の最中だった。
えっと、1つ目の( )のaが2つ目の最初の文字に・・
えっと、どうしたっけ。
永瀬陽
「バカ?!分かんなかったら例題見ろよ!どこに目向けてんだ?!」
あっ、やり方書いてあった。
清水音羽
「・・・・」
永瀬陽が大きなため息を吐く。
言われた通りに解くとわたしが個人的に嫌いな1枚の紙に目がいった。
どんな目的で書いてるか分からない。
その紙って言うのが生徒の出来具合を記録するもの。アルファベット順に評価していてAが一番いい。その下に出来具合を書くがだいたい悪いところしか書かれなかった。「自分で考えることが出来ない。」「ミスが多い。」「1問1問解くペースが遅い。」マジでこれどうする気だ。三者面談で見せるのか。地獄じゃねえか。
なんて文句ばっかり垂れていた。
心の中で。
永瀬陽
「それじゃ宿題決めるよ。とりあえずお前間違えたところをミスなく解けるようにしろ。絶対に。」
塾での勉強合計時間90分
鬼畜だと思ってたけど全然疲れなかった。前まで30分机に向かうだけで死にたくなったのに。
PM3時30分
清水音羽
「重い。」
全教科の入試問題
テスト対策用の「英語長文理解」「古文漢文」「国語読解」合計10000円
その他新学期に向けて新しいノート
塾・学校での予習・復習ノート
大石大地
「えグッ・・」
清水音羽
「ビックリした。大地か。」
隣から知ってる人によく似た声が聞こえた。
清水音羽
「大地もそう言うの買ってきたんじゃないの?」
大石大地
「いいや小説の続きを買おうとしたらお前に会った。どういう風の吹き回しだよ。勉強に目覚めたか。」
清水音羽
「そんなやってないよ。」
大石大地
「大体どれくらい?」
清水音羽
「短くて3時間長くて9時間」
大石大地
「普通に長いだろ!」
清水音羽
「目標16時間だから。」
大石大地
「キチガイじゃん。死ぬ。」
清水音羽
「もっとキモイやつ18時間やってるから。受験に受かって過労死したけど。」
大石大地
「ただの馬鹿じゃん!」
大石大地
前にも説明したが音羽と同じクラス同じ部活
外見の特徴として音羽と同様背が低く童顔
日に当たると茶色くなる髪
清水音羽
「それじゃ互いに死ななっ」
大石大地
「そのネタもう飽きた。」
清水音羽
「バイなら・・」
- Re: レールの敷き方 ( No.5 )
- 日時: 2018/05/05 09:02
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
冴島恵美さえじまめぐみ
「説明会?それって毎年5月くらいにやらなかった?」
自販機で買ったペットボトルに入ってるコーラの蓋を開けた。
加賀美優羽カガミユウ
「今年からこの時期に私たちの進路説明会があるらしい。外部受験する人のみ。」
とある国立大学付属高校でのこと。
二人の女子生徒が階段を降りながら話していた。
冴島恵美
「じゃあ関係無いわ。」
そう言ってコーラをいき飲みした。
冴島恵美は音羽と同居している高校生
外見の特徴として薄めの胸元にギリギリ付くか付かないかくらいの少なめの茶髪と潤んだ瞳が特徴的
加賀美優羽
「恵美なら慶応くらい行けるんじゃない?」
冴島恵美
「私立じゃん。そんなバカ高い学費払えない。」
加賀美優羽
「じゃあ東大とか?」
冴島恵美
「今から勉強しても間に合わないわ。」
コーラを全部飲み干してペットボトルをゴミ箱に投げ捨てた。
加賀美優羽
「やばいやつが行くところだね。あとどんだけ喉乾いてたの。」
加賀美優羽
高校1年の時からの友達でよくつるんでる。
外見の特徴として平均より比較的身長が高く腰に届く長い黒髪が特徴
冴島恵美
「無性にコーラが飲みたかった。」
加賀美優羽
「それよりか今年の新入生の話聞いた?」
冴島恵美
「なんかあったの?」
加賀美優羽
「入試が満点だったとか。しかも北条グループの社長の娘」
冴島恵美
「そりゃまた偉いのが来たね。」
加賀美優羽
「そして婚約者がいるとか。」
冴島恵美
「いつの時代よ。15でしょ。」
加賀美優羽
「金持ちは大変だねえ。そう言えばめぐと一緒に住んでる子って今年中3だよね?」
冴島恵美
「うん。ここ受けないけどね。頭悪いし。」
加賀美優羽
「おいおい。」
恵美がサラッと言うと優羽は苦笑いした。
PM12時30分
清水音羽
「新しい先生?」
部活が終わり下校していた時
大澤花凛
「確かに気になるな。」
今年離任した先生の代わりは誰になるんだろう。
新しいクラスや担任の次に気になることだ。
わたしはめっちゃ気になる。
大石大地
「俺としては社会の先生いたじゃん?一年の時のさ。」
大澤花凛
「あいつはいやっ!」
清水音羽
「急にどうした・・」
大地が口を開くと花凛が大声で嫌そうに言った。何があった。
大澤花凛
「西野はごめんだよ。」
大石大地
「それは大丈夫だと思うよ。俺らが2年に上がる時にどっかの学校行ったじゃん。3学年担当してるし戻ってくるってことはありえないでしょ。俺が言ってるのはその前の先生だよ。一年の夏に産休とった人」
大澤花凛
「あの人は大歓迎!めっちゃ好き!」
清水音羽
「花凛が嫌うってどんな先生なの?」
大澤花凛
「ロリコンくそナルシストだよ。一年の二学期に臨時で入っためっちゃ若い男の先生何だけど全然教師っぽくないの。男女差別はするし。自分のこと様呼びだし。かわいい女子にはあまあまだし。彼女もいないくせに見栄張ってクリスマスに二人きりでね。とかなんかほざいてるし。離任式の時はマジで清々したな。あいつが錦⚫圭に似てる?鏡みてからほざきやがれ。似てるのは体型だけだ。」
花凛の口は止まらなかった。
一つ一つの言葉を憎しみを込めて乱暴に吐き出してる。
清水音羽
「やば!逆に会ってみたいわ!」
そんなやばい先生と聞くと逆に気になる。
大石大地
「あれだ。その時に教育実習生が来てたんだ。それが高身長でものすごくかっこいいって言われててさ。それで西野に聞かれたの。あの先生と西野様どっちがかっこいい?って。俺は素直にどっちもカッコよくありません。って言ったら学年末の関心意欲をBにされた。テストの関心意欲の所は全部あってたし提出物ちゃんと出てたのに。」
清水音羽
「今いなくて良かった。それで産休の人は?」
大澤花凛
「一番好きだったな。優しいし面白かったし。授業も楽しかった。」
清水音羽
「すごいいいじゃん!それこそ会ってみたいわ!」
大石大地
「嫌いな人もいるけどね。5月の最後のデイキャンプの説明会でさ。もしぶつかったりしてお腹の赤ちゃんに障害が残ったら君らのせいだって言ったとき。」
大澤花凛
「その時は自分勝手だなって思ってたけどよくよく考えたら気持ち分からなくもない。それに次の日泣いて謝罪してたな。でもそれを除いたらいい先生だから。」
清水音羽
「デイキャンプってなに?」
大澤花凛
「その時いなかったもんね。うちの学校って全学年同じ日に学年ごとに校外学習があるんだ。1年生はデイキャンプでカレー作ったりレクしたりして2年生は横浜行ったりして三年生は修学旅行」
清水音羽
「そっか!そう言えば2年の頃に京都と奈良の建物調べさせられたね。」
大石大地
「時間が経つのが早い。つい一年前は受験?何それ美味しいの状態だったわ。中一の頃まで私立って金さえ払えば行けるとこだと思ってた。」
清水音羽
「つい最近まで入試問題って各学校によって違うと思ってた。」
大石大地
「死にたくなる。まだまだこれからだけど。なんか成績下がったし。」
大澤花凛
「2年生の先生さ。受験に関わるから相当オマケしてるよ。」
清水音羽
「それ思った!なんか前期期末で体育赤点だったんだ。1に近い2だったんだ。学年末は受けてないから死んだと思ったら3になってたんだ。長距離ビリだったのに。男子2000メートルに対して1500メートルしか走ってないのに一番最後だったし。」
大石大地
「その評定は絶対おかしい!」
大澤花凛
「定期テストってわざと簡単に作ってるんだよね。」
清水音羽
「嘘っ!」
大石大地
「言ってたね。まあ今はそんな死にたくなる話は置いといて。美術の先生はワンチャン北原かもしれない。」
大澤花凛
「地獄じゃねえか。」
清水音羽
「誰それ。」
大石大地
「二学期になっていきなり辞めた。あいつも下っ端でロリコン一番嫌われてた先生かも。」
清水音羽
「どんだけロリコン多いの?この学校」
大石大地
「教師なんて全員変態だ。ロリコンだ。」
PM8時30分
清水音羽
「ああもう!イライラするっ!」
シャーペンを乱暴にノートに叩きつけワークを見ていた。
わたしはいま塾でやる数学の予習をしていた。復習は昨日済ませた。余裕だった。
清水音羽
「絶対次までに因数分解にたどり着いてやる!」
わたしはいきなり説明されて「はいやってください」と言われても絶対に無理だ。バカだから。
それでまた永瀬に嫌味言われるなんて絶対に嫌だ。
清水音羽
「この公式使ってつぎは何すればいいの。えっと、」
- Re: レールの敷き方 ( No.6 )
- 日時: 2018/05/05 09:03
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
清水音羽
「分かった!端っこと真ん中を掛けるんだ。なんだ簡単じゃん。」
春休みの午前中
イヤホンを付けて音楽を聴きながらワークとノートを開いてた。音楽を聞いた時間を見てみると3時間ほど勉強していた。
今日はいつもより集中出来た。
ふと思ったけど毎年この時期ほど落ち着かない時って無いな。夏休みや冬休みは終わって欲しくなかったけど春休みは終わってほしいと思うことがある。新しい担任とかクラスメートとか気になるし。
清水音羽
「にしても。」
今日はいつもより暑いな。
窓開けてもいいくらい。
て言うか開けなきゃモワッとしてて死ぬ。
椅子から立ち上がり部屋の窓を全開にした。
PM3時40分
内村陽太
「あっつ・・」
午後というかもうすぐ夕方の職員室
内村陽太はジャケットを脱いでネクタイを緩め第1ボタンを開けたワイシャツ姿でキーボードを打っていた。
斎藤明
「内村先生荷物全部運び終わった?」
内村陽太
「はい。」
斎藤明
「ご苦労さん。そう言えば今日のニュース見た?」
席に座りマグカップを片手に持ちコーヒーを1口含み聞いた。
内村陽太
「何かあったんですか?」
キーボードの手を止めた体を斎藤の方に向けて聞いた。
坂下真理亜
「北海道の田舎村襲撃事件のことでしょうか。」
陽太の隣の席でペンを動かしていた真理亜が口を挟んだ。
内村陽太
「何その物騒な事件!」
斎藤明
「そうそう。一晩で行われたらしいの。夕方くらいに村の放送システムが乗っ取られたの。それで声を変えて午後の8時までに村から逃げるように忠告した。」
内村陽太
「そんな簡単に乗っ取れましたっけ?」
坂下真理亜
「言っちゃ悪いですけど本当に呆れるくらいのド田舎で警備もスッカスカなんですよ。国から放置されてるレベルで。」
内村陽太
「それで。どうなったんですか?」
慎重にゆっくりと言葉を発した。
少し間を置いて。
斎藤明
「死人が1人でた。しかも放送した時の声が知ってるかな?スマホのアプリとかでもあるゆっくりボイスだったんだ。それで犯人が特定出来た。」
内村陽太
「知ってます。でも今の時代スマホ持ってるのって当たり前ですから。」
坂下真理亜
「それがあそこでは普通では無いんです。昔からそこにいる人は買いもしませんから。宅配も圏外ですし。」
斎藤明
「でも放送ではゆっくりボイスが使われていた。パソコンやスマホでしか使えないのに。」
内村陽太
「それって。」
ものすごい胸騒ぎがした。
(次の日)
「けっこう進んだんじゃない?それじゃ宿題はこれまでの復習で。」
清水音羽
「分かりました。」
90分あっという間に経過した。
いつもは自分で考えられずにいたけど今日は1人で解くことが出来た。
塾から帰りスマホを手に取り
清水音羽
「えぐっ!」
画面にとあるニュースアプリの記事が・・
清水音羽
「戦後最大の大事件・・北海道の田舎村襲撃事件・・女児一人死亡・・物騒過ぎでしょ。」
特に詳しく調べずに閉じた。
- Re: レールの敷き方 ( No.7 )
- 日時: 2018/05/05 09:05
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
南沢胡桃みなみさわくるみ
「そう言うのワクワクするよね!うちの学校成績順でクラス分けしてるからさ。」
清水音羽
「軽くいじめじゃん。」
夕方
学校の授業用のノートを買い終えると遭遇した。
彼女の名前は南沢胡桃
同じマンションに住んでいるが学校は違う。
外見の特徴として身長は標準で癖のある肩に届く黒髪くらい。外見で特別な特徴はないが人当たりが良く話しやすい。買い物や塾の行き帰りで遭遇して話すことがある。
南沢胡桃
「まあ最下位のクラスにはならないように気をつけてるかな。」
そう言って微笑んだ。
「おーい!胡桃!」
するとオートロックのドアの向こうから彼女の友達であろう女子が手を振った。胡桃がドアの前に立つとドアが開いた。
南沢胡桃
「どうしたの?」
「いま家に従兄弟がいるから抜け出してきた!で、そこ子知り合い?」
南沢胡桃
「うん!同じマンションの子!音羽って言うの!あっこのこは光森恋来みつもりれなって言うの!同じ学校の友達なんだ!」
光森恋来
「よろしくっ!」
清水音羽
「よっよっ・・よよ・・よろしく。」
めちゃめちゃ緊張した。
しょうがないじゃん人見知りなんだから。
光森恋来
「ははっ・・かわいい!」
光森恋来
外見の特徴として癖のある長い黒髪をポニーテールにしている。前髪は横に垂れ流していて肩に着いてる。身長はやや高め。脚が長いタイプの高身長だ。羨ま。肌が白くてまつげが長く綺麗な人だ。ちょっとサバサバしてそう。
南沢胡桃
「そうでしょ!でもなんでそんなに嫌いなの?いい人そうなんだけどなあ。ねえ音羽ちゃん。」
清水音羽
「誰が?」
ポカンとして聞いた。
光森恋来
「いきなり話ふるとか鬼畜かよ。」
南沢胡桃
「ごめん!ごめん!ここに浜ヶ丘で教師やってる人いるじゃん?」
清水音羽
「うん。」
内村先生のことだ。
本当に偶然同じマンションだった。
かなりびっくりした。
南沢胡桃
「どうも恋来はその人が苦手らしいんだ。」
光森恋来
「苦手じゃない!嫌いなだけ!」
南沢胡桃
「どうして?てか学校でどんな感じ?」
清水音羽
「正直そんなに面白くもない雑談を5分くらい続ける。たまにめっちゃ面白いこともあるけどね。めっちゃ優しい。多分独身」
光森恋来
「あのチビは一生独身だよ。同年代の女性に相手にされないからね。」
南沢胡桃
「それだけでロリコン扱いしてたの?!」
光森恋来
「とりあえず6時には帰ると思うからそれまで入れて?」
南沢胡桃
「わたしはいいけど。」
PM6時00分(職員室)
内村陽太
「へっクションっ!」
宮村麗子
「風邪?」
キーボードを打ってると急に鼻がムズムズしたのでハンカチで抑えてくしゃみをした。
内村陽太
「どうでしょうか。なんかイキナリ・・」
宮村麗子
「たまにあるわ。噂されてるんじゃない?」
内村陽太
「誰かdisってんのかな・・。」
宮村麗子
「ネガティブだな。て言うか2時間半くらい抜け出してたけどどこ行ってたの?」
内村陽太
「兄がいるんですけどね。その息子さんが今年小学生になるんですよ。ちょっとその手伝いを。普段はあまり来ないんですけどね。」
宮村麗子
「兄子持ち・・しかも小学生?!えっと、内村先生いま20代だよね?」
内村陽太
「かなり歳離れてるんですよ。40代で・・」
宮村麗子
「こりゃまた偉い離れてるね。この辺りに住んでるの?」
内村陽太
「ここから3駅くらい先です。普段は滅多に会わないんですけど何か来いって言われましたから。」
宮村麗子
「まあ忙しいからあまり会う機会ないよね。」
内村陽太
「それもありますけど兄夫婦の娘と仲悪いんで。偉い拒絶されてますから。今年中三なんですけどね。」
宮村麗子
「受け持ってる生徒と同い年だね。まあその歳の子供はよう分からんから。気にしない方がいいんじゃない?拒絶ってどんな感じで?」
内村陽太
「普通に目合せるだけで舌打ちとか。正月に来たら顔みたくないからって部屋に閉じこもったりとか。その子のハンカチが落ちてたんですよ。拾ったらお前が触ったものだから嫌だって。」
宮村麗子
「それヤバすぎでしょ!なにかしたんじゃないの?」
内村陽太
「心当たりがないといえば嘘になりますけど。」
- Re: レールの敷き方 ( No.8 )
- 日時: 2018/05/05 09:06
- 名前: ゆっくり (ID: 5mFOhOS/)
あなたは因数分解の利用または応用問題的なの
苦労しないで解けましたか。
わたしはとても苦痛です。
永瀬に嫌味を言われたくないがままに塾の予習に時間をかけ二年生の復習などほっといてる状態です。
因数分解で左が二乗でその右が数字の文字でそのまた左が数学だけで( )を2つ使って求める問題のとき数が多いとやれ素数分解、またはひたすらその数字に当てはまるのを探すのに時間がかかりましたがまあ慣れました。
( )を1つにするくくり出しは同じやつを追い出して計算すればいいだけなので慣れました。
いまわたしを苦しめてるのは因数分解の利用です。まあくくり出しや展開出来なきゃ話になりません。その後の計算がどうしても出来ない。
どうしてでしょう。
清水音羽
「ムズいよ。」
現在午後8時
3時間くらい悩んでました。
え?残りの時間お前何やってんだって?
朝に3時間ほどやったけどなんか訳わかんなくなって復習に逃げたあとお昼になったからご飯たべてずっとスマホ見てましたわ。
はい。ゴミクズ
今までは1日でミスしながらも解けるようになってたんだけどな。
あれから運良く永瀬に当たらずにいたけど解けなくて明日当たったら地獄じゃねえか。最後の春期講習なのに?
清水音羽
「あったまテッカテーカー!そっれがどおしーたー!ドラ⚫もんー!」
ちょっとこれ以上やったら頭おかしくなるわ。
元からおかしかった。・・・・
今日は寝よ。
(次の日)
死んだ。
長瀬陽
「あれ、出来てる。小テストの結果は?」
清水音羽
「15分の15です・・」
2回ぶりに長瀬が担当する。
この塾に授業のはじめに5分間小テストするんだけど数学では全問正解したことがほぼ無かった。
長瀬は口を少しだけポカン開けた。
まあそうだよね。
春期講習のはじめは展開も公式ぐっちゃぐちゃになってまともに出来なかったのに。
因数分解はまだ途中だけど今のところ全問正解
ただし
長瀬陽
「それじゃ22ページから。」
やばい。死んだ。
「先生!ここ意味が分かりません。」
いつもは3時間ほど勉強すれば出来てたのに
今日の朝も頑張ったけど訳が分からなかった。
けどこんな所で挫折してたまるか。
(職員室)
内村陽太
「新任してきた先生の歓迎会ですか?」
新しいクラスメートの総合学習のファイルやテストの結果が記録されてる学習ファイルをデスクが埋まるくらい広げてあるのを整理していた。
斎藤明
「今日なんかいいと思うんだよね。明日は全部活無いし。明後日だと忙しくなるし。飲みすぎて二日酔いで仕事したくないじゃん?」
内村陽太
「飲むんですか?!」
斎藤明
「あれ、内村先生はお酒かなり強くなかった?わたしかなりビックリしたわ。」
内村陽太
「いやそのっ・・お酒苦手な人いるんじゃないかなって。若い人だと。」
斎藤明
「それなら心配要らないよ。全員大丈夫って言ってたから。」
坂下真理亜
「わたしも心配です。いつだったかな。離任する先生のお別れ会の時調子に乗って馬鹿みたいに飲みすぎて馬鹿みたいに酔った人が居ましたから。」
真理亜が書類を整理しながら突っ込むと陽太が動揺を隠しきれずに咳払いをした。
宮村麗子
「あのあとどうした?」
内村陽太
「あ゛あ゛あ゛っ!」
声にならないくらいに軽く発狂してデスクに腕をおきうつ伏せた。
内村陽太
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
呪文のように唱え続ける。
秋花真理子
「ちょっとうるさい。」
デスクの上のファイルで陽太の頭を軽く叩く。
坂下真理亜
「マンションの部屋のベッドに投げときました。道のど真ん中で見捨てたくなりましたけど。」
秋花真理子
「あら、優しい。わたしなら道のど真ん中でポイだよ。」
斎藤明
「あれだね。内村先生だけならともかくなんか他の人に危害加えそうだから居酒屋はやめた方がいいね。」
PM3時15分
南沢胡桃
「うそ!本当に?!」
授業の終わり帰ると胡桃に遭遇した。
どうやら部活の帰りだったらしい。
演劇部に所属してる。
私たちは高校の話をしていた。
今日の授業が終わったあと塾長に志望校調査表を提出した。多分今ごろ驚いてるだろう。明らかに成績と反比例している高校なんだから。
清水音羽
「意外だな。胡桃の学校って進学校でしょ?」
胡桃の通ってる学校はこの辺りではけっこう有名な「星華女子学園」小学校から高校までエスカレーター式のお嬢様進学校で名前の通り女子校
南沢胡桃
「小学校受験の時にまあ憧れてて自分から行きたいって言って親も仕事頑張って学費出してくれてるし。だけど勉強が大変でさ。それに共学って憧れるし。そこそこ偏差値高くて評判の良くて距離的にちょうど良さそうだから。」
私たちの志望校は浜ヶ丘中学付近にある「浜ヶ丘高等学校」偏差値は63でギリ進学校?で校則はほかの高校と比べるとけっこう緩い。胡桃は大丈夫そうだけどわたしにはかなりレベルが高い。模試やった事ないから自分の偏差値知らないけど確実に高望みなのは分かる。
塾の志望校調査表には第3希望まで枠があったけど浜ヶ丘しか書いてない。
南沢胡桃
「それじゃお互いに頑張ろうか。一緒の高校入れるように。」
フラグにならないといいな。
いやフラグとはちょっと違う?