二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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D.Gray-man〜contrast〜
日時: 2010/02/12 19:06
名前: 蛍 ◆Cmc.UvxEbM (ID: 9kyB.qC3)

ようこそお越しくださいました!

はじめましての方が多いと思います。
以前ここでD.Gray-manの二次小説を執筆させていただいていた蛍と申します。

作風の参考までに以前の小説を載せて起きます^^
【D.Gray-man 誓いの剣】

目次
オープニング >>2

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Re: D.Gray-man〜contrast〜 ( No.45 )
日時: 2011/01/19 21:27
名前: 蛍 ◆LU8WrcLlXI (ID: Um9v9XPS)

2———


 部屋を出たテラはすぐ隣のセルマ・レイスの部屋のドアをノックした。

 教団移設後から今までの間、新たなイノセンスやAKUMAの報告も少なくエクソシストは非番の日が続いていた。

 緊急の出動もあるが今日はエクソシスト全員が教団内にいるはずだ。

 レイスはすぐにドアを開けた。

「おはようございますテラさん!」

 レイスはすでに起きていたようでパッチリと緑色の瞳をこちらに向けた。

「おはようレイス」

 —レイスは人懐っこい性格のようでテラのこともよく慕ってくれているようだ。

 ———童顔で自分の体に比べて隆起の少ない———いや、無いといってもあながち間違いではない———体。悪く言ってしまえば貧相と。本人は気にしているようでたまに小言をもらしたりするが・・・・・・だが、それがいい!

「どうしたんですか?」

「ん、ああ悪い! いや、今日休みだろ? ジメジメしてるし大浴場にでも・・・・・・」

 テラはそこまで言いかけて気付いた。

 レイスのパーマがかった髪。髪は少し濡れているようで、ほのかにシャンプーのいい香りがしていた。

「ああ、わるい。シャワー浴びた後だったか」

 テラはすぐ手を上げて去ろうとしたがレイスは服の裾を掴み引き止めた。

「待って下さい! 行きましょう! 温泉入りましょう! シャワーだけより湯船に使ったほうが気持ち良いですから!」

 レイスは目を輝かせ全力でテラの誘いを受けた。しかし、テラから見たらレイスが気を使っているように見えそんな姿を愛おしく感じた。

 ———ああ良い子だ。なんて可愛いんだろう。

Re: D.Gray-man〜contrast〜 ( No.46 )
日時: 2011/01/20 15:25
名前: 蛍 ◆LU8WrcLlXI (ID: vLFo5XnB)

3———


 風呂への道中テラは先程の自室であった事をレイスに話した。

「それ絶対覗きですよ! テラさんかっこいいから気をつけたほうがいいです!」

 テラはレイスの意見を苦笑しながら聞いていた。女である自分にとってかっこいいと言われるのは確かに褒め言葉として嬉しくもあるが女としては複雑な感情を抱いてしまうざるを得ない。

「でもそれは無理があるんじゃないか? オレ達の部屋は結構高いし・・・・・・」

 テラも覗きの可能性を考えなかったわけではなかったが、場所が場所だけに腑に落ちなかった。

 考えているとレイスがテラの前に回り込み「注目!」とばかりに人差し指を立てた。

「わたし的にはラビさんが怪しいです。 ラビさんはテラさんに初めて会ったとき『ストライク!!』とか言っていやらしい目でテラさんのこと見てたです! それにラビさんの槌ならテラさんの部屋までもひとっとびです!」

 ラビは表面上軽薄で確かに覗きをしそうではあるが、窓に映った影のスピードはラビの鉄槌とは比べ物にならないものであった。

「それだとすぐに消えた説明がつかないな・・・・・・」

 テラは唸りながら考えているレイスを見て少し悪戯心をくすぐられた。

「もしかしたら・・・・・・」

 レイスの耳元に近づき囁く。

「お化けだったりして・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・!!」

 レイスはあからさまにうろたえた。

「そんな・・・・・・わけ、ないですっ・・・・・・よー・・・・・・」

 レイスはお化けの類の話がめっぽう苦手なのだ。がくがく震えながら怖がる様子をテラは可愛いなと思いながら笑っていた。

「冗談だよ。冗談」

 テラはいじめて悪かったとレイスの髪をなでた。

「もうレイスさんひどいです!」

 レイスは膨れながらも嬉しそうに頭を預けていた。

「おーい、レイス! テラ!」

 レイスとテラがじゃれ合っていると不意に声をかけられた。

 腰まである長い茶髪の少女。クイーン・アリスだ。

「アリスさん、おはようございます。 何してるんですか?」

 レイスよりアリスの方が年下で身長も低いのだが誰に対しても敬語を使うレイスと誰にも敬語を使わないアリスを見ているとレイスのほうが年下に見えてしまう。

「もうレイスー、私に敬語使っちゃだめって言ってるでしょ? 私年下なんだから」

「あ、すみません!」

「ほら、また敬語!」

「あれっ? あわわわ・・・・・・」

 と、いつも同じやり取りを繰り返している。

「で、何かしてたのか?」

 気を取り直してテラはアリスに聞いた。

「あーすっかり忘れてたね。朝ごはん食べて部屋に戻ってるとこだよ?」

 テラは「そういえば朝食がまだだった」と、風呂の後に朝食に行こうかと考えていた。

「テラたちは?」

 質問を返されてテラはどう返そうかと悩んだ。

 ———正直に言ったらこいつついて来たり・・・・・・。

 テラが考えている間にレイスが答えてしまった。

「温泉に行くところなんですよ!」

 テラはこのときなんとも微妙な表情をしていただろう。アリスは楽しそうな表情を浮かべていた。

「いいね! 私も行くー!」

 レイスは小さく「あっ」ともらした。

「よーし、せっかくだからみんなも誘おう!」

 のりのりで先導するアリスの背中に二人は小さくため息をついた。

Re: D.Gray-man〜contrast〜 ( No.47 )
日時: 2011/01/22 12:37
名前: 蛍 ◆LU8WrcLlXI (ID: vLFo5XnB)

4———


 大浴場に向かうテラ、レイス、アリスの三人はその道のりでよく見知った姿を発見した。

「モヤシが! その白髪俺が剃ってやろうか?」

「あれれー? 僕がいつそんなこと頼みました? そうか! 神田はバカだから突然変なことを言い出すんですね!」

「二人ともやめるさー」

 黒の教団のエクソシストのアレン、神田、ラビである。

 言い争いをする神田にアリスがいち早く反応した。

「きゃー! ユウー! 一緒に温泉はいろー!」

((ちょっ!? 男を!?))

 アリスは一目散に神田の基へとダッシュする。

 アリスの神田好きは教団内でもかなり有名だ。

「はっ!?」

 近づいてくるアリスに神田も気がついた。とても嫌そうな表情を浮かべる。

 それから神田は回りのすべてを無視して階層中央へと進んでいった。ちなみに中央部は地下まで吹き抜けとなっている。

 それから何の感情も表さない表情で下へと落下していった。

 その様子はさながら投身自殺のように。

「もう、ユウったら! 大胆な愛情表現!!」

 一方、アリスはとても嬉しそうであった。

 完全に状況に取り残されたテラたちはただ苦笑いをしていた。

Re: D.Gray-man〜contrast〜 ( No.48 )
日時: 2011/02/10 20:46
名前: 蛍 ◆LU8WrcLlXI (ID: wJNgr93.)

5———


 アレンたちと別れてからテラたちは大浴場へ到着した。

 向かっている途中パトリシア・シェルリンコがいたので一緒に入ることにした。

 たまには大勢で温泉も悪くないとテラは思った。

 皆思い思いにくつろいでいる。

 そんな中、不穏な影が視界に映った。

「何者だ! イレギュラードール!!」

 パトリシアがいち早くイノセンスを開放する。

 人形のイノセンスが影を地面に叩き付けた。

 水しぶきが上がる。

 しぶきが収まったときそこにいたのは———

「これって……?」

「機械ですか?」

「このセンスの悪い帽子は……」

「ああ! コムリンじゃん!」

 コムイの作ったエクソシストサポート用ロボ、コムリンだった。

「ん、何か持ってます……」

 コムリンのアームに設置されているそれは、カメラだった。

「って、盗撮じゃねえか!」

 アリスが突っ込みを入れる。

 なんともいえない空気が場に流れる。

「取りあえず……」

 皆次々とイノセンスを解放していく。

「「「「おりゃー!」」」」

 コムリンは跡形も無く消え去った。

Re: D.Gray-man〜contrast〜 ( No.49 )
日時: 2011/02/14 19:31
名前: 蛍 ◆LU8WrcLlXI (ID: wJNgr93.)

6———

 場所は司令室。テラ、レイス、アリス、パトリシアに囲まれてコムイは正座をしていた。

「あんたが、こんなしょうもないことをするやつだとはな……」

 テラがゴミでも見るかのような目でコムイを見下す。

「いやーこれは……」

「見損ないました」

 レイスもそれに同調する。

「うぐっ……」

「ばーか!」

 アリスも罵声を浴びせる。

「ぐはあ」

「言い残すことは無い?」

 パトリシアも凶悪な笑みを浮かべている。

「おたすけー」

 四人一斉にイノセンスを開放する。

 その時だった。

「コームイー! 例の写真撮れた……さ?」

 司令室に入ってきたラビ。物々しい状況に顔を青ざめた。

「あは……取り込み中だったみたいなんで、失礼するさ!!」

 逃げ出そうとするラビをイレギュラードールが取り押さえる。

「ラビ君がいけないんだよー。写真撮らなきゃ新しくできたコムリンをリナリーに言って破壊させるなんて言うから」

「またろくなもんじゃないからみんなのために言ったさ!」

「ボクのかわいいコムリンを! 酷いよー」

 見苦しく責任を擦り付け合うラビとコムイ。縛られている。

「うるさい、黙れ」

 アリスがラビの頭を蹴る。

「ふぅ……さて、地獄を拝んでもらおうか……」

 四つの武器が一斉に振り下ろされた。

 ラビとコムイの悲鳴が教団中に響き渡った。

 それから二人は三日三晩、教団の屋上からつるされることになったとさ。


 ちゃんちゃん♪———


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