二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ボーカロイド 〜いろんな歌を小説に〜
日時: 2010/12/18 16:34
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: AKehFwYl)
参照: みんなの宝物

 えー、ボーカロイド好きな私がボーカロイドの歌を小説にしてみました!
 予定では

 囚人
 紙飛行機
 しぐれ
 dear

をやろうと思います。

お知らせ
 囚人は終わりましたっす☆ミ
 紙飛行機連載中。
 あと色んな短編書いてるんでそこんとこも楽しんでください☆

 だめだめな方は、レッツ・ブラウザ★バック!
 では始まります!


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Re: ボーカロイド 〜いろんな歌を小説に〜 ( No.64 )
日時: 2010/11/11 22:47
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: qrnJbgt/)
参照: 泪で目が痛い。これは忌日と認めていいのか…

 あれから何日が経過したのだろう。
 すごく長く感じた。もしかしたら数日しかたっていないのだろうが。
 レンは疲労で何も感じなくなっていた。
 此処から出る希望は数時間で霧散したのだから。
 耳から入る奇声はどんどん遠ざかる。
 目から入る状況はどんどんぼやける。
 ああ、三半規管が機能しない。
 もう何処が右で、何処が左かさえ判らない。
 此処で自分の半生は終わりを迎えるのか。
 だったら最期に『彼女』に逢いたかった。
 『彼女』の笑顔を見たかった。
 もう叶えられない理想だけど。
 感覚がなくなる。
 瞼が重い。
 すごく…眠いんだ。
 そう思って目を閉じ掛けたときだった。
 硬く閉ざされた扉が、絶対開くことの無かった扉が、ゆっくりと暗い部屋に明かりを燈すように開いてく。
 レンは一瞬天国に召されるのかと思った。
 其れほどまでに暖かかったんだ、その光が。
 もう思い残すことは無い。
 ただいま、と『彼女』が笑った気がした。













 其れから数年。
 レンは隣町のレストランで従業員として働いていた。
 長かった髪も切った。
 背も、あれから大分伸びた。
 笑顔も自然に出る。
 声だって掠れない。
 初めて、外が好きになった。
 自分が自分として在れる環境。
 望んだこと。
 あの時助けが来なかったら自分は死んでいた。
 今の自分は居なかった。
 あの刑務所は————いや、『刑務所』と称される『謀反の所』は、撤去された。
 資金が長く持たず、維持するお金が払えない状況だったらしい。
 その為に裁判は動いた。
 撤去するか、誰かに売り渡すか。
 官庁の決断は『撤去』だった。
 誰かに売り渡すくらいならその存在自体無くした方がいいと考えたのだろう。
 彼事態に『謀反の所』に因縁はない。
 ただ『任された』のだ。
 決断するのは早かった。
 そこで囚われていた囚人たちは無懲役ではなかったので簡単な請求で済まされ、開放された。
 レンもその中の一人。
 何の書類か判らないその用紙に名前を書かされただけだった。 
 外に出たレンの思ったことは、太陽が綺麗、それだけ。
 他に思ったことも感じたことも何も無い。
 自然に涙が出た。
 自分は生きている。
 生きてここから出た。
 理想だと思っていた。
 出ることは無理だと。
 奇跡など信じなかった。
 でも…出られたのだ。
 レンは出た後市に送られた。
 そこの住人は囚人のレンにとても優しかった。
 誰も責めるものは居ない。
 仕事も与えられて、住居も貸してもらった。
 レンはベッドに入るとき何時も考えてしまう。
 なぜこうもあの人たちは自分に優しいのだろうか。
 考えても答えが見つからなかったレンは直接、住人に聞いた。
 住人から返ってきた言葉は「これが自分たちなんだ。誰もが平等で、誰もが優しい。差別なんてしない。皆家族だ」だった。
 レンはまたもや涙する。
 この人たちのおかげで自分はこれからも生を送れる。
 感謝した。
 皆に。
 ありがとう、と。
 彼らはそれが当然なんだからお礼なんてするなと笑ったが、レンは言い続けた。
 こんな言葉で彼らに対する感謝はあらわせられない。
 どうしたら。 
 答えは簡単だ。
 生きていけばいい。
 死ぬなんて考えちゃいけない。
 レンは笑った。
 だが————————。
 
 『彼女』が何処にもいない。
 レンは住人たちに頼んでみた。
 一緒に探してくれないか、と。
 彼らは遠慮するなと、探してやると、レンの背中をたたきながら言った。
 しかし、いざ探そうとなると、情報が無い。
 『彼女』の履歴がわからない。
 名前も、住所も、年齢も。
 どこにいるのか検討皆無だった。
 『彼女』の捜索は数日で断念。
 住人たちは面目ないとレンに頭を下げた。
 レンは別にこっちがお願いしたのだから頭を上げてと促した。
 彼らの目には泪が溜まっていた。
 レンがどんなに止めてくれと言っても頭を下げて誤る。
 彼らは心優しい人だ。責任感が誰よりも強い。
 だからこそ、レンの力になれないのが悔しいのだろう。
 レンは心の片隅で彼らにお礼を言いながら、自分ひとりで探すから休んでいてくれと言った。
 これでいいんだ。
 住人たちには迷惑はかけられない。 
 レンは『彼女』を探すため街を出た。
 出るとき彼らは煩いくらいこれを持っていけとか、あれはあるのかとか、体には気をつけろとか、色々言っていた
 レンは口では窘めたが、心中では何回も謝礼を述べた。
 もう行こう。
 彼らと話していたれら日が傾いてしまう。
 此処から出れなくなってしまう。
 さようならとは告げづに「またきます」と笑った。
 泪は見せない。
 笑顔で去ろう。
 レンは旅に出た。
 『彼女』を探すために。
 ここにまた帰ってくる為に。


 旅に出たレンはあれこれと街を探索した。
 彼が知ってるのは『彼女』の容姿だけ。
 それだけを頼りに探す。
 そして辿り着いたところは——————『謀反の所』があった場所。
 その手には【さよなら】の手紙。
 もう雑草だらけの所跡地はどこにも遮るものがなく、向かい風がレンの髪をかき上げる。
 あの異様な空気は何処へやら。
 草原のこの地は空気が澄んでいた。
 ここに『彼女』が居るのではないかと思って来てはみたものの、見渡す限り人は居らず。
 レンは風景とは裏腹に落ち込んだ。
 希望が絶たれた瞬間だった。
 そのとき。
 






 『落ち込まないで。私はもうここには居ないけれど、何時でも貴方を見守っています。だから貴方は貴方の人生を生きてください。私なんか探ないで。後ろなんか振り返らずに、前をみて生きてください』






 『彼女』だった。
 声でわかる。
 レンは顔を上げた。
 『彼女』はいなかったけど。
 不思議と心が温かくなった。
 背を押された気がした。 
 前を歩いて生きていこう。
 もう囚われの身ではない。
 自由に人生を決められる。
 レンは跡地を立ち去った。
 『彼女』はもう探さない。
 レンの心の中に居るのだから。
 




 『ありがとう』





 そう『彼女』が笑った気がした。




                fin







 終わりました。
 やっと。長かったです。
 今思えば矛盾ばっかでした。
 ですがもう気にしません。
 終わったのですからね。
 では、次は『紙飛行機』でお会いしましょう。

 
 

Re: ボーカロイド 〜いろんな歌を小説に〜 ( No.65 )
日時: 2010/11/12 00:21
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: qrnJbgt/)
参照: 目の前に二次元設定の話が…本当にあったんだ。奪い合い。

   〜紙飛行機〜





 リンは最期の最後で「レン…」と誰かわからない名を呼んだ。
 その後、彼女の半生は終わりを迎える。







  
 
 
 

 リンはもともと体が弱く、外を自由に歩けなかった。
 数歩歩くだけで息が上がるほど、体力がなければ、軟弱だった。
 彼女はそれを恨んではいない。
 これが自分の運命なんだと、そう納得していたからだ。
 皆自分に優しくしてくれる。
 嬉しかったが、反対に悲しかった。
 それほどまでに自分は弱いのだと、思い知らされたからだ。
 だがそう言うと皆に要らぬ心配をかけてしまう。
 彼女は上辺だけで笑った。


 



 遅いから今日は此処まで!
 続きはまた明日。
 でわっ。

Re: ボーカロイド 〜いろんな歌を小説に〜 ( No.66 )
日時: 2010/11/12 18:16
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: qrnJbgt/)

 リンは今日も車椅子で外へ出る。
 少しでも風に当たらないと乾燥して喉が大変なことになるからだ。
 一人での外出はこれが初めて。
 歩くことは出来ても数時間と持たない。
 だから車椅子。
 リンはどこまで出ていいのか判らないのでそのまま距離を長くした。
 最初は病院の玄関まで。
 次には病院から出て買い物をする。
 一人のときは何でも遣りたい放題だった。
 リンは一人の時間が大好きだ。
 煩い看護婦もいない。
 陰湿な空気もない。
 まさに囚われに身だったので、鳥が籠からでたらこんな気持ちになるのだろう。
 そして今日も病院からでる。
 楽しくても見つかるリスクは高いが、出たときの幸福感が堪らない。
 達成感というのだろうか。
 ともあれリンはウキウキ気分で車椅子の車輪を回した。
 向かい風が暖かくて気持ちいい。
 生きてるって感じがする。

Re: ボーカロイド 〜いろんな歌を小説に〜 ( No.67 )
日時: 2010/11/12 18:35
名前: 鏡音 瑞 (ID: 3AvLviHa)

あ…。やべ…。
(正直な話。嘘じゃなくて)囚人涙出てきた。
ほんと!嘘じゃない!

返信、おくれてごめんな…。コラボ、紙飛行機、頑張れよ!
あ、コラボ、ミズキ、始めてくれる?

Re: ボーカロイド 〜いろんな歌を小説に〜 ( No.68 )
日時: 2011/02/06 10:26
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: AKehFwYl)

 だよね。囚人は涙の出るいい歌だよ。
 それを一ヶ月間の間でやっと完成したのだから私はスッゴク幸せだ。 
 思い残すことはもうない。ウン。
 というのは嘘で、別に気にしてはいないよ!(涙)
 そうだ…コラボ…あ、いや、忘れてたわけじゃないよ……ッ!
 今日はじめるぜ!
 判ってるって。紙飛行機もコラボも頑張る!
 じゃっ、ミズキの半生も見守って!


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