二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼 ———刹那の契り———
- 日時: 2013/07/05 14:33
- 名前: 亜鶴 (ID: V9P9JhRA)
どうも亜鶴と申します。
私は沖田LOVEなので、基本的には沖田ルート目指します。捏造もありです。
私の書く小説なので、キャラ崩壊等がありますので、ご注意してください。
ではこれからも宜しくお願いします。
お知らせ (必読)
>>302 new
目次〜
オリキャラ紹介>>286
登場人物紹介 >>24
プロローグ>>299
------------------------------1章
第一話>>282
第二話>>285
第三話>>300 再更新
第四話>>46
第五話>>78
------------------------------2章
第六話>>113
第七話>>125
第八話>>170
第九話>>179
第十話>>182
第十一話>>290
第十二話>>296
------------------------------3章
第十三話>>215
第十四話>>219
第十五話>>223
第十六話>>228
第十七話>>241
------------------------------4章
第十八話>>246
第十九話>>248
第二十話>>253
第二十一話>>256
第二十二話>>265
第二十三話>>278
------------------------------番外編
凛ちゃん宛 【沖×凛 花冠】一部 >>297 二部>>298
------------------------------イラスト
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61
- Re: 薄桜鬼 ———刹那の契り——— ( No.278 )
- 日時: 2013/03/10 19:24
- 名前: 亜鶴 (ID: V9P9JhRA)
第二十三話 「気恥ずかしい」
朝、。
(情けないな…。不満を関係ない人に、ぶつけて何になるって言うんだろう)
(沖田さん…すごく驚いてたよね)
そんなことを思いながら、洗濯物を干していた。
澄み渡る空を見上げ、ぼーっと立ち尽くす琴音。
(沖田さんに謝らないと…)
その時だった。
「琴音!」
背後から声をかけられたのと同時に、頭の上にポン!と箱のような物が乗せられた。
「あ、平助くん」
琴音がそう呼ぶと、嬉しそうに平助ははにかんだ。
それにつられ、琴音もはにかむ。
(なんか…平助くんのこの笑顔を見ると、気が少し楽になる)
心の重荷を下ろして、無邪気に微笑む琴音。
「ところで、平助くん。これは何?」
今だ頭の上に乗せられた物を指し示して、興味津々に訊ねる。
「土産の団子!一緒に食わねぇ?」
そのお誘いに琴音の目がきらきら輝いた。
「お、お団子!? ……あ〜でも。食べたいけど、今、洗濯物干してる途中だからなー…」
ふぅーと琴音は気が重そうに溜息した。
「一休みくらい良いじゃん!ちゃんと休憩とらないと、体持たねぇぞ。ほらほら」
平助はそう言って、強制的に物干し竿から離れさせようと琴音の背をぐいぐい押した。
「少しだけなら、いいよね」
琴音は平助の好意に負け、苦笑いでそう呟く。
二人は縁側に腰をかける。
「はい!琴音」
平助は箱から三色団子を取り出し、琴音に手渡しする。
それを受け取ると、琴音は礼を言う。
「じゃあ、いただきます」
口へ団子を運ぼうとしたその瞬間。
「二人だけで団子食べるなんて、ずるいなー」
いきなりのあの人の声が耳に届き、ヒャっと驚いてしまう二人。
琴音は平助よりヒヤヒヤ驚いていた。
声の主は右方面の庭に立っていて、その隣に斎藤も立っていた。
「総司に、一くん…」
平助はこの二人に見つかってしまったことに、残念がっていた。
「せっかく琴音と二人っきりだったのに…」
そんな平助のボソボソ呟きはここにいる三人には聞こえることはなかった。
そんな中、琴音は赤面で、焦っていた。
(沖田さんーキタ—(゜∀゜≡゜Д゜)ムハァ—!!。どうしましょう)
昨夜のことをとても意識してしまって、気恥ずかしくなって、顔を逸らす琴音。
「それじゃあ、団子いただこうかな」
(更新再開)
「橘?俯いて、どうした?」
ここでやっと琴音の状態に気がついた斎藤が彼女に問う。
琴音はハっと顔を上げると、三人の視線がじーっと自分に集中していたことに焦っていた。
斎藤と平助の視線には耐えられる自信はあったが、沖田からの視線は耐えられなかった。
「……」
冷や汗が、いやに頬を伝う。
(答えなきゃ、変に思われる…!なんか一言でもいいから、言わないっと)
「あ、あの!」
はっきりとした声で切り出す。
「どうした、橘」
三人は何だ何だと興味津々に 視線を向けた。
妙に真剣な空気が漂う。
「………っ、私」
真剣な空気が緊張させる。
ぐいっと唾を飲み込む。
(大丈夫だ、私)
「私、お茶淹れてきます!」
「「「……」」」
琴音の唐突宣言に、三人はどう反応していいのか分からず、固まっていた。
------------------------------
「はぁ…」
耐えられず、お茶を淹れてくるという手を使って、炊事場に逃げてきた琴音。
卑怯な自分を呆れて、溜息しか出ない。
「もぅ、嫌…」
「意識し過ぎなんだよ。あれは単なる…事故だった!そうだよ、私っ」
「んー」
「素直に謝れば…いいことじゃないか、私」
独り言を言いながら、仕方なく、茶葉を四つの湯のみに入れる。
『君って、独り言激しいね』
またもや、唐突にあの人の声が耳に届くと———、異常な程、ヒヤッと驚いてしまう琴音。
恐る恐る後ろを向く。
「沖田さん…」
出入り口にその人は立っていた。
「どうしたの?幽霊でも見たような顔しちゃって」
(この人にとって、昨日のことはどうでもいいことなんでしょうね)
あははと笑う沖田のそんな態度を見て、琴音はそう思った。
いつもと変わりなく、接してくれるのはともて嬉しくって、安心してしまったのと同時に———、
心の奥底ではがっかりしていた。
自分でもそう思ったのは意外だった。
「……」
黙って下を向く琴音。
それをじーっと見つめる沖田。
気まずい空気が流れる。
「琴音ちゃん、ずっと気になってたんだけど…何か僕のこと避けてる?」
「ごめんなさい…」
沖田の問いに肯定し、頭を下げる。
「顔上げなよ」
その言葉は優しさから来るものだった。
しかし琴音は顔を上げない。
いつもいつも、人の好意に負け、すぐに甘えてしまう自分にうんざりしていた。
自分の意思を貫けない、そんな自分がもぅ嫌でしょうがなかった。
だから、まだここでは顔を上げらないんだ。
「ごめんなさい…」
「…琴音ちゃん」
顔を上げようとせず、謝罪の言葉を口にするそんな琴音を沖田はただ見ていることしかできなかった。
「どうして、僕を避けるの?やっぱり昨日のこと?」
「はい…」
コクリと頷く琴音。
「その…、昨日は真上で泣いて、挙句には…不満をぶつけてしまって、本当に申し訳ありません。とても驚かしてしまいましたよね…ごめんなさい」
「別に、そんなに気にしてないから大丈夫だよ?けど、避けられたことでは少し傷ついたかな」
苦笑いでそう言う沖田。
「沖田さんを傷つけようとは思わなかった。……弱い自分を見られて、情けなくってしょうがないんです。いつもの私はただ強がってるだけなんです」
「沖田さんの目に映っている自分に、自信がなくって…自分自身から逃げていたんです」
次々と今の気持ちを苦しそうに吐く琴音。
今にも泣きそうで、鼻声だった。
「琴音ちゃんは考え過ぎなんだよ。誰だって弱みの一つくらいあるよ。僕だって…」
「沖田さんにもあるんですか?」
沖田の意外な言葉に、興味を示したのか、顔を上げた琴音。
「あるよ。弱みはある意味、必要だと思うな。そこからまた立ち直って、強くなればいいことだし」
(何、言ってるのかな…僕)
自分の言ってることに、心の中で笑ってしまう沖田。
けど、彼女は真剣に沖田を見て、必死に話を聞こうとしていた。
「弱みとそれを受け入れられる強さを持ってこそ、強くなれるんだよ。だからそんな…考え込まなくっていいんじゃないかな。上手く言えないけどさ…」
(誰かさんみたい、もっと言葉を知っていたら…もっと上手く言えたんだろうな…)
自分の非力さに、笑ってしまう沖田。
けど———。
「沖田さん」
ふいに名を呼ばれる。柔らかな声で。
目の前には涙に濡れた笑顔があった。
「ありがとうございます。もぅ自分自身から逃げません…!強くなります、私」
「私を変えてくれたのは…、沖田さんのおかげです。感謝します…っ」
————非力な言葉だったけど、彼女を笑顔にさせられた。それが素直に嬉しかったんだ。
タイミングが悪く、やかんのお湯が沸く。
「あっ、お湯が」
琴音は沖田に背を向け、湯のみにそのお湯を淹れ始める。
(僕の弱みはね、この体でいつまで近藤さんのために刀を振えることかな)
哀の含んだ笑みで、寂しそうに琴音には聞こえない声でそう告げた沖田。
(君はある意味…すごいよ。弱みを人に話せる勇気があるから)
(羨ましいかな)
「お茶淹れ終ったので、平助くんたちのところに戻りましょうか、沖田さん」
笑顔を咲き誇らせ、琴音はそう言った。
彼女にはまだ知らされてない、沖田の弱み。
知らない方が幸せだろうが、知ってしまうときがいずれはやってくるだろう。
どうか今だけは…幸せに笑っていてほしい。
沖田はそう祈った。
続く。
長いですね。
読むのお疲れ様でした。
そして、沖田さんキャラ崩壊しちゃってますよね。
さらに駄文で書き綴ったので、意味分からない話になってしまったこと…誠に深くお詫びします。
アドバイス、ご感想お待ちしております。
- Re: 薄桜鬼 ———刹那の契り——— ( No.279 )
- 日時: 2012/10/06 15:51
- 名前: 亜鶴 (ID: V9P9JhRA)
- 参照: http://yaplog.jp/amiandrabu/archive/116
真面目に斎藤さん、模写しました。
良かったら…ブログに見に来てください。
下手ですがね…(汗)すみません。
どうか、この亜鶴にアドバイスとご感想を恵んで下さい。
- Re: 薄桜鬼 ———刹那の契り——— ( No.280 )
- 日時: 2012/10/06 19:53
- 名前: 亜鶴 (ID: V9P9JhRA)
>>278に続きUPしました。
今回もめっちゃ長いです。
ご感想、アドバイスお待ちしています。
- Re: 薄桜鬼 ———刹那の契り——— ( No.281 )
- 日時: 2012/10/12 16:22
- 名前: 亜鶴 (ID: V9P9JhRA)
どーも、ノコノコやってきた亜鶴です。
ちょっとお話があります。
このスレは2011年12月頃に立てました。(まだ私が中ニのとき←要らない情報)
当時…自分の小説の書き方が気にくわなく、憧れの作者さまの書き方を真似て…この「刹那の契り」をかかさせて頂きました。
けど、今では自分なりの書き方を見つけました。
やっと見つけたんです…。
当時と現在の書き方を比べてみると、大分異なっているところがあります。それが今の私には気にくわんというか。
そこでなんですけど!
現在の書き方で、話一部をリメイクさせて頂きます。
必ず、刹那の契りをもっと読みやすくさせます!
私は誓います。
どうか、この亜鶴を信じて下さい。
これからもあなたが楽しめるように、この亜鶴は精一杯頑張ります。
リメイク版は読みやすさを求めているので、表現方法が違ってきます。
なので、話の内容は同じでも…亜鶴の表現方法の、成長を感じて…リメイク版にも目を通して頂きたいです。
お願いします。
- Re: 薄桜鬼 ———刹那の契り——— ( No.282 )
- 日時: 2012/11/05 23:08
- 名前: 亜鶴 (ID: V9P9JhRA)
リメイク版 第一話 雪の華
寒い夜だった。
ヒラっと白い雪が降ってきた。
それを例えるなら、雪の華。月明かりに照らされ、雪華は光り輝いている。
宝石のように美しく、幻想的だった。
でも直ぐさま——刹那に消える。
幻を見ているようで、儚かった。
ここは京の町。
相変らず、夜の京は風情である。昼は商人や子供たちの声で、にぎやかなのだが、それと対照的に、夜の京は静寂に包まれていた。全くの別世界と思わされる。
そんな中、ある店の戸が音を立て、開いた。
中から少女と女性が出てきた。店の前で二人は向き合う。
「琴音ちゃん、お先に悪いなぁ。片付けやらしちゃって」と女性は申し訳なそうに言う。
少女は、はにかんで、
「いえ、お菊はんに片付けなんてやらせられへん」と言う。
「おおきに。ほなさいなら」
番傘を差し、上品に手を振る女性。体を帰るべき方向に向けると、そのまま歩き出す。
「お菊はん、ほなさいなら」
愛想よく少女は遠ざかる背に声をかける。女性はちらッとこちらを見て、微笑んだ。その微笑につられ、少女も微笑む。
いつの間にか、女性は遠くにいて、暗闇にのまれていった。
少女は気が重そうに、溜息する。
(人手が足りないと言うのに、まぁしょうがないか。お菊さんは一番人気の舞妓さんなんだしね…私もいつか一番人気の舞妓さんになってみせるっ)と決意する。
一番人気の舞妓は店のしたくや片づけをしないで、帰宅してよいのだ。
店のしたく、片付け等は新入りの舞妓がやっている。
この少女は新入りの舞妓であって、これからが一番たいへんなのだ。
のれんをくぐり、店の中へ入ろうとした。
突然。
外から少女の腕が誰かに引っ張られた。
少女は突然のことに驚くことしかできなかった。
そのまま、無造作に外に引っ張られる。そこにはいかにも酒癖が悪そうな浪士が一人いた。
その浪士の顔は真っ赤で、既に酔っていると分かる。
「おい、小娘!酒を用意しろっ」
荒っぽい口調で、少女に言う。
(酒臭い。この人)
少女はかけられた息に嫌な顔をする。
(こういう客はめんどくさい。追い払うか)
「あの…申し訳おまへんが、もう閉店の時間やので、お引取りください」と率直に断る。でも浪士は引き取ろうとしない。そして強い力で少女の腕を握る。痣ができるほどの痛さ。
「いや、痛いどす。離して——っ」
嫌がるそんな少女を見て、浪士は笑っていた。
「じゃあ、違うところで飲めばいいっ!行くぞ」
相変らず、強引な力で引っ張る。
「いやっ、行きたくおまへん」と叫んで、瞳からは涙が溢れ出ていた少女。
「舞妓の分際で、そんなこと言うなんて生意気なっ。痛い目に遭いたいか?」
浪士は拳を握り、少女に殴りかかろうと脅す。
———そんな時だった。
『離してあげてください!彼女、嫌がってますっ』と少女と浪士の間を割って、少年が現れたのだ。少年は勇敢さを目に宿していた。
浪士は少年を睨み、舌打ちした。
「何だ〜?小僧!うるせえぞっ!!!」と浪士の大声が静まっていた町に張り詰めた。
少年は浪士を睨む。
「その目つきは何だっ!?生意気なガキ目!!」
浪士はイラつき始めて、少女を地面へと突き飛ばす。
「きゃあ」
ドンと大きな音を立て、少女は店の壁に背中をぶつける。
痛そうに、眉を顰める少女を心配し、少年は駆け寄って声をかける。
少女は顰めながらも、微笑む。
「大丈夫どす…」
そんな少女を見て、少年は我慢できなくなった。
「あなたはそれでも男ですか!最悪です!女の人に暴力を振るうなんて、最低です!!」と言う少年。その姿は真剣そのものだった。
「その小娘が言うことを聞かないからだ!」
「だからって…暴力を振るうなんて最低です!彼女に謝って下さいっ」
「ふざけんじゃねぇ、俺は謝らねえぞ!!この生意気なガキ目!!他人の心配すんじゃなくって、自分の心配したらどうだ!!」と言って、浪士は鞘から刀を抜く。それに少年は戸惑い、目を瞑った。咄嗟に少年は自分の体で少女に覆い被さって、庇った。二人の頭上には浪士の刃があった。
あとは振り切るだけ。
振り切られたら———もう終わりだろう。
けどその時だった。
「無茶をするなっ」と浪士以外の男の声がしたと同時に、何か倒れる音がした。
閉じていた目を開けると、そこには浪士が倒れていた。二人の目の前には、刀を持つ男が立っていた。
「斎藤さんっ」
少年は高い声で、その男の名を呼んだ。きっと仲間なんだろう。
少年は安心し、覆い被さっていた自分の体をどけた。
「あの…、この人、斬られたんですか?」と少年は恐る恐る訊ねた。
「斬ってはいない…峰打ちだ…」
男は冷淡にそう答え、刀を鞘にしまった。
「よかった…」と少年は安心した。
「僕なら、斬っちゃうけどな」
突如、暗闇からもう一人、男が出てきた。なぜかニコニコ笑っていた。
少年は「沖田さん、やめてくださいよー」と言い、親しげに苦笑いした。
どうやらこの男も仲間なんだろう。
少女は蹲っていた。
少女が視線を正面に向けると、少年と目が合う。
すると、手を差し伸べてきた。「大丈夫ですか?」と言いながら。
その手につかまり、立ち上がる少女。
少年の手は冷たく、小さかった。
「あの…助けてくださいまして、おおきにどした」
丁寧に少年に向かって言う少女。
少年はそれに頬を真っ赤に染め、「助けてくれたのは、斎藤さんですよ。私なんか何にも…」と言った。
少女は少年と男に頭を下げる。
頭を上げると、少年が「怪我していませんか?」と心配して訊ねてきた。
「いえ」
咄嗟に袖の中に掌を隠す。
掌からは血が出ていた。先程、突き飛ばされた時に地面に転がっていた石に軽く刺さってしまった。」でも傷はすぐ塞がり、癒えてしまった。血がついているのに、傷がないのは不自然と思われるのではないかと思ったから手を隠したのだ。
(まただ…またすぐに傷が塞がっている…どうしてなんだろう)
少女は自分の身に起きていることに理解ができず、疑問に思った。
いつも思うに、自分は普通ではないということだ。これは今まで、誰にも告げていない。彼女だけの秘密。
少女は顔を強張らせ、考え込む。
その様子を見ていた斎藤という男が訊ねてきた。
「どこか、悪いのか?」
「え?」
「顔が強張っていた…」
「あっ、すんまへん…」
黙りこんで、また顔を強張らせた少女。それと同時に内心で溜息した。
(もうっ心配されてる。笑わなきゃ)
嘘の笑顔を作り、話を切り替えようとする。
「私、琴音と申します。あの、今…お時間空いてますか?」
自分の名を名乗り、訊ねてみる少女。
三人はえ?という顔をした。
「私、ここの店の舞妓を勤めていまして、あなたたちにお酒をご馳走します。御礼がしたくって」と言うと、少年は「そんなっ、お礼だなんていいですよ」と遠慮した。
「いえ、させてください!」
少女も粘り強く、頼み込む。
「じゃあ、飲ましてもらおうよ?」
沖田という男がすんなり言う。店の中に入る気満々だった。
「待て!総司!寄り道などしたら、副長に叱られるぞ」と斎藤は引き止めた。
沖田は呑気に「いいじゃん!千鶴ちゃん、入ろう?」と少年を誘って、のれんを潜ってしまう。「沖田さんっ待ってください」と言い、その後を少年は追う。
店の外に残された斎藤は気が重そうに溜息をついた。
「まったく…」
斎藤は琴音を見た。
「遠慮なくご馳走させてもらう。すまないな」
申し訳なそうに微笑み、のれんを潜って行った。
(閉店時間なのに、お客さんを入れてしまった。私、馬鹿だな…)
琴音も疲れきったような顔をして、落ち込みながら、のれんを潜った。
続く…
第一回リメイク版読むのお疲れさまでした。
第二話も気にくわない表現方法なんで、第二回リメイク版も行いたいと思っております。
ですが、亀更新なんでご承知してください。
第一回リメイク版を読んで、感じたこと、アドバイス等ください。
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