二次創作小説（紙ほか）※倉庫ログ
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- 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】
- 日時： 2011/05/15 18:24
- 名前： かっぺい （ID: wVDXtEbh）
どうも かっぺい というものです。
ここには前にも投稿してたんですが、一時期図ったように消えたんですよう……自作の奴が……
今回の小説も、スレ立ては実質三度目になります。
非常にマイペースではありますが、見ていただけたら幸いです。
注意：この作品は、東方project×ポケットモンスター の二次創作です。
できれば両方のキャラをある程度知ってた方がいいと思われます。
メンバー：エメラルド
○カジ（バシャーモ） >>1 >>9 >>15 >>16 >>31-38 >>44-46 >>97 >>99 >>101-103 >>115
○たらこ（ルンパッパ） >>2 >>55-59 >>67-75 >>83
○フータ（フライゴン） >>2 >>55-59 >>67-75 >>83
○ミヤ（サーナイト） >>3 >>10-14 >>26-30 >>82 >>118
○マシロ（アブソル） >>4 >>39-43 >>49 >>51-54
○ゴツ（ボスゴドラ） >>5 >>6 >>19 >>21-23 >>25 >>60 >>62 >>65 >>66
○ご主人 >>8 >>17 >>18 >>20 >>24 >>33 >>46 >>48 >>54 >>61 >>64-66 >>75
登場人物：東方
□博麗 霊夢 >>3 >>10-14 >>26-30
□八雲 紫 >>11-14 >>17 >>18 >>20 >>24 >>48 >>61 >>64 >>76 >>82
□霧雨 魔理沙 >>11-14
□伊吹 萃香 >>10 >>11 >>14
□チルノ >>55-59 >>67-75
□大妖精 >>58 >>59 >>67-75
□魂魄 妖夢 >>5 >>6 >>19 >>21-23 >>25 >>60 >>62 >>65 >>66
□西行寺 幽々子 >>19 >>21 >>60 >>61 >>64-66
□射命丸 文 >>49 >>51-53
□藤原 妹紅 >>1 >>9 >>15 >>16 >>31 >>32 >>34-38 >>44-46 >>97 >>99 >>101-103
□上白沢 慧音 >>31 >>32 >>45 >>46 >>97
□稗田 阿求 >>34-38
□ミスティア・ローレライ >>94 >>101-103
□古明地 さとり >>7 >>26-30
□紅 美鈴 >>4 >>39-43
□十六夜 咲夜 >>41 >>43
□フランドール・スカーレット >>41 >>43
□パチュリー・ノーレッジ >>40
『影』 >>7
『男』 >>44 >>45 >>64 >>67-74 >>76
『蛇』 >>94
【二人目】 >>54
昔話 >>47 >>63
【The Chaos／Across／Hermit Purple】 >>76-81
Back Side >>84 >>87 >>90 >>93
【Crash into Deep and Deep】 >>104-106 >>108 >>109 >>111-114
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- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.55 )
- 日時： 2010/03/13 22:35
- 名前： かっぺい （ID: qrbmE5ew）
たらこ・フータ その２
生まれてからこのかた、寒冷の大地と言う物を僕は知らない。
辺りを見渡しながら回想する。
既に周囲は、自分の記憶に無い温度まで下がっていた。
そういえば、雪というのも見た事が無い。
「おいフータ、この水美味ぇぞ！ グビグビイケる！」
「……素に戻りすぎだよ。
ま、そっちの方が似合ってるけどね」
ようやく追いつき、たらこと並んで水を飲む。
確かに、よく冷えた水は体に染み渡った。
ほう、と一息付く。
「涼しいね」
「全くだ。波乗りしたい気分だぜ」
「うるさいから止めて」
たらこの言葉を受け流しながら、霧に目を凝らす。
さっきよりはマシになったが、今でも視界は悪い。
「なんか見えたか？」
たらこが顔を向ける。
自分の目は、他の仲間より夜目が効いた。
「……ハズなんだけど」
「見えねぇの？」
「この霧、なんか変だ」
目だけでなく、鼻にも意識を向けた。
が、何の臭いも無い。
普通はするはずの木や、今足を踏みしめている地面の臭いさえ無い。
「フータ」
「ちょっと待って……んん……」
「フータ！ 下見ろ！」
え、と思う前に首が曲がる。
足下に目を移した瞬間、怯んでしまった。
草が、凍り付いている。
「こ、凍ってる」
「バカ、こりゃ霜だよ！ マズいな……俺掴んで飛んでくれ」
「なんで」
「こんなことができんのは、人じゃねぇ」
たらこと共に、宙へと舞い上がる。
飛び上がる際の風圧で、霧が晴れた。
「お」
「え」
眼下の湖が、凍っていた。
薄く透明な氷が、湖を覆っている。
自分たちの居た岸辺も、既に氷付けだ。
「なんじゃこりゃあ！？」
「ちょ、重いんだから暴れないで……」
「アンタらだーれ？」
ぎょっとした。
背後を取られたという事だけじゃない。
振り向くとそこにいたのは、少女だった。
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.56 )
- 日時： 2010/03/14 22:53
- 名前： かっぺい （ID: qrbmE5ew）
たらこ・フータ その３
「アンタたち、ここで何してんの？
っていうか……飛んでる！」
「君も飛んでるじゃんか」
「あんたドラゴンじゃん。初めて見た！」
……下でたらこが瞬きを繰り返している。
僕も開いた口が塞がらない。
ここは、既にそこらの木よりは高い位置だ。
だが、それを無視して少女は僕らと会話している。
空を飛んでいる。
「ねーねー、何やってんの？ 二人で決闘してるの？」
「いやこれは……」
「混ざってもいい？」
「え」
反応する間もなく、たらこの唇が歪んだ。
掴んでいる手が、歪む。
「たっ……！」
横から、氷塊が激突していた。
既に意識はないらしく、僕の手から滑り落ちる。
「あれ……もしかして……死んじゃっ……た？」
「たらこ！」
叫んだ直後、がしゃんという音ともにたらこが湖に落ちた。
唖然としたまま、少女を見る。
「こ、これ……ワザとじゃないの！
あたい……そんな、死ぬなんて」
「ふざけるな」
ふつふつと怒りが沸き上がってくる。
少女は、焦ったように背後へ逃げようとした。
大きく、翼を広げる。
出会うには突然すぎた。
僕にも、あいつにも、彼女にも。
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.57 )
- 日時： 2010/03/17 21:14
- 名前： かっぺい （ID: qrbmE5ew）
たらこ・フータ その４
湖のほとり。
霧は既に晴れきり、太陽が朗らかに水面を照らしていた。
そこで、僕たちは話している。
「だからさぁ……ちゃ〜んと確認してから動くもんだろ？
それを怠ったんだからお前が悪い」
「普通死ぬと思うだろ！？ 何mの所にいたと思ってるんだ！」
「ホントよ！ 頑丈さだったらあたい並にさいきょーね」
「いや、だから違うって」
少女は、首を傾げる。
僕らは溜め息を吐いた。
僕の闘いは、始まる前に終わった。
地面へと降下する少女に向けて攻撃しようとした所を、たらこに止められたのだ。
びっしょり濡れてたらこは震えていたが、重傷はなかった。
「氷が薄かったからな。
痛かったけど、何とかなったんだよ」
「あたいのでっかい氷は？」
「アホガキ、私を潰すんだったら怪鳥でも連れてきな」
目を細めてたらこが言う。
その言葉には若干の余裕が含まれていた。
……死にかけてたくせに。
「でも遅いなぁ」
「え？」
「友達呼んでるの。大妖精って言うんだけど……」
「私たちを見たらビビるんじゃないのか？」
「あたいはビビらなかったでしょ」
ふん、と胸を張って少女が言った。
確かに、ここの人々がみんなこの子並みに強いのなら……
あまり想像したくない。
「おい、お前なんて名前？」
不意に、たらこが少女に向かって言った。
そういえば、まだ名前を聞いてない。
「……普通は自分から名乗るんじゃないの？」
「そんなの、どこで聞いた？」
「どっか」
くっ、と笑いが漏れた。
たらこは呆れたように体を揺らす。
「私はたらこだ」
「僕はフータ」
にこっと笑って、少女も名を名乗る。
チルノ、と言うらしい。
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.58 )
- 日時： 2010/03/19 23:40
- 名前： かっぺい （ID: qrbmE5ew）
たらこ・フータ その５
「ほんとに……チルノちゃんが迷惑かけちゃって……」
「いいよ。僕ら二人とも無事だし」
「私は腰痛だ！」
「ヨーツー！」
チルノとたらこはお互いにふざけている。
呆れて首を振ったが、隣の少女はふっと笑った。
「えっと、大妖精……でいいの？」
「あ、友達には大ちゃん、って呼ばれてます。
そっちの方が言いやすいらしいんですけど」
「そりゃそうだ」
大ちゃんは照れたようにはにかんだ。
残りの二人を見ると、大ちゃんが来た事で緊張感が解けたらしい。
が、なんとなくそれも納得できる。
「でも、すぐに仲良くなっちゃったんですね」
「え、あ……いや、あれは仲が良いって言うより……」
ドつき合ってるだけじゃ、と喉まで出た。
「おいおい勘弁してくれ。
私はこいつの攻撃喰らって死にかけたんだ」
「そーそー。手加減したけど、ピンピンしてるしね」
「ピンピンはしてねぇだろ！」
二人はまたふざけ出す。
大妖精の顔をちらりと見ると、まだ笑顔だった。
「……こういうの、珍しい？」
「はい。あの子、周りの子より力が強いから……
最近になってやっと、友達ができてきて」
半ば自虐的な口調。
それを聞いて、ああ、と理解した。
やっぱりあの力は異常なんだな。
視線を、大ちゃんに向ける。
気付かれて、目が合った。
- Re: 【東方】うちのメンバーが幻想入り【ポケモン】 ( No.59 )
- 日時： 2010/03/22 21:39
- 名前： かっぺい （ID: S3B.uKn6）
たらこ・フータ その６
「こんなナリだから、てっきり仲間外れにされるかと思ってたよ」
自分を指差して言う。
大ちゃんは少し黙った後、視線をそらした。
「お二人は……強いんですよね。
チルノちゃんを怖がらないくらい」
「ん……」
「私たちは、見かけじゃあまり判断しません。
姿は色々だし、妖怪は恐くないですし」
「でも同じ妖精でも、強いと怖いんだ？」
ぐ、と彼女は俯く。
やっぱりチルノと大ちゃん達との間には、何らかの溝があるらしい。
次の言葉を探して僕も視線をそらす。
そこに氷の塊が降ってきた。
鼻をぶつけると、ひやりと首筋が震える。
「痛ぁ！！」
「大ちゃんの悪口言わないで！」
顔を上げると、たらこの頭に乗ってチルノが怒っていた。
本心からの怒りらしく、両手をブンブンと振っている。
「ちょ……チルノちゃん」
「大ちゃん達が悪いんじゃないんだから！
あたいがぶきっちょなのが悪いの」
「そりゃバカってことか？」
「ばッ……バカじゃないったら！！」
たらこがにやにやと言葉を放る。
ちらりとこちらを見た。
「お前は、こいつらが差別しているように見えるか？」
……いや、見えない。
「でも前は」
「アホたれ。最初っから仲が良い仲間なんていねぇよ。
今が重要だ。今、がな」
たらこはそう言うと、チルノを上に乗せたまま大ちゃんに近づく。
「そんじゃあ大よ、まだ警戒してる奴らにも挨拶させろ」
「え……き、気付いてたんですか？」
「あんだけビビってればな。
あんま怖がらせんのも悪ぃし。な、挨拶くらい」
それを聞いて、僕はたらこに目をやる。
たらこは、今度は笑わないで僕を見た。
「これから、私の主張を証明しに行くからな」
そんな事言ったってさぁ
立ち上がった大妖精達を見ながら思う。
僕の知ってる光景では、そんな事はあり得ないのに。
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