二次創作小説(紙ほか)
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- 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1
- 日時: 2013/05/14 04:25
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
俺の名前は高坂京介。平穏をこよなく愛する至って普通の高校3年生だ。
俺には3つ下に桐乃という妹がいる。
桐乃は、成績優秀で容姿端麗、スポーツ万能のちょうハイスペックなやつである。
故に、俺はそんな妹と自分を比べ打ちのめされてきた。
だがそんなすごい妹にも、周りにひた隠しにしていた秘密があった。それはオタクだということ。アニメやゲームが大好きで、その中でも一番のお気に入りなのがほしくず☆うぃっちメルルというお子様向け魔法少女のアニメである。これこそが、俺が桐乃の趣味を知ることとなった原因でもある。だが俺の妹の底はしれなかった。これよりももっとやばい趣味。どちらかといえば、こっちを知られることの方が恐怖だろう。そいつは、妹モノのエロゲーにドハマリしていることだ。そいつのせいで俺の愛してやまなかった平穏はどっかにいっちまった。
きっかけはこうだ。俺があいつのDVDを拾って犯人捜しを始めてしまい、結果あいつのものだと判明。どうでもいいと思いながら俺が口にした言葉に妹は俺に人生相談してみようと思ったらしい。それであいつの人生相談されてエロゲをやらされたり友達を作るためのオフ会に付き合わされたり、親父に妹の趣味を認めさせるために頑張って、あげく親父にぶっ飛ばされたり、妹の親友に近親相姦上等の変態に思われ殺人ハイキックをくらったり、例をあげればきりがない。
それなのにあいつときたら、兄を慕うどころか「きもっ」だの「変態」だのと俺を罵り殴られ蹴られ、兄を兄とも思っちゃいねー。
だけど、一時に比べれば大分ましになったと思う。一緒に出掛けたり(大抵荷物持ちだけど)一緒にゲームしたり(一方的にエロゲを押し付けられてるだけだが)…やっぱ、ちょーむかつく妹だな。
それでもたまに、ほんとごくたまにだが、素直な時もあって、…可愛いと思ってしまう、ときもある。そんな妹に俺はいかれちまったらしい。あいつがアメリカに留学して、離れ離れになって初めて気付かされた想い。俺はあいつがいなくて寂しくて寂しくて死んじまうんじゃないかと割とまじに思った。俺は妹がいないとつまらないと感じていた。愛してやまなかった平穏を退屈だと思うようになっていた。あいつの人生相談に振り回される日々こそが俺にとっての日常なんだ。俺はあいつのことが、大嫌いだ。大嫌いで、大嫌いで…大好きなんだ。そう、俺は妹のことが大好きなシスコンだったんだ!ってな。
だから俺は、無理してダメになっている妹をアメリカから連れて帰ってきた。あいつのあんな姿見ちゃいられなかったし、何より俺がそうしたかったからだ。
それからも色々なことがあった。彼氏のフリをさせられたり、偽彼氏騒動では嫉妬して盛大に自爆した。せっかく出来た彼女ともあいつが「あたしが1番じゃなきゃ嫌」なんていうから別れちまった。おふくろには、俺と桐乃の仲を疑われたあげく家を追い出されるようなはめにもなった。…結局、おふくろの策略だったわけだけど。その甲斐あってか、模試でA判定取ることが出来たよ、ちきしょー!そして、俺と桐乃と麻奈美での話し合い。俺の恥ずかしい中学時代のエピソードを語らせられただけの気もするが…。結果だけいえば、麻奈美の思惑通りにいかず、俺と桐乃は仲直りすることは叶わなかった。それでも、桐乃と麻奈美の方は一応?仲直りした…のか?だけど、その話し合いによって分かったことがある。ずっと心の奥底で眠っていた想い。気付きそうで気付けなくて、気付きたかったような気付きたくなかったような複雑な想い。だけど、この想いは間違いなく俺の本当の想いで、気付いちまった以上どうしよーもねーもんだし、否定しようもんならそれは俺が俺自身を否定するようなもんだ。そんなこと俺には出来ないね。いつも言ってるだろ?俺は蔑むような真似だけは絶対しないと心に決めている。それが妹のことであっても他人のことであっても…もちろん、俺自身のことであてっも…だ。だから、何が言いたいのかと言うとだな、つまり、俺と妹の話も終わりに近づいてるってことだよ。
そして、俺の出した結論は…
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.13 )
- 日時: 2013/05/07 11:22
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
「いやー、ラブホのバスルームって場所によって全然違うんだねー!前の場所は壁が光ってたし、ここは、」
なんて言いながら桐乃が出てきた。
「そんな余計な知識は棄てていけ!」
「なに怒ってんの?べつにいいじゃん、後学のためになるし」
「初めてのやつが、やたらとラブホに詳しいってどうよ?誰も初めてだって信じちゃくれないぞ?」
「は、初めてって…あんたそれ、セクハラだからね!」
「おまえが聞きもしないのに、余計なこと喋り出すからいけないんだろ!」
「そうやって人のせいにしたって、あんたの罪が消えるわけじゃないから!」
「うっせ」
「ぬっ…あやせにいいつけるわよ!?」
「やめろ!それだけは絶対やめてくれ!頼む!」
「…言えるわけないじゃん、ばか」
「あと黒猫や沙織にも、うっかり口を滑らせたりするなよ?」
「しないって!あいつらにだって、こんな事知られたらまずいんだから!」
「そりゃそうだよな」
一昨年のクリスマスの件も誰にも言ってないみたいだし。
「あたりまえでしょ…ラブホ入ってなにもなかっただなんて」
「なんか言ったか?」
「そんなことより、入るならさっさと入ってくれば。あんたならそんな時間かからないでしょ?」
「…なんでおまえは、俺にシャワーを浴びせたがるの?」
「べつに深い意味ないって!ほら時間なくなるし」
「いや、入るつもりないんだが」
「はぁあ!?せっかく来たんだから入ればいいじゃん!」
俺の妹は絶対におかしい。なんで兄をそんなにも必死に、シャワーへと行かせたがる。
とりあえず考えてみるかね
1.「す、するなら…キレイな方がいいでしょ?」
2.ベッドで寝たフリをしているようだ。さて、どうやって起こしてやるかな
3.「今のうちなら…こ、これが兄貴のパンツ…!」ゴクリ
ってなんでこんなのばっか浮かぶんだよ!俺の頭はエロゲ脳かよ!ねーよ!
でも、最近押しつけられたエロゲーでも
「受験が終わるまで、お・あ・ず・け、だよ♪」
だからねーって!それにまだ、合格したわけじゃねーし、この選択肢が事態がおかしいんだ。
なら、きっとこうだ!
4.俺がシャワーを浴びている間に(俺の)所持品持って離脱
何がしたいんだかわかねーな。話し合いに来たってんのに、ここに来た意味なくなるし。つーか、こいつならいつでも俺のもの盗れんだろ。もし、これこそが本来の目的だったとしたなら、恐ろしすぎる…。
だが、これでもないとしたら、こいつ、本当に何がしたいんだ?
そこでふと、あることが思い浮かんだ。たしかにこれなら、桐乃の考えそうなこった。
…だからってな、
「妹とラブホについてなんぞ、語り合えるか!」
「え?な、なんのことかなー?言ってる意味がわかんないなー」
ぜってー嘘だ!目が泳いでんぞ!
つまりだな、俺の妹はラブホの風呂が気に入り、それについて話せる相手が欲しいってことだ。
なんてバカな妹なんだ。変態だ、変態だ、とは思っていたが…こいつはもう手遅れだな。判りきったことを今さら再確認する。
それで
「おまえは、ラブホの風呂について何を話したいんだ?」
「だってほら、壁光ってキレイだったし、へんな形のイス?みたいのがあってさ、あたし1人の知識じゃ限界あるじゃん?」
「そんなの俺にだってわかんねーよ!」
「そうなの?」
なんで俺ならわかると思い込んでんだよ!
「とにかく入らないからな。」
「えー!」
「不満そうに叫ぶな!それに考えてみろ。同じシャンプーの匂い漂わせて帰宅してみろ?親父とおふくろになんて言い訳するんだ?」
「えっと、偶然じゃない?」
「そんな偶然あってたまるか!家にあるシャンプー以外の匂いが兄妹揃ってしてきたら、絶対おかしいじゃねーか!?」
「そ、そうかな?」
「おまえはなんでそういったことは思いつかないんだよ」
「ふん、悪かったわね」
エロゲー趣味とはいえ、こいつはまだ中学生なんだよな。
桐乃は純粋にただ、ラブホの風呂が気に入って誰かと話してみたいだけなんだよ。こいつの友達にラブホなんて行ったことあるやついないだろーし(そう思いたい)?それに、もし話でもしてみろ
「ねえ、ラブホのバスルームって、ちょースゴくない?」
「え?桐乃って…もう、そういうことしてるの?」
なんてことになりかねん。
「お兄さん、桐乃がラ、ラブホテルについて色々と詳しいみたいなんですが、どーいうことですか?」
「桐乃に手を出したんですね!?死ね!ヘンタイ!」
あやせで想像してしまい、俺は恐怖で震えが止まらない。
「どーしたの、京介?」
「なんでもない。…帰りに風呂覗いていくから、それで我慢しろ」
「うん。それでいい」
やれやれ、仕方ないな。
どーせ俺は妹に甘いシスコン兄貴だよ。
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.14 )
- 日時: 2013/05/14 05:20
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
「…よし、桐乃。そろそろいいか?」
「え…うん」
「桐乃、あのな…」
「やっぱ、待って」
「な、なんで」
「あたしも…あたしも、あんたに話あんの。先に言っていい?」
「…わかった。それで?」
「うん。この前のことなんだけど、結局何があったの?」
「何かってなんだよ?」
「黒いのとかあやせとかと」
「…」
「今日だってあたし達が呼ばれないのって変だし。あいつら、あたしに気を遣ってるような感じで言ってたけど…なんかおかしい気がするの」
「俺も呼ばれなかったのは寂しいけど、具体的にどこが変なんだよ」
「それは……とにかくおかしいったらおかしいの!」
「そんなんじゃわかんないだろ」
「う゛ー…この話はもういい!で、あんたはあいつらと何があったの?」
「それは…前にも言ったろ?言えないって」
「だめ!言えっ!」
「言えないもんは言えないんだよ!」
今日に限ってどうしたんだ?普段からこいつはこんなんだが、ここまでしつこいなんてことはなかったはずだ。
「…それじゃあ、なにも変わんない!」
「…」
「違う?」
「違…くない」
桐乃の言う通り、変化にはそれなりの出来事や理由が必要だ。こいつの言っていることの方が正しいと思う。でもな、1つだけ違ってることがあるんだよ。
桐乃は変化を望んでいるんだろうが、俺は変化を望んじゃいないってことだ。
ずっとこのまま…ってわけにはいかないことは俺にもわかってる。でもせめて、せめて今は、もう少しこのままがいいんだ。…なんて言ったらこいつはやっぱり怒るのかな。変化を望んでいるだろう妹には、わかってもらえないんだろうな、兄貴である俺の気持ちは。
たしかに俺はあいつらとちょっとしたことがあった。でもそれをいちいち報告する義務はない、と思う。ましてや妹に、だ。
だいたいなんて言やいいってんだ。「俺、あいつらに告白されたんだよねー」とでも言えばいいってか?
こいつも複雑だろうよ。兄貴に恋人が出来なかったことには悪態をつだろうが、内心は嬉しいはずだ。だよな?間違ってないはず。
だけど親友であるあやせや加奈子が失恋したんだ。喜んでいいのやら悲しんでいいのやら微妙なとこだ。
…俺と黒猫がよりを戻さないって知ったとき、黒猫に対して気遣いなんいてもんは微塵も感じなかったような気がする。
とにかく、だ!たとえるなら、万が一にもありえないことだが、赤城が桐乃に告白したとしよう。フラれたあいつに俺はなんて声をかけるかだ。
「お前、人の妹になに告白してんだよ!?し、しかもフラれたんだろ?あっはっは」
当分はこいつをネタにいじめてやるね!
うーん、ますますわかんなくなってきたな。
収集がつかなくなったんで、結論。俺はあいつらとは色々あったんだよ。
あれは、一人暮らししていたアパートを引き払うため掃除しに行ったときのこと。
「—そんなあなたのことが好きです」
予想外のあやせからの告白に、俺は戸惑いを隠せなかった。戸惑いの度合いで言えば、黒猫のときよりもあやせの方が断然大きい。元彼女に対してひどいって思うだろーが、最後まで聞いてくれ。
だけど、嬉しさでいえば黒猫のときの方が大きいんだよ。理由なんて俺自身がよーくわかっていることだ。
以前の俺ならくい気味で「俺もだぜ、あやせ!」って、気軽に返事していたのだろう。だけど、今はそんな風に答えてやることが出来ない。
あやせは告白の返事をずっと待っている。俺から目をそらすつもりはないらしい。
そんなあやせを見ていると決心が揺らいでくる。…くそっ、ちゃんと答えてやれよ、俺!
「…お兄さん…あ、あの」
「あやせ、俺…お前とは付き合えない」
「お兄さん…なんでなんですか?」
「…」
「やっぱり、…桐乃なんですか?」
こいつには今さら隠したってしょーがねーよな。
「ああ、そうだよ」
「そんなに、桐乃のことが大事なんですか?」
「そんなの当たり前じゃねーか!俺は桐乃のことが一番大事なんだよ!」
「…知ってました」
「え?」
「だから、そんなことはとっくの昔からわかってたことなんですよ」
「とっくの昔って…あの時のことは全部嘘だったことに気づいてたんだろ?」
「たしかにあのセリフ自体は嘘だったのかもしれませんが、お兄さんが桐乃を大事に想う気持ちは嘘じゃなかったでしょう?」
「でもな、おん時の俺と桐乃は」
「そんなこと関係ないんですよ。なんとも思わない大嫌いな妹の為にあそこまでできるのは、私の知る限り、お兄さんくらいです。だからお兄さんのいう、なんとも思ってなかったっていうことの方が嘘なんですよ」
「…そうかよ」
見事な回答だった。
よくわかったもんだよ。こいつにもかなわないって、正直思った。
「ですがお兄さん。そんなことで私が引き下がるとでも思ってますか?」
「納得できないって顔だな」
「当たり前です!お兄さんの桐乃を大事に想う気持ちはよくわかります。私もそうですから。ですがお兄さん、それとこれとは話が別なんじゃないんですか?」
お前のおっしゃる通りだよ。でもな、
「いや、一緒だ。少なくとも俺にとってはな」
「…その答えは予想していませんでした。わかるように説明してもらえますか?」
「そんなこと答えるまでもない。俺は妹のことがちょー大好きなシスコン兄貴なんだぜ?」
「ふざけているんですか?」
「俺は真面目に答えてる」
「…じゃあ、なんですか?今の」
「そのまんまの意味だ」
「…勘違いされても仕方ないセリフですね」
なんとでも言え。
「あやせ、お前の好きにとって構わない」
「そうですか…何をいっても無駄のようですね、今は。ですので、今日のところはこれで引き下がってあげます。でも、だからといって、私は諦めたわけではありませんから!」
「…そうなんだ」
どうでもいいけど、なんかやられキャラみたいなセリフだな、おい。
「それでは、また」
言うだけ言って行っちまいやがった。
「それだは、また…か」
今までだったら俺がいくら「またな」って言っても「さようなら!」だったのにな。本当に俺、あいつに好かれてるみたいだな。
だけどな、あやせ。お前の気持ちに応えてやれる日はきっと…
あやせとはこんなことがあったんだ。
他にも、
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.15 )
- 日時: 2013/05/07 23:55
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
ある日、勉強していると電話が鳴った。携帯の着信表示には加奈子の文字。
「はい?」
「きょーすけ、おまえ今ヒマ?」
「暇じゃねーよ。勉強で忙しいんだ、俺は」
「だったら、いまからいう場所に来てくんない?」
「だから暇じゃねーつってんだろ!」
「えっとねー」
とにかく人の話を聞かないやつである。
その後も一方的に場所を言って、さっさと切りやがった。
ってなわけで、俺は指定された場所に来たものの、
「…遅い」
呼び出しておきながら待たせるとか、どんだけ自由なんだよ!
それからしばらくして加奈子はやって来た。
「よっ」
「おせえよ、バ加奈子」
「てめー、また加奈子のことバカ呼ばわりしやがって!」
「遅れてきてなに言ってんの?そもそも、呼び出したのはお前だろうが。まず詫びの一言でも欲しいんだが」
「おう、来てくれてさんきゅーな」
「謝れって言ってんだろーが!」
こいつ、本当に人の話聞いちゃいねーのな。なんかいちいち付き合ってやんのも馬鹿らしいし、早く終わらせて帰るか。
「で、急に呼び出してなんだ?」
「それはー、えっとねー」
「早く要件を言え」
「おまえなー、オンナノコにはもっと優しくしねーとモテねーぞ?」
「お前に言われたくない!そもそも、ここに来てやっただけでも十分だろうが。あんなんで来るやつ、そうそういねえぞ?」
「ハ?なわけねーじゃん!加奈子に呼び出されたら飛んで来るのが当たり前だろ?なんたって加奈子ぉ、アイドルだしぃー」
どんな勘違いをしたら、そうなるんだ?
たしかにお前は、コスプレイヤー加奈子として一部に人気がある。だからオタクサイドのやつらの中には、お前が考えているようなやつがいてもおかしくはない。だがな、俺はオタクじゃないし、お前に呼び出されてもちっとも嬉しくない。
とりあえず、めんどくさいのでこう答えた。
「へいへい、ありがとうございます。加奈子さまに呼び出されて大変嬉しゅうございます」
「なっ…だべ?最初から素直にそう言えば、加奈子もご褒美やったのによ」
いらねーよ!お前のご褒美なんぞ!
つーか、こいつも相変わらずチョロいな、俺の棒読みなセリフでこれなんだから。…こいつの行く末が心配になってくるな。
「それで、話って一体なに?」
「おう、それなんだけどヨ…実はぁ…」
「?」
「えっとぉ」
「早くしてくれ」
「お前なー!ムードとかデリカシーってもんがないのかよ!」
「なに言ってんの?お前」
ムードとかデリカシーって今、全然関係ないじゃん。これから…え?こいつ、まさか?
「う、そ、だろ?」
「なんだよ?突然」
「加奈子、お前…俺のこと、好きなの?」
「おま!!」
「…まじで?」
「な、なんで言うんだよ!加奈子から言わねーと意味ないだろ!ほんとアホだよな、きょーすけって」
ぐ…言わせておけば!
はぁ、でも今はそんなことよりも
「加奈子、すまん」
「もういいけどよ。それで返事は?」
「今、言ったろ?」
「は?いつ!?」
「だから、すまん。って」
「なにぃー!?あれが告白の返事かよ?!わかりにけー!って、軽すぎじゃねーか、てめー!」
「いや、こういうことはハッキリ言っておかないと思って」
「だからって、もっと言い方あんだろーが!」
「そうか?」
だって加奈子だし。それに俺はロリコンじゃないんだよ。
「さすがの加奈子でも泣くぞ?」
「わ、悪かった。でもすまん。これがお前への俺の正直な返事なんだよ」
「…」
まじで涙目になってんじゃねーかよ!どーすっかな。
「—なのかよ?」
「え?」
「そんなに桐乃のことが大事なのかよって聞いてんの!」
「そんなの当たり前…って、なんでお前がそんなこと知ってんだ?」
こいつはまだ、オタクサイドの桐乃については気づいてなかったはずだ。なのになんで…
「そんなのなんだっていいだろ!で、どうなんだよ?」
俺にとってはどうでもよくないんだが。それについては一旦おいとくとするか。
さて、なんて答えたもんかな。やっぱり今のって、黒猫とのことや桐乃について知ってるってことでいいんだよな?しょうがねー、ちゃんと答えてやるか。いくら加奈子とはいえ、それが礼儀だしな。
「ああ。俺は桐乃のことが大事だ。だから、誰かと付き合う気はない」
「…まじだったんだ。おめーな!妹から彼氏作ったら嫌って言われたぐれーで、ホントに誰とも付き合わないって、きめーよ!」
「お前に言われなくたってわかってんだよ。そんなこと百も承知だ」
「ホントに何を言ってもムダみてーだな。師匠の言ってたとおりじゃん」
「麻奈美?」
なんでそこで麻奈美(こいつの料理の師匠)がでてくるんだ?
「あやせのヤローも簡単に引き下がるし…」
こいつら、なんなの?もしかして、グルになって俺を弄んでんのか?!さすがにそれはないよな。目の前の加奈子もそうだが、あの時のあやせだって真剣な表情だったしな。
にしてもさ!俺、モテ期きたんじゃね!?この半年で4人の女の子に告白されてるし!もはや疑う術はないな。やばい!やばい!やばい!来たぁー!…って思っていたよりもあんまし嬉しくないのは何故なんだ。あ、俺がシスコンだからか!って、チキショウ!よりにもよってなんで今なんだよ!3回しか来ないんですよ?!もう、やってられっか!回想終わり!
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.16 )
- 日時: 2013/05/09 01:15
- 名前: あたれしPULS (ID: tKz6b/Pj)
「…で、少しは話す気になった?」
「そんなに知りたいのかよ」
「知りたい」
「なんで?」
「…言ったら教えてくれんの?」
「考えてはやる」
「………わかった」
文句の1つもでてくるんじゃないかと踏んでいたんだが、今日はいつもと少し違うらしい。少しやりにくいな。
「…京介のことが気になるの!気になって、気になってしょーがないんだもん!だから知りたいの!」
「そ、そうか」
面と向かって、こうも気持ちを率直にぶつけられると照れるな。
「はい、言ったでしょ。早く教えて」
どうすっかな。できれば桐乃には言いたくないんだが…しょうがねー!こいつも素直に言ってくれたんだ!
「わかった、話してやるよ。だけど、暴れるのだけはやめてくれよ」
「なにそれ?あたしが暴れるような話なの?」
「わからんが、お前にとってはおもしろくない話かもしれん」
「安心して。ここ、防音だから」
「そんなこと心配してんじゃねーよ!」
「ちょっとやそっとじゃ音漏れないし」
「そーいう用途の為の設備じゃねーから!」
「ちっ」
ホントに話しても大丈夫かな?
「まぁ、冗談はこれくらいにしておいて。さっ、話してよ」
冗談には聞こえなかったんだが…
「はぁー、わかったよ」
「…」
「………」
「どうしたの?話してくれるんじゃなかったワケ?」
「どこから話していいかわかんねえんだ」
「あんたねー、…じゃあ、とりあえずあやせとは何があったの?」
「…告白された」
「ふ、ふ〜ん…それで?」
「言わなきゃだめか?」
「あたり前でしょ!?あ、あんた、まさか…あやせと…?」
「ち、ちげーって!断った!断ったんだって!」
「…ふーん、ちゃんとフったんでしょうね?中途半端に断っても余計傷つけるだけなんだから!」
「…ちゃんと俺の本当の気持ちを伝えたよ」
「…なんて?」
「さすがにそれはいいだろ?言わなくても」
「…言えないようなこと言ったんだ」
たしかにそうだけど。そうじゃなくても言えねえよ!
「ハッキリ断ったんでしょ?俺と付き合おうなんて鏡見て出直してこいや!とか」
「何様だよ、そいつ!おまえの中で俺、どんなキャラ設定なの!?」
「どちらかといえばS?でも、あたしが蹴ったら嬉しそうな顔してたし、Mっ気もあるよね、絶対」
「全然嬉しくねえから!どうしたらそんな風に見えるんだよ?」
「妹EYE!」
桐乃は妹EYEについて語り始めた。なんかテンションたけーな。どうしたんだ?こいつは。
「桐乃ー、もう話はいいのか?」
「そうだった!で、なんて答えたの?」
えー!またそっからやんの?もういいだろー!
「セリフはべつに構わないんじゃないか?」
「だめ!き・か・せ・て!」
「おまえは言えるのかよ」
「い、言えるよ」
「おまえ、今までに告白されたことあるよな?なんて言って断ってるんだよ」
「へ?そんなんでいいの?」
あれ?反応おっかしいなー
「今はそ−いうの興味ないから、って断ってるよ?」
「…」
そりゃそうだよ!俺達に関わってなきゃそれだけで済むじゃねーか!わざわざ俺のこととかこいつのブラコンも説明しなくて済むしな!俺、バカじゃん
「あんた、こんなこと聞いてどうすんの?」
「うっせ」
「ま、どーせあんたのことだから、あたしが恥ずかしいセリフで断ってると勘違いしちゃったんでしょ」
そーだよ!その通りだよ!これ以上、俺のライフを削るんじゃねー!
「でも…必要な相手にはちゃんと言うから。京介が嫌がるから付き合わないって」
「…」
「あんた、なに赤くなってんのよ!」
しょーがねーだろ!嬉しくて仕方ねーんだから
「…移っちゃうじゃん」
桐乃が俺を目の前にして、こんなこと口にするなんて思わなかった。
「…俺もちゃんと言ったから」
「…なんて?」
「桐乃が1番大事だって」
「うん」
さっきより顔赤くなってんじゃねえか。俺も自分の顔がこいつと同じようになってるんだろうよ。顔がめちゃくちゃアツい。
あれだけ何から話していいかわからなかったのに、後は口が勝手に動いてくれた。
「それから、加奈子に告白された」
「か、加奈子にも?!」
「あぁ」
「あんた、モテモテじゃん」
茶化すんじゃねえよ。
すでに返事の答えがわかっているであろう桐乃は、さっきよりも余裕がでたみたいだ。
少しだけならからかってみてもいいんじゃないだろうか。今まで散々からかってくれたんだから、べつに構わないよな?
「それで俺、加奈子と付き合うことになった」
「…あんた、そんな冗談が今さら通じると思ってんわけ?」
だめでした。
「ばかじゃん」
そう言われ、デコピンされた。なんかこいつ、いつにもまして可愛いじゃねーか。
「それで、ホントはなんて言ったの?」
「やっぱり言わなきゃ駄目か?」
「あたり前でしょ、って何度も言わせんな!今日はそーゆー日なんだから」
そーゆー日って、どういう日だよ。兄妹でお互いをデレさせる日なんすか?
一応、確認のため聞いておこう。
「そういう日って?」
「だから、お互い素直になる日ってこと」
…なるほどね。べ、べつにショックじゃねーぞ?
でも、俺が思ったのとそんな大差ない気がすんのは何故だ?あ、俺達が
ブラコンシスコン兄妹だからか。
話が終わるころには俺達、もう生きてないんじゃないかな?
「さっさと言えっての!」
結局、腕をつねられた。さっきのデコピンならいくらされても構わないんだけどなー。
「だ、だから、あやせの時とおんなじだ!」
「おんなじって?それじゃわかんないなー」
こいつ、どーあっても俺に言わせたいらしい。
…ったく。ならこうだ!
「俺は桐乃が大事だ。だから誰かと付き合う気はない」
「…」
ほぼ再現してやった。案の定、桐乃は真っ赤になって固まっている。
「これで気が済んだか?」
「…うん」
「それで?聞きたいことは以上でいいのか?」
「まだある!黒いのとのこと聞いてない」
黒猫か。でけどな、桐乃
「って言われても、実は俺にもわからん」
のである。
「はぁあ?」
「桐乃、何か知らないか?」
「そんなもん、あたしがわかるわけないじゃん!ホントに心当たりないわけ?気づかないだけで、またなにかやらかしたんじゃないの?あんたのことだし」
「何もしてないんだと思うんだけどな」
う〜ん、ホントになにかやらかしちまったのか、俺。
「…ねぇ」
「どうした?」
「もしかしたら、なんだけどさ。…だからじゃない?」
「は?なに言ってんの、おまえ」
「だから!何もしてないから、なんじゃないのかってこと!」
「なんで?」
「…わかんない」
「ホントか?」
「う゛ー…はぁ。なんとなくなんだけどさ、あいつ、あんたから言ってくるの待ってんじゃない?」
「そっか」
「…どーすんの?」
「まぁ、やっぱいつかは話さなきゃならないだろ」
「あいつには、なんて言うの?」
「それは…いいだろ」
「よくない!あんただったら気にならないの?」
「そりゃあ、気になる…だろうけどさ」
「…なら、そーゆーことでしょ?」
「わかった、わかった。言うよ」
「俺はやっぱり桐乃が1番だから、お前とは寄りを戻さない、っていうつもりだ」
「京介は、…それでいいの?」
「いいもなにも、これが俺の正直な気持ちなんだから仕方ねーだろ」
「そっか。えへへ」
やっぱり嬉しいんだな。こんな緩んだ顔、見たことねーしな。これが見れただけでもいいさ。
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.17 )
- 日時: 2013/05/14 05:18
- 名前: あたれしPULS (ID: tKz6b/Pj)
「それでさ、桐乃?」
「なぁに?」
「この前はすまん!言いたい放題言っちまって、おまえのこと困らせてまって!」
「もういいよ。あれはあんただけが悪かったわけじゃないんだし、あたしも悪かったんだし」
「でも、兄貴として俺は全然だったじゃねーか」
「それは、そうだったかもしんないけど。それより…さ、その兄貴っていうの今だけはやめてくんないかな?」
「やめろって?」
「口にしないでってこと」
「俺はおまえの兄貴だろ?」
「いや、そうなんだけど、違くて、えーっと」
「はっきり言えよ。今日はそういう日、なんだろ?」
「うん…えっとね、妹とか兄貴とか口にしないで欲しい。今だけでいいから」
「なんで?」
「あたしが厭だから。口にださないだけでいいから…その、だめ?」
そんな風に言われたらだめなんて言えないだろ。それに、そんな言い方されっと深い意味あるんじゃねーかって勘ぐっちまうじゃんか。ええい、くそ!こいつに他意はない、きっとない!
「わかったよ、努力してみる」
「ありがと」
「それでだな、海外行きのことなんだが…」
「…やっぱり嫌なんでしょ?」
「嫌…だな。賛成はできない、すまん」
「べつに謝ることじゃないじゃん?…それでも、あたしの気持ちは変わらないけど」
桐乃は決めたらやるやつだ。そんなことはいやってほどわかってるんだよ。
「だろうな。だから俺に言えることは、結局これしかないんだよ。頑張ってこいよ!」
「!」
「頑張って、成功してこい!」
「あ、あんたは、京介はそれでいいの?本当に納得してるの?」
「あぁ。納得するもなにも、俺は今までもそうしてきたように、おまえを応援するだけだ」
「…行って欲しくないんだよね?」
「本音は、な。でも、頑張れって気持ちだって、けして嘘じゃない」
「なんでも言うこときくっていう約束、使わないんだ」
「使うさ、いざって時にはな」
「あたしがまた、だめになったら連れ戻しにくるってこと?」
「そうかもな」
「そっか…、京介はそうゆーやつだもんね…ちょっと寂しい気もするけど」
「最後まで行くな、って喚いてたほうがよかったのか?」
「そーじゃないけど。…ま、それどもよかったのかもしれないけど」
「ったく、どっちなんだよ」
「だから、どっちもってこと!」
「俺とあんまり変わんないな」
「うん、そうだね。京介、あたしだって、あんたに会えなくなるのは寂しいんだからね」
「あぁ」
「でもさ、やっぱダメじゃん?ずっとこのまま…ってわけにはいかないんだし」
「…だから、今なのか?」
「それも含めて…かな」
「…」
「でね、あたし、ずっと、京介に…言えなかったことがあるんだ。聞いてくれる?」
「もちろんだ」
「じゃあ、言うよ。…あたし…あたしね、………ずっと、京介のことが、す…好きだったの!」
「え…」
「もちろん、兄妹として、じゃなくて…男として!」
「………」
「こんなこと、突然言われても困るよね…。でも、言っておきたかったの!言わないで後悔するより、言って後悔したい!そう思ったから。ホントは言わずにおこうって、ずっとそう決めてた。でも…京介に人生相談したあの日から、あたしの京介への想いは強くなっていった。それまでは、もう終わってた…終わりにした恋だったはずなのに。あの日、京介が頑張らなくなって、しばらくして終わらせたつもりだったのに…終わってなんてなかった!あたしの想いは消えてなんてなかったの!」
途中から桐乃の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
それでも、桐乃はやめようとしない。
俺もあの日みたいに、無理にはやめさせようと思わなかった。
最後までちゃんと聞いてやらなきゃって、そう思ったんだ。
「…あの日までの京介はもういない。最初からいなかった…今なら、わかる。そして…あたしの目の前にいる京介が本当の京介なんだってことも。でも、そんな京介が好きなの!うーうん、今の京介のほうが好き!あたしのために必死になってくれて、優しくしてくれて、時には怒ってくれて、そんな京介が好きなの!…それが誰も肯定してくれない想いだってことも理解してるつもり。あたしが望んでいることは、誰にも祝福されないことなんだってことも。…でもダメなんだ。どんなに言い聞かせようとしても、あたしの、京介を好きだって気持ちは抑えることができなかった!ましてや、なかったことになんかできなかったの!」
「…」
「…ねぇ、京介。これが正真正銘、最後の人生相談。あたしは…あたしは京介の恋人になりたい!それがどんなにいけないことでも。あたしが海外に行くまででいいから、…あたしに思い出をください」
それが桐乃からの最後の人生相談の内容だった。
海外に行くということは、俺からの卒業、そういう意味もあったらしい。
だから桐乃は、俺に兄妹としてではなく、恋人としての思い出を求めている。ずっと伝えられなくて、苦しい思いもしてただろう。
そりゃそうだろうよ。ゲームの世界なら、いつかその想いは報われる。でも、現実の桐乃の想いは報われることなんてない。誰だってそう考えるのが妥当だ。それが社会における常識ってやつなのだから、
常識を棄てるのは簡単なことなのだと思う。棄てるまではあれこれ考えて大変だ。でも、棄ててしまえばそれで終わりなんだ。
…だが続きがある。棄てた後の現実が、それを許してはくれない。
そう。1番大変なことは、常識を棄ててしまった後の現実をどう生きるのか、ということだ。
常識を棄ててしまった以上、これまで身を護っていたものをすべて失い、逆にそのすべてから身を護らなくてはならない。自分達の力のみで。
きっと、そんなこと誰にも出来やしない、ってことを俺は知っていた。
桐乃の涙は止まりそうにもない。止める方法の1つを俺は知っている。でも、この時の俺にはそうしてやることができなかった。
「桐乃、おまえの最後の人生相談を俺はかなえてやることはできない。俺は…兄貴としておまえを送り出すって決めているからだ。だから…俺に出来るのは、兄妹として、おまえが望んでいることだけだ」
桐乃は俺の言葉をしっかりと聞いていた。泣き喚いたり、耳を塞いだりはしなかった。
そして、俺の胸にそっと頭を預けてきた。そんな妹を俺はこれまでもそうしてきたように、頭の上に手をのせて慰めた。
ようやく涙が乾ききったころ、桐乃は笑顔を見せてこう言った。
「帰ろっ、兄貴。あたし達の家に!」