二次創作小説(紙ほか)
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- 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1
- 日時: 2013/05/14 04:25
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
俺の名前は高坂京介。平穏をこよなく愛する至って普通の高校3年生だ。
俺には3つ下に桐乃という妹がいる。
桐乃は、成績優秀で容姿端麗、スポーツ万能のちょうハイスペックなやつである。
故に、俺はそんな妹と自分を比べ打ちのめされてきた。
だがそんなすごい妹にも、周りにひた隠しにしていた秘密があった。それはオタクだということ。アニメやゲームが大好きで、その中でも一番のお気に入りなのがほしくず☆うぃっちメルルというお子様向け魔法少女のアニメである。これこそが、俺が桐乃の趣味を知ることとなった原因でもある。だが俺の妹の底はしれなかった。これよりももっとやばい趣味。どちらかといえば、こっちを知られることの方が恐怖だろう。そいつは、妹モノのエロゲーにドハマリしていることだ。そいつのせいで俺の愛してやまなかった平穏はどっかにいっちまった。
きっかけはこうだ。俺があいつのDVDを拾って犯人捜しを始めてしまい、結果あいつのものだと判明。どうでもいいと思いながら俺が口にした言葉に妹は俺に人生相談してみようと思ったらしい。それであいつの人生相談されてエロゲをやらされたり友達を作るためのオフ会に付き合わされたり、親父に妹の趣味を認めさせるために頑張って、あげく親父にぶっ飛ばされたり、妹の親友に近親相姦上等の変態に思われ殺人ハイキックをくらったり、例をあげればきりがない。
それなのにあいつときたら、兄を慕うどころか「きもっ」だの「変態」だのと俺を罵り殴られ蹴られ、兄を兄とも思っちゃいねー。
だけど、一時に比べれば大分ましになったと思う。一緒に出掛けたり(大抵荷物持ちだけど)一緒にゲームしたり(一方的にエロゲを押し付けられてるだけだが)…やっぱ、ちょーむかつく妹だな。
それでもたまに、ほんとごくたまにだが、素直な時もあって、…可愛いと思ってしまう、ときもある。そんな妹に俺はいかれちまったらしい。あいつがアメリカに留学して、離れ離れになって初めて気付かされた想い。俺はあいつがいなくて寂しくて寂しくて死んじまうんじゃないかと割とまじに思った。俺は妹がいないとつまらないと感じていた。愛してやまなかった平穏を退屈だと思うようになっていた。あいつの人生相談に振り回される日々こそが俺にとっての日常なんだ。俺はあいつのことが、大嫌いだ。大嫌いで、大嫌いで…大好きなんだ。そう、俺は妹のことが大好きなシスコンだったんだ!ってな。
だから俺は、無理してダメになっている妹をアメリカから連れて帰ってきた。あいつのあんな姿見ちゃいられなかったし、何より俺がそうしたかったからだ。
それからも色々なことがあった。彼氏のフリをさせられたり、偽彼氏騒動では嫉妬して盛大に自爆した。せっかく出来た彼女ともあいつが「あたしが1番じゃなきゃ嫌」なんていうから別れちまった。おふくろには、俺と桐乃の仲を疑われたあげく家を追い出されるようなはめにもなった。…結局、おふくろの策略だったわけだけど。その甲斐あってか、模試でA判定取ることが出来たよ、ちきしょー!そして、俺と桐乃と麻奈美での話し合い。俺の恥ずかしい中学時代のエピソードを語らせられただけの気もするが…。結果だけいえば、麻奈美の思惑通りにいかず、俺と桐乃は仲直りすることは叶わなかった。それでも、桐乃と麻奈美の方は一応?仲直りした…のか?だけど、その話し合いによって分かったことがある。ずっと心の奥底で眠っていた想い。気付きそうで気付けなくて、気付きたかったような気付きたくなかったような複雑な想い。だけど、この想いは間違いなく俺の本当の想いで、気付いちまった以上どうしよーもねーもんだし、否定しようもんならそれは俺が俺自身を否定するようなもんだ。そんなこと俺には出来ないね。いつも言ってるだろ?俺は蔑むような真似だけは絶対しないと心に決めている。それが妹のことであっても他人のことであっても…もちろん、俺自身のことであてっも…だ。だから、何が言いたいのかと言うとだな、つまり、俺と妹の話も終わりに近づいてるってことだよ。
そして、俺の出した結論は…
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.3 )
- 日時: 2013/05/01 02:36
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
センター試験まで1週間と迫っていたある日のこと。俺は桐乃に正座させられていた。
「で、あんた言い残すことある?」
めちゃくちゃご立腹な様子な妹様。なんでこんなことになっているのかというと…
「あんたにこのエロゲ貸してから一体、何日が経ったと思ってるの?」
もち、エロゲ関連で、です。
「えっと、5日かな」
「あたし、貸すときなんて言ったっけ?」
「なんだっけ?」
「嘘乙!それとも、ホントに覚えてないの?なんなら、思い出させたあげようか?」
女子中学生が指をポキポキ鳴らすんじゃねー!
「いや、待て!たった今、思い出した!」
「それで?」
「たしか、3日でコンプしろ…だったかな?」
「で、何日経ったのかなー?」
やべーって、笑いながら額に青筋って、この後はお決まりのパターンですよね?なんとかしねーと。
「すまん!もうセンターまで日にちないし、勉強に集中しすぎてやるの忘れてただけなんだって!」
いや、ホントだぞ?けして、トゥルーエンドとか面倒くさいからやんなかったわけじゃないんだ。ってか、割と気になってる方だ。ただ今回はまじで勉強に没頭していただけなんだ。ただ、それには理由がある。桐乃だけは絶対言えないけどな。なぜなら、家を追い出される妄想がリアルすぎてやばいなんて言えねーだろ?それに、追い出される理由が受験に失敗したからだけではなく、受験に失敗した俺を励まそうとして桐乃とエロゲやっているところをおふくろに目撃され、現場を押さえられた俺達は引き離されることとなる。俺は親父の手によって刑務所にぶち込まれた(俺はまだ未成年なので正式には違うのかも知れない)。
ここまでいえばわかるだろ?妹モノのエロゲをやる気が削がれたのだ。なにを今さらと思うやつもいるかもしれない、俺自身、何を今さらって思うよ。でも、仕方ねーじゃねーか!だって、夢に見るんだよ!しかも、ストーリー展開に話が進んで行くんだって!これで、トラウマにならないやつなんているか?いないだろ?!
「…介、京介ってば!」
「はっ!」
「あんた、大丈夫?」
「大丈夫じゃない!」
「…ホントに大丈夫じゃなさそうなんだけど。…一体、あんたに何があったの?」
色々と夢の中でな。心配そうに俺の顔を覗き込む桐乃に、おれはこう言ってやった。
「そんなに心配しなくても大丈夫だ。必ず受かるから」
「え?な、なに、突然。よくわからないけど、自信満々なあんたってさ…ちょっとキモい」
「おま…」
おまえを安心させようとした兄に対して、なんてこと言うんだ!だけど、なんでこいつ顔を赤くしてるんだ?よくわからんやつだ。
「ってかさー、そんな自信あるなら、やっぱやる余裕あるんじゃない?」
「ない!センター、もうすぐなんだぞ?べつに、終わってからでも構わないだろ?」
「だめ!」
「な、なんで?」
なんでそんなに俺にエロゲやらせたいんだよ、おまえは。
「終わってからじゃ意味がないから、だめ」
「どういうことだよ?」
「いいから、せめてこれだけは終わらせて」
だから、なんでおまえはそんな真剣な顔で言うんだよ。このエロゲにどんな意味があるってんだ?
「わかった。やればいいんだろ、やれば」
「初めからそう言えっての。…この鈍感」
「なんのことだよ、鈍感って」
「さぁね」
そこで俺は最近やったエロゲを思い返してみた。ん?ふと、あることに気づいた。
「受験が終わるまで、おわずけ…?」
「!!?」
どうやら正解らしいな。桐乃の顔がものがたっている。しかし、今のセリフと桐乃とどう接点があるんだ?俺が気づいたことは、エロゲの主人公が共通して受験生だということ。そして、妹達は主人公を応援し励まそうと色々と世話をしてくれる。もちろん、性的な意味でもな。
そして、桐乃が俺に伝えたかったことというのは、たぶん、そういうことなのだろう。
「ったく、まどろっこしいんだよ。いつもおまえは」
「…ふん」
おまえの気持はわかったよ。だからってエロゲを通してって、どんだけ不器用なんだよ。
「桐乃」
「…なに?」
「俺、絶対受かるよ」
「あっそ。まぁ、頑張ったらいいんじゃん?」
ホントめんどくせー妹だよ、おまえは。最初っから素直にこう言えばいいのによ。頑張れってさ。
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.4 )
- 日時: 2013/05/01 23:48
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
翌日、喉が渇いたので麦茶でも飲もうかと自室にある冷蔵庫を開けた。
この冷蔵庫はな、何を隠そう一人暮らしすることになった時に桐乃から貰ったものなんだぜ!世界広しとはいえ、女子中学生の妹に冷蔵庫をプレゼントしてもらった兄貴なんて俺ぐらいじゃね?羨ましいか!?…貰った当時は、素直に喜べなかったけどね。まるで、妹の誕生日に安物のアクセあげたらお返しにブランド物を貰った、みたいな。たとえはあれだが、兄として情けなくなる気持ちはわかるだろ?だけど、せっかく買ってくれたんだし元は取らないとあいつにも悪いしな、ってわけで、自宅に戻ってからも俺の部屋で大活躍ってわけだ。わざわざリビングまで行かずに、冷たい麦茶が飲めるなんて最高すぎるぜ!ただ、季節は冬。なので、温かい飲み物が欲しくなる時もあるわけで。
「コーヒーでも淹れてくるか」
リビングに降りると、いつものように桐乃がソファーでくつろぎながら雑誌を読んでいた。特にこっちに気づいている様子もないので、そのまま素通りしてキッチンに向かった。
コーヒーを淹れていたら、桐乃の方から話しかけてきた。
「ねぇ」
振り返ると読んでいた雑誌を閉じて、顔だけこちらに向けていた。
「なんだ?」
「最近、学校で、どう?」
「は?」
どうしたってんだ?桐
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.5 )
- 日時: 2013/05/08 10:42
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
どうしたってんだ?桐乃が俺に学校でのことを聞いてる、だと!?こんなこと今まで一度もなかったぞ!本当にどうしたんだ、こいつ。
なんで俺がこんなに驚いているのかというと、一つ付け加えさせてもらえるなら、俺はここ何年もこの家で学校のことを聞かれた覚えがないからな。
それにたかが妹に学校の出来事を聞かれているだけだ。オーケー、オチツケ、オレ。
「べ、べつに、特に変わりはねえよ。3年の3学期にもなると、授業らしい授業もないしな」
「そうじゃなくて!あんたの学校生活のことなんて聞いてないから!」
えー?おまえが聞いてきたのに、それは理不尽じゃね?
「ほれ、黒いのとかと、ってこと!」
それなら最初からそう聞けってんだ。
「…べつにどうも。あいつ転校しちまったんだし、そうそう会うこともない」
「そうなんだ。…そーいえば転校してたんだった」
「そうだよ」
こいつは、そんなことが聞きたかったのだろうか。
「じゃあ、あやせは?」
え?あやせ、だと、
「…アレ以来会ってねーよ」
「そっか」
アレ以来というのは、桐乃の中では、一人暮らしをしていた時に世話をしに来てくれていたので、自宅に戻ってからは会っていないということになっているはずだ。
なので、正確にいえば違う。だが、アレ以来とはアレ以来なので、嘘は言っていない。
「なら、加奈子は?」
…加奈子の話題までふってきやっがた。一瞬、どう言ったものか思ったが正直に話すことにした。
「あいつとは、この前ちょっと会った。でも、そんくらいだ」
「そう…会ったんだ」
てっきり、「で、なんの話したの?」とか聞いてくるだろうと踏んでいたのだが、以外にも桐乃は何も追及してこなかった。
そのかわりに
「さ、沙織とは?」
「沙織とは全然。おまえらと一緒にチャットするくらいだ」
「だよねー。ってか沙織のときだけ、あんた、そっけなくない?」
そんなこといわれてもな。たしかに眼鏡を外した沙織はすごい美人である。だけど、所詮は沙織・バ・ジーナなんだよ。あいつを今さら女として見ることはねーよ。
「ソンナコトネーヨ」
「…ま、べつにいいけど。…麻奈美さんとは?」
桐乃はあん時以来、麻奈美のことわ地味子とは呼ばなくなった。一応、あんなんでも仲直り出来た?のかね。本人のまえじゃ、あんたとか呼んでいたけどな。
「麻奈美ねえ…。いつも通りだ」
「いつも通りって、いつも通り、イチャイチャしてるってこと?」
こえーよ!どっからそんな低い声が出てくんの?!おまえ!
いくら仲直りしたとはいえ、麻奈美に対しての好感度は相変わらずわりーな、おい。
それにおまえは、なんだってこんなこと、…って、それは聞くだけ無粋ってもんだな。兄が他の女と仲良くしてるのが嫌だっだんだもんな。俺だって、桐乃とどっかの男とイチャついてたら、きっとそいつのことぶん殴りたくなるだろうしな。
ったく、どんだけキモいシスコンブラコン兄妹なんだ、俺達は。
「べつにイチャイチャなんてしてねーよ!普通に一緒に学校行って、帰って、たまに勉強見てもらってるだけだ。前にも言ったろ?麻奈美とはなんでもない、俺にとって麻奈美は幼馴染でそれ以上でもそれ以下でもないって」
そもそも、俺はなんで妹相手に、こんな言い訳くさいこと言わなきゃならならんのだ。まるで、彼女に浮気を疑われてる彼氏みてーじゃねーかよ!
「…そこまで言うならしんじてあげなくもないけど」
ホントに彼女みたいな、ものの言い方でうんざりしたよ。
「へーへー、そりゃどうも」
「なに、その態度!?人がせっかく信じてあげてもいいって言ってんのにさ!」
「あざーっす」
「…あんたねー、バカにしてんの?」
やべ、キレそうだ。
「いやいや、してないっすよ?ちゃんと感謝してます」
「…ふん、ホントでしょうね?」
「ホント、ホント」
なんで俺は、コーヒー淹れに来ただけなのに、妹のご機嫌を取るはめになってるんだよ。もし、血が繋がってない赤の他人だったら、こいつの相手なんて5分も持たないね。
「でさ、やっぱりあんた、最近おかしくない?」
「え?」
…
「あんただけじゃない。黒いのも、あやせも、なんでかわからないけど、加奈子の様子も変だし。沙織も前から変だったけど、最近は輪にかけて変」
「おまえも大概ひでーな!沙織のやつ、泣くぞ!?」
「だって、変なものは変なんだから
、しょーがないじゃん。なら、京介は沙織のこと変な奴だなーって思ったことないっていうの?」
「あるに決まってんだろ。あんな変な奴、他に見たことねーよ」
「…あんたも人のこと言えないくらいひどいわね」
うるせー、ほっとけ!
「…ただな、桐乃」
「言わなくてもだいたいわかる」
「「今度、沙織に会ったら謝ろう」」
「で、何を隠しているえわけ?」
「はん、べつにおまえには関係ねーよ」
「はぁ?なに関係ないとか言ってんの!あいつらはみんな、あたしの友達なんだから関係なくないわけ」
「たしかにそうだが…だけどな、桐乃。人にはプライバシーってもんがあるんだよ」
そう、たとえシスコンの俺にも、妹に言えないことの一つや二つ、俺にだってあるんだよ。
「あんたにそんなもの、あると思ってたの?」
「あるよ!なんで、俺にはねーと思ってるんだよ!おまえは!」
「じゃあ、教えてあげる。あんたにプライバシーはないから。正直にあたしに話しなさい」
(;´Д⊂)
「あんた、急に泣きださないでよ!あ、あんたが泣いたって、誰もキュンとかしないし!」
「おまえのせいで泣いてるんだろうが!」
こいつはなんで、いつも斜め横をいく反応しかしてくれねーんだよ!俺、もうこんな妹いやだよー
「あー、もう、こんなことぐらいでいちいち泣かないでくんない?」
「俺のプライバシーをこんなことぐらいで済ませるな!」
「…ちっ、悪かったわよ。でも、どーしても知りたかったの!…だから
、教えて」
「お断りするね!」
「どーあっても言わないっての?」
「あー、言うつもりねーよ」
「だったら…」
…だったら、なにをするつもりなんだよ?そんな時だった
「あんた達、こんなところでけんかぁ?」
「おふくろ!?」
「お母さん!?」
いつの間にか、買い物袋を両手に持ったおふくろがリビングの入口に立っていた。
「いつからそこに?」
「いつからって、たった今よ。どーでもいいけど、この部屋少し暑いわよ?桐乃、暖房弱めなさい。節約よ。」
「う、うん。ごめん」
「あと、けんかなら上でやりなさいよ」
けんかするのはいいんだ。母親なら止めたりするんじゃねーの?
「わかった。ほら、行くよ」
で、まだやるんだ。俺はいい加減、部屋に戻って勉強したいんだけどな。現実でも、強制イベントってのは常にあるんだな。
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.6 )
- 日時: 2013/05/02 13:27
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
結局、桐乃の部屋に移動(自分の部屋に入ろうとしたら強引に引きずりこまれた)した俺達の現状というと、かれこれ10分以上睨み合いが続いていた。睨みあい(桐乃が一方的に)という名の沈黙がとにかくなげー!たかが10分なのに、それ以上に感じる。その間、妹に睨まれてみろ、どんだけ居づらいと思ってんだよ!だがそれも、もう限界だ。
「なぁ、もういいか?部屋に戻って勉強したいんだが?」
「…」
「なぁ、桐乃」
「どうあっても、言わないつもりなの?」
「言えない」
「言わないじゃなくて…?」
「あぁ、おまえには言えない」
ったく、こうでも言わないとずっとループしたまんまだしな。だが、桐乃は「なに、ソレ」とか言ってるし、やっぱだめかな。
なんて思ってたら
「…わかった。じゃあ、今はいい」
やっぱわかってねー!
「じゃあ、戻るからな」
やれやれ、やっと解放してもらえんのか。と、思っていたのだが
「待って!」
まだ許してもらえそうにもないらしい。
「まだ、なんかあんの?おまえ」
「えっと…その…」
俺は、妹がこのような態度を取っているのを幾度となく見てきた。つまりだ。
「…人生相談あるのか?」
「…そんなとこ」
やっぱりか。でもな、
「なんで、このタイミングなんだよ?」
「いやー、ずっと言おう、言おう、とは思ってたんだけど、なんかタイミングが…ね?」
「ま、いいけど。で、今度はなんだ?言っとくけど、あんまり時間は取ってやれないぞ。センターもうすぐなんだからな」
「べつに、どこかに付き合ってとか、そーゆーんじゃないから、大丈夫だと思う」
「そうなのか?」
「うん。でも…あんたの気持ち次第…かな」
「はぁ?どーゆうことだよ」
「そのね…人生相談ってゆーか、一応、報告?みたいな?」
ますますわかんねーな。
「…はっきり言え」
「じゃあ、言うよ!…あんた、しきりにあたしの進路とか、気にしてるみたいじゃん?」
「あぁ、そりゃな。」
妹の進路なんだし、気になるだろ。兄貴としてはな。
「それでね、あたし、今の学校卒業したら…海外に行くつもり」
「な…!」
ずっと不安は思っていたことが現実となり、俺のまえに立ちはだかる。俺は驚き、戸惑い、言葉を失った。
「…」
「…何か言ってよ」
何かってなんだよ。なんて言えばいいんだよ。
俺になんて言って欲しいんだ、おまえは。
「ねぇ」
「…勝手にしろよ」
「…あんた!」
「すまん!やっぱ今のなし!俺はおまえに海外になんて行ってほしくないんだ!でも、行くなとも言えないんだよ」
「じゃあ、なんなの?」
「勝手に、じゃなくて、おまえの好きなように」したらいいと思う」
「…なによ、それ」
「だって仕方ないだろ?俺はおまえがいないと寂しいんだよ。でも、だからって、おまえが悩んで決めたことなんだろ?だったら俺には…」
「違う!」
「違うって、なにがだよ?」
「あたしが聞きたかったのは、そんなんじゃない!」
「…なにが聞きたかったって言うんだ」
「あんたの気持ち!ありのままのあんたの気持ち!」
「…ちっ、なんでそんなこと言いやがるんだよ!人がせっかく…」
あ、…
「せっかく…なに?続きは?」
「せっかく我慢して兄貴らしく振る舞おうとしてやってんのに!」
「今さらそんなことして、なにになるの?」
「それは…!それでも、我慢して気持ち抑えてんだろうが!全部、俺のエゴだから、言わないように抑えてんじゃねーかよ!それなのに、おまえは!」
「…」
「そうだよ!」行かせたくねーよ!行かせてたまるか!せっかく、アメリカから連れ戻してきたんだぞ!?また一緒に居れるようになって、まだ半年じゃねーか!まだmだ、俺はおまえのそばに居たいんだよ!
つーか、今度はなんだよ!またアメリカか?!陸上なのか?!」
「違う。今度行くのはモデルの方」
「モデルの件はもう、美咲さん断ったんじゃねーのか?」
「あの時は、あたしも帰ってきたばっかだったし…でも、ずっと考えてたの。将来的にモデルやるんだったら、いい話なんじゃないかって。だから、中学卒業してから行こうって、そう決めたの。」
「だからって、べつに今すぐじゃなくたって…ほら、高校卒業してからでも遅くはないんじゃないか?そうだよ、高校はどうすんだ?行かないのか?」
「もちろん行くよ。向こうの学校に。もう手続きはしてもらってるはずだし」
「…ってことは、親父やおふくろには、もう…」
「うん。話してある」
「…なんでだよ!なんでいつも、俺が最後なんだよ!?俺はおまえの、兄貴なんだぞ!妹のことがちょー好きなシスコン兄貴なんだぞ?最初に相談ぐらいしてくれたっていいじゃねーか!」
「わからないの?…だって、…あたしだって、ブラコン、だからじゃない!言えるわけないじゃん?!
あんたはホントわかってない!いつも、いつも、いっつも、そう!あたしがどれだけ悩んで決めたのかわかってない!」
「わかんねーよ!俺は俺だからな!おまえはホントのことなんてめったに言わないんだし、わからねーよ!
おまえだって、俺のことなんかわかんねーだろうが!」
「そーだね!わかんないよ!あんたがあたしのこと、どう思ってるのか!ホントはあたしにどうして欲しいかなんて!」
「だから、言ってるじゃねーか!おまえを海外になんか行かせたくないって!」
「それで…その後は?」
その後だと…?
「なんだよ、それ。そんなのそれから考えればいいじゃねーか!」
「だからあんたは、なんにもわかってないって言ってんの!…責任…責任取れるのかって聞いてんの!」
「責任って、なんのだよ?」
「あたしを海外に行かせなかった後の責任。それがあんたには出来るの?」
「具体的にどうしろってんだ?!」
「…それが言えたら、苦労しないっての」
「それじゃ、わかんねーだろうが」
「どーせ、あんたには一生わかんないわよ!」
「…なんだよ、それ」
「べつに…」
「とにかく、俺は反対だ!」
「…ふん」
「そういや…おまえ言ってたよな、模試でA判定取れたら何でも1ついうこと聞くって」
「…言った。まさか、それをいま使うつもり?あんた、ばかじゃないの?」
「さ−て、どうっすかな」
「…」
「で、おまえ、俺がもしこの権利使って止めたら、どうすんだよ?」
「さぁね?」
「約束は約束だろ?」
「確かに約束はした。なんなら試してみればぁ?」
「…」
「ま、あんたにそんな勇気、ないとは思うけどー」
「…にしろよ!」
「…なに?」
「なら、勝手にしろって言ってんだ!」
「ちょ、ちょっと、それはなしだって、あんたが言っ…」
「もう、知るかよ!お前の好きにすればいいじゃねーか!俺はもう全部吐いたんだ!これ以上、おまえに言えることはねーよ!じゃーな!」
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.7 )
- 日時: 2013/05/02 23:00
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
俺はこれ以上、桐乃の部屋に居たくなかった。あいつの顔を見ていられなかった。あいつの真っ直ぐな瞳から目を背けてしまった。…結局俺は、その場から逃げだすことしかできなかったんだよ。
その日は、もう勉強する気がおきず、そのままベットに倒れこんだ。
「きょ、きょうすけ…」
結局、こうなっちゃうのか。
「あたしが言いたかったのは、こんなことじゃなかったのにな…」
頭の中で、黒猫とあやせの言葉が聞こえた気がした。
”桐乃、もう自分の気持ちに嘘を吐くのはやめたんでしょう?なのにいまも嘘を吐き続けてる。—ケリを付けるっていうなら、嘘を吐かずにケリを付けて欲しいな”
”あなたの嘘を暴き出すことは、私にとって重要な”儀式”なのよ—私のことを友達だとおもってくれるのなら、いつもどおりの—本当のあなたを見せて頂戴”
わかってる。でも、京介に…京介に本気で気持ち悪がれるのでけは、本気で嫌われるのだけは、絶対に嫌なんだ。
わかってるよ、でもそれじゃあ、前に進めないよね。
京介が…兄貴が、あたしのことを本気で嫌いになるなんてことはないはずだ。今のあたしなら、そう言うことができる。
でもやっぱり、もしかしたらって考えがとめられない。さっきだって云おうとと思えば云えたはず。もう、でかかっていた。
でも、最後の最後であたしはビビったんだ。最悪の結果に恐れをなした。あいつは全部ぶつけてきたのに。
責任取れんのか、ってこっちが聞いてんのに、逆に、聞き返してきたときはホンキでむかついたけど!
…でも、もし取ってくれるって答えてくれたら、…あたしはどうしていたんだろう…
その日、京介は夕ご飯にもも降りてこず、部屋に籠もったままだった。