二次創作小説(紙ほか)
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- 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1
- 日時: 2013/05/14 04:25
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
俺の名前は高坂京介。平穏をこよなく愛する至って普通の高校3年生だ。
俺には3つ下に桐乃という妹がいる。
桐乃は、成績優秀で容姿端麗、スポーツ万能のちょうハイスペックなやつである。
故に、俺はそんな妹と自分を比べ打ちのめされてきた。
だがそんなすごい妹にも、周りにひた隠しにしていた秘密があった。それはオタクだということ。アニメやゲームが大好きで、その中でも一番のお気に入りなのがほしくず☆うぃっちメルルというお子様向け魔法少女のアニメである。これこそが、俺が桐乃の趣味を知ることとなった原因でもある。だが俺の妹の底はしれなかった。これよりももっとやばい趣味。どちらかといえば、こっちを知られることの方が恐怖だろう。そいつは、妹モノのエロゲーにドハマリしていることだ。そいつのせいで俺の愛してやまなかった平穏はどっかにいっちまった。
きっかけはこうだ。俺があいつのDVDを拾って犯人捜しを始めてしまい、結果あいつのものだと判明。どうでもいいと思いながら俺が口にした言葉に妹は俺に人生相談してみようと思ったらしい。それであいつの人生相談されてエロゲをやらされたり友達を作るためのオフ会に付き合わされたり、親父に妹の趣味を認めさせるために頑張って、あげく親父にぶっ飛ばされたり、妹の親友に近親相姦上等の変態に思われ殺人ハイキックをくらったり、例をあげればきりがない。
それなのにあいつときたら、兄を慕うどころか「きもっ」だの「変態」だのと俺を罵り殴られ蹴られ、兄を兄とも思っちゃいねー。
だけど、一時に比べれば大分ましになったと思う。一緒に出掛けたり(大抵荷物持ちだけど)一緒にゲームしたり(一方的にエロゲを押し付けられてるだけだが)…やっぱ、ちょーむかつく妹だな。
それでもたまに、ほんとごくたまにだが、素直な時もあって、…可愛いと思ってしまう、ときもある。そんな妹に俺はいかれちまったらしい。あいつがアメリカに留学して、離れ離れになって初めて気付かされた想い。俺はあいつがいなくて寂しくて寂しくて死んじまうんじゃないかと割とまじに思った。俺は妹がいないとつまらないと感じていた。愛してやまなかった平穏を退屈だと思うようになっていた。あいつの人生相談に振り回される日々こそが俺にとっての日常なんだ。俺はあいつのことが、大嫌いだ。大嫌いで、大嫌いで…大好きなんだ。そう、俺は妹のことが大好きなシスコンだったんだ!ってな。
だから俺は、無理してダメになっている妹をアメリカから連れて帰ってきた。あいつのあんな姿見ちゃいられなかったし、何より俺がそうしたかったからだ。
それからも色々なことがあった。彼氏のフリをさせられたり、偽彼氏騒動では嫉妬して盛大に自爆した。せっかく出来た彼女ともあいつが「あたしが1番じゃなきゃ嫌」なんていうから別れちまった。おふくろには、俺と桐乃の仲を疑われたあげく家を追い出されるようなはめにもなった。…結局、おふくろの策略だったわけだけど。その甲斐あってか、模試でA判定取ることが出来たよ、ちきしょー!そして、俺と桐乃と麻奈美での話し合い。俺の恥ずかしい中学時代のエピソードを語らせられただけの気もするが…。結果だけいえば、麻奈美の思惑通りにいかず、俺と桐乃は仲直りすることは叶わなかった。それでも、桐乃と麻奈美の方は一応?仲直りした…のか?だけど、その話し合いによって分かったことがある。ずっと心の奥底で眠っていた想い。気付きそうで気付けなくて、気付きたかったような気付きたくなかったような複雑な想い。だけど、この想いは間違いなく俺の本当の想いで、気付いちまった以上どうしよーもねーもんだし、否定しようもんならそれは俺が俺自身を否定するようなもんだ。そんなこと俺には出来ないね。いつも言ってるだろ?俺は蔑むような真似だけは絶対しないと心に決めている。それが妹のことであっても他人のことであっても…もちろん、俺自身のことであてっも…だ。だから、何が言いたいのかと言うとだな、つまり、俺と妹の話も終わりに近づいてるってことだよ。
そして、俺の出した結論は…
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京) ( No.1 )
- 日時: 2013/05/14 05:24
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
季節は1月初旬。受験生にとっては追い込みのかかった大事な時期。ラストスパート中のラストスパートなわけだが…俺は自室でエロゲをやっていた。
勘違いするなよ?これは例のごとく妹に押し付けられて仕方なくやっているだけだし、ましてや受験を諦めちまったわけでもない。受験勉強の合間に休憩がてら、エロゲをやっているだけだ。
「しかし、この設定は破たんしてるだろ。ユーザー舐めてんじゃねーの?」
ツンツンな妹キャラをやっと落とせたと思っていたら、最後までさせてもらえなかった。つまり寸止め…しかもこれでハッピーエンドときたもんだ。
「ってことはだ、トゥルーエンドに持ち越しってわけか。」
そんなわけでスッキリしない気分のまま、俺は勉強に戻った。
って、全然休憩した気がしねー!大体、休憩がてらエロゲって何なんだよ!悶々として勉強どころじゃねーし!あいつはおれが受験に失敗すればいいと思ってんのか?!応援してんのか、邪魔してんのかはっきりしやがれ!ちきしょー!
「はぁー…」
まぁ、それでも今までみたいに
「今夜中にコンプしなさいよ」
と、理不尽なことは言わなくなったな。
「まぁ、京介も受験生なわけだし?3日でコンプね」
どうだ?あいつも丸くなったもんだろ?兄への気遣いってもんが出来るようになってきて、俺は感動しちまったよ。
…って、なわけねーだろ!1日が3日になっただけじゃねーか!そんな時間あるかよ!受験生舐めてんじゃねーの?そりゃあ、あいつにとっては受験勉強なんてもんは普段から予習・復習をやっていればそんなもんなのかも知れんが、あいにく俺は元からそんなに勉強出来ねーってことわあいつは分かってねー。なら、なんで律儀にエロゲやってるんだって思うだろ?やらなきゃやらないで、それこそ勉強に集中出来なくなるんだぞ?
あれは去年の暮れのことだ。
自室で勉強に勤しんでると桐乃がやってきた。兄の部屋にノックもせず、堂々と入ってきやがる。文句を言おうもんならめんどくさいことになることこのうえないのであえてそこはスルー。
「京介、やったの?」
ちっ、うるせーのが来たよ。つーか、女子中学生がやったとか言ってんじゃねーよ。羞恥心ってものがないのかね。だから俺はこう切り返してやった。
「誰と?」
「だ、だれとって、あ、あんたなに言ってんの?このばか!変態!」
結果、殴られました。
「で、やったの?」
「何がでしょう?」
「何がって、そんなもん1つしかないっしょ」
「わかんねーよ、残念ながら俺はエスパーじゃないからな」
「だから、あたしが貸してあげたエロゲーやったのかって聞いてんの!」
「やってないよ」
「なっ…!」
驚愕の表情を浮かべる桐乃を横目に俺は勉強を続ける。
「あ、あんた、ナチュラルに言ったわね?せっかくあたしが貸してあげたエロゲやってないってどーゆーことよ!?ことの次第によっては許さないから!」
「受験生だから勉強してて、やる暇がなかったんだよ」
「でも、あんた言ってたじゃん?勉強の合間に気分転換するほうだって」
「気分転換するって言っただけで、エロゲするとは言ってねーぞ!」
このアマ、なんでそんなに俺にエロゲさせることに一生懸命なんだよ。
「どぉ?勉強はかどってる?お茶入れてきたから、少し休憩したら?」
「おう、ちょうどキリのいいところだから休憩するかな」
「どぉ?受かりそう?」
「どーかな?まぁ、やれるだけやるさ」
「ふふっ、京介なら大丈夫だよ。絶対受かるって。あたしが保証する。」
「そうか?」
「そうだって!こんなに頑張ってるんだし、あたしが言うんだから間違いないって」
「なら、そうかもな。ありがとな、桐乃」
「うん」
「さて、もうひと頑張りするかなー」
「じゃあ、頑張ってね、お兄ちゃん」
ちゅっ
…くらいのことできないのかね、この妹は。
「…介、京介ってば!」
「お、おう?」
「あたしの話きいてんの?ってか、あんたまたやらしいこと考えてたんじゃないでしょうね?」
「そ、そんなことないぞ」
「…どぉだか。あー、やだやだ。これだからシスコンは」
このヤロー。言いたい放題だな。
「はん、おまえだってひとのこと言えないだろーが。兄貴の1番じゃなきゃ嫌、だっけか?」
「s、あんたねー!妹を辱めて喜ぶなんて…しね!このヘンタイ!シスコン!鬼蓄兄貴!」
「いてーな!物投げんじゃねー!って、待て!ボールペンはやめろ!刺さるだろーが!」
「あんたが悪いんでしょーが!」
「わかった!俺が悪かった!だから、な?落ち着けって」
「はぁ…はぁ…、ホントに悪いって思ってる?」
「当たり前だろ?な、悪かったって。機嫌直せよ」
なんで俺が謝らにゃならんのかねー。ったく、ブラコンのツンデレ妹を持つと兄貴は苦労するぜ。
「…分かった。この件は受験が終わるまで保留にしといてあげる」
全然分かってねーじゃねーか!…なんて言ったらころされそうだからいわないけど…ね。
「じゃあ、さっそくやろっか」
「へ?」
「へ?じゃない。早くこっち座んなさいよ」
そう言ってノートパソコンをたちあげる桐乃。…まさか、こいつ…
「まさか…これからやんのか?」
「当たり前でしょ」
「おまえと一緒に?」
「じゃないとあんた、いつまで経ってもやらないでしょ?」
ノォーーー
「か、感謝しなさいよ。可愛い妹がレクチャーしてあげるって言ってるんだから」
「うん…感謝してますよ?」
まじ泣きたい。なんで年の瀬まで妹と妹を攻略するゲームをしなきゃならんのだ。しかもこいつ、レクチャーって、わざとエロく言ってるんじゃねーの?
「ははっ」
「何、急に笑い出してんの?」
「べつになんでもねーよ」
ただ、いつも通りだな、って思っただけだ。
「あんた、大好きな妹と一緒にエロゲ出来るからってニヤニヤしないでくんない?」
「ち、ちげーよ!そんな意味で笑ったんじゃねえ!そういうおまえこそ、妙に嬉しそうじゃねーかよ」
「ん、そんなことあるわけないじゃん?」
「いや、顔ニヤけてるし。鏡みてみろよ?」
「う、うっさい!いいからやるよ!」
「へいへい」
ってな感じで、やらなきゃやらないで強制的に妹の監視付きでやるはめになるんだよ。わかったか、もうやるしかないだろ?
…俺、浪人するんじゃね?それで、親父とおふくろにエロゲやってたら落ちたって言い訳すんの、俺?追い出されるよ、まじぶっ飛ばされる!それで路頭に迷ったあげく、野垂れ死ぬのか…。
「…そんなことになってたまるか!」
俺は自分にそう言い聞かせるように勉強に没頭した。
- Re: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 妄想(京介×桐乃END)1 ( No.2 )
- 日時: 2013/04/30 17:17
- 名前: あたらしPULS (ID: tKz6b/Pj)
ガンガン
「はーい」
誰だよ、こんな夜中に。そんでもってうるせーよ、お袋が夜食でも持ってきてくれたのか?
「あたし」
「桐乃か?」
「開けてー」
開けてって、カギかかってないし、いつも勝手に入って来るじゃねーか。どうしたんだ?
「わーったからちょっと待ってろ」
ドアを開けると桐乃がトレイを持ってたっていた。確かにそれじゃあドア開けられないな。ってそうじゃない!桐乃が持っているトレイの上に乗っているものをみて硬直した。フリーズ。これって…そういうことだよな。
「ちょっと、あんたがそこに突っ立ってたら、あたしが中に入れないじゃん」
「おう、わりぃ。つーか、どうしたんだよ?その、それ」
「お夜食に決まってるじゃん。そんなことも分からないくらいバカなの?そんなんで大学受験しようだなんてありえなくない。全国の受験生のみんなに謝ったほうがいいよ?」
「おまえが俺に謝れ!そんなこと言ってるんじゃねーよ。」まさかとは思うけど、おまえが作ったの?それ」
「あったりまえじゃん!…って、あんたなに青い顔してんの?」
「いや、食べられるのかなー、なんて思ってないよ」
しまった。思ってること、そのまま口にしちまった。
「な、なんですってー!」
「ひいー!」
「…ふん。ちゃんとお母さんに教わって作ったから大丈夫だっての」
「そうか」
「…そう。いらないんだ。あたしがあんたの為に、せっかく作ってあげたのに…」
「べつにそんなこと言ってないだろ」
「無理しなくてもいいよ。…なら、棄ててくるね」
「バ、バカやろー!なに言ってんだ!食べるに決まってんだろ!棄てるなんて勿体ねーことするんじゃねー!たとえ床に落としちまったって食べてやんよ!」
「べ、べつにそこまではしてくれなくてもいいけど。…じゃ、じゃあ、嬉しかった?」
「あたりまえだろ?普段料理しないおまえが作ってくれたなんて、嬉しくて死にそうだ!」
「そ、そうなんだ。なら、いいけど。…よかった」
「あぁ」
なんだ、この可愛い生き物は。つ、ついに俺へのデレが発動したのか?
「…き、きり」
「…ぷっ。ってかあんた必死すぎじゃない?せっかく作ったのに棄てるなんてありえないんですけどー」
「…はい?」
「食べないなんて寝惚けたこと言ったら、気絶させてでも無理に食べさせてたし」
「こ、このアマ…」
また俺をからかいやがったな!
「なに?なんか言いたいことあるんなら言ってみればー?」
「言ってやんよ!おまえはいつもいつも俺をバカにしやがって!誰がお前の作ったもんなんて食べるか!」
「…ふーん。いいの?あんたが食べないなら、あたしが食べちゃうけど」
くそー、食べてーよ。食べてーけど、ここで折れたら俺の兄としてのプライドってもんが…
「い、いらねーよ」
「…ちっ、…あ、そうだ。」
桐乃は何かを思いついたらしく、意地悪そうな笑みを浮かべこう言いやがった。
「なんなら、あたしがあーんしてあげてもいいけど?」
「お願いします!」
「…あ、あんたにはプライドってもんはないの?」
「うるせー。妹にしてもらいたいことベスト3にはいるあーんをしてもらえるなら、こんなちっぽけなプライドなんて捨ててやるさ!」
「…たまにあんたをシスコンの目覚めさちゃったことを本気で後悔しそうになるわ、あたし」
なんてことを言うんだ!まぁ、俺もとっくに後悔してるけどね。
「なあ、早く食べさせてくれー」
「変わり身、早っ!てか、ほんとにやるんだ」
「おまえが言い出したんじゃねーか。ほれ、ほれ」
「わかったってーの。やればいいんでしょ」
「おう」
「じゃあ…いくよ」
「お、おう」
「は、はい、…あ、あーん」
もぐもぐ
「どぉ?…その、おいしい?」
「うまい、うまいぞ、桐乃」
「ふふっ、よかった」
やばい。なんだこれ。俺の妄想が具現化してるよ。なに?俺は脳内の妄想を具現化できるを手にいれちゃったの?まじ今なら死んでもいいぜ!
「…なに、だらしない顔してんのよ。ってかあんた、さっき意外そうな顔しなかった?」
「してない、してない」
「…まあ、いいけど」
「あーん」
「一応聞いてあげるけど、あんたなにやってんの?」
「なにって、あーんだろ?」
「ばかじゃん?もうサービスは終わったっての」
「な…ん、だと!」
「あんた、なに、この世の終わりみたいな顔してんの?ぷぷっ、このシスコンまじキモいんですけどー」
「くそー、おまえはまた、俺の純真無垢な乙女心を弄びやがって!」
「あんたのどこが純真無垢なの?やましい下心の間違いでしょ。妹に下心丸出しってまじありえないよね。ホントキモいんですけど、これだからシスコンは。シスコンでヘンタイの兄を持つと妹は苦労するわ」
「おまえだけには言われたくねえよ!」
「ふぁーあ、もう眠いし部屋戻るから、あたし。あんたはそれでも食べて、しっかり勉強しなさいよ」
「言われなくてもやるっつーの」
そう言ってドアノブに手をかけたところで桐乃は振り返り
「…残したら、ただじゃ済まさないからね」
「残すかよ。こんなうまいもの」
「だ、だからってお皿ペロペロだけはやめてよね、キモいし。じゃっ」
「しねーよ!」
そこまで変態じゃねーよ!たぶんな。
にしても、あの桐乃が料理なんて。しかも俺の為にだなんて。
…ちっ、可愛いことするんじゃねーよ。俺の妹が、こんなに…可愛いわけない、だ。