二次創作小説(紙ほか)
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- *。 五年霊組 こわいもの係 。*
- 日時: 2015/10/23 21:50
- 名前: そら。 (ID: 0a987INq)
*。 ごあいさつ
皆様、初めまして! 二次創作で活動させてもらうのは初めてです。
こちらでは「五年霊組 こわいもの係」の友花ちゃんの方をやらせて頂きます*
*。 諸注意
荒らしは禁止させて頂きますが、ご理解ください。
皆様が気持ちよく使えるよう、掲示板のマナーを守ってくれれば幸いです。
- Re: *。 五年霊組 こわいもの係 。* ( No.15 )
- 日時: 2015/10/24 20:48
- 名前: アカ (ID: DHfHPQAg)
これからも応援させて頂きます。
- Re: *。 五年霊組 こわいもの係 。* ( No.16 )
- 日時: 2015/10/24 21:05
- 名前: そら。 (ID: 0a987INq)
【 *。 五年霊組・ハロウィンパーティー! 後編 。* 】
なぜ、こんなにも私が怖がっているのかというと。
理由は、たった一つである。
「——私、豊川友花は吸血鬼が……大っ嫌いだからっ!」
「なあに、あんたお化けなんか怖いの、こわいもの係のクセに」
私は人差し指を、ずびしっと突き出した。
その迫力に押されたのか、みんなは一歩後ろへ下がっていく。
ただ一人、ミアンはずっと笑い転げていた。
お腹を手でばんばん叩きながら、床を這いずり回っている。
ミアンのとんがった声を抑えるように、鏡子さんが前へ進み出る。
そしてかばんに手を突っ込むと、何やらごそごそと探り出した。
数分経って、鏡子さんはあったあったと紙を取り出した。
ぶるぶる震える私にその紙を出し、そしてにっこりと微笑んだ。
「やっぱりね、友花、このドラキュラ映画で怖くなったんでしょ」
「そ、そ、それは……吸血鬼ナイトっ!」
吸血鬼ナイト、それは私が小学二年生のときにやったドラキュラ映画。
まだ「お化け」というものを知らない私は彩音と観に行ったんだ。
人の血を吸うなんてバケモノが、怖くて怖くて仕方がなくて。
それからというもの、私は「吸血鬼」に関するものをまるで読まなくなり、見なくなった。
他のお化けもバケモノも妖怪も何でもこい、だけれど。
どうしてもアイツだけは、本当に怖いのだ。
「ともともにも、怖いものがあったんだねえーっ」
「それなら尚更っ、お菓子作りがんばろーっ、いえーい!」
二人で盛り上がっている花ちゃんとドクパンと、まだ笑ってるミアン。
鏡子さんも張り切ってしまい、チョコレートの銀紙を剥がしていた。
わんころべえは、甘いにおいにつられて鏡子さんに付いて行っている。
私も青色のエプロンに着替えて、カボチャの種をくりぬいた。
花ちゃんとドクパンは、クッキーの生地をこねて、ぐるぐる混ぜる。
あんなに笑っていたミアンには、部屋のかざり付けの仕事をやらせる。
「できたねえ……っ、お部屋もお菓子も、かんせーい!」
「そんなこと言っておいて、全部食べたらダメよ? 花」
結局みんなで大急ぎでお菓子を作り上げて、終わったのは一時間後。
みーんなクタクタになっちゃって、今にも眠ってしまいそうだ。
でも、確かにみんな頑張ってくれた。
ハロウィンパーティー用のお菓子は、とってもきれいに出来上がった。
黒色やオレンジ色でかざられた部屋は、いつもの霊組じゃないみたい。
こんなに胸がどきどきした日は、今まであっただろうか。
私は教室の床にごろんと寝そべっていると、ミアンが立ち上がった。
そして指をぱちんと鳴らすと、大きなプレゼント袋が出てきた。
みんな目を真ん丸にしながら見ていると、ミアンは袋に手を入れた。
すると、出てきたのはまるでお姫様みたいな、仮装の衣装。
猫や魔女、妖精なんてものもあって。
かわいいものが大好きなドクパンは、飛び上がって喜んでいた。
「せっかくのハロウィンパーティーだから、可愛くならないとね!」
一番最初に飛びついたドクパンが選んだのは、小さな角がついた悪魔。
もこもこしたしっぽも付いていて、すごく似合っている。
きゃあきゃあ騒いでいた花ちゃんは、とんがり帽子のかわいい魔女。
黒いマントをかぶっていて、まるで本物の魔女のようだ。
目をきらきらさせ、でもそれを隠してた鏡子さんは、羽の生えた妖精。
色んな色に光る羽がきれいで、思わず見とれてしまう。
「な、の、にっ!? 何で私は、カボチャの着ぐるみなわけっ!」
「仕方ないじゃない、私が猫、そしたら余ったのがソレなのよ」
ミアンが着ているのは、リボンやひげの付いた猫の仮装。
みんなよりも少し大人っぽくて、とても可愛らしい。
それに比べて私が着ているのは、オレンジ色のカボチャの着ぐるみ。
口をあんぐり開ける私を見て、ミアンはぷっ、と吹きだした。
- Re: *。 五年霊組 こわいもの係 。* ( No.17 )
- 日時: 2015/10/24 21:10
- 名前: そら。 (ID: 0a987INq)
*。 アカ さま
はい! 本当にありがとうございます*
皆様に楽しんでもらえる小説になるよう、頑張らせて頂きますね!
- Re: *。 五年霊組 こわいもの係 。* ( No.18 )
- 日時: 2015/10/24 22:07
- 名前: そら。 (ID: 0a987INq)
【 *。 お知らせ 。* 】
この度、参照が100突破致しました……!
コメントをくださった方々、本当に感謝でいっぱいです(´`*)
今はハロウィン編で、あまり時間がないんですが……
この話が終わり次第で、リクエストも募集したいと思っています*
友花ちゃん&陽介の話でもおっけーですし、他の話でも大丈夫です!
のんびり更新ですが、これから頑張らせて頂きます*
- Re: *。 五年霊組 こわいもの係 。* ( No.19 )
- 日時: 2015/10/25 10:28
- 名前: そら。 (ID: 0a987INq)
【 trick・or・treat! 悪夢のパーティー・開幕 】
そしてそして、来たる10月31日。
五年霊組・ハロウィンパーティー!が開幕されることになった。
このパーティーが始まるのは、夕方からだ。
夕方五時を知らせるチャイムが鳴れば、お化けたちが忍び込んでくる。
「あと……1分ね」
「みんなぁ、準備はおっけーっ!?」
腕時計を見ながら話しているミアンと、可愛い仮装に喜ぶドクパン。
私は最後のお菓子の確認をして、息を整えていた。
花ちゃんと鏡子さんも、ミアンの時計を覗き込んでいる。
わんころべえは首を傾げて、あまいお菓子の匂いに鼻をくすぐらせた。
そして、五時のチャイムが霊組全体を包みこむ。
みんな時間が止まったみたいに静かになって、扉の方に目を向けた。
「……———ふっ、ふふふふふっ」
「何とも美しい姫が、何人も!」
「あまーい、あまーいお菓子は……どこだぁ?」
私は、声にならないくらいの悲鳴を上げていた。
最初の不気味すぎる声は、どうやら魔女みたいだ。
次の声は、私が大っ嫌いな吸血鬼ドラキュラ。
最後のこれまた気味悪い声は、包帯でぐるぐる巻きのミイラだ。
教室が、オレンジ色の暗い空気に包まれる。
濃い霧(きり)が私たちの目の前に広がって、ちかちか光り出した。
「私は魔女のエル。まあ、あなたは私と同じ服装ね!」
「俺は吸血鬼のルインだ、素敵な姫がいて嬉しいよ」
「えーっとぉ、僕はミイラのメア、お菓子が大好きなんだあ」
エルは花ちゃんを人差し指で差して、にっこりと微笑んだ。
ルインはみんなを見渡して、メアは舌舐めずりをした。
私は教室のすみっこでぶるぶる震えていて、鏡子さんは溜め息をつく。
飛び跳ねていたドクパンも一歩下がって、ミアンは震えていた。
あんなに笑っていたくせに、とミアンの方を笑いながら見てみると。
恥ずかしくなったのか反対方向を向いて、歯をギリギリ鳴らしていた。
そして鏡子さんが前に進み出て、お菓子の袋を取り出した。
袋を逆さまにして、出来上がったキャンディやらを出そうとした、時。
机に広げられるはずのお菓子は、一つも見当たらなかった。
いやーな予感がして、後ろを振り返ると。
「キャンッ、キャウーンッ!(えっ、どうかしたの?)」
「やっぱりい、わんころべえっ、あんたねええ!」
口の周りをチョコレートやシロップ、クリームでべたべたにして。
わんころべえの周りには、破られたお菓子の袋が沢山散らばっている。
私は大きな声を出してわんころべえの頬を掴むと、きょとんとしてる。
鏡子さんは頭を押さえて、花ちゃんは今にも泣きそうになっている。
それに三人のお化けはがっくりうなだれて、溜め息をついている。
ミイラのメアなんて、もうわんわん泣いてるのだ。
でも、何を思ったのか、突然吸血鬼のルインが立ち上がった。
そしてみんなの前に来ると、にっこりと微笑んだ。
「お菓子がないなら、仕方がない。イタズラを仕掛け——」
「ちょっと待ちなさい、ルイン」
「どうしたんだ、エル?」
「そうね……イタズラの代わりに、ゲームはいかが?」
今度はエルが進み出てきて、両手を合わせて不敵(ふてき)に笑った。
霊組のみんなはきょとんとしていて、私も何がなんだか分からない。
教室を包んでいた霧はどんどん濃くなって、暗くなっていく。
私はゾッと寒気を感じて、自分をぎゅっと抱きしめた。