二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 完結しました
- 日時: 2017/05/07 12:32
- 名前: smallsnow (ID: LsxQHR/F)
プロローグ
ここはいつもの松野家。今日もあの六つ子たちはのんきに過ごしていました。末っ子のトド松は友人とメール、五男の十四松は野球のバットで素振り、四男の一松は野良猫と遊んでいて、三男のチョロ松は求人誌を読んでいて、次男のカラ松は自分のギターの手入れ、長男のおそ松は漫画を読んでいました。
「兄さんなんか死ねばいいんだよ…………!!」
「待ってくれ!おい…………」
それは今に至る少し前の話…………
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 ( No.24 )
- 日時: 2017/05/05 07:29
- 名前: 雪瑠 (ID: LsxQHR/F)
カラ松side
ずっと、ずっと後悔していた。なんであんなこと言ったんだろうって・・・あの後俺は警察に話をしてやっと家に帰ることになった。
「ただいま」
「カラ松にいさ・・・うわぁぁん!!」
家に入ると、急に涙で顔がぐちゃぐちやなチョロ松が抱き着いてきた。
「ど・・・どうしたんだ?ブラザー」
「なにやってるの・・・行くよ・・・病院に」
すると、一松たちもこっちに来た。しかし全員涙を流している。
「ブラザー?」
「カラ松兄さん・・・聞いて。兄さんの体力がどんどん無くなっていって・・・もう死んじゃいそうなんだ」
俺はとても怖くなった。自分のせいで兄の心に大きな傷をつけて、自殺に追い込ませ、死に至らせようとしたのだ。俺は衝動的に弟たちに向かって土下座をした。
「すまない・・・俺のせいだ。兄貴がなにか変わったのも、兄貴が色々と無理していたのも・・・全部俺のせいだ。許さなくていい。殴ってくれてもいい。こんな俺は次男失格だ!けど・・・本当に・・・本当にすまなかった!」
俺もだんだん涙が溢れてきた。もう自分が犯罪者みたいだ。すると、一松が俺のそばに歩み寄った。そして俺を思い切り蹴とばした。
「い・・・一松!?」
「一松兄さんやめて!!」
兄弟たちが止める中、一松は、
「俺のせい?次男失格?お前なに言ってるかわかんないの?何一人で抱え込もうとしてんの?せっかくお前が家出る前に俺から聞いてやったのに・・・馬鹿じゃないの?・・・そんなの傷ついていたって気づかなかった僕たちも悪いじゃん。それなのにお前が謝るせいでこっちはもっと罪悪感感じちゃうわけ・・・・・もう好きにしてもいいけど、これだけは言うよ・・・・・一人で抱え込まないで」
と言った。すると、チョロ松は、
「はいはーい、お二人さんそこまで、タクシー来たから病院行くよ。兄さんも頑張っているんだし、僕らも助け合って頑張らないと・・・謝るのも早いよ」
俺は兄弟たちの言葉に少しびっくりした。てっきり、そうだよ、お前のせいだ・・・と言われると思った。俺たちはタクシーに乗り込み病院へと向かった。
『兄弟を傷つけるのは許さない・・・』
『兄さんなんか死ねばいいんだよ・・・』
『・・・少しは長男として弟の気持ちを考えないのか・・・?』
俺の頭の中で自分が兄貴に言った言葉を思い出していた。
「もう・・・おせぇよ・・・」
兄弟を傷つけたのは俺、死ねばいいのは俺、少しは兄の気持ちを考えろよ・・・
「本当にすまない・・・」
兄・・・いや、弟と兄を傷つけたのはやはり俺だけだ。もう、謝るには遅すぎる。時間は巻き戻せない。全部俺のせいだ。もう心の傷は一生消えない。もう自分が大嫌いだ。俺は病院に行くのがだんだん申し訳なくなってきた。
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 ( No.25 )
- 日時: 2017/05/06 07:53
- 名前: 雪瑠 (ID: LsxQHR/F)
暗い空間の中、おそ松は目が覚めました。しかし息苦しさやしんどさは続いていました。
「ここは・・・地獄?俺・・・死んじゃったの?」
周りには人もいないので誰も答えてはくれません。しかし、
『自分から死のうとしたのになんで今更生きたいって言ってんの?』
急に声が聞こえたかと思うと身に覚えがある・・・いや、自分とそっくりな人間が立っていました。
「お・・・俺にそっくり・・・」
「そりゃそうだよ〜だって俺お前の裏の心だもん」
『お二人さん楽しそ〜』
また声がしたと思い振り向くとまた自分とそっくりな人が立っていました。
「どうも、おそ松君の表の心でーす」
「わぁっ!またそっくりが・・・」
「驚かせてごめんな。だって裏の心がこの空間の中に出るんだよ?」
「あったりまえだろ?そういえばここの空間の説明してなかったな?ここはお前も知ってるはず・・・死者と生者の間のところだよ」
頭の痛さと混乱で頭が全く働かないおそ松は一度深呼吸をし、状況を整理しました。
「で、なんで俺の心はここにいるの?」
「えーと実はこの空間って心も実体化できるらしいんだよな」
「だから試しに出てみたら表もついてきちゃったみたい」
おそ松は余計に分からなくなってきました。
「んじゃあここから出れる方法とかってわかるか?」
すると、二人は目を細めて、
「なんで?死のうとしたよな?」
裏の心の言葉におそ松はびっくりして、
「え・・・なんでだよ・・・」
と言いました。
「どうせ意識が戻ったとしても長男らしくしないと・・・とか思ってんだろ?」
「僕はもうどうでもいいけど裏が納得してくれなさそうだもん」
「裏・・・どういう意味だよ」
すると表の心は
「誰だったっけ・・・デカパン博士?にもらった薬あるじゃん。精神安定剤とかもそうなんだけどあれって一時的に裏を消すんだよ」
と言いました。
「それってつまり・・・」
「そう、裏は必要とされたいんだよ」
表は裏を見ました。裏はとても悲しそうな顔をしていました。
「どんな人間でも自分の嫌な性格ってあるでしょ?あれってだいたい裏が持ってるものなんだよね。裏はたぶん現代に帰るとまたいじめられるっていうか・・・必要にされないんじゃないかって思ってるんだ」
おそ松は長男らしく生きていたい・・・けど裏を救いたいという思いなどが色々と混ざり合いました。
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 ( No.26 )
- 日時: 2017/05/07 11:11
- 名前: 雪瑠 (ID: LsxQHR/F)
「迷っているんだ?」
表の心が言いました。
「なんで分かったんだよ」
「俺たちはお前の心だよ。お前の考えはこの3人で共有しているようなものさ」
表がそう言うと、裏は、
「もういいさ!俺は嫌われ者だ!嫌いなんだろ?捨てたいんだろう?」
と叫びました。おそ松はそれを見て頭が割れるように痛くなりました。
「痛っ・・・気持ち悪い・・・」
「すべての元凶がなに言ってんだよ。苦しんで当然だ」
裏の心が涙目でおそ松を睨みつけました。
「苦しんで当然って・・・」
「お前のせいだ。お前が俺を捨てようとするから・・・自分自身が消えようとするから・・・俺はこうなった。もうこのまま俺たちは意識とともに消え去っていくんだよ!」
おそ松は裏の心が何を言っているのか分かりませんでした。しかし、このままだと自分は死んでしまうということは分かりました。
「おい裏、彼に選択してもらったらよくない?そのほうがいいよ〜?」
表は裏にそう言うと、裏はおそ松のほうを見ました。そして、
「わかった・・・・お前は俺を消したいか?」
と言いました。
「い・・・いきなり?」
「早く答えろ!俺を消したいのか!」
すると、表は
「よく考えろよ。裏が消えないとお前は長男らしくなれないというコンプレックスを抱いたり自分のことが一生嫌いになる。けど、裏を消すとお前なりの長男になれるかもな。弟たちからも好かれると思うがその代わり自分よりも弟の人生になるぞ」
と言いました。おそ松はよく考えて、
「わかった・・・」
と言いました。表は、
「どうするの?」
とおそ松に聞くと、おそ松はニコッと笑って、
「消すよ」
と言いました。
「そうか・・・やっぱり長男らしさが勝ったか。いいよ、これからお前は弟たちのために・・・」
「そうじゃないよ」
おそ松は裏の心の言葉をさえぎりました。
「消えるのは全員の長男らしさだよ」
すると裏の心は、
「意味が分かんねぇよ」
と言いました。
「お前も表の心も俺もみんな長男らしさってことで悩んでるじゃん。みんな長男らしさってことに縛られているんだろ?だったらもう悩まなくていいじゃん。理想の姿とかそんなの考えないで今のままで生きていけばいいじゃん!」
おそ松はそう言うと、表の心は
「おもしろいじゃん。俺は賛成するぜ」
と言いました。裏の心は
「それって・・・俺の存在も必要になるってことなのか?」
と聞きました。
「あったり前だろ?これからはみんなで助け合って生きていこうぜ!弱虫だろうがかまってちゃんだろうが長男は長男なんだ!だから・・・俺についてこい!」
とおそ松は2人に手を差し伸べました。2人がおそ松の手を握ると、おそ松の体が光に包まれました。
「3人の思いが一緒になると扉が開く・・・もうお別れだね」
表が言うと、
「なにお別れって・・・これから助け合って生きるんだろ?もう姿が見れないだけだろ?寂しくないさ」
おそ松がそう言うと、裏の心は
「ありがとう・・・ひどいこと言ってごめんな」
と言いました。
「全然ひどくないよ頑張って生きていこうな!」
おそ松がそう言うと、おそ松の体は消えていこうとしました。
「あっ!一つ忘れてた!」
おそ松はポケットからデカパン博士にもらった薬を取り出し思いっきり床に叩きつけました。薬のビンはバリーン!と音を立てて割れました。
「これはもういらないな」
そして・・・
「「「じゃあ、・・・これからもよろしくな!!」」」
3人の声と同時におそ松の体は空間から消えました。
「兄さん元気だったらいいッスけど・・・」
「大丈夫だよ・・・きっと・・・」
「信じて帰りを待とうよ!だからきっと・・・とか一松は言わないの!」
「そんなチョロ松兄さんだってタクシーの中でカラ松兄さんみたいにもう僕のせいだ・・・って言ってたじゃん」
「しかし俺たちが病院に着いた瞬間兄貴の体力が回復するとはびっくりしたな」
カラ松たちは今病室の前にいます。今のおそ松の体の状態はだんだん良い方向に向かっています。そして5人は緊張しながら病室のドアを開けました。
「おそ松にいさーん?」
「来たよ・・・」
「起きてるかな・・・」
「まぁ寝てたら起きるまで待つけどね♪」
「フッ・・・これこそ神が送りしサプライズ・・・いや、奇跡・・・ごふっ・・・一松!ここは病院だ!殴るんじゃない!」
すると、
「うるさいなー・・・」
カーテンの向こうで聞き覚えのある声が聞こえてきました。5人がおそるおそるカーテンを開ける、とそこには目を覚ましたおそ松がいました。
「トド松、十四松、一松、チョロ松、カラ松・・・ただいま!」
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 ( No.27 )
- 日時: 2017/05/07 12:31
- 名前: 雪瑠 (ID: LsxQHR/F)
エピローグ
「兄貴・・・」
カラ松は涙を流しながら言いました。
「泣くなよカラ松!俺がいない間よく頑張ったな」
「すまないあにきぃぃぃぃぃ!!」
カラ松はおそ松に抱き着きました。
「苦しいって・・・落ち着けよ!」
「落ち着けって・・・そんなの無理に決まってるじゃん。兄さんがいない間みんな心配したんだからね!晩ご飯とか作ってたし・・・」
チョロ松が泣きながら言うと、
「ごめんなチョロちゃん、だから泣くなって」
おそ松がチョロ松の頭をなでると、
「泣いてないし!これ汗だから!」
チョロ松は顔を両手で覆って言いました。
「にーさん!にーさん!」
「なんだよ十四松?」
「退院したらみんなでやきうしたいっす!」
「いいね・・・」
「賛成♪」
十四松の言葉にみんな賛成しました。
そして一週間後・・・
「おっしゃーい!カリレジェの本気みせてやる!」
「いくよ!兄さん!!」
おそ松たちは河原でやきう・・・キャッチボールをしていました。
「えいやーーーーーッス!!」
十四松は思いっきりボールを投げました。ボールは高く上がり見事おそ松のグローブの中に入りました。
「いった・・・十四松本気出し過ぎだって!」
「ごめんなさいっす・・・兄さんたちとやきうできるのがうれしくてつい・・・」
おそ松と十四松がキャッチボールをしているのを見ているカラ松たちの横を犬を散歩している小学生くらいの女の子が通りました。女の子はカラ松の顔を見ると、
「あっ!この前のお兄ちゃんだ!」
と言いました。
「お前は・・・」
「不審者に追いかけられていた子です。腕のケガは大丈夫ですか?」
「あぁ、俺も突き飛ばしてしまったが大丈夫か?」
「はい!本当にありがとうございます!」
女の子は笑顔でそう言うと走って行きました。
「兄さん女の子助けたんだ」
「やるね〜」
「クソ松が・・・」
4人が話していると、おそ松と十四松は
「おーい!お前らもキャッチボールするぞ〜」
「はやくッス!!」
と4人に呼びかけました。
「この神に授かりし右腕・・・フッいいだろう。このカラ松が見せてやろう!」
「イッタイね〜」
「クソ松死ね」
「はいはいみんな頑張るよ」
6人は日が暮れるまでキャッチボールをしました。帰り道・・・
「あーっ!疲れた・・・そういえばカラ松。なんで死んじゃえばいいとか言ったの?」
おそ松がカラ松に聞くと、
「俺の知ってる暴言が死ねしかなくてな・・・つい」
とカラ松は言いました。
「なにそれ小学生!?」
チョロ松がそう言うと
「他になにがあるんだ?」
とカラ松は言いました。
「そんなことよりお腹すいたッス」
「十四松兄さんも突然すぎ!」
「だよね・・・」
「よし、家まで競争だぜ!」
おそ松は急に叫ぶと、
「フッ・・・優勝はこのカラ松だ!」
「もう嫌〜」
「ヒヒっ・・・こんなゴミは優勝できないけど」
「頑張りマッスル!」
「いくよー」
そして6人は立ち止まると、
「「「「「「よーいどん!!」」」」」」
と叫んで家まで走りました。これからはみんなで助け合う。楽しく毎日みんなで生きていけばいい。おそ松は笑顔でそう思いました。
END
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 完結しました ( No.28 )
- 日時: 2017/05/12 07:37
- 名前: 雪瑠 (ID: 38xu/37K)
最後に・・・
こんにちは、雪瑠です。初めて自分で書いた小説を完結することができました。文章がおかしかったりしましたが最後まで読んでくださってありがとうございます。次作を出すのかは分からないですが出せたときはよろしくお願いします。本当にありがとうございます。