社会問題小説・評論板
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- いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者
- 日時: 2012/10/28 17:42
- 名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)
はじめまして、はこりんごです!
コメントとかアドバイスしてもらえたらうれしいです。
絶対返事します。
荒らしなどはやめてください。
登場人物
杉沢 夢 (すぎさわ ゆめ)
赤石 栗香 (あかいし りか)
畑井 加奈 (はたい かな)
光達 沙奈 (ひかりだ さな)
渚羽 琴音 (なぎさわ ことね)
高杜河 七海 (こうずか ななみ)
南野 香菜李 (みなみの かなり)
陸野衣 千夏 (りくのえ ちなつ)
プロローグ
>>1
第一章
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6
>>7 >>8 >>9 >>10 >>11
>>12 >>15 >>16 >>19
第二章
>>24 >>25 >>28 >>30 >>33
お客様
うさ(。+`・∀・)b様
フレア様
麻衣様
エリア様
灰歌音 麗歌様
エルセ(かの)様
- Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.28 )
- 日時: 2012/10/20 15:05
- 名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)
チャイムと同時に席に座るクラスメイト。
私も席に座った。少しこげた私の机は、落書きでいっぱいだった。
私はカバンから教科書を取り出して、机の中へ入れた。
もう、燃やされる心配はないから。
そんなとき、ガラガラとドアの開く音がした。
振り返ると目をまっ赤にした栗香が立っていた。
クラスメイトは、これまでおそれていた栗香をケイベツの目で見た。
栗香は今にも泣きそうな顔で自分の席に座った。
そしてまたドアの開く音、先生が来た。
「えぇ。出席とります。」
先生は生徒の名前をいつも通りに呼んでいった。
「佐々木」
「はい」
「瀬戸」
「‥‥‥はい」
先生は私の名前を呼ばなかった。
いじめがまだ続いていると思ったのだ。
「先生、夢ちゃんのこと、とばしてるよ」
沙奈の一言に先生は真っ青な顔で言った。
「あぁ、すまない。そうだったな
杉沢、」
「‥‥‥‥‥‥はい」
私は小さく答えた。
沙奈が言った言葉が衝撃的だったのだ。
あたりまえのことかもしれないが、うれしかった。
私はここにいる。確かにここにいる。と思った。
しかし、私がこうなった原因も、沙奈だと言ってもいい。
私はカバンから本を取り出して、先生の話は無視して読んでいた。
どうせ、プリントくばって、今日の連絡をしたら終わりだろう。
チャイムが鳴ると、先生は教室から出て行った。
「夢ちゃん。私たち、友達になろうよ♪」
沙奈がそう言うと私は少し苦笑いをして言った。
「私。あなたとは友達になれない。」
沙奈は驚いた表情で私を見たあとにわらって言った。
「放課後、体育館うらで話したいけど、来てくれるよね?」
私は無表情でうなずいて教室から出て行った。
むかった先は中庭。
よく日のあたるこの場所は私のお気に入りだったが、いじめがはじまると来なくなった。
いや、来れなくなった。
「久しぶりだね。夢」
背後からの声に驚いた。しかし、振り返ると微笑んだ。
後ろにいたのは渚羽琴音、1つ上の学年、中学二年の親せき。
いつもやさしくしてくれた。そして、よくここであっていた。
「ずっと来ないから心配してたんだよ。」
涙があふれた。心が温かくて、そして痛かった。
琴音ちゃんにだけは、いじめのことを隠していたかった。
しかし、涙は止まらなかった。
「!?‥‥‥‥どうかしたの?」
私は琴音ちゃんにすべてを話した。
- Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.30 )
- 日時: 2012/10/21 02:14
- 名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)
「そんなことがあったんだね‥‥‥‥」
悲しそうな顔でうつむく琴音ちゃん。
私は胸の痛みを必死にこらえてわらった。
「でも、もう終わったし!大丈夫!」
琴音ちゃんはもっと悲しそうな顔で私を見た。
「本当に?
まだ辛いんじゃないの?
無理しなくていいんだよ。」
琴音ちゃんの優しい言葉に私はまた泣きそうになった。
しかし、私はわらった。
「大丈夫。それより今は‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥?
なに?」
琴音ちゃんは不思議そうに私を見た。
今度は本当の笑顔で私は答えた。
「復讐したいの」
琴音ちゃんは真っ青な顔で私の手をつかんだ。
「な、何言ってるの!?
そんなのダメ!」
今までみたことないぐらいに慌てていた。
「でも、あいつらは私を傷つけた。
私にはあいつらを傷つける権利がある!」
琴音ちゃんは何も言わずに、うつむいた。
嫌われてしまっただろうか?
そうだとしても、私の思いは変わらない。
栗香とそのとりまきと加奈に復讐する。
傍観者と偽善者はどうでもよかった。
私がうらんでいるのはいじめっ子だけだ。
今回、光達沙奈はいじめっ子ではなかった。
だから復讐するつもりはない。
「復讐って、何するの?」
「まだ考え中。
でも、安心して。犯罪とかはしないから」
琴音ちゃんは少しやわらかい表情になった。
「でもね、人を傷つけることはいけないことだよ。
夢もわかってるでしょう?」
琴音ちゃんはやさしくそう言うと私の手をはなした。
「わかってるよ、でも。
こんな理不尽。許せない!
今の世の中いじめがおきても、法律でさばかれるなんてことほとんどない。
そんなの理不尽すぎる。
だから私は、あいつらに復讐するの!」
琴音ちゃんがはなそうとした時、ちょうどチャイムがなった。
「じゃあ。教室に戻るね」
琴音ちゃんは苦笑いで走って行った。
私はゆっくり歩いて教室へむかった。
- いじめは一番重い罪 ( No.31 )
- 日時: 2012/10/21 12:28
- 名前: エルセ(かの) (ID: M8lfW802)
人はいろんな知識得たくせに愚か。知識を得すぎたのが悪かったのかもしれない。それに立ち向かう良い人に集団で襲い掛かる卑怯者。
すべては好奇心により、得た悪知恵。人の心って怖いよね。
誤っても誤りきれない罪。それを大人は解決してくれない。
終わっても残る心の傷せいで自分を失い、生きている意味がわからなくなった人もいる。それが現実。
はこりんごさんはどう思いますか?
説教しているわけではありません。ただ、この小説を通じて、みんなに辛い現実を伝えれたらいいですよね。人の感性は様々ですので、読んだ人がどう感じるかわかりませんが、この小説を書き続けてほしいです。
- Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.32 )
- 日時: 2012/10/21 16:50
- 名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)
エルセ(かの)様
コメントありがとうございます。
私も、いじめが終わっても、生きている意味がわからなくなった人の中の1人です。
逃げることしかできませんでした。
いじめに立ち向かうなんてできませんでした。
毎日死にたいと思い。リスカして今まで生きてきました。
未来のことを考えると怖くて、自分がみじめで、
ニュースなどでいじめ問題を見るたびに
「あぁ。結局こんな世界なんだ。」
と思いました。
そして、今でもそれは続いています。
すぐに死にたいと思ってしまい。
自分に『死ね』と何回も言いました。
しかし、私をいじめた本人は何もなかったかのように過ごしている。
その現実が許せませんでした。
大人は、
「今傷ついた分、いつか笑える日が来るから」
「この経験も、いつか自分のためになるから」
と、根拠のないことばかり言って。
私をいじめた本人たちには少ししかるだけ。
すべていやになりました。
私の過去のことばかり書いてしまいすみませんでした。
私の小説なんかで、辛い現実を伝えられるかはわかりませんが、
伝えられることを願って、これからも書き続けようと思います。
コメント、本当にありがとうございました。
- Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.33 )
- 日時: 2012/10/22 15:00
- 名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)
放課後の体育館うらは少し寒かった。
日のあたらないこの場所は、
私にとって好きな場所とは言えなかった。
「お待たせ。」
そう言いながら、
ゆっくり歩いてきた沙奈に私は言った。
「何の用?」
沙奈は急に悲しそうな顔をした。
私はビックリして声が出なかった。
「ごめんなさい。
栗香があなたをいじめていたのは私のせいなの。」
沙奈の言っていることの意味はわかっていた。
栗香から聞いていた。
私は少し怒った声で聞いた。
「ねぇ。あなた、まだいじめをつづけるつもり?
それとも、いじめはもう一生しない?」
私の問いに沙奈は少しとまどいながら答えた。
「もう、絶対にいじめなんてしない」
私はその言葉を聞いてほほえんだ。
「そっか、それなら、私。
あなたには復讐しないことにする」
沙奈は真っ青な顔で言った。
「栗香に、復讐するの?」
私はうなずいた。
沙奈はいきなり泣き出した。
「お願い。話を聞いて。
私の、話を」
私はハンカチを差し出し、沙奈に言った。
「いいよ、聞かせて、話を」
沙奈はうなずいて、私のハンカチで涙をふいた。
「あれは、去年、小6の頃。
私は栗香をいじめていたの。
親友だった栗香を」
沙奈はそう言って、私の反応を待っていたが、
私は真っすぐ沙奈の目を見るだけだった。
沙奈は、またはなしだした。
「毎日、毎日。栗香にひどいことをした。
私、その頃はいじめが悪いことだと思ってなかったの。
自分でも、あの頃の私はおかしかったと思う。」
沙奈はまた涙を流したが、必死にこらえようとしていた。
私は、ゆっくり沙奈に聞いた。
「‥‥‥後悔してる?」
私の言葉に、沙奈はうなずいた。
とても悲しそうな顔だった。
本当だと言うことがすぐにわかった。
「私、中学に入っても栗香をいじめるつもりだった。
でも、その前に栗香はあなたをいじめたの。
きっと、私からいじめられて、おかしくなったのよ。
全部、私のせいなの」
私は不思議な感情だった。
なぜか涙が出てきそうになった。
しかし、私はこらえて、話を聞いた。
「栗香がいじめをしているのを見て、
自分のやっていたことのひどさがわかった。
だから、栗香を止めようと思ったけど、無理だった。
私は、栗香を見て、『この子はくるってる』と思ったの。
おかしいよね、私のせいなのにそんなこと思うなんて。」
沙奈は下を向いたまま顔を上げなかった。
私は、どうすればいいかわからなかった。
「それで、この前栗香とはなしたの。
そしたら栗香は
『私もあなたの気持ちわかったの!友達に戻ろう!』
と言ったの。悲しかった。
自分のせいだ、と思うと息をすることすら苦しかった。」
訴えるように強く、
しかしか弱い沙奈の声。
下を向いたままふるえている。
涙が落ちていくのが見えた。
「私は栗香に最後にこう言ったの。
『自分が今やっていること、私よりもひどいよ。わかってる?』
そして今日、栗香はいじめをやめた。」
沙奈ははなし終えるとハンカチを私に返してまた泣いた。
私はきまずい空間で沙奈をただ見ていた。
しかし、私の気持ちはかわらない。
栗香たちが私をいじめたのは事実だ。
それなら、栗香たちはさばかれるべきだ。
私は復讐する。
誰が止めても。
あいつらがあやまっても。
私は復讐する。