社会問題小説・評論板

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愚かな女王様の制裁
日時: 2016/01/10 11:14
名前: 雪 (ID: dP9cSz6y)

「山ノ内...咲良?」香月涼の声が、教室にこだました。
私、京極絵梨は咲良に近づく。咲良は悲鳴を上げる。

ーーーーー見て見ぬふりをする担任、いじめる仲間達。
誰も私に逆らう者はいない。逆らえば何をされるか...分かっているのだから。

私は気に入らない者が死のうが苦しもうが関係無い。
私がいじめて死んでいった人間はいないが。

「死にたくない」そう思っていても殺されるのだ。私はただ見ているだけ。愚かな少女達は殺されないために
人を殺す。




自分のために。






1・『そして、事件は幕を開ける。』>>1

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Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.32 )
日時: 2016/01/09 14:44
名前: 雪 (ID: dP9cSz6y)







「死ね!」
真理香が冷ややかな目線で、私の名前も知らないような人間を蹴りつける。
もうそいつには表情がなく、死んでいた。

暴力で殺せるのがわかって、それで殺すことになった。それなら殺すのにかなりの時間が掛かるし、死ぬまでにも
苦しんで死ぬ。私だって一緒になって蹴ったり、トドメを刺したり、ただ傍観していたり。


「あと二十分ね。あと一人くらいなら殺せる。真理香、誰か拾ってきて」

「はい、承知致しました女王様」

「宜しくね、真理香。みんなは死体処理をしてて」

「はい」
私は.........................................................
なにもしていないんだ。

「連れてきました。今先生がお茶に睡眠薬を 混ぜて飲ませています」

「あら有難う。早かったわね」

「ありがとうございます。お褒めに預かり、光栄です」
真理香は頬を赤く染めて、可愛らしくお辞儀をする。私は何だかムカついて、最後まで見ずにさっさと教室に向かう。教室は二年一組らしい。
最もそれは去年の話、今は空き教室だった。

「ああ、香月様。こっちに寝かせています。一番強力なものを化学のーーーーー川野先生に貸してもらいました。
最高で二十四時間ーーーーー一日は起きないそうですから、大丈夫ですよ」

「化学...それなら大丈夫ね。あと、校長先生にも四時間目の授業を三十分短縮してって伝えて。始まりを三十分よ」

「それは流石に無...はい、わかりましたわかりました!伝えておきます」

「あらそう。じゃあ...」
という具合に、私たちは関係の無い人間までも巻き込んで殺すようになっていった。



私は反省するということもなく、ただただ初めからこうすればよかったのだ、そう思った。

私には何も関係ない。と.........

悪夢 ( No.33 )
日時: 2016/01/10 11:37
名前: 雪 (ID: dP9cSz6y)



悪夢①
ココハ、ドコナノダ?

少しだけ、少しだけ、憶えている。
「...の...校に...入りま...せ.....か....?...」
確か...そんな事を言われて入って来たんだっけ。香月涼、高校一年生と自己紹介をして来たはずだ。
そして、お茶を勧められた筈だ、きっと。それで...どうしたんだっけ?

痛。

私は背中を思い切り蹴飛ばされ、椅子か机の足に後頭部をぶつけた。痛い。私は眠っていたようだ。多分...お茶の中に睡眠薬でも混ぜられていたんだろうけど...なんで。どうして、どうしてこんなに酷い事を。

「痛、っ」

「うるさい。あんたは黙ってなさい。どうせ死ぬのだから」

目を恐る恐る開けると、そこには女王様とその、部下?真理香と呼ばれたその人は、私の腹を思い切り踏み出した。
何度も何度も。思い切り、思い切り。

「痛い...痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」

私はそれしか言えなくなった。真理香に加勢し、皆が私を蹴ったり踏んだり叩いたり殴ったり。


「死んじゃう死んじゃう死んじゃう死んじゃう死んじゃう死んじゃう死んじゃう痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」


あぁ、わ.....たし....は.....こんなふうに....死んでいく...んだ...

「夢...?」
これは...多分、今日殺したヤツの怨念だ。こんなに痛いだなんて。まだ、下っ腹がずきずきと痛む。




ソレデモヤメナイノナラ...コンドハコノユメヲ...イヤ、アクムヲミサセテアゲルワ。

Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.34 )
日時: 2016/01/11 17:32
名前: 雪 (ID: dP9cSz6y)







怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い...
みんな笑ってるね。でもホントは楽しくなんかないんでしょ。私知ってるわ。

私も無理やり笑顔を作る。いじめって楽しい。本当に...
本当に
本当に
本当に
本当に
本当に...?
嘘よ。私の番が回ってきちゃった。私はしかたなく蹴る。痛い、痛い、痛い。もはやそうとしか言えなくなった少女。
できるだけ力を抜いて蹴ったのに、頭を椅子の足に思い切りぶつける。

背中もぶつけてしまったみたい...後頭部から大量の血が出ている。女王は


「ふーん、死んだみたい。じゃあ後はよろしくね」と言う。
ごめんね、凜花ちゃん...。偶然友だちが現れたなんて最悪だわ。それに私が殺すだなんて。

最悪以外に、思いつく言葉がない。ごめんね、ごめんね、ごめんね、ごめんね、凜花ちゃん...。

「はい、百万円」

涼はにっこりと微笑みながら百万円の入った袋を差し出す。私は仕方なく受け取る。

「あ...りがとう...御座います...」

なんで受け取っちゃったの!
あぁ、時間を巻き戻して凜花ちゃんを助けたい。私は死んでもいいから。なんで蹴っちゃったの。嫌だよ。

激しい後悔をする。でも死ねなかった。もう誰もいなかった。死にたかった。死ねなかった。
女王こそいなければ。女王こそいなければ良かったんだ。

Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.35 )
日時: 2016/01/15 15:35
名前: 雪 (ID: dP9cSz6y)









「あ...女王様?腕のあざ、どうしたんですか?」

「あ...これは...ちょっと...ね。」

「なんですかあ、はっきり言ってくださいよお」

「虐待よ」

「え...?」

「虐待って言ってるの」
「すみません、ちょっと...お話をお聞かせ頂いてもよろしいですか?」

真理香だけには、秘密を打ち明けた。いや...打ち明けたという程でもないか。別にどうでもいいことだったし、
真理香が解決出来ることなんかじゃないと思ったから。

「私が悪いのよ。私が。お母様も傍観者も...誰も悪くないわ。これは教育よ。立派な人間になる為の、教育」

「そんなもの、教育なんかじゃありません。暴力です。それは暴力です!」

「教育なのよ!」

「え、でも...」

「あんたが口答えすることじゃないわ。ほらさっさと出ていきなさい。授業なんかとっくに始まってるの」

「は...い、申し訳ございませんでした。急いで...出ていかせて頂きます」

「...はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「まさか、あんなやつに感づかれるなんてね。あざがあっても、気づかないくらいかと思ってたのに」

私は...あざを見る度母のことを思い出すけれど、それを顔に出すことはけしてなかった。
バレてはいけない。バレたらどうなるかくらい解る。


すっかり傍観者になった執事たちは、私が立たされて蹴られたり煙草を腕に押し当てられたりしているところを見てしまうと、気づかないふりをしていた。横を素通りすることもあった。それだけは酷いと思った。

ああ、私は日本、いや世界中を敵に回したのだと思った。

Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.37 )
日時: 2016/01/16 20:42
名前: 雪 (ID: dP9cSz6y)







「もう他校の生徒を殆ど殺してしまったせいで、誰もいないんです。やっぱり殺すんだったらここの生徒ですよぉ」

「えー...そんなに殺したっけ?じゃあ...誰を殺すんですか、女王様」

「もう三ヶ月も殺し続けてるんだから。そんなものも考えられないの?バカね。
勿論、咲良に決まってるじゃない。前まで奴隷だったんだから...」

「はーい」

「ちょっと早く来て。おーい真理香、縄跳び持ってきて!」

「はい、なわとび」

「ありがとう!じゃあ...行きますよ、女王様」

「...ぁ......あああああああああああああああああああああああ!あああああああ!あぁぁぁぁ!
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

咲良の首がかくりと折れる。いつもなら、

「あぁ、もう死んだ。じゃあ真理香、みんな、裏庭に捨ててきて」

「はーい」

なんて。咲良は死んだ。もう死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ、死んだ。

咲良は、もう、


死んだんだ。




毎日いた、咲良がか?



「あ...」



ごめん...ごめんね...咲良.....






























咲良が、死んだ!死んだ!死んだ!


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