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生意気な後輩に恋をする(リメイク)
日時: 2015/09/09 22:16
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

高校生が主役のBL作品です。

第1話 >>1>>2>>3>>4>>6

第2話 >>7>>8>>9>>10

第3話 >>11>>12>>13

第4話 >>14>>15>>16>>17>>18

第5話 >>19>>20>>21

第6話 >>24>>25

第7話 >>26>>27>>28>>29

Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.27 )
日時: 2015/03/24 10:48
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「あんた誰なんだ?」

空気と化してしまいそうだった俺は、このままではいけないと感じ、大男に訊ねる。彼はニヤッと笑みを浮かべ、ついにその口を開いた。

「私は木下正義(きのしたせいぎ)。ここにいる清水天(しみずてん)の師だ」

「なっ……!」

この木下正義という苗字と名前がかなりアンバランスな男は、清水の師匠だという。だが、一体何の師匠なのだろうか。

「彼は僕の格闘技の師匠なんすよ、先輩」

「格闘技!?」

意外だ。清水は筋肉質ではなく、どちらかというと細い方で腹筋も割れてはいなかった。
そんな彼が格闘技を習っている姿など全く想像ができない。

「少年、驚くのも無理はない話だ。清水は私に教えを乞うとき、頼んだのだ『腹筋をつけたら今以上に出ベソが目立ってしまう。そうならないように筋肉をつけずに強くしてほしい』——とな」

よくわからないが、そういうものだろうか。それにしても彼はそこまで自分のコンプレックスを気にしていたのか。もしかすると清水は、生意気ではあるが案外繊細なのかもしれない。

「それにしても、どうして弟子を辞めた僕のところにやって来たんですか」

「思い当たる節がないか」

正義の一言に、彼は口をつぐむ。どうやら、何かを思い出したらしい。
けれど彼はため息を吐き、決意を秘めた眼差しで言った。

「格闘技者たるもの、恋愛はしてはいけない——ですよね」

「そうだ。だがお前は私の教えを聞かず、恋愛に走ってしまった。それも、同性とだ。それがいかに許されざる行いであるか、お前に改めて教えてやるために、私は直々にお前のもとへ現れた」

「ふうん、でも残念でしたね。僕と先輩はまだ付き合っていません。あくまでも友達として接しているだけです」

「かもしれぬな……だが、映画館でのキスはどう説明するというのだ?」

「それは——」

清水の顔に僅かながら動揺の色が見えた。
それに彼も気づいたのか、相手に反論させる隙を与えず話を続ける。

「お前がなんと言おうと、唇を奪われたことは事実だ。つまり、お前はこの少年の抱く恋心を受け止めたという何よりの証になる!」

今度は俺を指さした。人に指さしをするのはいけないと、彼は学校の先生から習っていないのだろうか。すると彼は腕を広げ、こんなことを口にした。

「もしどうしても、お前がこの男と付き合いたいのであれば、この私とリングで闘い倒してみるがいい。さすれば、私はこれ以上お前達の邪魔はしないでやろう。最も負けた場合は、付き合いを認めぬが……さて、どうする?」

ポーカーフェイスの師の言葉に、彼の出した答えは。

「仕方ないっすね。これ以上僕達の関係に横やりを入れてほしくないので、その条件、受けて立ちますよ」

Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.28 )
日時: 2016/08/10 09:40
名前: モンブラン博士 (ID: CMSJHimU)

俺は師匠である、正義さんの条件を飲んで彼の経営するジムで彼とリングの上で闘うことになった。ちなみに、服は着たままで闘う。
出ベソを見られたら恥ずかしくてとても闘う気が起きないからだ。
相手と俺の身長差は軽く見積もっても30センチ以上はある。体重差はそれ以上だ。経験もパワーも技術も圧倒的に相手が有利なことは間違いない。けれど、この勝負は逃げてはいけない。そんなことをしたら最後、もう二度と先輩と付き合えなくなるかもしれないからだ。
いつもとは違う緊張が漂う中、見物客は先輩ひとりだけの真剣勝負が始まった。師匠は1歩1歩ゆっくりとマットを踏みしめながら、まるでゾウのように接近してくる。彼の巨体の圧迫感は並のものではなく、彼と対峙しただけで、嫌でも自分の体格の小ささを実感させられる。

「清水、どうした。かかってこないのか?」

威圧感と貫禄十分な瞳で俺を見下す彼。その瞳はまさに、獲物を捕食しようとしているライオンの目つきそのものだ。恐怖に飲み込まれては、たちまち彼に倒されてしまう。洋服を付けたままでは動きづらいけど、この状態でどこまでやれるかやってみるしかないか。
小手調べにマットを蹴って宙に舞い、彼の顔面目がけてハイキックを放つ。しかし彼は俺の蹴りを片手で難なく受け止め、ロープに放り投げる。けれどそれは計算通り。
その勢いとロープの反動を利用して跳ね返り、彼の甲板に向かってミサイルヘッドパットを炸裂させる。この技は額が固くないと逆に自分がダメージを負ってしまう場合もあるが、相手が相手だけに消極的な戦法をとってはいけない。
けれど彼は涼しい顔で、素早く俺の人間魚雷を掴み、そのままパイルドライバーを敢行して脳天をマットへ激突させた。
視界が逆さまになり、衝撃で見ている景色がぼやけてくるが、ここで失神したら先輩に現れるだろう。激痛を耐えて起き上がり、パンチのラッシュを繰り出す。

「お前も愚かな男だ。この程度の拳がこの私に当たるとでも思っているとは……」

敵は連続して放つ拳を必要最低限の動きだけで捌きつつ、徐々に接近していく。そして俺の鳩尾に膝蹴りを打った。

「がはっ……」

かつての師匠は俺の両腕をチキンウィングに捉え脱出できないようにした上で、容赦なくニーキックを食らわせていく。しかも回数を増すごとに力は衰えるどころかますます威力があがっていく。

「清水—っ、もうやめろ、降参するんだ!」

先輩の叫ぶ声が聞こえる。
その声に負けないほど大きな声で俺は言い返えす。

「バカ言わないでくれないっすか、先輩。これぐらいで参ったしてたら、あんたと付き合えなくなるでしょーが!」

Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.29 )
日時: 2015/03/25 06:42
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

「そろそろ、反撃開始といきましょうか」

敵がかけているチキンウィングを持ち前の柔軟さで外し、間合いを取る。

「どうやら、今まで手を抜いて闘っていたようだな」

「そんな簡単に劣勢になるほど甘くはないっすよ」

「そうだったか?」

彼は俺にショルダータックルで突進していく。けれどそれを寸前で素早く避け、背後に回る。正義さんの右腕を掴み、アームブリーカーで痛めつける。間髪入れずにダブルニードロップで強襲して怯ませ、その隙を逃さずに押し倒すと、すぐさまサソリ固めで両足にダメージを与える。
体格と体重で劣る俺が彼に勝てる術があるとすれば、打撃に頼らず関節技で各部位を破壊し倒すしかない。幸いなことに、関節技というのは力がない場合でもテコの原理を利用しているために、相手にかけやすい上に完全に決まれば脱出するのが難しい。俺は彼から腹筋を鍛えずに強くなれる方法として習ったのが寝技と関節技だった。
相手の攻撃ペースが落ちてきたこともあり、勢いに乗ってきたため、そのまま彼に鍵固めをかけてギブアップを奪おうとする。だけど彼は右腕を極められているにも関わらず、全く動揺していない。
その能面と言っても謙遜がないほどのポーカーフェイスに、こっちが逆に戦慄し始めてきた。なぜならば普通鍵固めという技は一度極まったら最後、ある手を除いて絶対にはずすことができず、降参するしかないけれど、彼はこの状態で何をしようというのだろうか。

「この技を私にかけるとは、100年早い」

グイッとかけている腕に力が入ったかと思うと、キーロックに極められたまま俺を持ち上げた。それは、師匠の腕力が並大抵のものではないことを意味する。

「弱い!」

自分の倍は優にある掌が顔面に食い込んできた。顔全体が敵の凄まじい握力によってギリギリと締め付けられるのが分かる。

「グアッ……」

次第に痛みで意識が遠のき、両腕が離れ、鍵固めを外してしまう。
敵はそのまま顔を掴み、右腕から俺を引き剥がし、掌の力だけで俺の全体重を支える。

「お前の底力など、所詮こんなものでしかなかったということだ」

彼の抑揚のない冷静な声が、心に矢のように突き刺さった。

Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.30 )
日時: 2015/04/19 20:13
名前: SINODAKEIN (ID: GIxrqpJQ)

めっさ可愛い後輩・・・・・・。

こんにちは、モンブラン博士さん。
ユキです。

小説のご紹介、有り難うございます!
早速、拝見させていただきました!

ほのぼの〜で後輩がかわいくて、必死で・・・・・・。
すっごい面白いと思います!

「バカ言わないでくれないっすか、先輩。これぐらいで参ったしてたら、あんたと付き合えなくなるでしょーが!」

すごくいいセリフだなぁ・・・・・・と。

必死な彼にときめいてしまう・・・・・・。


では、失礼します!
紹介、有り難うございました!

そして、続き、楽しみにしてます!

Re: 生意気な後輩に恋をする(リメイク) ( No.31 )
日時: 2015/04/19 20:39
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

SINODAKEINさんへ
こちらにもコメントありがとうございます!おっ、そのセリフが気に入っていただけたとは感激です!ありがとうございます!


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