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七つの大罪腐向け
日時: 2015/04/29 14:04
名前: 華乃 (ID: MHTXF2/b)

初めてここに書かせてもらいます!初心者なのでどうぞお手柔らかに。
七つの大罪のメリオダス受けを書いています。
リクエストやネタなど貰えるととても嬉しいです!
文章はまだまだ初心者なので至らない所が多々ありますが、優しい心で見逃してくれると嬉しいです。
凄い遅筆です。すみません。

Re: 七つの大罪腐向け ( No.37 )
日時: 2015/04/29 16:11
名前: 華乃 (ID: MHTXF2/b)

[涙の蓋]キンメリ
キング視点

団長は強い。
もちろん力的な意味でも、精神的な意味でも。
それに優しくて厳しかった。
こんなオイラにも優しくしてくれて、時に叱ってくれる。
団長は強いから、団長に任せておけば全てが解決する。
だから、団長に全てを預けてしまっていたのだ。
そう、オイラ達が確信づけていて、団長を縛っていたことも知らずに。

ぱたり。
何の予告もなく、まだ若い聖騎士見習いたちの相手をしていた時だ。
団長の華奢な身体は重力にそって投げ出され、そのまま倒れてしまった。
最初にディアンヌとバンが気づき、次にオイラ、マーリン、ゴウセルが団長の異変に気づく。
団長に相手をしてもらっていたギルサンダーはもう半泣きだった。
そもそも、あんなに飄々として強い団長が倒れて聖騎士たちは混乱状態。
オイラだって目を向くほど驚いた。
そんなこと思っている場合じゃないと直ぐにバンが団長を担ぎ上げて、団長の部屋まで運んだ。
リオネスの医者たちもあのメリオダスが倒れたと聞き、急いで駆けつけてきた。

全員、外で待機して、マーガレット姫はギルサンダーを慰めている。
どんよりとお通夜のような雰囲気が辺りに散らばり、ディアンヌが沈黙を破るように小さな声で言った。

「団長、大丈夫かなぁ……。」

その声には涙も含まれていて、オイラは励ますようにディアンヌの周りを飛ぶ。

「大丈夫だよ!だって団長だよ?」
「うん……でも……。」
「…………。」

ディアンヌが心配するのは痛いほど分かった。
オイラだって、あんなに昼は元気だった団長がいきなり倒れたから。
もしかして、病気だったらどうしよう。
そんな考えに顔を青くさせていると、団長の部屋の扉が開いた。
部屋からは医師と助手が顔をうつむかせている。
ディアンヌもとうとう怖くなったのか外で涙のまくを目にはっていた。
医者は顔をあげ、凛とした声で言う。

「一言で言うと、過労です。」
「か、過労?でも、あんなに団長は元気だったんだよ!?」
「あの……何か勘違いしてませんか?」

今まで黙っていた助手が手をあげて、責めるようにオイラ達を見る。
マーリンとバンはその目で何か気づいたのか、今度は二人がうつむいてしまった。
険悪な雰囲気にオイラはおろおろとして助手に目を向ける。

「最近、メリオダス様に全てを押し付けていませんか?彼の目には隈だって出来ていたし、見るととても彼は華奢です。食べる時間も、寝る時間も。本来、仲間の貴方たちが気づくべきではないんですか?」
「っ、!」

彼女に言われて、気づく。
そういえば、団長なら、と団長だったら、団長が、と団長に何でもかんでも押し付けていた。
寝る時間も少なくて、何でオイラ達より先に寝て、早く起きてるのか知りもしろうとしなかった。
団長だから、と決めつけて。
ここにいる全員、オイラも含めて沢山思い当たる節がある。
オイラ達は団長の部屋に駆け込んだ。


続きます。

Re: 七つの大罪腐向け ( No.38 )
日時: 2015/04/30 00:38
名前: メイ (ID: NoXA3WbV)

続きがきになる終わり方!?
ウズウズ・・・
と言うことで続き待ってます!

Re: 七つの大罪腐向け ( No.39 )
日時: 2015/04/30 10:33
名前: 華乃 (ID: 9AGFDH0G)

[涙の蓋]キンメリ
キング視点。

ディアンヌは大きくて入れないので窓から団長を覗く。
その目は心配と自分を責めるものに染まっていた。
華奢な身体。
すうすうと安らかな寝息をたてる。
あまりにも安らかだったから、死んでるんじゃないかと怖くなって手に触れる。
じんわりと暖かった。
ほっと息を吐き出して、疲れが出てくる。

団長は基本、寝ていても誰かが近づくと起きてしまう。
きっと、団長が倒れてしまったのだからオイラ達よりもずっと大変で疲れていたんだ。
どうしようもない申し訳なさしか出てこない。
団長、ごめん。
オイラ馬鹿だったよ。

「団ちょ……。」

慈しむようにバンが呼ぶ。
何だかそれに、ディアンヌでもないのに嫉妬心が腹に溜まる。
嫌になって、ただ団長を見ていると、ぱちり、と団長の翡翠の瞳が開かれた。

「……りず……?」

ぽつり、と掠れた声で問われたそれは、ひどく不安定だった。
聞いたことのない人の名前と、泣きそうに開かれゆらゆらと揺れる目。
あ、やば、と誰かが呟いた時には遅くて、

「り、ず、リズ、リズ、ふ、ぅっ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

聞いたこともない団長の泣き声が城全体に響き渡る。
ぽろぽろと壁は崩れ、城が揺れている。
まるで地震が起きたみたいだ、と焦りながらとりあえず団長を落ち着かせる。
バンに至っては呆然として使い物にならないし、ディアンヌは団長に貰い泣きされたのか団長と同じように泣いている。
当然ゴウセルはアレで、マーリンも目を目を見開いて動く動作を見せない。
オイラだって焦ってるのは焦ってるんだけど、周りにもっと焦ってる人たちがいるから焦れない。

翡翠の瞳からぽろぽろと大粒の涙を溢す団長に近づく。
きゅ、と結ばれた口からはひっく、と嗚咽が漏れていて、何かを耐えるようだった。

「団長?聞こえる?キングだよ。」
「ぅっ、ひっぅ、ひっく、っ、ぅ、リズ、リズっ!!」
「団長、ごめんよ。オイラはリズ、という人じゃないんだ。」
「ごめんなさ、っひっく、リズ、ごめんなさい、っ、謝るから、そんなこと言うなっ、ふっ、ひっう、ぅ、ひっ、ぐ、」

リズ、リズ、としきりに呼んでいる人の名前。
きっと、ダナファールという国の人だろう。
もう今は無き亡国。
もしかしたら団長の「憤怒の罪」に関係しているのだろうか。
でも、これ以上、考えることをやめた。
七つの大罪掟に反してしまうから。

まだ泣いている団長にオイラは頭を撫でる。
何で団長が泣いているのかすら分からない。
でも、もとはといえばオイラたちが無理をさせてしまったからこうなったんだ。
反省しながら団長の頭を撫でていると、やがて泣き声が止まる。
嗚咽も少なくなってきて、寝息が聞こえる。
見ると団長はオイラに寄りかかって眠っていた。
それは年相応の無邪気な寝顔で。

「ふぅ……。」
「き、キング!団長は!?」
「ディアンヌ!しっ。」
「あっ、ごめん。」

一息ついたオイラにディアンヌは団長心配そうに見つめる。
でも大声を出したら団長が起きちゃうからね。
団長を起こさないように横抱きにして、もう一度ベッドに沈ませる。
もう、今日は帰った方がいいだろう。
団長を起こさないためにも。
まだ呆然としている輩を外に無理矢理追い出して、扉を閉めた。

団長の涙の蓋は、オイラたちが思っているよりもずっともろいのだろう。
それをオイラたちが無理をさせてしまったから。
冷たく白い廊下を歩きながら考える。
明日は、団長をいっぱい甘やかして謝ろっと。


涙の蓋。

Re: 七つの大罪腐向け ( No.40 )
日時: 2015/04/30 20:49
名前: 華乃 (ID: MHTXF2/b)

[彼は、]キンメリ
キング視点。

たとえば、団長とオイラの間に起こる全てのこと。
団長のほん少しの微笑みが目の前にあって、心が満たされていく。
溜まりに溜まった恋情は爆発してしまうのではないか、と心配になった。

あのおじさんから聞いた話では、オイラたちの知らない団長しかいない。
あんな飄々として何かにずっとすがり付かない猫のような団長が、唯一欲しがった女性。
誰よりも気高く、美しく、自分を持った女性だったそうだ。
そして、団長がなついた女性。
それにはおじさん達も驚いたらしい。
何かを束縛することのない団長が、欲しくて欲しくて手に入れて、亡くしてしまった。
きっと、それは凄く辛いことなのだろう。
オイラも団長がいなくなる。
それを考えただけで心が空虚になるようだ。

紋様を頭に浮かべた団長が忘れられない。
もしかしたら、団長は魔神族なのかもしれない。
けれど、それでも何処かよかった。
オイラは臆病なバンとは違うんだ。
もしも団長が魔神族だったとしても、オイラは団長の味方につくよ。
それが、ディアンヌを、妖精族を、全てを敵にまわしたとしても。

挑戦的な笑み。
ゾッとするほど美しくて、怖い。
まるで造られたみたいな美しい顔に見合う笑顔。
翡翠の瞳はきらきらと輝いているが、奥底ではどろどろと黒いものが固まっている。
気づいたのはオイラだけだろう。
口角を吊り上げ、不気味に笑うその顔は恐ろしく整っていて。
ねぇ、団長。
団長はいったい何者なんだ。

それでも愛しくて、愛しくて。
誰よりも、団長がリズさんを愛したようにオイラも団長を愛している。
でも団長は永遠にこちらを向くことは無いのだろう。
その何処か空虚の瞳には「リズ」しか写ってないのだから。

でも、せめて。
何でもない、ただの一日。
あのとき、彼は、団長は、メリオダスは、 
笑っていただろうか。

団長、教えてよ。

Re: 七つの大罪腐向け ( No.41 )
日時: 2015/05/01 06:25
名前: 虚象 (ID: FNDxz3uX)

メリオダスゥゥゥゥウ(;_;) 泣いちゃったぁぁあ 可哀想だよぉぉぉお
本編でも メリオダスは こんな感じなのでしょうね 私達読者が 七つの大罪皆が 支えてくれるから 抑え込まなくていいんだよぅぅ 華乃さん! 更新ガンバってくださいぃ!!!!


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