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おりきゃらBL
日時: 2015/08/14 11:04
名前: くるる (ID: L0JcGsyJ)

ハイキューBL小説のスレ主だったくるるです。


ここではおりきゃらBLを短編で、私が、思いつくままに書いていきます。私が書くと不安しかないですねごめんね。

あっちのスレでは随分と固い喋り方だったんですが、ここでは崩していこうかと。

荒らしさんが来てもスルーさせて頂きます。いや来ないと思うけど

長々と喋りましたが宜しくお願い致します。

Re: おりきゃらBL ( No.1 )
日時: 2015/08/11 12:13
名前: くるる (ID: wIAOO7NO)


あつい。

いやもう何て表せばいいか分からないがただ暑い。

桜並木で有名なこの道は、今はもう青い若葉で敷き詰められていて、アスファルトは陽炎が揺らめいていて、暑苦しさが増す。
こんな事になるくらいなら、部活なんてしなければ良かったなんて、思ってもみないことをぼやく。そうすれば君は不安そうな顔をしてオロオロと辺りを回りだした。なんだこいつ可愛いな。

「おい、落ち着けって。おい!」

「はぅあ?!だ、だ、だって君がそんなこと言うから...!」

「じょーだんだよ、あんまりにも暑いから」

「っあ、なんだあ...」

同じ男子とは思わぬ仕草をするコイツに溜息をつく。ひょろくて女々しいし、ほんと有り得ないけれど、こんな奴が全国一なのだ。

「神様ってのはすげえよなぁ...」

「え?なんか言った?」

「べつに」



あぁほら、君がそうやって覗き込む仕草が可愛い、なんて思うのも全部全部、暑さのせいだ。


「...顔赤くない?」

「赤くない」



end

Re: おりきゃらBL ( No.2 )
日時: 2015/08/11 19:02
名前: くるる (ID: wPqA5UAJ)


「随分と悲しそうだねぇ?」

「...そうか?無表情にしか見えないけど」

「鏡はいつも偽物しか映し出さないからさ。
僕には、君が泣いているようにしか、見えないよ」

もう一度鏡を見た。変わらない。この冷めた目も、固く縛られた口も、ほとんど動かすことのない表情筋も。
それが、泣いているように見えるなんて、こいつは何を言っているのだろう。

「...泣いてねぇよ」

「おやおや、もう泣いてしまっているというのに。全く君は変わらない。あの頃からね」


ふわふわとした髪を持つ彼。こんな奴、今まで会ったことが無い。
けれどどこか、この笑顔だけは、


「お前みたいな奴、会ったことない」

「そりゃそうだろう。これは誰かの体を使って動いているんだから。僕は今心を支配しているからこうして喋れるけど」

「あんた一体何者だよ」

「....君の大切な人の、魂だよ」


...頭の片隅に置いていた、古い思い出が、ズキンと痛んだ。捨ててしまったはずの思い出が、無理矢理引っ張り出された。

あぁもしかして、彼は、俺の愛する人。


「ふふ、思い出したかい?」

「皮肉なことにな。それで、何しに来た?俺はもうすぐ死ぬのか?それとも死んでるのか?」

「死んでるよ。ねぇ、嬉しい?悲しい?」

「...さぁな。もう、よく分からん」


彼とのこのやり取りは何度目だろう。いつもいつも俺が忘れていて、本当に申し訳ない。そう思って、また死ぬときに、忘れていくんだろうな。




「さて、またあちらの世界に行こう」

「...お前も、一緒に、」

「それじゃあね。バイバイ」




優しく、突き落とされた。


その時の彼の体温は酷く温かく、優しい、ものだった。



(彼も随分、悲しそうだ)

(泣いてんなんかいないさ、大丈夫)

(...少し、寂しいだけだよ)



end

Re: おりきゃらBL ( No.3 )
日時: 2015/08/11 23:12
名前: くるる (ID: qMXr7W56)


「碧ちゃんってさー」

「その呼び方やめてください。何ですか」

「んー。じゃ、碧ってさ。好きなんでしょ?」

「....まぁ、それならいいです。で、好きって何が」

二つ上の先輩は、只今練習中の俺の親友を見つめ、只今休憩中の俺を見つめた。
ああ、馬鹿ばっかだ。

別にこの先輩のことが嫌いというわけでもない。むしろ尊敬しているのだ。だからこそ、憧れの先輩が、理想を描いていた先輩が、こうも他人の事情に土足で入り込んでくるのが許せなかった。そんなので憤りを覚える俺も、どうかと思うけど。
憧れたのは自分だ。理想を押し付けたのは自分だ。
親友に、感情を押し付けた愚か者は、俺だ。


「で、実際どーなの?」

「....あいつは、親友ですよ」


その声は、震えてはいなかっただろうか。
顔は強ばっていなかったか。体は震えていなかったか。
泣きそうに、なってはいなかったか。

「ふぅん。なら、俺が貰ってもいいよね?」

「....は、」

「碧の大事な大事な親友、寝取っちゃっても、いいよね?」

「っ、ダメっ!!」

「...はは、冗談だよ。頑張んなよ」


彼は一瞬悲しそうな顔をした後に、いつもの笑顔で練習に戻っていった。





「おい後輩いじめんなよー?」

「いじめてないよー。ただ、」

「あ?...お前、変なこと考えてんじゃねぇだろうな?」

「んー?正解ッ!ああ言うの見るとさ、いじめたくなるっていうか、奪っちゃいたくなるよね!」

「やっぱお前クズだわ」




end

Re: おりきゃらBL ( No.4 )
日時: 2015/08/12 20:53
名前: くるる (ID: yVTfy7yq)


「また告白されちゃった♪」

「オメデトウゴザイマス」

「碧反応ないなー。たっくんに話したらめっちゃ食いつかれたのに」


それはただ面白がられてるだけなんじゃ。
そう思って、慌てて口を噤んだ。こういう人は何を考えているのか分からない。自分の感情に踏み入りられた日からよく絡まれるようになり、挙句昼食まで一緒に食べることになった。
古錆びた屋上に、ふたりきり。


「そういや碧のそういう話聞いたこと無いなー。告られたことあんの?」

「まぁ、そこそこ」

「へぇ...?
親友くんには、無いの?」

「...ある訳、無いでしょ。ふざけてるんですか?」

彼はさも可笑しそうに笑い、ごめんごめんと全く気持ちのこもっていない謝罪を述べる。あぁ、ペースが乱される。


「なんで無いって分かるの?エスパー?」

「......どれだけ綺麗に着飾っても、あいつが俺を好きになること無いんですよ。あいつは、だって」


あ、やばい。涙出てきた。


「好きな人でも、いるのかな?」

「....まぁそうです。というか、先輩の方がエスパーじゃ?」


からかい半分で聞いてみると少しだけ真剣な表情で、俺を見た。その表情は少し儚く、いつもの彼からは予想できないような、そんな、そんなかお。


「俺は碧のことなら何でも分かるよ」

「そう、ですか」



=============================


碧、君の言う通りだよ。


どれだけ綺麗に着飾っても、好きになることなんて無いんだ。


どれだけ綺麗に着飾っても、君に勝るものはないんだよ。



ねぇ碧、君が望むなら何でもしてあげる。

だから、俺のことを好きになってよ。





薄情なのは分かっている。最初はからかっていただけなのに後から好きになるなんて良くある話だ。
だけど、それでも俺は。



「みどり、」

「何ですか?ってか、なに、ちか」

「好き」

「え、なん、で」



触れるだけの、たった数秒のキスを落とした。




誰よりも敏感で誰よりも相手の気持ちに鈍感な君にできる唯一の証。
ごめん、ゆるしてくれ。




「ごちそうさま。じゃね」

「っあ、え、」


未だ状況が掴めていない君を置いて、おれは古錆びた屋上を後にした。




うん、この味は新発見。




甘くて少ししょっぱいキスの味。

end

Re: おりきゃらBL ( No.5 )
日時: 2015/08/13 23:54
名前: くるる (ID: L0JcGsyJ)


ゆらゆらとしていて、俺は多分溺れているんじゃないかって思わせるその空間は、どこか懐かしさがあった。

「おれは、死ぬのか」

「...死にたいか?」

声がした。腹の底を響かせる様なその声も、懐かしかった。
声の主はどうやら男らしい。らしい、というのは先程から姿が見えないのだ。けれど近くにいるように感じられる。
真っ暗で、匂いも感じられないその空間では耳だけが頼りだった。

「あんた、誰だよ」

「分からないか。まぁ仕方ない。ここでは全てが無になるのだから」

「...は?ちょ、待てよ。どういうことだよ。ここどこだよ。っつか、俺は何だってこんな所に」

「黙れ糞餓鬼。言ったって、お前はまた忘れるのだ」



あぁまただ。腹の底を響かせる様な、声。
そこには嫌悪と拒否と悲しみが含まれていたけど。

視界も慣れてきたのか、ぼんやりと男の姿が捉えられる。歳はきっと俺よりも上の30代くらい。体つきがしっかりしていて、野球をしている俺には羨ましい。俺、食っても食ってもあんまり肉つかねぇんだけど。


「あ、」

「なんだ。まだ何かあるというのか」

「綺麗だな、お前の目」

「は?」


男は俺の突然すぎる話題に面食らったのか、目を何度も瞬きしている。今更だがやっと顔が見れた。うん、こういうのをダンディと言うのだろう。顔もなかなかにいい。


「目、すげぇよ。なんつーか引き込まれる感じ。ちょっと暗い蒼だ、すげえ...」

「...そうか。そんなことを言われたのは初めてだ」

「そうなのか?いや、すげぇよ。なんで誰も言わねぇんだろうな」

「俺は最低だからな。人の命を簡単に捨てるような、そういう奴だ」


その悲しそうな笑みには、儚さが感じられた。


「....それより、お前はまた生きるか?」

「え、いや、その、」

「まぁこんな状況だし驚くだろうな。けど、」


何かが、俺を包み込んでいく。そこから引きずり落とされる様に俺は落ちていった。嫌だ、待ってくれ。まだ言いたいことがあるんだ。お前と話をしたいんだ。


「おれ、は、」




俺はあんたと、一緒にいたいんだ。





end

終わり方雑だなぁ(′・ω・`)



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