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- パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】
- 日時: 2016/10/23 20:05
- 名前: 朝倉 (ID: m.NeDO8r)
簡単に説明します。
普通の日常に退屈を感じていた青年が、変な老人と知り合って、勧められた世界に好奇心を抱いて、二文字の返事によって、そこへいく。
もう一つの世界であるパラレルワールドへ着いた青年は能力を持っていて……というお話です。
よろしければ閲覧していってください。
2016.10.21 閲覧数200突破!ありがとうございます!
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.18 )
- 日時: 2016/07/11 00:11
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
「それにしても、君らには能力があったりするのか?」
能力者相手に一般人がこんなことをして、無事で済むとは思わない。ましてやこの玉野正太のように爆弾男といった異名の持つ危険な能力者相手だと特にだ。
「当たり前だ。そこら辺の雑魚とは比べるな。…僕らの能力は強い」
石井がこちらを向いてそれだけ言うと背を向けて部屋を出ていった。
一緒にいた隣の奴も、崩さぬポーカーフェイスで石井の後ろをついて行った。
呆然と立ちつくしていると、大吉がコソッと話す。
「ここにいる奴らはヨータとショータ君以外は二つの能力を持っているんだよ。ショボイけどね」
話の最後にはパッとしない、焦った苦笑いをされた。
「……例えば?」
俺が疑問を投げかけると大吉は、例えではなく、事実を正直に話す。
「うーん、そうか、例えばー…そうだな〜…石井様には“能力を一時的に消す”ことが出来る皆無能力があって、いつでも“タコ化”することができる能力の二つ」
「2個目の能力ショボイな…」
「だから言ったじゃん。ショボイって!それで、石井様とずっと一緒にいる執事っぽいのが、榊さん。あの人は、石井様のこととなると、感情的になりやすいから気をつけて。」
「あ、あぁ…で、榊さんの能力は?」
「“ワープ能力”そして、“人体に乗り移る”ことの出来る能力。今のところ強いからホント危険!」
「はぁ…大吉と中村は?」
「俺は“触れたものを何でも人形にできる”だから、いつもは手袋して、触らないようにしてる!もう一つは“ゼリー状”になれる…」
少し落ち込んだ様子の大吉に同情して謝る。
「あ、なんか、悪いな…聞いちまって…」
「いや、別にいいけどな!ケンは“電気能力”と“テレパス(ただし、送信だけ)”まぁ、俺らのチームにはあと、二人いるけど、どっか出かけてるみてぇーだからあとでな。その二人は双子だから間違えたら殴られること、覚悟しとけ?」
「その二人って、双子でも似てるのか?」
「いーや。全く似てない。男女だし、声違うし、顔も違う。だから間違えたら怒られる」
聞いた限りで双子を間違うことはないだろうと、自分では思った。案外強い能力者達の集まりであることを知って暫くはここに居座ることにした。
「わかったか?ヨータ」
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.19 )
- 日時: 2016/07/14 23:21
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
「え!?あ、あぁ……俺って、此処にいてもいいのか?さっきからいて当然みたいだけど…」
「何言ってんだよ!ヨータは俺達の仲間なんだから!いて当たり前だ!」
「…そうか」
「よし!じゃ、他に質問あるか?どんどん聞いてこい!ヨータが聞きたいなら何でも教えてやるぞー!」
大吉の返事に安堵のため息をつくと、大吉は何故か質問に全部応えてやるとやる気になり、俺は気になることを聞き始めた。
「俺の能力は?」
「ヨータは“触れたものを自在に操る能力”物を動かすとか浮かすとかじゃなくて…なんていうか、変形させる!みたいな…?」
「……でも、さっき、階段の手摺触って階段登ってたけど、何も変化してなかったぞ?」
「それは、能力にも使用時間があるから。能力も体力と一緒なのかな?」
「だから、能力を使うと体力が減って疲れるし、能力によっては一時的に使えなくなるのもある。一つの能力しか持たない能力者には多い傾向で、その一つの能力すらマトモに使えない奴らがこの世界には多い」
大吉が話している途中から中村が真顔でペラペラと説明した。へぇ〜、と関心をしていると、中村は眉を寄せて下記を述べながら壁を右手の拳で叩く。
「だが、それを完全に使える様に…能力者を増やしているのが奴等だ。」
「奴等って?」
「俺らの敵だ!」
奴等とは何かと中村に聞くと、イイトコ取りをするかのように明るく自分の胸を叩いて上記を述べたのは大吉だ。ドヤ顔に呆れる。
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.20 )
- 日時: 2016/07/19 23:36
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
中村は玉野正太と少し話があるからと二人で部屋を出て行った。
俺は大吉に気になることを質問し続けた。
「で、俺らの敵って?」
「俺らの敵は俺らの敵だ!石井様の敵は俺らの敵ってこと!」
「敵にしてる奴らはどんな相手なんだ?」
「あっち側は、スッゲー強いんだぜ!だから俺達も負けないぐらい強く…」
「いやいや、ちょっと待て。何で俺達が張り合うんだ?大体敵ってどういう……」
敵について聞くと大吉は興奮状態で言い出すもんだから途中で話を止めて詳しく聞こうと話を促すと、キョトンとした後に険しい表情で下記をコソッと話し始めた。
「…これは内緒なんだけどな?石井様には、昔勝負を仕掛けた相手がいて、まだ決着がつかないらしくて…絶対に負けられない勝負なんだとよ」
「へぇ〜、何で俺らがそんなのに巻き込まれて?まさか」
「そりゃ、その勝負は命懸けってことだからじゃねーの?」
大吉の平然とした顔で命懸けだからでは?と予想通りの言葉が返ってきて、やっぱりな、と思うのと同時に顔の血の気が減るのを感じた。
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.21 )
- 日時: 2016/08/16 10:42
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
「でも何でその命懸けに勝負に俺らが巻き込まれなきゃいけないんだ?」
「うーん、何でかな?俺は石井様を守りたいからな。」
「何で?」
「昔、俺が死にそうになった時助けてくれたのが石井様だったからだ。その恩返し」
大吉の言っていることは、聞かれたことに応えるという感じで、内容はわかるけど、その話に所々疑問は抱いた。深く追求してはいけない気がして、その話には触れないようにする。
「俺は、死にたくない。そんな石井の勝負に何で俺は命掛けなきゃいけないんだよ」
「…俺だって死にたくはない。命懸けって言うのも本当じゃないだろうし、そこんとこは詳しくは知らないんだよな!」
自分の後頭部に両手を持っていって大吉は苦笑いする。
どっちなんだと、ムッとすると、大吉は薄く笑って下記を教えてくれた。
「石井様と一緒にいる榊さんなら知ってると思うけどさ。とにかく!俺らの敵は強い!ってことは知ってた方がいいぜ!」
静かに言った前文にどこか寂しさを感じたが、大吉はすぐに元気を取り戻したように声を張って俺に敵は強いと云った。
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.22 )
- 日時: 2016/08/21 05:20
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
微妙だが、納得することにして、そもそも、俺らの敵が強いという事を言うってことは、会ったことがあるんだろうかと大吉に問うと、大吉は静かに首を横に振った。
「危険だからって会わせてもらったことはまだない……」
眉毛を下げて八の字にすると、俯いて明らかにショボンとする大吉に申し訳なくなって、謝ろうと口を開こうとした時、それを誰かの声が遮った。
声の主の方を見ると榊さんがこっちを見て部屋の扉の前に立っていた。
「見るだけとお約束出来るのなら許可を差し上げましょうか?」
その言葉を理解するのに数秒かかり、理解すると、大吉と共に驚きの声を上げる。
「いや、でもっ……」
「見たいッス!榊さん!」
俺が危険ならと思い反対の意見を述べようとすると、大吉はそれに割って入ってくる。大吉の顔は先程とは反対に明るく、目をキラキラと輝かせ、興奮しているかのように笑顔だった。好奇心満々そうに見えた為、何故か心の隅で「こうなってしまっては止められないだろう」と諦めがついてしまった。大吉の様子に一瞬息を詰まらせ、後に軽くため息をつくと榊さんは意外にもクスッと笑ったような気がした。