BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】
- 日時: 2016/10/23 20:05
- 名前: 朝倉 (ID: m.NeDO8r)
簡単に説明します。
普通の日常に退屈を感じていた青年が、変な老人と知り合って、勧められた世界に好奇心を抱いて、二文字の返事によって、そこへいく。
もう一つの世界であるパラレルワールドへ着いた青年は能力を持っていて……というお話です。
よろしければ閲覧していってください。
2016.10.21 閲覧数200突破!ありがとうございます!
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.13 )
- 日時: 2016/07/01 12:59
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
長い階段を上がれば、今度は長い廊下を歩いた。
無駄に大きく見えるこの家の主人はどんな奴なんだろうか。
やっとのこと、ついたようで、扉の前に立つ。
俺は疲れて少し息切れしている。
「大吉と隣の金髪。お前ら歩くの早くないか?走る…いや、早歩きぐらいか。早歩きぐらいの速さだったぞ!」
「?こんなもんだろ?早歩きって…ヨータ、足遅くなったのか?」
呼吸が整うと、俺に背を向けて扉を見つめてる2人に言う。大吉はキョトンとして上記を述べ、大吉の隣にいる金髪は眉毛を寄せて機嫌悪そうに下記を述べた。
「金髪って、俺は中村犬だ。名前があるんだから名前で呼べ」
「いや、知らないし……」
金髪の男に少し怒られ、苛立つが争いは避けたいのでボソッと聞こえないように呟いた。
「さーて、入るか、ヨータ。このドアの向こうに石井様がいるからー…とにかく怒らせんなよ!」
「怒らせるなって、人の機嫌とるのはあんまり上手じゃないんだが…」
「さっさと行け」
キリッとした顔で俺を見ると大吉は中に入ることを促し、俺は忠告を受けた。禁句ワードは聞けていないので不安だがこの際気にしないことにしようと思っていると、金髪の中村が扉を開けたかと思えば俺の後ろに周り、上記と共に俺は背中を蹴られて前に出た。
「うお!痛いな…」
よろつきながら背中を片手で摩り部屋に入り、振り向くと二人とも後から入って来た。
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.14 )
- 日時: 2016/07/02 06:09
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
前を向くと、背もたれの長い椅子に脚を組んで頬杖ついている男と、隣にスーツ姿で白い手袋をしている男がいた。
椅子に座っている男は俺を見て眉を寄せて機嫌悪そうに俺を睨みつけてくる。
「おい!洋太!貴様あっち側の奴らの手にまんまと引っかかったらしいな!」
「…え、あっち側?…どっち側?」
偉そうな態度で椅子に座っている男が俺に話しかけてきたがよく解らず大吉の方を向くと慌てて俺の前に大吉が来て椅子に座っている男に話す。
「あ!石井様!ヨータ、記憶ないんで分かんないと思います!」
「チッ…計画を練っている最中だというのにこのザマか…」
「計画?」
大吉が言っていたので、きっと椅子に座っているのが石井様なんだろうな。その石井様は俺にも聞こえるぐらいの大きな舌打ちをした後、苛立った様子でブツブツと何か言い出した。
そこで聞こえた“計画”とは何のことだろうかと首を傾げると、首根っこを捕まれ、引かれて後ろを向くと中村がヒソヒソ話をするように下記を述べた。
「拉致だよ拉致」
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.15 )
- 日時: 2016/07/05 15:22
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
「拉致!?何考えてんだ!それは犯罪だぞ!?」
驚きのあまり大声で怒鳴るように中村に言うと後ろから笑い声が聞こえた。
振り向くと、先程から椅子に座って頬杖をついていた石井だった。
「何が面白いんだ…?」
至って正論を述べたはずだから笑われると苛立ちもする。石井を睨みつけながら問うと、石井はまるで当然の如く下記を俺に告げる。
「貴様は馬鹿なのか?この国で僕達が何をしようが、人を殺さなければ刑務所などには入らないんだ」
「……は?」
「能力者相手に限りますが、ね」
石井の一人称が“僕”というのにも驚いたが、それよりこの世のこの国の“法”に開いた口が閉じないでいると、ずっと石井の横に執事のように立って黙っていた男が付け加えて言う。
「じゃ、じゃあ、君らは拉致して何しようとしているんだ?」
もし拉致が成功したとして、人を殺してしまっても見つからなければ捕まらない訳で、だがそれは犯罪である。自分は加害者にはなりたくはない。とりあえず、詳細を聞こうとしてみる。
「大体、今回は拉致ではない。誘拐という題材だ。失敗するなら拉致という方向だと伝えたはずだが?なぁケン?」
「あ…はぁ、すいません」
石井が少し叱るように言うと中村はそっぽ向いて謝った。
俺は呆れた顔でボソッと言う。
「…どっちにしろ犯罪じゃねーか」
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.16 )
- 日時: 2016/07/05 20:55
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
「だから大丈夫だと言っているんだ」
「何が大丈夫なんだ、犯罪に変わりはないだろ?」
「殺さないから犯罪ではない、と僕はさっきから言っているんだが?」
ボソッと俺が言った言葉も石井には聞こえていたようで、俺との言い合いになる。俺は困ったように言うが石井は問題ないとしか言わないでいる。
その話を変えるように大吉が割り込んできた。
「まぁまぁ、それより石井様、計画の方、もう一度確かめましょうよ!」
「あぁ、そうだな。洋太も揃ったところで、計画を確認する」
そう石井が改まって言うと、隣に立っている男が手に何かの装置を持ってそれを押す。
すると、その装置の向く方向3m離れた所に大きなスクリーンのように映る。
「今回は、この男だ。この男の年齢は15。中学生にも関わらず、不良の仲間入りをしていて、能力は“爆弾男”と危険人物だ。だが僕達には貴重な存在。どうかこちら側につくよう、話をして勧誘、誘拐。聞かなければ拉致してでも連れて来い。以上だ。」
石井の言葉と共にわかり易くスライドやら画面が移り変わることで結構内容が解った。
とんでもないことをやるが、この石井が敵なのか味方なのか俺にはよく分からなくなった。
「今回、洋太は記憶を失っているから不参加だ。大吉とケンがやるから様子でも見て学習しておけ。貴様の出番も遅くはないからな。」
石井の話し方からするに、俺はこっちの仲間なのだろう。言い方は命令口調だが、金持ちはこんなもんなんだろう、と大分扱いに慣れてきた。
大吉と中村の計画実行を大人しく見ることにした。
- Re: パラレルワールドへ【オリジナル/BL含/異能力】 ( No.17 )
- 日時: 2016/07/06 15:14
- 名前: 鈴木洋太 (ID: DVcR0E4k)
街の監視カメラの映像のようなものを見させてもらった。
ここの法がどうなっているか分からないが、きっとこれは普通なんだろうと、周りの人を見て思うことにした。
中村と大吉は計画であがった男が一人で歩いている時を狙ってナンパをするかのように話しかけに行く。
会話の内容は全く聞こえなかった。
中村と大吉が交渉して、大吉は話しながら何か手帳のようなものにメモをしていた。
相手の中学生の不良男児は苛立ちを隠さず周りの物に当たって二人に威嚇している。
暫く交渉した後、不良男児は大人しくなり、二人に対する目の色が変わった。
交渉は成功したのか不良男児は笑顔で頷く。それと同時に大吉は、メモをしていた手帳のようなものを閉じてズボンの後ろポケットに入れる。
中村は、こちらを向くと不良男児に見えないようにカメラに向かって右手の親指を立てた。
あの不良男児が俺にはとても爆弾男には見えなかった。
中村と大吉、それから勧誘を受けた爆弾男、本名玉野正太の三人が戻って来ると、石井は満足家に大きく笑った。
「ふはははははっ…揃った。これで奴らに勝てる人材が揃ったぞ…仕返ししてやる…」
「石井様が上機嫌で良かった〜。ヨータ、この上機嫌の時は存分に安心していいぞ」
「…え?あ、あぁ」
石井が大きく笑った後に何か言っていたが大吉が俺に向かって話しかけてきて会話が被ってしまったものだから大吉の話しか耳に入ってこなかった。