BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- ここの生活
- 日時: 2016/08/16 13:37
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
適当に自己満に近いオリジナルBL小説載せたいと思います。
気が向いた時に閲覧していってください。
- Re: ここの生活 ( No.19 )
- 日時: 2016/08/28 07:05
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
俺はまた、先程の脱獄の話が頭を過ぎる。眉を八の字にして少し俯くと止めのように3人は俺に言ってきた。
「少し前に同じ奴が居たから知ってる話なんだけどな…そいつも、一度ここへ戻ってきてその話を俺達にした後、逆に奴らを利用してやるって意気込んで外に出たまま戻ってこなかった。きっとアイツらにやられんだ……」
「俺達はお前の味方だよ。新入り」
「同じ白服だし、もう仲間だ。だから…俺達はお前が同じように居なくなるのが嫌なんだよ!な!脱獄はアイツらだけで実行させて話は断った方がいいよ!」
「……でも」
「脱獄までの時間を短く設定したのもきっとお前が肯定を出すだろうって思っての計画だよ!アイツらはいつも短期間で脱獄設定をする」
「あの鎖は……?」
「鎖は外と風呂、面会の時だけ監守に外されるんだよ。俺達のことが信じられないなら明日、外へ出てアイツらを見たり、アイツらの罪について聞いてみるといいさ」
白服の3人は周りを見ながら俺の質問には全て応えた。俺はどっちにつけばいいのかわからなくなっていた。迷って考えて、暫く黙っていると風呂から出てきたらしいリキの声がかかった。
「おい、お前ら、なぁに話してんだァ?」
その声に白服3人は肩を上げて声を聞こえた方を見ると慌てて立ち上がり「すみませんでしたー!」と腰から上を下げて謝り去って行った。リキは右肩を左手で抑えながら「何だ?あいつら」と眉を寄せて首を傾げた。
俺は少し一人にしてほしくなり顔を背けて部屋の奥へと歩いた。
- Re: ここの生活 ( No.20 )
- 日時: 2016/08/30 06:28
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
俺にリキが話しかけてくるのが微かに耳に聞こえていたーいや、ハッキリ聞こえていたのかもしれないーが聞こえないふりをして、ベッドに潜り込むと、薄いシーツが布団代わりで、それを頭まで被った。
それからの記憶はない。
目が覚めたら俺の部屋ー所謂牢屋の外が少し騒がしかった。シャッターが降りてて見えなかった。二度寝しようと、顔を枕に埋めるとスピーカーのような大きさで放送が流れる。
“NO.4、起きろ、起床時間はとっくに過ぎているぞ!今日の面会希望はなしだ!部屋に篭るか外へ出るか選べ”
「……外に出る」
煩い声に気分を悪くしながら上体を起こすと投げかけらた言葉に少し考えて昨夜の白服の彼らの話が正しいのか調べることにした。
小さく言った言葉は聞こえたようで、ブツッとマイクが切られると暫くしてシャッターが上がり監守が鍵を開けに来た。
その時見えた向かい側の部屋には誰も居なかった。
監守に連れられ重そうな音がして開いた鉄のとひらの先に多くの囚人が行き交っていた。話し合い、運動して、取っ組み合いをしていた。
- Re: ここの生活 ( No.21 )
- 日時: 2016/08/31 09:41
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
ここでは皆、首枷以外は全て外されていた。勿論鎖も付いていない。長袖の服を着ていても肌に刺青を入れている者や、身体の色んな箇所にピアスを付けている物、髪の色や形が変わっている者までいるのが見てすぐわかる。圧の強そうな、外国映画で出てきそうな見かけが怖い人達がたくさんいるものだから、外へ出て早々檻の中へ戻りなくなった。
リキ達の姿を探すと、リキは日の当たる外側のフェンスに腕を組んで背を預け、隣にいる青いバンダナを頭に巻いた青服青スボンの男と少し楽しそうに笑いあって話しているようだ。
ハヤトを探すと、赤服は意外と囚人に多く、目を凝らすが、探しにくいと断定している時、深緑色の服を着ている者を見つけた。
ハヤトより先にヤグモを視界に捉えると、ヤグモのすぐ近くにハヤトも居た。
ふと、もう一度その場にいる囚人を一通り見渡すとある事に気づく。
それは、深緑色の服装をしているのがヤグモしか居ないということだ。まだ、檻の中へいる囚人に同じような人物がいるんだろうか、と思う事にして、頭の片隅に置いて今は考えない様にしようと頭を整理する。
2人は建物の影で気配を消しているように探そうとしなければ見つからなさそうな様子でいる。
建物の壁に背を預けて両手をズボンのポケットに入れているヤグモは空を見上げていたり、時折喧嘩気味な囚人のやり取りを遠目で見ている。
隣に同じく建物の壁に背中を預けて、しゃがみ込んで曲げた両膝に両肘を乗せて争っている囚人を見てニヤリと笑みを浮かべているハヤト。
そんな3人の様子を伺うようにして俺が遠巻きに見ていると後ろから声をかけられた。
- Re: ここの生活 ( No.22 )
- 日時: 2016/09/05 09:27
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
振り向くと、昨日話をしてきた白服の3人の男達の中の1人、鼻にピアスをしている男が立っていて、少し話があるからと場所を移動した。薄暗い別の建物との間に隠れて3人、いや、4人?の様子を見ながら俺と話す。
「俺達はあいつらに気に入られたわけじゃねぇから話し合うことは出来ない。けど、お前ならきっと普通に接してくれるだろうから、頑張れよ!あの赤服黒髪の隼人って奴には要注意だ。アイツの機嫌は損ねるな?」
「解った。他には無いか?リキとか」
「あぁ、あいつはノリに乗るやつだからな。今日は隣に神山がいるから…」
「かみやま?ってあの青服のか?」
「ああ、そうだ。あいつは喧嘩っ早いから近づかない方がいい。知らない奴が自分に近づいて来れば喧嘩を売ってきたと思うらしい」
「……厄介だな。ヤグモは?」
「あいつが多分一番平穏に物事を運べる。滅多なことでは怒らなくて、静かだから、いきなり殴られることも無いだろう。俺から言えることはそれだけだ。服の色は自分の耳で聞いておいた方が身の為だ」
行けと言われて男に背中を押され建物の陰から出されると、躊躇う気持ちを切り替えのため一呼吸して、まずはリキの所へ向かった。
- Re: ここの生活 ( No.23 )
- 日時: 2016/09/13 22:47
- 名前: 朝倉 (ID: jFu2moab)
鼻にピアスをしていた男が言うには、今日は最悪の組み合わせらしい。
基本的陽気なリキは喧嘩っ早い神山という青年といる。
そして、基本的穏やかなヤグモは要注意人物と言われる隼人といるわけだ。
それならば、要注意人物からは避けて、まずは喧嘩をしないように神山と呼ばれる青年の信用を奪えばいい話だと俺は単純に思った。
リキの前へ向かい合うように立つと、リキは笑顔で挨拶を交わす。
「おぉ、真二ぃ、どうしたぁ?」
「ええ?なに、なに?誰?」
「真二だ、昨日?いや、一昨日?入った新人」
「へぇ〜、お前強い?」
早速入り込んできた青年は、俺に興味を示している様子で、俺とリキは会話をさせてもらえない。その隙がない。リキが俺の紹介を青年にすると、神山と呼ばれる青年は俺と目を合わせて、口元に笑を作って問うてきた。その目は好戦的な色をしていた。
「いや、俺は凄く弱い、です……」
「おいおい、神山ぁ、真二は隼人にビビって腰抜かす程だぞぉ?」
「なんだ、そんなに弱いの?だったら相手する気ないわ」
弱くないと俺が伝えると割り込んできたリキの公言を優先した青年は一気に好戦的な瞳を逸らして、今は無気力で脱力感を感じさせる雰囲気でつまらなそうに腕を空へと伸ばした。
「……リキ、服の色の事と、脱獄についてなんだけど」
「あ!そういえば!真二も一緒に来るんだろ?」
「……え…?」
俺がリキへと質問をしている途中で、また割り込んできた来たのは青服の神山と呼ばれる青年で、彼の言葉はまるで、俺が一緒に脱獄することが決定しているかのような話ぶりで、疑問と否定の意味を含めて声が出る。
何故か目を輝かせてこちらを見つめてくる目の前の相手に恐怖心が湧き、つい後ずさってしまい、まだ考え中だからと逃げる様に背を向けてヤグモ達のところへ走った。