BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- ここの生活
- 日時: 2016/08/16 13:37
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
適当に自己満に近いオリジナルBL小説載せたいと思います。
気が向いた時に閲覧していってください。
- Re: ここの生活 ( No.4 )
- 日時: 2016/08/16 14:59
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
「大方、書かれている数字は4だろ?真二ぃ、ここの生活はそんな苦でもねぇぞ?」
俺はクッション性の枕に黒字で書かれていた数字を見ながら黙っていると男は満足気に言葉を紡ぐ。
「飯は食えるし、寝たい時に寝れる。時間とか人を気にしなくていいんだからなぁ」
「……ここには、お前しか居ないのか?」
俺が静かに問うと男はゲラゲラ笑った。
「ンなわけねぇだろ?たーくさんいるぜ?」
「何でお前しか喋らないんだ?」
「丁度席を外してンだろ、俺のことは名前で呼べよな?苛立ってしょうがねぇ」
「…席を外してるってどういうことだ?」
「外に居るんだよ、誰かと面会してる奴もいるだろォな」
俺はその言葉に声を張って聞く。
「外に出られるのか!?人と会えるのか?!」
「っけ、バーカ。この中での周りには高い柵の張られた監守のいる外だ。人と会えるって、ここの奴らにだって外に出りゃあ会えるし、透明の壁を挟んで決まった時間だけ話すだけだぞォ?つまんねぇよ、ンなの。」
ベッドの上で立ってしまったが、力を無くしてまた足から崩れ落ちた。
- Re: ここの生活 ( No.5 )
- 日時: 2016/08/16 15:19
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
自分が監獄へ入れられる理由も心当たりはないのに、こんな所にずっと居るなんて考えただけで気分が悪くなった。
それからリキは静かになった。
「俺はいつからここに……」
呟くと、話しかけられたと思ったのか、それまで何故か静かだったリキが応えた。
「真二は昨日来たはずだぜェ?俺は詳しくは知らねぇが、真二の隣のヤグモか向かい部屋のハヤトに聞けばわかんじゃねぇか?」
「……わかった。でもそいつらにはどうやって話せばいいんだ?」
「…ぶははっ!俺がやったようにしたり、適当に名前呼んだりすりゃあ返事するだろ」
「何で笑った、馬鹿にしてんのか?」
「あぁ、悪いな、真二はコミュ障かと思ってな。あ、そうだ、夕食が終わって消灯まではシャッターが開くからな、そん時でもいいんじゃねぇかぁ?」
リキに言われて不意に鉄格子の向こう側にある布の様な紙のようなそれ、シャッターを見つめる。
「俺ァもう寝るぞ。腹が減ったり時間が知りたきゃ、鉄格子の近くのマイクに声かけたり引き出し開けろ。誰か応える」
「あぁ、わかった。サンキュ」
- Re: ここの生活 ( No.6 )
- 日時: 2016/08/16 15:33
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
リキが静かになって、暫くしてから鉄格子の近くに行って、少し不安はありながらも引き出しを開けると、中は空だった。
空か……と呟くとマイクの方から声がした。
“腹が減ったのか、No.4”
「えっ?…あ、いや…い、今は何時だ?」
聞こえてきた声に驚いて、適当に思いついたのを慌てて聞いた。すると、聞かれたことだけに簡潔にマイクの向こう側の男は応える。
“今は15:30だ。他に聞きたいことは?”
「あっ…えっと、ゆ、夕食は何時頃ですかね?」
“夕食は17:30〜18:00までだ。”
「お風呂はー…」
“20:00〜0:00までだ。”
「就寝時間ってー…」
“消灯時間は23:00だ。”
丁寧に俺を言うと、何も返事はなく、乱暴に受話器を置くような音がしてマイクの音は消えた。
- Re: ここの生活 ( No.7 )
- 日時: 2016/08/16 22:17
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
それから昼寝をして、起きた時はまだシャッターが開いていなかった為、夕食時間が過ぎていないことを知った。
腹がなって、ベッドから乗り出し、マイクに近づき、声をかけようとすると丁度マイクから声がかかった。
“No.4、夕食の時間だ。飯は引き出しに入ってる”
それだけ告げられマイクは再び切られた。
引き出しを開けると、焼肉がたっぷり乗った丼が一つ入っていた。箸もしっかり置かれていた。
2度目の腹が鳴る。急いで、箸と丼を持って食べる。安そうな味ではあるが空腹の腹だからか、美味しかった。
食べ終わって荒い音を立てて空になった器と箸を引き出しへ戻して閉めるとマイクから声がした。
“食べ終わったか、ではシャッターを開ける。お前は昨日入ったばかりだから鉄格子は開けない。何か問題があれば声をかけろ”
それだけ述べられてマイクが切られると同時にシャッターが開いた。鉄格子の向こう側は灰色の床、向かい側にも鉄格子があって、その中には片膝を立ててその膝に腕を乗せて座っている男がいる。
向かい側の部屋は白だが、男が来ている服は真っ赤だった。男は黒髪で少し癖のありそうなチリジリした髪。そいつの体はこちらを向いて座っていて、俯いていた顔をゆっくり上げると俺を睨みつけた。
- Re: ここの生活 ( No.8 )
- 日時: 2016/08/16 22:55
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
その鋭い眼光に殺気を纏うオーラを感じてその場から立ち上がると相手から離れるように後ずさる。
彼はこちらを見ながら瞬き一つせず、片方の口角を上げて笑う。
「よぉ」
彼に声をかけられて、何か話さなければと思ったが、口から声が出てこない。彼に恐れを感じている。喉が震える。ヒューヒューと声が出るだけだ。口をパクパクさせて、後ろに転び尻餅をつくが、何故か彼から目を逸らせない。
目を逸らしたらこちら側の鉄格子を壊してまで俺を死に至らすことをしてくるだろうと思ったからだ。
「おい、ハヤト、ンなビビらせんな、新人だぞ?」
隣の壁の方からリキの声が聞こえてハッとすると、息を吹き返したように深呼吸して、声が出せるようになる。
向かい側の男もリキの声を聞いて俺から目を逸らせば、ため息をついて気だるげにその場に立ち上がる。
リキの言うハヤトという人物にリキが昼間に俺に教えてくれた人物なのだろうかと、もう一度その男を見る。