BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】
日時: 2016/09/02 13:34
名前: 我 (ID: DVcR0E4k)

朝倉の兄弟です。
長く続けるようにがんばろうと思います。


主な登場人物

カイジ
寂れた廃ビル街にひっそり暮らしている住人の1人。家をなくした者、身寄りのない者、名前が無い者が集まる。情報屋集団の幹部。金髪右分けの髪。童顔。悪戯好き。スリが上手い。背は平均より少し低い。

赤澤 健人
服の上からでもわかる筋肉。柔道黒帯で体格が良い。サングラスをかけていて、元ヤン。黒髪短髪に青いキャップを被っている。身長は高い方。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.23 )
日時: 2016/09/24 12:46
名前: 我 (ID: aQG7fWp7)

自分の携帯から彼等の長に連絡をするという手段もあるのだろうが、生憎、男は彼等の長の連絡先を知らない。だから青年の携帯を使おうと持ったのだ。青年の携帯になら連絡先に入っているはずだ。

服のポケットなら普通は横になった時に落ちるはずだが、ベッドの上には落ちていない。
ならばカーキ色の上着を着たまま眠ってしまった青年のそれのポケットに入っているかもしれないと、外側からポケットの位置を触るが携帯の硬さの物は触った感じでは、無かった。実際手を突っ込んだが無かった。
サンエルパンツのズボンのポケットも探るが携帯らしき物は無い。
脱力しかけた時、青年の上着に内ポケットがあるのが見えて、もう一度先程の跨るような体制になると、まだ眠っている様子の青年が起きぬようにそっと手を忍び込ませた瞬間、腹に鋭い衝撃が襲い、うっ、と呻き声を上げようとすると、次は顎に何かが当たり、目を霞ませる。
何事だと目をしっかり開けると目の前には天井が見えて、男はベッドに仰向けになっていた。
状況を把握する為上体を起こすとすぐそこに人影が見えて、顔を上げると、目の前にベッドの上で仁王立ちした青年が上着のポケットに両手を突っ込んで、男を見下ろしていた。

男は、そこでまだ痛みの残る腹と顎に衝撃を加えたのが目の前の青年であることに気づいた。
青年が起きてしまったのだ。いつから起きていたかは分からないが、青年にはたぬき寝入り出来るとは思えない。教わってなさそうだからだ。
それよりも、きっと腹と顎は、起きた青年に蹴られたんだろうと察して、冷たい視線を送ってくる青年に正直に話そうとその場に正座した。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.24 )
日時: 2016/10/05 23:17
名前: 我 (ID: W5vVCrjS)

「……誤解だ」

「何が?」

「お前の携帯を探してて…」

男は、自分でも言えば言うほど馬鹿なんじゃないかと思う程、変な方向にしか向かない答えが出て来てしまうことに焦る。どうしようかと、俯いていると青年がしゃがみ込み、男と目線を合わせるように下から顔を覗き込む。
思わず息を詰まらせてしまう男だがそんなこと構わず青年は、口を弧の字にさせて笑みを作ると首を傾げて真実を探るように追求する。

「なんで?」

「…お前の、とこのリーダーは厄介だからだ」

やはり誤解されても可笑しくない答えをしてしまう男は自分自身にゲンナリして青年から顔を逸らしてしまう。それまで笑みを作っていた青年から笑顔が消えて“無”というより“怒り”の篭った表情になると、立ち上がり男を見下ろし、一呼吸置くといつもの青年よりは低い声が言葉を現す。

「…どういう意味?」

彼ら情報屋集団、また他のペリシータウンの住人は彼らの長を深く慕い、敬愛のようなものをしている。その感情が恋愛に発展しているのかは疑わしいところだが、彼らは恋愛を知らない。だからこそ鈍感でもある。中には知っている者もいるが、長が知らないらしいから知っている者は少ないと理解している。
そんな彼らの長を傷つけよう者なら身体能力の高い情報屋集団は何をするか分からないということも男は知っていた。地を這って調べたものだ。

さてどうしようかと男は考える。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.25 )
日時: 2016/10/08 23:38
名前: 我 (ID: j1BtfBJW)

「…誤解されたら困る。お前らのリーダーは強い。カイジ、お前が向こうの街でお前の長に連絡せずにここへ来たなら、お前の長は怒って…俺は何をされるかたまったもんじゃない」

深呼吸した後、正直に話せることを話す。

「だったら、誘わなかった方が…良かったんじゃない?迷惑ならそう言えよ」

「迷惑じゃない!」

「邪魔なんだろ?俺がさ!そうハッキリ言えよ!」

「違う!迷惑でも邪魔でもない!俺はっ…!」

「なんだよ!」

「…俺は!お前と居たいんだ!」

夜中だと言うのも気にせず、電気もついていない月明かりだけの部屋で二人で大声で言い合う。
ベッドを殴った男は悔しげに、どこか苦しげに青年に向かって告白をした。
青年から返ってきた言葉は男の予想を裏切った。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.26 )
日時: 2016/10/15 23:25
名前: 我 (ID: OqGA1o6a)

呆れたため息が上から降ってくる。男が顔を上げられずにいると、青年は男に呆れたという口振りで下記を述べる。

「俺がさ、連絡無しにペリシータウン出て来るわけないじゃん?大体、アンタが誘うからきたっつーのに、何してくれちゃってんの?」

「は…?…え、は?」

男は青年に引かれて嫌われるか、又は蔑まれるかと思っていたが、返ってきた言葉はあまりにも軽く、また勘違いしてしまうには最適の言葉で。
動揺してしまう男は青年が考えていることは何か頭を抱え、必死になって考える。

「はあー…俺が居ないと安眠も出来なくて子供みたいになってるってことでしょ?」

「……はあ?」

「だから、ぬいぐるみが無いと眠れない子ども。抱き枕でも無いと眠れない子ども。と、一緒ってことでしょ?」

男の様子に二度目の呆れたため息を零した青年は、考えていたことを口にした。【ぬいぐるみが無いと眠れない子ども】を例えに、その“ぬいぐるみ”が男にとっては“自分”なのではないか、と青年は考えたのである。
まるでそう考えるのが当然といった様子で語る青年に男は暫し考えて漸く青年の考えに辿り着く。

男は青年の恋愛に向かっての鈍感さに、どうしてそう考えるのかと頭の中で本格的に頭を抱えたくなった。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.27 )
日時: 2016/10/25 09:39
名前: 我 (ID: z.RkMVmt)

「明日の昼頃には帰るって連絡してるから、別にアンタが気にすることはねーよ。さて、なにする?」

男に確認しておくように報告をすると、青年は腰に両手を当てて、今から何をしようか考える。
青年の質問に男は単純に聞いただけだ、深い意味は無いと思い込み、もう暫くすると空が明るくなってくる時間帯だろうと、時計を見て思う。
暗闇にも大分目が慣れたものだ。月明かりが差し込んでいて真っ暗というわけではないからこそ見えたということもあるかもしれない。

だが、こんだけ言い合った分、もう目は覚めてしまっている。二度寝は難しいだろう。
何をするかと聞かれると、何かしたくて目が覚めたわけでもない。男は自分にあった出来事を思い浮かんだものから言ってみた。

「この間、久々にスイカを食べたら旨かった…」

「ふ〜ん…それ自慢?」

他にもあった出来事を話してはみたが、全て青年には興味の無い話ばかりだったようで、つまらなそうに返事をした後、挑発的な言葉が返ってくるだけで、話が続かないことに悩んだ男は青年にはこの話しならいいんじゃないか?と、話を変えてみた。

「この付近で最近、情報屋と名乗る者が迷い込んで来たって噂が流れているぞ」

「ふ〜…ん?え?なにそれ。」

ベッドに腰掛けて隣同士で座っていたが、青年は男の話にパッと顔を上げて男を見ると目を輝かせている。男はその表情を見て、やっぱり情報屋には情報の噂や話が一番弾む話なのかもしれないな、と思い僅かに口元を緩ませながら話した。

「情報の売り買いやってて、身につけてる衣服も綺麗とは言えないからペリシータウンから出て来て迷子になってんじゃねーか?って」

「うーん…疑問に思うことはたくさんあるね。そいつの性別って分かる?」

「男、らしいぞ」

顎に手をつけ、眉間にシワを寄せ考え込む青年。いつもはおちゃらけて笑っている様子が浮かぶ男は青年の滅多に見られない表情に目を奪われる。

「おもしろい…なあ!そいつにさ、会わせてくれない?見るだけでもいいからさ!」

恐らく、交渉時に使うであろう営業スマイルをやってみせた青年に、男は青年と居れるなら、肯定以外の言葉は見当たらず、一つ頷き家を出る支度を始めた。


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