複雑・ファジー小説
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- 妖怪を払えない道士【第二十四夜前編完成】
- 日時: 2011/08/30 20:14
- 名前: 王翔 (ID: 4djK7y3u)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id=885
↑
イラスト【隠れつつ様子を伺う千羅】
…………。
何だこれ(´・ω・)
◇◆他、執筆中◆◇
シリアス welcome to heaven 天国へようこそ
コメディ 絶対神道ギリシアちゃん
表紙絵 >>114
はい、王翔です。
妖怪退治の小説なのに、主人公は妖怪を払えません。
感想・コメント募集(・ω・♪)
注意 妖怪退治なのに主人公が銃を使ってたりします。寄せ鍋のように入るはずないものも入ってます。
妖ものなのに、勇者やエクソシストも出ます。
◆◇お客様◇◆【21名】
誰か様 (忘れ者を届けにを執筆中の方です)
水瀬うらら様 (Quiet Down!!を執筆中の方です)
ちぇりお様 (ビューティフルデイズを執筆中の方です)
マイルー様 (人間と悪魔を執筆中の方です)
@美凪様 (日常と非日常。を執筆中の方です)
ベクトル様 (スピリッツを執筆中の方です)
美空様 (メモリーを執筆中の方です)
きなこ様 (シチを執筆中の方です)
モリエン様 (City of Destiny 仮を執筆中の方です)
チビ様 (悪魔と天使のポジティブ勝負!を執筆中の方です)
コーダ様 (獣妖記伝録を執筆中の方です)
夏空様 (キサキ〜空の世界〜を執筆中の方です)
夜兎____ ≠様 (微能力者が行く!を執筆中の方です)
なーこ☆様 (幼き記憶の少女。を執筆している方です)
小説s様 (俺様の命令。を執筆中の方です)
水月様 (光の堕天使を執筆中の方です)
いちご牛乳。様(──月夜の桜吹雪を執筆中の方です)
アゲハ様 (黒蝶〜月夜に蝶は飛ぶ〜を執筆している方です)
長月様 (神王サマは15歳!を執筆している方です)
狒牙様 (IFを執筆している方です)
咲世革 未麗様(夢実物語を執筆中の方です)
爆様 (ジャック・ザ・リッパー_薔薇を好む悪魔_を執筆中の方です)
★画集☆
千羅キャラ絵(新) >>105
千羅、闇鴉 イラスト>>12
沙残イラスト >>50
古我イラスト >>73
◆人物◆
千羅(せんら) 闇鴉(やみがらす)(夜月/よづき) 日鞠(ひまり) 九蝋(くろう) 天羅(てんら) リオ(りお) 古我(こが) 沙残(さざん)
風白鳥(かぜはくちょう) 龍然(りゅうぜん)
雪娘(ゆきむすめ)雪麗(せきれい)アメ小僧(あめこぞう)
頂き物(>ω<)
七星 空★さん作のイラスト >>34
白雪さん作のイラスト >>150
参照700突破 「嬉しいのじゃ」
○目次○
プロローグ >>1 第一夜 >>2 第二夜 >>3 第三夜 >>4 第四夜 >>5 第五夜 >>8 第六夜 >>11
第七夜 >>17 第八夜(押絵付き) >>18 第九話 >>19 第十夜 >>22 第十一夜 >>25 第十二夜 >>26 第十三夜 >>32 第十四夜 >>35 第十五夜 >>36 第十五・五夜 >>42 第十六夜 前 >>44 後 >>46 第十七夜 序章 >>47 前編 >>54 後編 >>59 第十八夜 序章 >>62 前編 >>65 後編
>>66 第十九夜 序章 >>67 前編 >>72 後編
>>79 第二十夜 前編 >>85 中編 >>88 後編 >>96 第二十一夜 序章 >>98 前編 >>99 後編1 >>102 2 >>106 第二十二章 序章 >>109 前編 >>113 後編 >>124 第二十三夜 序章 >>127 前編 >>135 後半 >>143 第二十四夜 序章 >>149 前編 >>156
- Re: 妖怪を払えない道士【第十八夜前編完成】 ( No.66 )
- 日時: 2011/07/28 13:12
- 名前: 王翔 (ID: D3/A/8Hc)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id
第十八夜 後編
「久しぶり、ですね。千羅」
兄上は、にっこりと笑った。その手には、金と銀の札が握られていた。
私は、頭が真っ白になった。
「兄上……まさか…………」
「そやつだ。ワシに呪いをかけたのは」
森神が兄上を指差して、真剣な表情で言った。恐らく、嘘ではなく本当のことなのだろう。
沈黙が訪れる。
風が吹き、山頂の木々の葉が揺れ、さわさわと音が響く。
「兄上……どうして、こんなことを……」
兄上は、優しい表情でこう言った。
「平等じゃないからです。多くの妖怪が退治されるなか、おとなしくしてる妖怪だけ、それを免れるなんて……平等じゃない」
「兄上……それは、おかしい……」
私は恐る恐る反論した。
それならば、罪を犯した人間だけが裁かれるのはおかしい、平等じゃないと言うのと同じようなものだ。
人の命を奪った殺人犯が死刑になるとして、人を殺してない人までも死刑にするような…………そこは、平等にするべきものでは
ない。
「千羅、妖怪のなかには人を襲いたくなくても、本能で襲ってしまうものもいます。それとは、逆に制御をできて退治されることを
免れるものはズルイと思いませんか?」
不思議な、思わず納得してしまいそうな力がある。兄上の話術には。
だが、納得するわけにはいかない。
次に言う言葉を考えていると、兄上が金の札を闇鴉と山神に向けて放った。
「……!!」
金の光が強く輝き、闇鴉と山神は一瞬で倒れた。
「なっ……」
「今は眠っているだけです。どうせ死ぬなら、眠ったままの方が楽でしょう」
「!!」
一瞬で眠らせてしまうとは……やっぱり、強い。
闇鴉と山神はそれなりに上級の妖怪だ。それを、いとも簡単に………
それよりも、止めなければ。
「ダメだ、兄上。罪もない妖怪を殺しては…………」
「千羅、妖怪の味方をするんですか?これは警告です、そんなことは、すぐにやめなさい」
兄上は鋭い眼光で言う。
思わず息をのんだ。
兄上は、金の札を闇鴉と森神に向け、呪文を唱える。
「空よ 我に力を 妖に 制裁を」
そして、金の札が宙に投げられる─────
「まっ……」
私は、兄上と闇鴉達の間に割って入った。
目の前に、火花が見え、身体に衝撃が走った。
「うっ……!」
そのまま倒れた。
相当の威力で、妖怪なら死んでしまうだろうが、道士は道士の技に対して耐性をつけているから死ぬのは免れた。
仲間のミスで技を喰らうことを想定して、訓練をさせられていたのだが、初めて役に立った。
と言っても、やはり強力な技に変わりはなく、とんでもないダメージを受けていた。
耐性があるおかげで死ななかったが、このままでは痛みに耐え切れずに死んでしまうのでは、と思うほどだ。
「千羅……なぜですか?」
兄上は、悲しそうな表情をしていた。
「罪のない……妖怪を、殺しては……いけない………」
声を発するのも、やっとだ。
「妖怪の味方などしていては、道士として使いものになりません。せめて……一思いに殺してあげますよ」
「……っ!!」
なぜ?
なぜ、こんなことに………
兄上が、私を殺すのか…………あんなに、尊敬していたのに……そんな相手に、私は…………
兄上が、金の札を持ち、呪文を唱える。
金の光が顕現する。
「兄上……」
ダメだ、もう死ぬ。
そう思い、目を閉じた。
キイン!
闇鴉が、間に割って入り、黒い結界を顕現させていた。
結界は、金の光を打ち消す。
「眠っていたのでは、ないんですか?」
兄上の問いかけに、闇鴉は笑って答える。
「寝てなかったよ。僕には、効かないからね〜。二人で話させてあげた方がいいかなって眠ってるフリしてたんだけど、流石に
まずいと思ってね〜」
「なるほど……」
「それにしても、ひどいお兄さんだね〜、妹を殺そうとするなんて」
「…………」
兄上は、黙って姿を消した。
★
目を覚ますと、見えたのは白い天井だった。
そして、周囲を見回すとピンクの椅子に白い机……道術の本で埋め尽くされている本棚─────私の部屋か。
ゆっくりと出来事を思い出す。
…………もっと、強くならなければ……強くなって兄上を止めなければ……
「おはよーなの、千羅。目が覚めて良かったのー」
突然、アメ小僧が覗き込んできた。
「気分はどうなのー?もう大丈夫なのー?」
心配そうに聞いてくる。
「大丈夫だ」
とりあえず、起き上がった。
「千羅ちゃん、おはよー」
「千羅殿、目が覚めたか」
にこにこしてる闇鴉と森神。
「ねーねー」
「何だ」
「千羅ちゃん、僕の名前読んでくれるんじゃなかったの?そう言えば、一度も呼ばれてないなーと」
「あ」
すっかり忘れていた。
ああ言っておいて、忘れてたなんて………
「あー…えーと、お前の名前、何だった?」
「千羅ちゃん、ケンカ売ってるのかな〜?」
「いや……悪い」
「千羅殿、我に名をつけてくだされ」
「待て」
「僕も名前ほしいのー」
「待て、そんなに一気に言われても……」
私は、頭を抱えた。
「あ、僕、散歩行きたいな〜」
「アメほしいのー」
「お茶が飲みたい」
それぞれ、私の様子など構わずに言う。
もう逃げたい。
これだから、妖怪は……
姉上、早く帰って来ないだろうか。
早く帰って来て、この鬱陶しい妖怪共の世話をしてくれ。
そう願った。
- Re: 妖怪を払えない道士【第十九夜開始】 ( No.67 )
- 日時: 2011/07/28 19:18
- 名前: 王翔 (ID: HOcby127)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id
第十九夜 序章
とある山奥の一軒家に、二人の男女がいた。
金髪の少年と触ると気持ちよさそうな猫の耳と尻尾がある少女だった。
二人は、一つのちゃぶ台を囲み、向かい合わせに座っていた。
「調子はどうですか、莉子(りこ)」
「うむ、今日も絶好調じゃよ」
猫少女は、可愛らしい外見に似合わないジジくさい喋り方をしながら無邪気に笑う。
「いやなことはない?」
「大丈夫なのじゃ、帝羅がよく来てくれるからの!」
「そうなんですか」
帝羅、と呼ばれた少年は安堵したような表情になる。
莉子はにこにこ嬉しそうに笑う。
チリンチリン……
彼女が喜ぶと同時に尻尾が揺れ、尻尾にリボンで結びつけられている鈴の音が響く。
「帝羅……そなたは、なぜ私のことが好きなんじゃ?私は、妖怪だと言うのに────」
莉子は、少し暗い表情で俯いた。
帝羅は莉子の手を握り、笑いかけた。
「人間だとか妖怪だとか、関係ないんです。僕は、莉子が妖怪でも人間でも、好きです。莉子は、僕が妖怪だったら好きには
なれませんか?」
「い、いや、そんなことはないのじゃ!」
莉子は、顔を赤らめる。
「私も、帝羅のことが大好きなのじゃ」
「そうですか」
帝羅は、莉子の頭を撫でる。
そうしていると、莉子が嬉しそうに尻尾を振る。
「……この頃、制御が効きにくいのじゃ」
莉子は、暗い面持ちで語る。
「いつも、山の荒らして……しまう。本当は、したくないと言うのに…………」
その時、外から声が聞こえた。
「出て来い、猫荒らし!」
「!」
「来たようじゃの。私もそろそろ潮時じゃな」
莉子は、名残惜しそうに立ち上がった。
「莉子……僕と逃げましょう。僕が、あなたを守ります」
「ダメじゃよ。私は、そなたを危険な目には合わせたくないのじゃ」
「莉子!!」
莉子は、すばやく出て行ってしまう。
「莉子……」
恐らくは、道士だろう。
莉子は、あまり強い妖怪ではないから、逃げ切ることは難しいだろう。
「何で……莉子は、制御できないだけなのに……」
帝羅は、目から涙を流しながら呟いた────
「平等じゃない───────」
その手には、金と銀の札が握られていた──────
- Re: 妖怪を払えない道士【第十九夜開始】 ( No.68 )
- 日時: 2011/07/28 22:05
- 名前: 王翔 (ID: wQzgmA98)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id
妖怪図鑑
雪娘(ゆきむすめ)
半径30キロ以内全体にとんでもない
吹雪が起きる。
山神(やまがみ)
山の守り神。
能力の詳細は不明。
猫荒らし(ねこあらし)
山を荒らしてしまう妖怪。
そういう衝動が生まれるらしい。
- Re: 妖怪を払えない道士【第十九夜開始】 ( No.69 )
- 日時: 2011/07/28 22:16
- 名前: チビ (ID: MGsyo9KU)
チビです♪
拝見+お礼に来ました。
<拝見>妖怪ものですかーーーーー!こういうものも好きですーーーーーーー!!!!!
<お礼>私の駄作を読んでくださり、本当に有難う御座います!!!!
もう、本当に経験豊富そうで、文才のある方に(泣)
- Re: 妖怪を払えない道士【第十九夜開始】 ( No.70 )
- 日時: 2011/07/29 03:10
- 名前: コーダ (ID: n/BgqmGu)
どうも〜!こんな時間に失礼します!私、コーダと申します!
全て読ませていただきました!とても面白い世界観ですね。妖怪物と思ったら、勇者とかエクソシスト、銃……1本取られました。
そして、文章表現も上手くて、スラスラ読めました。ちょっと、勉強になる所もあって、私の脳内に色々と保存しました。
更新も速いですね……ちょっと、私も負けていられませんね!
とりあえず、千羅の周りが楽しそうで羨ましいです。そして、千羅が非常に私の好みの娘……(笑)
それでは、これからも執筆頑張ってください!応援しております!
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